RIZINマッチメイク担当のチャーリーが対戦カードの見所を紹介!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
※見所解説は随時更新いたします。
試合順
RIZINパート 対戦カード
第8試合/朝倉未来 vs. ヴガール・ケラモフ
見所解説
RIZINフェザー級タイトルマッチに格上げとなったこの一戦。朝倉は二人の元王者を判定で下し、ケラモフは2つの一本勝ちを引っ提げてのタイトルマッチとなる。朝倉は優れた分析力を用いて作戦を立てて実行する術に長けており、作戦を確実に遂行するための冷静さと勝負所を見極める嗅覚を持つ。対するケラモフは打撃の圧力で相手を後退させてから得意の組みの展開に持っていくスタイルを得意としている。
試合の展開は打撃で前に出て組みつきたいケラモフの打撃にカウンターを合わせる朝倉の構図になり、荒い打撃と直線的な出入りが多いケラモフに対してパンチや膝のカウンターを武器とする朝倉が中距離と近距離を制する形となる。ケラモフは超近距離戦に持ち込みグラップリングの展開に持ち込みたい。
勝負の鍵はフィジカルの差と試合経過時間。グラップリングのファーストコンタクト時の朝倉の対処が大きなポイントになる。序盤は鬼神の如き強さを誇るケラモフがその勢いのまま勝負を決めるのか、それとも後半朝倉がペースを掴み単調になったケラモフの攻撃にカウンターを合わせるのか。緊張感満載の試合に期待したい。波乱が続く混沌のフェザー級の頂点に君臨するのはどっちだ。
第7試合/フアン・アーチュレッタ vs. 扇久保博正
バンタム級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
フアン・アーチュレッタ vs. 扇久保博正
フィジカル|スタミナ|総合力|プレッシャー
グラップリング | バックチョーク | 試合運び | グラウンドコントロール
見所解説
朝倉海の負傷欠場を受けて急遽タイトルマッチが変更になる。スクランブル参戦を受けたのはRIZINバンタム級ジャパンGP優勝者の扇久保だ。間違いなく日本軽量級トップの立ち位置にいる扇久保がスタミナお化けのアーチュレッタに対してどの様な試合をするのか。
アーチュレッタは自身のレスリングに対して絶対的な自信を持っており、打撃のガードが甘い部分を補っている。ドロドロの消耗戦を25分戦い抜く事ができるアーチュレッタにとって、RIZINの15分は朗報である事は間違いない。扇久保は絶対的に不利な状況の中からどの様な展開に持っていくのか。準備期間の短い扇久保は消耗戦を避けたい為、バックボーンの空手と横のステップが生きてくる可能性がある。
勝利への鍵はアーチュレッタが自身のペースで戦うことができるかどうかになる。そのために扇久保陣営は与えられた状況の中から勝てる作戦を立てて実行するしかない。自身の持つ『打・投・極・根性』がアーチュレッタの案内する深海の世界でどの様に作動するのか、それとも深海にたどり着く前に勝負がつくのか。
フアン・アーチュレッタと対戦を予定していた朝倉海が練習中の怪我(左膝内側側副靭帯損傷)により全治6週間の診断を受けドクターストップとなったため欠場、対戦カードはフアン・アーチュレッタ vs. 扇久保博正に変更となりました。
第6試合/伊澤星花 vs. クレア・ロペス
見所解説
女子スーパーアトム級タイトルマッチ。国際戦が続く無敗の王者・伊澤に挑戦するのは衝撃的なRIZINデビューを飾ったフランスからの刺客ロペスだ。ロペスは体操で鍛え上げた体幹とムエタイで培った精神力がMMAで融合されたケースのファイターと言える。身体の強さとしなやかさを利用して組みの状態から活路を見出すグラップラーよりのトータルファイターで、前戦ではスタミナの切れた最終ラウンドで一本を決めるという精神力の強さも見せた。対する王者の伊澤はグラウンドで絶対的な極めの強さを発揮するグラップラータイプだ。スタイルは違えどどんな状況からも一本を狙う両者の戦いは動きの多い見どころ満載の試合になる。
ロペスのフィジカルには伊澤の技で対応、伊澤のスピードにはロペスのパワー。勝負の鍵はペース配分とスクランブル。スタミナでは伊澤、パワーではロペスの構図となるこの一戦はロペスのスタミナが鍵を握り、ロペスは失速する前に勝負を決めにいきたい。その為には自身のスタミナを決着用か判定用に配分する必要があるが本人がどの様な選択をするのかが一つのポイントになる。スーパーアトム級タイトルは不動か、海を超えるのか。
第5試合/パトリシオ・ピットブル vs. 鈴木千裕
RIZIN MMAルール:5分 3R(70.0kg)
パトリシオ・ピットブル vs. 鈴木千裕
総合力|パワー|爆発力|経験|ファイトIQ
アグレッシブ|パンチ力|爆発力
見所解説
まさに「Only in Japan」という様なクレイジーな試合が決まった。世界フェザー級トップ選手で現Bellatorフェザー級王者のパトリシオ・ピットブルに、二足の草鞋を履く鈴木千裕が挑戦するというこの試合は関係者全員が「ファンのために何かしたい」という心意気から生まれたマッチアップだ。ピットブルは立って良し寝て良しのファイターで11のKOと12の一本勝ちを誇る非の打ちどころがないファイターだ。鈴木は現役キックボクシング王者という事もあり何事も恐れない心と全弾フルスイングするクレイジーアグレッシブなファイトスタイルを持つ。
世界トップレベルの常勝格闘家に常識的な戦い方を挑んでも敵わない。いかに予想の斜め上から鈴木が自身の持ち味を出せるのか。クレイジーダイアモンドの「クレイジーさ」が勝負の鍵を握る。当たれば倒れる打撃をいかに当てるかが鈴木がジャイアントキリングを成すために必要な必須条件だ。4人の漢の熱い気持ちによって実現したこの一戦、異常な状況から組まれた試合内容が普通で終わる訳がない。鈴木はハイリスク、ハイリターンのギャンブルにオールベットできるのか。
第4試合/トフィック・ムサエフ vs. アキラ
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
トフィック・ムサエフ vs. アキラ
試合決定率 | 総合力 | フィジカル | パウンド
フィジカル|スタミナ|打たれ強さ|パウンド
見所解説
RIZINライト級GP優勝者のムサエフがパンクラス現役王者のアキラを迎え撃つ。ムサエフは殺傷力の高い打撃、フィジカルと精神力の強さが目立つ超攻撃型ファイターなのに対し、アキラはフィジカルとスタミナで前に出続け相手を削って削って勝利をもぎ取るファイターだ。スマートな戦い方をするムサエフに対してアキラのスタイルは愚直で泥臭い。ムサエフは違う距離から多様な攻撃の引き出しがあるがアキラは武器が限られる。だからこそ与えられた武器で勝負をしにいくアキラの姿に心が打たれる。
勝負の展開としては距離をとってジャブとミドルで試合の流れを組み立てようとするムサエフに対して、アキラはロングフックを強振して距離を一気に詰めてからが勝負。ここでグラウンドになるかならないかという攻防を1セットとして、この攻防が繰り返される中でどの様な変化が起きていくのか。
勝負の鍵になるのはロープ側やコーナー側でのクリンチの攻防になる。アキラのテイクダウンが成功するかしないかで勝負の流れが大きく変わる。格闘技の女神はRIZIN凱旋試合となる両者のどちらに微笑むのか。
第3試合/瀧澤謙太 vs. 太田忍
見所解説
RIZINバンタム級のタイトルマッチの前にタイトル戦線に絡もうとする選手同士のマッチアップ。瀧澤はバンタム級トーナメントベスト4という実績を、太田は五輪のバックボーンと著しい成長を評価され組まれた一戦だ。
総合格闘家としてのキャリアはまだ若いものの、その経験差を埋める潜在能力の使い方を覚えてきた太田は、現在バンタム級で活動しているどの選手に対しても脅威となり得る可能性と唯一無二スタイルを持つ、いわゆるジョーカー。瀧澤はその唯一無二のスタイルをどのよう攻略するのか、その戦略次第で試合の展開は大きく変わる。
「掴まれたら終わり」という過去の経験を活かした瀧澤の戦略、そして掴まれた時にどの様な武器を用意しているのかが大きな鍵になる。切れ味鋭い刀を持つの瀧澤に対して太田は鈍器で対抗。体重以外にファイトスタイルに共通点が無い対照的なスタイルを持つマッチアップは視点を変えると様々な角度で楽しめる。ストライカーvsグラップラー、空手vsレスリング、テクニックvsパワー、ヤマネコvs土佐犬など、対戦のテーマを自由に決めてカスタム視点で楽しめる一戦だ。
第2試合/阿部大治 vs. イゴール・タナベ
見所解説
スタイルvsスタイルの異種格闘技的な構図が超RIZINで組まれた。RIZIN常連の阿部は柔道のバックボーンを持ちながらもボクシング技術とKOパワーに定評があるストライカーだ。対するタナベは知る人ぞ知る日本最強の柔術黒帯で総合格闘技に転校してからは無傷の2連勝で勢いに乗っている。
試合の展開は三つあり、一つ目は打撃で距離を取りたい阿部とグラウンドの展開にしたいタナベの駆け引きから始まる。阿部は得意のジャブで相手の接近を阻みリズムを握りたい。逆にタナベは阿部の打撃を掻い潜り触りにいきたい。二つ目は、クリンチの状態での攻防で倒したいタナベとそれを防ぐ阿部の腰の重さ、密着状態での技術が鍵となる。三つ目はグラウンドの状態になった時の攻防でタナベは極めたい、阿部は立ち上がりたい。
RIZINミドル級の行方を占う大事な一戦だ。柔術家が無双するRIZINのリングに新たに解き放たれる黒帯に対して阿部はどのような作戦をたててリングに立つのか注目だ。
第1試合/伊藤裕樹 vs. ヒロヤ
見所解説
超RIZINで組まれた注目度抜群の一戦。勝負の行方を占うのは「作戦力」と「意外性」。伊藤は総合的にバランスの取れたストライカー。中距離での打撃でリズムを掴み、テイクダウンディフェンスにも優れている。対するヒロヤはテイクダウンから活路を見出すグラップラーよりのファイターだ。
個々のスキル、相性と過去の対戦相手などを比べた時に、伊藤有利という見え方は妥当だろう。しかし事前の情報だけで勝敗が決まる訳ではないのが格闘技。立ち位置を利用した事前の心理戦、予想の斜め上からくる作戦や新しい武器、勝利への執念は事前予想を大きく覆す武器となる。ヒロヤの裏にはRIZIN屈指の参謀が控えており、そこの心理的アドバンテージがどのように活きてくるのか。伊藤は前回の敗戦から何を学び、何を強化してきたのか。
失う物がない若い両者が対峙する時、未来につながる勝敗以外のドラマが生まれる事は間違いない。
BELLATORパート 対戦カード
第5試合/パトリッキー・ピットブル vs. ホベルト・サトシ・ソウザ
BELLATORライト級グランプリ1回戦
ユニファイドルール:5分 5R ライト級
パトリッキー・ピットブル vs. ホベルト・サトシ・ソウザ
打撃パワー | 爆発力 | アグレッシブネス | 当て勘|経験
柔術 | サブミッション | グラウンドコントロール | 試合決定率
見所解説
AJマッキー負傷欠場により急遽決まったこの一戦。RIZINが誇るライト級王者のサトシは言わずと知れた柔術マジシャンで、いつどの様な状況からも一本が取れる寝技の技術を持つ。極端に準備期間が少ないとはいえ隙さえあれば一瞬で勝負を決めることができる技を持つサトシにも十分勝機がある。ピットブルは相手が変わっても「殴りにいく」スタイルは変わらない。打撃の勝負がしたいピットブルと寝技に持っていきたいサトシの試合は、スタンドの探り合いからメリハリのある動きが多い展開になる。
勝負の鍵となるのは柔術黒帯を持つピットブルの寝技での対応になる。ピットブルの柔術ディフェンスがサトシの柔術オフェンスより優れていた場合サトシは苦戦を強いる事になる。完全決着にこだわるピットブルの隙をどの様に生かし、試合を有利に進めていくのか。急遽訪れたBellator100万ドルトーナメント参戦の機会を、我らがチャンピオンは活かして世界に羽ばたくことができるのか?
パトリッキー・ピットブルと対戦を予定していたAJ・マッキーの欠場により、対戦カードはパトリッキー・ピットブル vs. ホベルト・サトシ・ソウザに変更となりました。
第4試合/堀口恭司 vs. 神龍誠
見所解説
Bellator初のフライ級タイトルマッチ。5分5ラウンドで史上最強のMade in Japan・堀口恭司に挑むは次世代のエース神龍誠だ。堀口は知る人ぞ知る日本が生み出した現役最強の格闘家で1階級上のバンタム級では前人未到のRIZINそしてBellatorの同時王者として君臨した。総合力が高く打撃と組みのどちらでも試合を終わらせる武器を持ち、その武器を使うまでの過程も全てこなせるラスボス級のファイターだ。
対する神龍はプロ19戦を迎える若干23歳で、日米の団体でベルトを二つ所持する期待の若手選手だ。レスリングベースを持ちフィジカルの強さ、身体能力の高さと身体のバランスの良さで勝利を積み重ねてきた。怖いもの知らずの性格と身体能力の高さに期待はかかるが、今回の相手は一筋縄ではいかない。ほとんどの能力値で上回られている歴戦の猛者に合わせた戦い方をした場合、勝率は下がるため神龍は意外性で勝負がしたい。
勝負の鍵となるのはフィジカルとレスリング力。なんでもできる堀口に対して神龍は自分の得意な所で勝負がしたい。組みの展開からのフィジカル勝負、レスリングの展開からスクランブルで勝機を見出す事ができるのか。Bellator史上初のフライ級王者になって歴史に名前を残すのはどちらか。日本格闘技界の世代交代は起きるのか。
第3試合/渡辺華奈 vs. ヴィタ・アルテイガ
見所解説
Bellator女子フライ級ランカー同士の一戦。渡辺はフィジカルが強く柔道ベースのグラップラー。アルテイガはメキシコ系アメリカ人で被弾を恐れない打撃戦と決して折れる事のないメンタルを持つストライカーだ。打撃戦よりも組んでからが本領を発揮する渡辺に対し、アルテイガは強い打撃を当てにどんどん前に出てくる。
組みたい渡辺と打ち合いたいアルテイガという展開の中で鍵になるのは、タックルの距離とタイミングになる。アルテイガはストライカータイプとはいえKO勝利よりも一本勝ちの方が多く、レスリング力、グラップリング力も高い。渡辺は組んでからの投げや足払いなど引き出しは多いが、距離を一気に縮めるタックル能力がどのレベルなのかによって勝負の展開の幅が大きく増える。
渡辺は地元開催の大会で勝ち、タイトルマッチまで辿り着きたい。アルテイガはランキング上位選手に勝ち、再びベルトを目指したい。タイトルマッチに絡んでいく為に決して回り道ができないランカー同士の意地と誇りをかけた激闘はどちらに軍配が上がるのか。
第2試合/マゴメド・マゴメドフ vs. ダニー・サバテロ
ユニファイドルール:5分3R バンタム級
マゴメド・マゴメドフ vs. ダニー・サバテロ
レスリング力|コントロール力|スタミナ|フィジカル|しつこさ
レスリング力|コントロール力|スタミナ|スクランブル|タックル
見所解説
Bellator屈指のレスラー対決が実現。ATT所属のサバテロはフィジカルと体力で相手をスタミナ地獄の底に誘うアメリカンレスリングスタイルで、一度組みついたら相手を削りまくってその中から勝機を見出していくスタイル。対するマゴメドフはしつこいタックルとスクランブルを駆使して相手を仕留めにいくダゲスタンレスリングスタイル。
両者同じタイプのファイトスタイルという事もあり、レスリングを操る者としては決して負けられない。レスラー対決は互いの強みを打ち消し打撃戦になる場合もあるが、このマッチアップに至っては両者の性格も考慮すると意地の張り合いになる可能性が高い。打撃の技術では蹴りのレパートリーが豊富なマゴメドフに分がありそうだが洗練されたレスラーであるサバテロ相手に蹴りを使用するのか。
米露レスリング対決でキャンバスに背中を付けるのはどちらか。格闘技じゃんけんのあいこを出し続けるのか、どちらかが変化させてくるのか。レスリング道をとことん貫いてきた者同士によるハイレベルな意地とプライドのぶつかり合いから目が離せない。
第1試合/アンドレイ・コレシュコフ vs. ロレンズ・ラーキン
ユニファイドルール:5分 3R ウェルター級
アンドレイ・コレシュコフ vs. ロレンズ・ラーキン
打撃全般|回転系打撃|飛び膝|当て勘|経験
打撃力|打撃パワー|アグレッシブネス|回転|反応
見所解説
Bellatorウエルター級屈指のストライカー同士のリマッチ。3年前に初対戦した時は互いにダウンを奪い合う一進一退の攻防の末、スプリット判定でラーキンが勝利を収めている。コレシュコフは元Bellator王者で、ラーキンもタイトル挑戦経験がある正真正銘のBellatorウエルター級トップ選手たちによる因縁の一戦だ。コレシュコフは長いリーチを利用したパンチ、そして素早い回転系の蹴りを多用するのに対しラーキンは持ち前の爆発力を利用したフック、そして超接近戦での肘や膝が得意。
勝負の鍵は初対峙した時と同じくレスリング力になる。打撃とクリンチワーク、そしてグラウンド状態でのパウンドを混ぜ入れながら幅広い闘い方ができる方が長期戦では有利になってくる。ただし両者世界レベルのストライカーである事と、両者合わせて27のKOがあるという事実一発で試合が終わるかもしれないという極上の緊張感を味合わせてくれるだろう。
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