RIZINマッチメイク担当のチャーリーが対戦カードの見所を紹介!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
※見所解説は随時更新いたします。
試合順
第10試合 ライト級タイトルマッチ/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ジョニー・ケース
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ジョニー・ケース
柔術 | サブミッション | グラウンドコントロール | 試合決定率
総合力 | 打撃 | 試合運び | 爆発力
見所解説
現RIZINライト級王者が唯一の敗戦を味わされたケース相手にタイトル防衛、そしてリベンジという二つのテーマを持って臨む一戦。
2年半前に行われた初戦では「まだ格闘技に向き合う準備が無かった。あの負けで全部意識が変わった」と言うソウザは、そこから負けなしの4連勝、フィニッシュ率は依然100%のままだ。ケースはこの2年半 波乱続きだったが、昨年末この試合が決まってから良い環境で準備することができており、MMAの試合こそしていないがボクシングで3連続KO勝利をあげている。そして日本でベルトを巻く事へのモチベーションも高い。
勝負の最初の見どころは、序盤にソウザがケース初戦の黒星のイメージを払拭出来ているかどうかにある。ケースは当然王者の寝技を警戒し、遠距離からの攻撃を繰り出してくる。そんなケースに対してソウザがどのように必勝パターンに持っていくのか。前回の仕掛けはケースに凌がれている。
ファイトIQが高く、フィニッシュ率が高い者同士の試合は判定まで行くことは無いだろう。緊張感あふれる極上の攻防を楽しみたい。
第9試合 フェザー級タイトルマッチ/牛久絢太郎 vs. 斎藤裕
見所解説
混沌のRIZINフェザー級タイトル戦線のベルト保持者を決める試合が組まれた。牛久はRIZIN王者になってから1試合挟み、初の防衛戦となる。苦しい試合展開も数々経験し競り勝つ術に長けている牛久は、リベンジに燃える斎藤をどのように迎え撃つのか。元王者の斎藤にとっては、前回のこの対戦から始まった流れを一気に払拭し、ベルトをあるべき所に戻し新しい気持ちで再スタートしたい。
前回の試合同様このリマッチも、一瞬の判断で流れが変わる、緊張感に富んだ試合になるだろう。一つ一つのフェイント、仕掛け、対応のレベルが高く、まるで教本を読んでいるかのような攻防に期待したい。
両者共に守らずに攻める姿勢を出して、最高のフェザー級タイトルマッチになることを期待したい。「美しき復讐か、残酷な返り討ちか。」のキャッチのふさわしい一戦を見逃すな。
第8試合 女子スーパーアトム級タイトルマッチ/浜崎朱加 vs. 伊澤星花
見所解説
大晦日のアップセットのダイレクトリマッチが組まれた。初戦のノンタイトルマッチでは伊澤が組みに行く打撃からの密着、そして寝技の展開という流れが見られた。両者共に「前回とは違う展開になる」と予想する試合内容は打撃が多めになるか。
両選手は寝技の展開から勝機を見出してくる。最終的に寝技に持っていけば勝てるという自負を持つもの同士となると、差を見出せるのは打撃になる。浜崎はこの数試合 打撃を強化をしてきており、試合の中でも活かすことができている反面、伊澤はまだキャリアの中では倒しに行く打撃より組みに入るための打撃を使用している。この差が今回の試合の鍵になる。
一度肌を合わせた事、王者がキャリア初のリベンジマッチに臨む事、経験的にもメンタル的にも今までに無い状況が揃ったこの一戦は、王者・浜崎の真骨頂が見られる一戦になるだろう。その浜崎の意地と執念の塊を跳ね返し、名実ともに確固たるスーパールーキーの座に着く事はできるのか。試合の中の流れだけでは無く、日本女子格闘技史の流れと共にこの一戦を見守りたい。
第7試合 /髙阪剛 vs. 上田幹雄
見所解説
始める者と終える者。これほどのはっきりとしたコントラストのあるマッチアップがあるだろうか。今年52歳、28年のプロキャリアの中で76戦を戦ってきた“世界のTK”のラストマッチの相手に選ばれたのは、26歳で空手歴20年、今回の試合でMMAデビューを果たす空手世界王者の上田だ。上田は空手ヘビー級世界選手権優勝の実績を引っ提げ、その実力を総合格闘技ルールでどのように発揮する事ができるのか非常に注目だ。
どんな試合展開になるのか、ハンドルは髙阪が握っている。空手世界王者相手のやりたい事は明確な為、髙阪が勝つ為の作戦は必然と決まってくる。世界のTKがラストマッチで何を見せ、何を伝えたいのかによって試合の展開が大きく変わってくる。世代交代で日本格闘技界ヘビー級のエースが誕生するのか、それとも業界を牽引してきたレジェンドが若き獅子を千尋の谷に突き落とし激動のキャリアを華麗に終えるのか。漢の28年間の集大成を見逃すな。
第6試合 /浅倉カンナ vs. SARAMI
見所解説
プロ試合20試合以上こなして来ている経験豊富な選手同士による絶妙なマッチアップ。SARAMIは初参戦ながら修斗現役王者の肩書きを背負ってRIZINの看板選手である浅倉とぶつかる。SARAMIは柔道のバックボーンをもちながらも高いレベルで総合的に戦えるセンスを持っており、ここの所打撃が急激に成長している。浅倉はバックボーンのレスリングと高いグラップリング力を遺憾なく発揮しRIZIN WGP 2017 女子スーパーアトム級トーナメントを制したが、あれから4年経ち更に成長し、フィジカルと打撃のレベルアップは際立つ。
似たような選手チャートと戦い方をする者同士、組んでから自力の差が出る為、組んだ時は要注目だ。そして打撃の展開では先に自分のペースにした方の相手が組みで勝負しにくる為動きが読みやすくなる。先手先手のペース争いが勝負の鍵となる緊迫した好勝負に期待。
第5試合 /武田光司 vs. スパイク・カーライル
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
武田光司 vs. スパイク・カーライル
レスリング | フィジカル | グランドコントロール | スープレックス
総合力|フィジカル|気力|キャラ
見所解説
日米ド根性対決。武田はレスリングの技と気迫溢れるファイトスタイルで最後の最後まで戦い抜く激闘型ファイター。対するスパイクも高いフィニッシュ率を誇り、不利な状況からも決して諦めずに逆転勝利を度々演出してきた劇場型ファイター。決して綺麗とは言えず、ただただ勝利を信じて愚直に前進する姿はまさに現代の切り込み隊。闘志を全面的に出しながら戦う姿に見るものは心を奪われる。武田は胸を合わせてからの展開とスタミナには絶対の自信を持っており、スパイクはスクランブルの中で隙を見つけてからフィニッシュへの流れに持ち込む事に長けている為、グラウンドになっても膠着が少ない見応えのある攻防に期待したい。
打撃においては長くプロとして活動しているスパイクに一日の長か。俗にいう「外国人特有のリズム」をスパイクは持っており、見た目から想像もつかない繊細な技術やコンビネーションを使ってくるのを武田は初見でどこまで捌けるのか。外国人選手が入国できるからこそ高まる好勝負への期待に胸が踊る。
第4試合 /シビサイ頌真 vs. リハーズ・ビギス
見所解説
活性化してきたRIZINヘビー級の一戦。シビサイは前回の試合で課題の残る敗北を喫した。その敗戦から学んだ事をどのように活かして未知の外国人との国際戦に臨むのか。ビギスは数々の立技での試合をこなしてきた、生粋のストライカー。空手、ボクシング、キックボクシングと様々な種類の打撃を使いこなし、勝負の流れによってアグレッシブさと冷静さを使い分けるプロ無敗のファイターだ。
勝負の鍵となるのはシビサイがビギスの打撃を掻い潜って得意の展開に持っていく事ができるのか。ビギスは懐が深く、容易に中には入れない為、距離を縮めるタイミングが大事になってくる。ビギスはRIZIN初参戦で強烈なインパクトを残し連続参戦しつつRIZINヘビー級戦線の中心選手に成り上がりたい。役者が揃ってきたRIZINヘビー級で、シビサイが遠回りしながらも日本人代表として台頭する事ができるのか、それともハングリーなビギスが新風を吹き起こすのか。
第3試合 /元谷友貴 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
元谷友貴 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ
打撃 | 勝負勘 | 試合運び | 冷静さ
フィジカル|総合力|バランス|グラウンド力
見所解説
昨年盛り上がったバンタム級グランプリベスト8同士によるマッチアップ。グランプリで交わりそうで交わる事の無かったプロキャリアの長い二人が、ついに直接対決に至る。元谷はRIZIN旗揚げから参戦、バンタム級の“門番”的存在として活躍し、この試合でRIZIN11試合目を迎える身として絶対に負けられない。ヤマニハはグランプリで見せた攻撃力と頑丈さ、そして直近の試合で見せた総合的な強さで“ボンサイ柔術 第四の男”としてRIZINバンタム級に根を張りたい。
元谷は相手によって戦い方を変える事ができる器用さを持ち、打撃の手数、精度、スタミナ共に申し分ない上に寝技の展開でも常に動き続けスクランブルの展開から技を極めに行く。ヤマニハはパワフルな打撃の強振とテイクダウンを混ぜてペースを握り、寝技になった場合はフィジカルの強さを生かしたトップコントロール、パウンドとバックチョークがある。スタンドの状況でも寝技の状況でも相性バッチリ、見所てんこ盛りでウキウキするような試合を堪能せよ。
第2試合 /ヴガール・ケラモフ vs. 中島太一
見所解説
経験豊富なオールラウンダー同士によるマッチアップ。ケラモフは悔しい敗戦からの復帰戦、そして久しぶりの試合で何がなんでも勝利を取りに来る。中島は試合数も海外経験も多く、数々の強豪外国人選手と死闘を繰り広げてきた上、黒星もたった一つのKOを除けばすべて判定というタフネスとスタミナを兼ね揃えている。空手のスタンスで立つ中島は打撃での差し合いも強く反応が早い為、タックルや飛び込んでくる動きへの対応が上手い。ケラモフはグラップリングの攻防の中でフィジカルの強さを活かして圧力をかけ続ける事ができるが、中島はそのような選手とロシアで散々戦ってきている。
ケラモフの得意とする打撃からのタックルに中島が対応できるかどうかが勝敗の行方を大きく変える事になる。中島は距離をとりながらパンチで勝負し、ケラモフは飛び込みながらの打撃で一気に距離を詰めてテイクダウンを狙う。混沌のRIZINフェザー級がさらに荒れるのか、それともケラモフがトップ戦線に舞い戻るのか?注目の一戦だ。
第1試合 /芦田崇宏 vs. カイル・アグォン
見所解説
クレベルと対戦するまで一本やKOで負けた事がなかったアグォンだが、その防御力の高さと試合運びの巧さは健在だ。芦田は金原との敗戦からの復帰戦となる。カイルは試合の組み立て方が上手く、自分の得意とする距離を常に維持する事に長けておりそこからの打撃、そしてグラウンド状態になってから場の制圧が非常に上手い。芦田は高いパンチの技術を持ちながらも総合的に戦う事ができるクレバーなファイトスタイル。
アグォンは試合開始直後からジャブとローキックでペースを作りたい。芦田は体を振りながら上下のパンチの打ち分けをしながら打撃も当てつつ、アグォンの射程圏内の内側に入り勝負したい。寝技の攻防で芦田が上を取りたいのに対してアグォンは下からでも勝負できる。寝技の攻防における引き出しの多さが勝負を分ける。総合力が非常に高い両者の対決は内容の濃い総合格闘技に期待したい。
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