RIZINマッチメイク担当のチャーリーが対戦カードの見所を紹介!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
※見所解説は随時更新いたします。
試合順
第17試合 /フライ級タイトルマッチ 堀口恭司 vs. 神龍誠
見所解説
超RIZIN.2でアイポークによる無効試合からの仕切り直し。今度はRIZINフライ級のベルトをかけてリングで戦う。元2団体王者経験者の堀口は総合力が高く打撃と組みのどちらでも試合を終わらせる武器を持ち、その武器を使うまでの過程も全てこなせるコンプリートファイター。対する神龍も日米の団体でベルトを二つを所持する期待の23歳だ。レスリングベースを持ちフィジカルの強さ、身体能力の高さとバランスの良さに定評がある。怖いもの知らずの性格と身体能力の高さに期待はかかるが今回の相手は一筋縄ではいかない。ほとんどの能力値で上回られている歴戦の猛者に合わせた戦い方をした場合、勝率は下がるため神龍は意外性で勝負がしたい。
勝負の鍵となるのはフィジカルとレスリング力。なんでもできる堀口に対して神龍は自分の得意な所で勝負がしたい。組みの展開からのフィジカル勝負、レスリングの展開からスクランブルで勝機を見出す事ができるのか。RIZIN9回目の大晦日で日本格闘技界の世代交代は起きるのか。
第16試合/バンタム級タイトルマッチ フアン・アーチュレッタ vs. 朝倉海
バンタム級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
フアン・アーチュレッタ vs. 朝倉海
フィジカル|スタミナ|総合力|プレッシャー
当て勘 | ボクシング力 | 試合運び | 圧力
見所解説
RIZINバンタム級タイトルマッチ。現王者・アーチュレッタが元王者・朝倉を迎え撃つ一戦。アーチュレッタは高度なレスリング力と無尽蔵のスタミナを持ち合わせたグラップラー。朝倉はパンチの強さとボクシング力を活かしたストライカー。約6割のKO勝率を誇る朝倉に対し、約6割の判定勝率を持つアーチュレッタ。試合が長引けば長引くほど時間をかけて深海に引き摺り込む戦略を得意とする王者有利な展開が予想され、朝倉はコンディションが万全のうちに勝負を決めたい。
勝負の鍵は「圧」。両者とも前進の圧により相手の行動を予測し次の動きに繋げる特徴を持つ。アーチュレッタはタックルに繋げるための圧、朝倉は打撃に繋げるための圧。圧力に負けた方が相手にイニシアティブを与える形になり、互いにそこは避けたい。王者のタックルの引き出し vs. 挑戦者の距離設定。ゴング直後から主導権争いは始まる。試合の流れや展開が非常に分かりやすく動きの多い名勝負に期待したい。
第15試合/クレベル・コイケ vs. 斎藤裕
見所解説
混沌のフェザー級で時代を築いた元王者同士によるマッチメイク。斎藤はRIZIN参戦2戦目で王座を獲得してから、そしてクレベルは6戦目で王座を奪取してから徐々に歯車が狂い始め、混沌の物語に巻き込まれていく事となる。両者共にベルトを腰に巻いたものの定着せず、フェザー級のベルトは新たな主の腰を転々と移動している。その流れの中で組まれたこの一戦は両者にとって進退をかけた大切な試合になる。クレベルは言わずと知れた柔術の使い手だがその攻略法が周知された今、どのような対策を練り、どのような作戦でこの試合に臨むのか。斎藤は“打・投・極”すべてバランスよくこなせるスタイルでどのような状況でも対応できる安定感を持ち、カットによるストップ以外フィニッシュされた事は無い。
経験豊富な両者によるこの勝負の鍵は、斎藤とクレベルの戦略の相性になる。斎藤は世に公開されたクレベル攻略法を使うのか、それとも新しい攻略法を見せてくれるのか。クレベルは攻略されたスタイルをパワーアップしてくるのか、まだ見せた事のないスタイルを見せてくれるのか。地獄のシナリオライターによるRIZINフェザー級物語 第5章はどんな展開を迎えるのか非常に興味深い。
第14試合/平本蓮 vs. YA-MAN
見所解説
キックボクシングから総合格闘技に転向したもの同士の一戦。華のある両者による注目の一戦だ。キックボクシングルールでも楽しみな対決だが、今回は総合ルール、寝技での攻防が鍵になってくる。グラウンドの洗礼をすでに受けている平本がどのようにしてYA-MANに総合格闘技の厳しさを見せるのか、それともYA-MANが驚きの対応力を見せるのか。いずれにしろ寝技は練習しないと身につかない、逆に練習をすればするほど知識が増えて上達する。
試合前からリング外…SNS上でプロとしてのパフォーマンスを見せてくれている両者だが、リング上でグラウンドの展開になった時に両者が総合格闘家としてどのような時間を過ごしてきたのかが垣間見える事だろう。内容、結果がどうであれ、プロ格闘家として総合格闘家として、華と未来のある両者の成長を見届けたい。
第13試合/伊澤星花 vs. 山本美憂
見所解説
現役スーパーアトム級王者・伊澤がRIZIN女子格闘技を牽引してきた山本の引退試合の相手となったマッチアップ。柔道からMMAに転向した伊澤は常にフィニッシュを狙いにいくアグレッシブなグラップラーなのに対し、山本はレスリングのバックボーンを駆使してテイクダウンなどのコントロールとパウンドで自分のリズムを掴んでいくスタイル。
動く伊澤と止める山本。精巧な腕時計のようにフィニッシュへと向かう伊澤の動きに山本はどのようについて行き、どのように攻撃に転ずるのか。先手を取ることが非常に大切な一戦。
第12試合/スダリオ剛 vs. 上田幹雄
見所解説
RIZINヘビー級、注目の一戦。共に2連勝と勢いにのる両者。スダリオは大相撲のベースがあり組んでからの身体の使い方が上手い。上田は空手世界王者の肩書き通り異次元の打撃を自由自在に操るストライカー。
両者共にMMAに転向してからまだ日が浅く、この試合では互いに経験した事のない戦いを経験する要素がある。上田は寝技による消耗戦、スダリオは世界レベルの空手の打撃。上田に至っては公式戦では合計159秒しかMMAの経験が無いので寝技で体力を削られた後に同じ質の打撃が出せるのかが注目だ。スダリオは打撃のスペシャリスト相手に再び打撃戦を挑むのか空手家にMMAの奥深さに誘うのか。
第11試合/扇久保博正 vs. ジョン・ドッドソン
見所解説
フライ級グラップラー vs. ストライカーの構図となる一戦。扇久保は17年で35戦しているグラップラー、ドッドソンは19年で37戦しているストライカー。両者共に経験豊富なベテランという共通点のほかにもTUFの過酷なスケジュールを勝ち抜いて決勝まで辿り着き、フライ級という階級が世界的に定着する以前から戦ってきている。異なる地で強者のみを求めて歩んできたもの同士が大晦日で激突する。ドッドソンは扇久保が過去に苦手としてきた爆発力とラッシュ力のあるスタイルに特化しており、扇久保がここを攻略できるかできないかで試合の流れが決まる。
ドッドソンは圧倒的圧力、反応とフィジカルでタックルを許さない鉄壁のディフェンスを誇る上に、超攻撃的。この難攻不落な相手に対してどのようなアプローチで攻略を試みるのか。「ドッドソン突進→扇久保がレベルチェンジからタックル→ドッドソン対応→???→リセット」というループが一般的に予想されるが、勝負の鍵は「???」の部分になる。茨の道を戦い抜いてきた強者どもの生き様を見よ。
第10試合/元谷友貴 vs. ヴィンス・モラレス
第9試合/太田忍 vs. 芦澤竜誠
見所解説
世界トップレベルのレスリング力を持つ太田とキックボクサーの芦澤。MMAファイターとして驚異的な潜在能力を持ちすでにプロで7試合を行っている太田に対して、MMAデビューの元キックボクサー芦澤。アメリカのアスレチックコミッションだったら許可しないようなマッチメイク。
書面上では結果は火を見るより明らかだが、それでも何が起こるのか分からないのが格闘技。格闘技ファンは今年だけでも何度か目の当たりにしてきた。芦澤は皇治戦で見せた周到な作戦企画力と遂行力に秀でており、相手を自分の作戦に落とし込む術に長けている。何か起きる/起こすとしたらコンタクトの瞬間、攻防の際になる。この試合の見どころはその一点に凝縮されている。
第8試合/三浦孝太 vs. 皇治
見所解説
格闘技界イケメン対決。キックボクサーのMMA門番・三浦孝太が今回キャリアを通して一度もフィニッシュされた事のない皇治を篩(ふるい)にかける。格闘技に身を置く時間こそ皇治の方が長いが、MMAは地道な練習量が結果につながる。
三浦はキックボクサー相手に打撃勝負の選択をするとは考え辛い。したがって皇治のテイクダウンディフェンス力とグラウンド対応力が試される。皇治からすれば必ずくるであろうテイクダウンの試みをどう対処するのか。MMAの女神に選ばれるのはどちらのイケメンか。
第7試合/イゴール・タナベ vs. 安西信昌
見所解説
ブラジリアン柔術vs.ジャパニーズレスリングの構図。RIZINに出場してから無類の強さを見せているタナベに、世界を知り世界の競合と拳を交わしてきた安西が立ち塞がるウエルター級の一戦。タナベは初めての77kgという試合で減量がどのように影響するのか。安西は各団体で戦ってきた経験をどのように活かし作戦を遂行するのか、ベテランらしい老獪な戦い方に期待。
スター不在のRIZINウエルター級が動き出すきっかけになるか。
第6試合/新井丈 vs. ヒロヤ
見所解説
RIZINで激闘を繰り広げながらも勝ち星に恵まれないヒロヤが大晦日の舞台で現在11連勝中で現役修斗2階級王者・新井丈を迎え撃つこの一戦。ヒロヤはフィジカルの強さとグラップリング力でスクランブルを作り出すスタイル。新井は修斗王者らしく全ての能力の平均値が高く、特に撃ち合いやスクランブルの中で見せる精神力の強さには目を見張るものがある。
打撃における引き出しが多い分、打撃の攻防では新井が一枚上手だ。ヒロヤがどのようにして現役修斗2階級王者の牙城を崩していくのかが見どころになる。11連勝のうち8つのKOをもつ新井に対してグラップリングが生命線のヒロヤが組みにいく展開が予想される。同じ夜にフライ級タイトルマッチが組まれる中でタイトル戦線に絡むようなインパクトを残せるか。
第5試合/久保優太 vs. 安保瑠輝也
見所解説
キックボクシングからMMAに転向(?)した者同士による総合格闘技の一戦。グラウンドの知識や技術では久保に一日の長があるだろうが、元キックボクシング王者同士による対戦はグラウンドの展開になるのだろうか。その場合、総合の打撃vs.キックの打撃という構図が成立し、ルールの性質上打撃の交錯の「後」の動きが大切になってくる。
久保のMMAでの成長、安保の総合への初見対応力が見どころの一戦。
当初発表しておりました安保瑠輝也 vs. 木村“フィリップ”ミノルは、木村“フィリップ”ミノルのドーピング検査の結果が「陽性」だった為、中止となりました。
第4試合/弥益ドミネーター聡志 vs. 新居すぐる
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
弥益ドミネーター聡志 vs. 新居すぐる
総合力 | 変則的 | アグレッシブ | フィニッシュ力
レスリング力|フィジカル|圧力|パウンド
見所解説
DEEPとPANCRASEを拠点に活躍する選手達によるRIZINフェザー級の一戦。両者共に経験豊富でグラップリングにおいて真価を発揮するタイプ。寝技において状況に合わせて仕掛けられる技を変えていく技巧派な弥益に対して、新居は自分の得意技に執着してゴリ押しするパワータイプ。
目まぐるしく変わる展開の中で最適な動きを組み立てる弥益と、自分のゴールがはっきりと見えていて力ずくでそこに向かっていく新居。腕の取り合いに注目。
第3試合/篠塚辰樹 vs. 冨澤大智
第2試合/那須川龍心 vs. シン・ジョンミン
第1試合/YUSHI vs. 平本丈
見所解説
今年の大晦日はこの一戦から始まる。今の日本の格闘技の盛り上がりを象徴したようなマッチアップ。バラエティに富んだ2023年の大晦日、様々な角度で楽しむ要素が詰まった一戦。続く試合の火付け役になるような内容に期待したい。