2020年8月10日(祝・月)ぴあアリーナMMにて開催されるRIZIN.23 - CALLING OVER - の見所を、RIZINマッチメイク担当のチャーリーが徹底解説する『チャーリーガイド』!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
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第9試合/バンタム級タイトルマッチ 朝倉海 vs. 扇久保博正
2019年RIZINバンタム級の表舞台で栄光と挫折を第一線で味わってきた朝倉と、その裏で激闘を繰り広げ勝利をもぎ取ってきた扇久保。両者タイトルマッチに挑戦する十分な資格を持っている。堀口を倒して飛び級でスターに浮上した朝倉が、世界を股にかけて地道に這い上がってきたベテラン扇久保をどう攻略するのかがポイント。
打撃の精度と威力は朝倉、ファイトIQと試合中の引き出しの多さは扇久保。扇久保は試合を支配し巧さで勝つ方法があるため朝倉はいかにそれを防ぐか、倒されずに打撃を当てて試合を組み立てていきたい。朝倉が打撃をどれだけ当てられ、どれだけ効かせる事ができるか、逆に扇久保は自分の展開に持っていく前にどれだけ被弾を避け、ダメージを負わずにいられるかが試合を占う大きなポイントになる。両者がこのベルトに抱く信念は計り知れず、技術、戦略を超えた精神力を見せてくれる名勝負になるだろう。
第8試合/スペシャルワンマッチ 元谷友貴 vs. 魚井フルスイング
RIZIN旗揚げ時よりバンタム級で死闘を繰り広げてきた元谷が苦しい2019年を経てRIZINに戻ってくる。対する魚井は一度見たら忘れられないファイトスタイルだ。総合的にハイレベルな技術を持つ元谷は試合がどんな展開になろうが上手く適応し、安定した試合運びができるベテランだ。後を顧みずリングネームの通りフルスイングする魚井はいつどの状況でも試合の流れをひっくり返す事のできるパワーと勢いがある。
試合の流れの中で引き出しが多く、より自分の試合展開に持っていきやすい元谷が有利と思われがちだが当たっている時の魚井は同じ階級の誰にでも勝てる怖さがある。バンタム級の新チャンピオンが決定する同じ大会で、両者とも良いパフォーマンスを見せて自分の存在をアピールしておきたい。安定した打率を誇る元谷か一発逆転満塁ホームランを打てる魚井か。
第7試合/スペシャルワンマッチ 斎藤裕 vs. 摩嶋一整
日本フェザー級のトップ選手が揃ってRIZINに殴り込みをかける。斎藤も摩嶋も共に経験豊富で世界の強豪としのぎを削ってきた国内屈指のファイターだ。両者共に総合力に長け、ファイトIQも高い。斎藤は“打投極”全てこなせる万能型のファイターでいかなる状況でも自分の強みを出し、堅実な試合運びで相手を組み伏せる。摩嶋も総合的に優れているが、試合決定率93%が示すように寝技での極めの力が秀でている。
斎藤はどんな流れの中でも勝負する事ができる反面、絶対的に勝負を極める状況を作り出す事が若干苦手か。摩嶋は自分の必勝パターンを持っているため、そこを凌がれた時にどうやってアジャストするか。試合の流れを決めるのは組み際での脇の差し合い。両者共に組んでからが強力なので自分の得意の組み方になった方が先に仕掛ける。実力者同士の戦いを制してRIZINフェザー級トップ戦線に踊り出すのはどっちか。
第6試合/スペシャルワンマッチ 原口健飛 vs. 大雅
およそ2年ぶりのリマッチとなるこの対戦。両者RIZINデビュー戦となった2018年9月の試合はドローという結果に終わったが、あれから両者は別人のように成長している。原口はこの間RISEを主戦場とし、パワーもつけて順調に勝ち星を増やしてきている。対する大雅は勝ち星にこそ恵まれないが、この期間中に数々の死闘を経験し名勝負を繰り広げてきている。
綺麗な試合展開の中で鮮やかな勝利を演出するクレバーな原口に対して撃ち合いの中で本領を発揮し、活路を見出す大雅。身長差のある対戦には慣れている大雅が遠距離も近距離でも戦える原口相手にどのような試合展開をぶつけていくのか。互いの手の内を知っているだけにこの試合は受けに回った方が不利になる。序盤から質の高い打撃の応酬に期待したい。
第5試合/スペシャルワンマッチ 朴光哲 vs. 青井人
日本のみならず世界のトップ戦線で戦ってきた朴光哲がRIZINに初参戦する。対する青井人は朴と同じく修斗で試合を重ねてきた勢いのある若手有望株だ。プロ40戦を超えるキャリアを持つ朴は世界の様々な強豪と戦ってきた経験を活かし、怖いもの知らずの若手を攻略したい。青井は格上の相手にどこまで自分の戦いができるのか。
試合を重ねる事に老獪さとしなやかさを備えてきた朴は時間を使いながら青井を攻略するのか、はたまた出会い頭に鼻っ柱を折りに行くのか。青井は朴の経験値を押しつぶすような勢いとプレッシャーで圧倒したいが打撃の技術だけでは劣勢か。両者とも幅広い枠で試合が行えるため試合がどんな展開になろうがハイレベルな攻防を見せてくれる事は間違いない。20年という歳の差が試合の展開と流れによってどちらに優位に働くのかに注目したい。
第4試合/スペシャルワンマッチ 伊藤盛一郎 vs. 神龍誠
RIZINフライ級で高速の試合展開が繰り広げられる。両者グラップラーという括りだがその中でもスタイルが極端に違う両者。伊藤は寝技の展開の中でも常に動き続けスクランブルの中から積極的に一本を狙いにいくのに対して、神龍はまずしっかりと相手をコントロールしてから試合を組み立てていく。
グラウンドではワイルドな伊藤、堅実な神龍だが打撃の展開ではそこが逆転する。伊藤は堅実で基本に忠実な打撃を繰り出すが、神龍は爆発力を利用して大胆な身のこなしと打撃を繰り出してくる。スピードと技の多彩さは伊藤。パワーと安定感では神龍。両者国内フライ級王者のプライドをかけて負けられない試合だ。伊藤が神龍の圧に屈せずにスクランブルの展開に持ち込めれば打撃でも寝技でも躍動感溢れるスピーディーな試合展開になるだろう。
第3試合/スペシャルワンマッチ 海人 vs. ロクク・ダリ
テクニック対パワーを絵に描いたようなマッチアップ。海人はシュートボクシングを代表するテクニシャンで非常に綺麗なファイトスタイルだ。ダリは柔道をバックボーンに持つ総合格闘家だが、肘、頭突きありのラウェイにも参戦し、好成績を残している。
ダリは柔道で培った体幹の強さと持って生まれた爆発力で圧倒的なプレッシャーをかけながら豪腕を奮っていきたい。海人は自分のペースを掴んでからの試合運びと組み立て方が抜群にうまい。ダリは海人が自分のペースを掴む前に短期決戦で勝負を決めたい。海人はダリの癖を見抜き攻略方法を見つけてから試合を組み立てていきたい。普通に考えたら海人が超有利だがダリにはいつでも試合をひっくり返せる武器が備わっている。ホースト vs. サップのような展開になる事も十分に考えられる。短距離走者と長距離走者の戦いはどちらに軍配があがるのか。
第2試合/スペシャルワンマッチ 中村優作 vs. 竿本樹生
ストライカー vs. グラップラーの構図になるこの一戦。両者戦い方は違えど組みになる前のアプローチが似ている。日本拳法がバックボーンの中村が生み出すステップのリズムと、タックルに入るための伏線となる打撃を使う際の竿本のステップの出入りが似ているのだ。
両者共に距離をとった状態から飛び込みながら打撃を放つ事で試合の流れを次につなげるタイプの選手だ。フライ級の試合にしては向かい合った時の距離が離れているが、二人ともその距離を一瞬でなくす瞬発力を持っている。勝負の鍵となるのは飛び込んだ先に用意してある武器、即ち中村は打撃のコンビネーション、竿本は組みついてからのテイクダウンだ。一瞬の交錯で勝負がスタンドで仕切り直されるのか、グラウンドの展開になるのかが決まる緊迫した試合になる。竿本はグラウンドで、中村は打撃で勝負したい。遠い距離から飛び込んだ先に何を用意しているのかが勝敗を分ける。
第1試合/スペシャルワンマッチ 松倉信太郎 vs. 森興二
テクニックとパワーを両方備えた松倉に総合格闘家の森がキックボクシングルールで挑む。両者ともにKO能力に優れたハードパンチャーだが松倉は精密性とタイミングでダウンを取り、森は全体重をのせた一発でダウンを奪うスタイル。左構えの森に対して左右どちらでも構えられる松倉は攻撃と距離の幅が広く、攻撃のバリエーションも豊富だ。そんな松倉相手に森は愚直に前に出続けて必殺の左を当てたい。
試合展開としては森がグイグイアプローチしてくるのに対して、松倉はある程度の距離を取りつつ機を見て打ちに行くという内容になるだろう。エントリーをどのようにするのか、どの角度、どの打撃で撃ち合いに行くのかは松倉が主導権を握る。森は射程圏内に敵が入ったら撃ち落とす。一触即発の空気が続いた状態から一気に爆発する、その繰り返しのドキドキするような試合に期待したい。