6月13日(日)に開催するYogibo presents RIZIN.28(東京ドーム大会)の見所を、RIZINマッチメイク担当のチャーリーが徹底解説する『チャーリーガイド』!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
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バンタム級トーナメント 1回戦/朝倉海 vs. 渡部修斗
今大会優勝候補筆頭の朝倉が選んだのは、逆境を見事に乗り越えてグランプリ参戦の切符を手にした渡部だ。渡部は持ち前のレスリング力を発揮できれば誰とやっても自分の持ち味が出せる武器を備える。朝倉は打撃の強さと駆け引きの巧さで主にスダンド状態での攻防を主戦場とする。
数々の強敵を葬ってきた朝倉の打撃は、スダンドでの武器を持たない渡部にとっては脅威以外の何者でもない。渡部のやりたい事は決まっている。打撃を掻い潜ってタックルを決め、グラウンドで勝機を見出す事。朝倉もそこを当然分かっており、その対策をしっかりと練ってくるはず。ワンパターンのタックルや攻防だとファイトIQの高い朝倉にはすぐに対応されてしまうだろう。渡部は予想外の行動、仕掛けを用意する事で勝機を見出すことが可能となる。
攻防の中での楔となる武器をこの準備期間の中で備える事ができるか、渡部の底力とチームの戦略に期待しつつ、UFC挑戦と公言している中で自ら選んだ一回戦の相手に対してどのように勝ち、優勝候補筆頭としての実力を示す事ができるか。王道か世紀のシンデレラストーリーか。
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バンタム級トーナメント 1回戦/石渡伸太郎 vs. 井上直樹
日本バンタム級GP一回戦屈指の好カードは井上の選択によって組まれた。2019年の大晦日ぶりの復帰戦になる石渡は、試合勘の不安こそあるが長期の休養により身体が万全の状態で試合に望むという期待感がある。井上は自ら石渡を指名した事から分かるように、明らかにこのトーナメントを通して業界に向けたメッセージを伝えるつもりだ。本人も公言するように石渡はいつ選手生活が終わってもおかしくないという強い気持ちで己のキャリア全てをこの一戦にぶつけてくる。井上は自ら選んだこの執念と覚悟の塊とどのように向き合い、どのように攻略するのか。
勝負の鍵となるのは井上の横の動きになる。石渡は直線と、斜めのステップを使いこなし、自らの強打が存分に振るえる距離を作り出す。対する井上は前後左右のステップを駆使し、広い範囲で打撃の応酬に対応可能だ。フットワークを極端に例えると石渡が将棋の金将で井上は飛車というところか。両者ともに総合力に長け、いかなる状況でも戦える為、どのような展開になっても緊張感が切れる事はなく、息を呑むような試合になるだろう。
日本人バンタム級GP一回戦を勝ち抜くのはキャリアの集大成をかけてこの一戦に望むベテランか、それともこのトーナメント全体を通して世界に向けたアピールをしようとする新世代ファイターか。感情抜きで見る事はできない試合だ。
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バンタム級トーナメント 1回戦/元谷友貴 vs. 岡田遼
RIZIN常連の元谷と初参戦となる修斗現役王者の岡田がいきなり一回戦で激突する。両者ともに総合力に長け、試合の流れの中で瞬時に対応できるセンスを持っているが、元谷は動物的直感で動くのに対し岡田は状況を頭で処理しながら2手3手先の所まで見ながら対応するファイトスタイルだ。
フィジカルの強さと試合運びは岡田が有利、試合経験と技術と小回りで元谷が有利か。現在7連勝と波に乗る岡田は修斗の王座取得、防衛とこなし万全の状態でグランプリに参戦し、己の所持するベルトの価値を証明したい。元谷は勝敗の波があるも直近の試合ではきっちり勝利してトーナメント出場の切符を掴んだ。四天王の一角として新参の岡田に対して意地を見せたい。
試合は元谷がプレッシャーをかけ続けて岡田に考える時間を与えない展開になる可能性が高い。ただ勝つのではなく魅せて勝つ事が求められるRIZINで初参戦の岡田がどのようなパフォーマンスを見せるのか非常に興味深い。岡田は元谷のペースに付き合うのか、自分の戦略を貫き通すのか、そこが試合の見どころだ。
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バンタム級トーナメント 1回戦/扇久保博正 vs. 春日井“寒天”たけし
グラップリング | バックチョーク | 試合運び | グラウンドコントロール
総合力 | スタミナ | 勝負強さ | プレッシャー
VTJフライ級トーナメント一回戦で初めて対峙した両者の試合は、互いに譲らず一進一退の攻防が続き、ひとりのジャッジが引き分けをつける2-0の僅差で扇久保が勝利した。あれから7年、舞台と階級を変えてこの両者が再戦する事は運命と言わずどう表現すれば良いのか。
この間、春日井は17戦して12勝4敗1NC、対する扇久保は16戦13勝3敗と、試合数も結果も類似していながら春日井にはスポットライトが当たらなかった、まさに影の実力者。下馬評よりも実力は伯仲している。両者一本勝ちが多く、グラウンドでの展開を得意としているが、トップポジションをしっかりとってそこから攻略していく扇久保に対して春日井は上下関係なくよく動き、流れの中で隙を見つけ一本を狙いに行く。春日井がトップ取れればアドバンテージだ。序盤に打撃での攻防でイニシアチブを取れた選手が試合を自分のペースで支配することができる。
大舞台で7年間越しのリベンジに燃える春日井の底力が、RIZIN常連の扇久保に対しどこまで通用するのか。心身ともに激闘必須。
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スペシャルワンマッチ/朝倉未来 vs. クレベル・コイケ
RIZINフェザー級で求められた待望の試合が東京ドームで実現する。圧倒的な分析力で完璧な作戦を遂行する朝倉と圧倒的な試合決定率を誇るクレベルによる試合は各所で手に汗握る見どころ満載の試合になる。スタンドでは寝技になる事を恐れないクレベルが序盤から打撃を出しながら前に出て、朝倉が距離を保ちながらカウンターのチャンスを伺うという緊張感溢れる展開になる。
1つ目の勝負のポイントはクレベルがどのようにして寝技に持ち込むのか、そして朝倉がそれを阻止できるのか。2つ目のポイントは試合が寝技の展開になった場合にどのような攻防が繰り広げられるのか。クレべルはRIZINでの2試合でいかなるポジションからも一本を取れるという事を証明しており、注目は朝倉がいかにそれをさせないかという部分になる。
また、朝倉がどのような戦略を用意してどのようにクレベルを攻略するのか。互いに得意な部分を相殺しあった場合、どちらにアドバンテージがあるのか。総合格闘家としての底力が試される一戦になる。
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ライト級タイトルマッチ/トフィック・ムサエフ vs. ホベルト・サトシ・ソウザ
試合決定率 | 総合力 | フィジカル | パウンド
柔術 | サブミッション | グラウンドコントロール | 試合決定率
初代RIZINライト級王座決定戦。昨年から何度も組み直されている試合が遂に実現する。2019年のRIZINライト級GPを勝ち抜き見事優勝したムサエフと、同GPで初戦敗退するもその後、脅威的な成長を遂げ圧倒的な強さを見せながら勝ち上がってきたソウザ。GPでは対象的な結果を残した両者が、RIZIN最強を決める舞台で戦う。
スタイルvs.スタイル。剛vs.柔。力vs.技。対象的な両者が作り出す勝負論は熱く、決着方法は限定される。勝負の鍵を握るのはソウザがどのようにして寝技に持っていくのかという部分だ。そしてムサエフが戦地に行ったことによる試合感覚や練習状況、隔離中の調整などの要素がパフォーマンスにどのように影響を与えるのか。寝技になる展開を一度も作らせずムサエフが打撃で圧倒するのか、それともソウザが与えられたチャンスを見事ものにしてGP王者から一本を取るのか。どちらが勝っても壮大なドラマとストーリー、感動は約束される。
2019年のライト級GP、そしてこの18ヶ月間、両者が交わる事を許さなかった格闘技の神様がついて与えてくれた至高の一戦。18年前のあの熱と興奮以上のものを、二人が日本中に届けるか。
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スペシャルワンマッチ/斎藤裕 vs. ヴガール・ケラモフ
RIZINフェザー級王者・斎藤裕がついに再始動。復帰一戦目には強敵・ケラモフが当てられた。斎藤は総合的に優れており、全ての局面に於いて高いレベルの攻防ができる正に総合格闘技を体現するスタイルだ。対するケラモフは鋭い打撃と圧倒的な爆発力で相手を一気に飲み込むパワー型。ケラモフはテクニックや精度の荒さを勢いと爆発力で補っている分、精度の高い打撃を打ってくる斎藤が打撃の差し合いを制する可能性が高いが、斎藤がケラモフの爆風に飲まれた場合、状況は一変する。
ケラモフはクレバーな王者・斎藤に考える隙を与えず一気に押し切りたい。斎藤は必ずあるであろう隙をついて攻撃をしつつ、圧力が弱まるのを待って後半勝負を賭けるか。両者のスタイルからしてケラモフが前半有利、試合が長引けば長引くほど斎藤が有利と言う、圧力と体力の勝負になってくる。ノンタイトルとはいえこの勝負の結果でフェザー級のストーリーも大きく変わってくる。
対をなすもう1試合の結果も含め、両者絶対に落とせない。激アツのRIZINフェザー級戦線が東京ドームで大きく動く。
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スペシャルワンマッチ/弥益ドミネーター聡志 vs. “ブラックパンサー”ベイノア
総合力 | 変則的 | アグレッシブ | フィニッシュ力
パンチ力|蹴り|圧力|精神力
RISEの黒豹ことベイノアがMMAルールでRIZINに初参戦する。迎え撃つは卓越した知能と言語力が際立つ異色のファイター・ドミネーターだ。MMA初試合のベイノアに対し国内トップレベルの選手を当てるのはかなりのミスマッチではないのか、ところがそう思わせない理由が体格差にある。
ドミネーターは1階級下で試合してるためベイノアとは体格、リーチ共に一回り劣っており、1階級上の打撃のスペシャリストの攻撃もらうのは当然ながら、それを掻い潜って組みついた所でフィジカルの違いがある。一見ドミネーターの圧勝で終わりそうなこのマッチアップも、アスリートとしての身体的数字を比べるとドミネーターにとって分が悪い。考え方によってはリスクしかないこの試合を受けたドミネーターの大いなる心意気と若干リスクマネージメントの低さが伺える。ベイノアはとにかく組ませずに自分の得意な距離、得意な戦法を貫くのみ。ドミネーターはベイノアがやりたい事をやらせない事が課題になる。
勝利への鍵はドミネーターが如何に体格差を総合格闘技の技で埋め、自分の勝てる展開を作り出すかになる。東京ドームで行われる異種格闘技戦を大いに楽しみたい。
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スペシャルワンマッチ/シビサイ頌真 vs. スダリオ剛
プロ格闘家デビューを果たしてから3戦をこなし、無傷の快進撃を続けるスダリオが熱望した「本物の相手」がついに用意された。体格は互角以上、プロ戦績に至っては3倍以上のキャリアを持つシビサイが死闘を臨むスダリオの希望に応えるべく立ちはだかる。
両者ともにフィニッシュ率100%を誇るこの試合にジャッジは無用だろう。スダリオはこの3戦でまだ全部を見せていないが、パワーとフィジカルの強さに加えカーフキックなど技術も見せており期待値は高い。シビサイは打撃によるKO勝ち、足関節、上からの一本、下からの一本など多彩なフィニッシュで勝ち星を上げており、トータルファイターとしてどのような状況でも試合を決める事ができる。
爆発力とパワーはスダリオ、技術と経験はシビサイ。スダリオ本人が望むような、苦しい展開に追い込まれそこから底力を見せる機会を作る事ができるのか。先輩格闘家としてプロの厳しさを教えたいシビサイがどのような作戦を立ててくるのか。そしてスダリオが経験値で勝る相手にどのような試合をするのか。日本人ヘビー級の未来を占う一戦になることは間違いない。
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