RIZINマッチメイク担当のチャーリーが対戦カードの見所を紹介!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
※見所解説は随時更新いたします。
試合順
第10試合/クレベル・コイケ vs. 金原正徳
見所解説
裏RIZINの住人がチャンピオンベルトを巻いた事によりRIZINフェザー級物語が変貌しようとしている。裏RIZINの世界から実力者がメインストーリーに絡み始めてきている現実を証明するこの一戦。
クレベルは言わずと知れたブラジリアン柔術の使い手で、ここ10年以上日本人には負けていない。金原は国内外合わせて数々の団体で戦い、数々のタイトルを獲得してきた日本格闘技界を代表するベテラン選手だ。技術、経験、過去対戦相手のクオリティ、どれをとっても自他共に認める日本トップレベルの実力を備えている金原を元フェザー級王者はどのように迎え入れるのか。クレベルの強さは様々なアングルからくる恐ろしく決定率の高いサブミッションの仕掛けにある。その仕掛けを見抜き、囮に引っかからず有利なポジションをキープする能力が金原には備わっている為、クレベルは今までRIZINで見せてきた以上のパフォーマンスをする必要がある。
試合の展開としてはグラウンドで金原が上、クレベルが下になり、そこからの攻防に注目だ。RIZINフェザー級物語はこの試合から新章に突入する。
第9試合/牛久絢太郎 vs. 萩原京平
見所解説
ミスターオールラウンダーの牛久対ミスターストライカーの萩原。風采も性格もファイトスタイルも全く異なる人気選手同士によるこの対照的キャラマッチアップの結果は、この先のRIZINフェザー級の方向性に大きな影響を与える。
総合格闘家としてなんでもこなせる牛久だが圧倒的脅威になるような武器が備わっていない反面、対応力が高い。萩原は経験と総合力では牛久を下回っているものの打撃スキルが突出しており、リズムに乗ると手がつけられない。言い方を変えれば「弱点がない選手vs.弱点はあるがそれをカバーする強みもある選手」という非常に興味深いマッチアップだ。
試合の展開としては、萩原は自分の距離設定とリズム作りの為に先手を打ち牛久が対応していくという攻防が繰り返される。牛久は単調な流れを作り、そこに変化を加える事でリズムを掌握する事に長けている。萩原はストライカーとして相手の単調なリズムや流れを好む。勝負の展開には様々な可能性がある中、この試合は事前の作戦が大きな鍵を握るのではないかと思われる。また、JuntaroがATTからどのような手土産を持ってくるのかにも注目したい。
第8試合/スパイク・カーライル vs. 堀江圭功
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
スパイク・カーライル vs. 堀江圭功
総合力|フィジカル|気力|キャラ
アグレッシブ | パンチ力 | 試合運び | 手数
見所解説
ライト級で相性バッチリのマッチアップが実現した。直近の試合で新フェザー級王者に無念のタップをしてから階級をライト級に上げた堀江のフィジカルとパワーがどれだけアップしたのか、フィジカルモンスターのカーライルとどのように渡り合うのかが非常に楽しみな一戦。実力とキャラで独自の道を開拓してきた強者たちに共通するのは「自然体」。繊細なテクニックを持ちながらも作戦そっちのけで自分たちの本能をぶつけあう原始的な試合展開に期待。両者共に前進する事で自分の展開を作っていくスタイルなので序盤の位置どりから注目だ。プレッシャーに負けて下がった方が不利な位置から試合を作らなければならなくなる。
試合は打撃戦になるかもしれないが寝技の展開になるかもしれない。乱打戦になるかもしれないし技術戦になるかもしれない。いずれもできるテクニックを持ちながら常に自然体で戦う選手同士の試合展開の予想は本人たちにしか分からない。否、本人たちも分からないだろう。
ただいずれの攻防の鍵になるのは「フィジカル」「スタミナ」の2点。階級を上げた事が堀江にとってプラスかマイナスに働くのかは試合を見てから判断するしかない。全く展開の予想できない日米ワイルド対決はどちらに軍配が上がるのか。
【試合中止】スダリオ剛 vs. トッド・ダフィー
スダリオ剛と対戦予定のトッド・ダフィーですが、パスポートのトラブルに巻き込まれた為、大会当日までの入国が難しいという判断に至りました。よって、第8試合/スダリオ剛 vs. トッド・ダフィーの試合は中止となります。この試合をご期待いただいたファンの方々には謹んでお詫び申し上げます。
第7試合/安保瑠輝也 vs. 宇佐美正パトリック
第6試合/中原由貴 vs. 白川陸斗
見所解説
RIZINフェザー級の先頭グループに喰らいつく者同士、負けた者はフェザー級タイトル争奪レースから大幅に出遅れることとなる何がなんでも負けられない大きな意味を持つ一戦。中原は4連勝で迎えた昨年大晦日の鈴木千裕戦を落としてからの復帰戦。白川は4連勝中に負傷欠場してから約2年ぶりの復帰戦。
白川のスタイルは長いリーチと体のバネを活かしたスピードとパワーの乗ったパンチをメインに組み立てていくストライカー。中原は柔道ベースだが総合的に戦えるオールラウンダーで打撃でのフィニッシュも多く持つ。
試合の展開としては打撃での探り合いから引き出しの多い中原が変化をつけ、それに白川が対応するというセットが繰り返されると予想される。白川は自身の強みを最大限に活かせる状況で戦い続けたい。中原は様子を見ながら白川が一番戦いたく無い場所を見つけそこで勝負する方が勝率は上がる。様々なアングルから仕掛けを試みる中原とそれに対応しつつ自分の絶対的距離で戦いたい白川。両者共に倒せる打撃は持っているのでクリーンヒットの瞬間を見逃さないようにしたい。波乱が続くRIZINフェザー級トップ戦線に食い下がるのはどちらか。
第5試合/摩嶋一整 vs. 横山武司
第5試合/摩嶋一整 vs. 横山武司の契約体重は66.00kgから66.20kg契約に変更となります。
見所解説
日本人最強グラップラー決定戦といっても過言ではないこの勝負。摩嶋は上のポジションを制するグラップラー。対する横山は下を制するグラップラー。この勝負は互いが得意なポジションになってから初めて始まる。負けたら互いに言い訳のできない状況から生み出されるその道の達人同士の緊張感に息を呑む事になるだろう。
摩嶋は上から相手の動きを封じながら叩き潰すスタイルなのに対し、横山は上からでも下からでも一本を狙う事ができるアグレッシブ柔術スタイル。摩嶋のタックルを切ること無く自らのガードに招き入れた瞬間から、横山は水を得た魚のごとく摩嶋に襲いかかる。これに対して摩嶋はコンクリート職人さながら横山をゆっくりと固める作業にとりかかる。
この勝負は、言い訳のできないポジションから意地の攻防とスクランブルと、グラップリングファン胸激熱展開に期待。当然、両選手の打撃も忘れてはいけない。横山は寝技の展開になっても構わない為、体重の乗った思い切りの良い打撃を打ち、摩嶋は脇を締めた丁寧なパンチとローキックを主軸にタックルに持っていくための距離を作っていく。派手な根性の打撃戦は誰もが喜ぶ最高の展開だが、個人的には互いが得意なポジションになってからの「勝負」がただただ見たい。
第4試合/福田龍彌 vs. 山本アーセン
見所解説
実にRIZINらしいマッチメイク。タレントが揃い始めたフライ級における注目の一戦。アマチュアからしっかりとキャリアを築いてきた福田は全てをこなせるストライカー。対する山本はエリートレスリングをベースに持つグラップラー。山本は類稀なるレスリングサラブレッドとして鳴り物入りでプロ格闘家に転向するも、自身の持つポテンシャルをうまく引き出すまでは苦労したがその片鱗を直近の試合で見せる事ができた。福田は格闘家として紆余曲折しながらも着々と経験を積み、自他共に認める日本フライ級トップ選手になった。
試合の展開は自身の必勝パターン確立のために山本が伊藤裕樹戦で見せた「無限レスリング地獄」を遂行してくる事が予想される。福田は山本の必勝パターンに乗せられないようにしたい。そうなると山本に作戦を遂行させないために打撃で先手を打たなければならない。山本も福田の心中は理解しているがその上で自身のスタイル確立の為に作戦を遂行しなければならない。
試合の技術、展開も楽しめる一戦なのは間違い無いが、ここは各選手の精神的な思考に注目してみても面白いかもしれない。明確な作戦を遂行できるのか、絶対に阻止するのか。福田にとって絶対的な防衛ラインが山本にとって絶対的な攻撃ラインになるこの駆け引きを満喫したい。
第3試合/中島太一 vs. 岡田遼
見所解説
現キング・オブ・パンクラシスト中島と元修斗王者・岡田がRIZINのリング上で相見える。両者同い年で経験豊富なベテランだが一番大きな差は外国人選手との試合の経験値だ。修斗一筋の岡田に対し、中島は積極的に海外に出て試合をしたり国内でも外国人と多く対戦している。この差が試合の中でどのように現れるのか、それとも関係ないのか。
両者共にMMAの要素をすべて高いレベルでこなせる万能タイプ。そうなるとスタイルや作戦が大きく意味を成してくる。基本に忠実で全ての状況にそつなく対応できる岡田のスタイルは、世界のクセ強外国人と対戦してきた中島にはどのように映るのか。
この試合の見どころは序盤の探り合いになる。ジャブとローで距離を測り、互いにフェイントを出し合って反応を見る。経験豊富な両者が平凡な様子見の展開から一気に大きく流れを変える瞬間を見逃さないようにしたい。日本が誇る2団体を互いの肩に背負って戦うベテラン同士にしか作り上げることのできない試合の流れ、一つ一つの攻防を堪能したい。
第2試合/シビサイ頌真 vs. ヤノス・チューカス
見所解説
日本人ヘビー級代表の一角・シビサイが、RIZIN初参戦で実力とキャラ共にポテンシャルを見せたチューカスを迎え撃つ。両者の勝利数合わせて16勝は全て完全決着によるもので、フィニッシュ率100%同士の試合はジャッジにとっては休憩タイムになる事は間違い無い。
シビサイは柔道のバックボーンを使った組み→投げ→極めまでの流れが確立できており、このパターンに相手を陥れる事ができればかなり試合を有利に進める事ができる。対するチューカスはパンチのパワーもさながら当てる技術を持つストライカーだが、フィニッシュの多くはパウンドによるものだ。チューカスもまたタックルに来た相手を上から潰してパウンドの嵐という流れを確立している。シビサイはタックルではなく組みからの投げ、この流れをチューカスが阻止して攻守交代するのか。リング上でヘビー級の胴体が触れ合った時の攻防と、その結果に注目。
この試合では対戦する両者が互いにトップポジションからの攻撃を得意としているため、背中をマットについた選手が大ピンチ。チューカスはパウンドのみだがシビサイはそこからバックチョークという選択肢もある。ジャッジ不要のヘビー級らしい完全決着に期待したい。
第1試合/征矢貴 vs. ラマザン・テミロフ
見所解説
RIZINフライ級ハードヒッター対決。他の階級に比べると打撃による豪快なフィニッシュが少ないとされている男子フライ級だがこの2人は例外で、共に打撃によるフィニッシュを9つ持つ強打者だ。格闘技における最速の階級でホームラン級の打撃を強振しまくる両者の試合はどのようなものになるのか。
強打者同士の試合の鍵になるのは当てるまでの過程、当てるための引き出しの多い方が有利に一連のセットアップができる。総合における引き出しはタックルやクリンチによる変化であり、それに対応できる方が主導権を握る事ができる。即ちこの試合の鍵を握るのは「レスリング力」になる。両者得意としている打撃戦のみの展開にはならずに、タックル、グラウンド、サブミッション、全ての展開がある程度見られる、これぞ総合格闘技という内容に期待。その流れがあるからこそ強打者同士が撃ち合う状況になった時の価値が上がる。各国から強者が集められてきているRIZINフライ級でKOを量産するホームラン王になるのはどちらか。