11月6日(日)ドルフィンズアリーナにて開催されたANGEL CHAMPAGNE presents RIZIN LANDMARK 4 in NAGOYAの出場選手たちの試合後インタビューを公開!
平本蓮「ストライカーの塩漬けが出来た」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
平本 ま、こんなもんです、はい。自分の中で怪我とかちょっとこうピンチというか、少しこう、不安要素が試合前あったので、それが逆にこう自分の集中力めちゃくちゃ高めてくれたというか、怪我の功名っすかね。過去で一番落ち着いて試合ができたと思います。
ーー試合前は「気負わずに楽しみたい」と。実際楽しめましたか?
平本 そうですね。自分から攻撃をガンガン焦って仕掛けるのではなく、流れのなかで絶対にその自分のタイミングと自分の勝負する距離感が絶対生まれると思っていたので焦らず戦ったというか、MMA楽しめたというか。まあ本当に「ストライカーの塩漬け」ができたんじゃないかと思います。
ーー対戦を終えて相手の印象は試合前と後で違うところはありましたか。
平本 すごい対策してた通りというか、足関節とかも狙ってくると思ったので、その辺の対処もやっといたので、ま、問題なく試合は進めたかなというのと、やっぱ壁際押し込まれたときに「あ、これは絶対テイクされないな」と思ったので、もういつでもテイク来てくれというか、そのほうがむしろ打撃が当てやすかったんで。ただ、ストライカーの選手じゃないですか、ドミネーター選手は蹴りとかパンチとかは変則的でずれてきていたのですが、全部読めたので、まあ相性がよかったと自分の中でも思います。
ーー今回勝利し、MMA2連勝となりましたが、今後の展望を教えていただけますか。
平本 やっと勝率50%になったので、ここから勝ち越して、UFCチャンピオンに自分はなりたいと思います。
ーーメインイベンターの責任を感じて今回負傷も乗り越えながら試合に挑んだのでしょうか。
平本 そうですね、試合できるかできないかとなったときに一番は試合を楽しみにしてくれたファンの子たちのツイートとかを目にする機会が多くて、自分がSNS触っていない間も、「平本蓮、信じる」と言ってくれている子が多くて。これは本当、「俺、やるしかない」と気合い入れてもらって、会場がすごくホームに感じました。
ーーMMA4試合中、3試合でメインをやられていることは大きな経験になっていると感じますか?
平本 そうですね、メインを重ねてきて、勝負強さというか自分の土壇場力は昔からあると思うので、いい具合にMMAをつかめてきたというか。やってきたことが少しずつ出てきたかなと思います。
ーー平本選手のブランドのお洋服も着た「平本キッズ」が多くいていろんなところから集まってきて声援を感じましたか。
平本 アパレルで、試合前に応援パーカー出したのですけど発送先に名古屋が多くて、すごい名古屋の人が応援に来てくれているのだと実感して、すごい気合いが入りましたね。
ーー今、試合が終わりひと段落ついて、言える範囲で怪我の詳細を伺えますか?
平本 左足の人差し指の基節骨っていう根本の骨が折れていたので、ふんばることが何もできない状態だったので、3週間くらいまったく、まったくというかレスリングができなくて不安要素だったのですけど、岩崎先生とやってきた空手を信じて、自分のできることはやっていたので、あとは本番で自分の地力がでるかなと自分に期待していた部分があったので、いい具合にこなせてよかったです。
ーー大晦日への参戦意欲は?
平本 多分また今日の試合で足折れちゃったので、また少しゆっくりしようかなと。多分同じ箇所折れちゃって、すごい痛いので。頭痛じゃないんですけどゆっくりしようかなと思います。本当に診断書あるので、空想の頭痛じゃないです。
ーー保健室には行かない?
平本 行かないです。
ーーサウスポースタイルは対策として?
平本 小学校でキック始めたときからずっとサウスポー練習していたので、K-1時代もサウスポーで試合したことがあるのですけど。MMAにきて、懐というか空間を作るということに対して、岩崎先生とやっていてやっぱり右手前の構えというか、右利きのオーソのほうが、土壇場の喧嘩強さみたいなのが出るんですけど、テクニックという部分ではやっぱりサウスポーのほうが自分はすごいテクニックが豊富にあるというか、懐をコントロールして、コントロールしてというのが今回作戦だったので、今回サウスポーで、MMAでニュースタイルというか、これが平本蓮、こんなんもできるのよとお披露目したかったというか、それが結果としていい形になってよかったです。
ーーサウスポーでやったことで冷静にできたのもありますか?
平本 そうですね、コナー・マクレガーが憑依しました。
ーー蹴りがほとんどなかったのは怪我の影響が?
平本 そうですね、蹴ってまた痛くなるのも嫌だったので今回自分がやってきたボクシングと空手を信じて。とにかくやってきたことを信じました。だから前回の試合で出しきれてなかった空手の部分とか新しいスタイルをよりちょっとこう完成に近づけたというか、試合前から岩崎先生には「距離感さえミスらなければ3ラウンド徹底的に弥益の顔をボコボコにできる試合になるだろう」と、先生がずっと言っていたので、それがまんま試合の展開になったという感じですね。
ーーダウン取った場面でも立たせるという展開。「ストライカーの塩漬け」は理想通り?
平本 あれがストライカーの塩漬けです。流行るんじゃないですかね(笑)。
ーーストライカーの塩漬けは、MMAファイター平本蓮の軸になっていくスタイル?
平本 自分の軸となるスタイルというか、グラップラーは密着した状態でグラウンドのコントロールというか。打撃は距離をコントロールする一番の武器というか、やっぱレスラーの塩漬けと違いストライカーの塩漬けは怖さがあるので、恐怖心をすごいコントロールすることを塩漬けというか「もうやりたくねえな」と試合中に思わせるような、武道っすね。武術空手というか。スポーツ的なテクニカルな部分ではなく、武道の恐怖心を相手に植え付けるというか、そういうのが少しずつ自分のMMAを通して表現できるようになってきたというか、出せるようになってきたのかなと思います。空間の怖さというか、駆け引きっす。
ーー手の位置の低さはタックル対策なのか、空手の?
平本 基本の空手の突きを意識しているんですけど、テイクダウンの下の反応にもすぐ対応できるようになるのと、上のパンチは自分全部目で見えると思っていたので、だからまあ新しいスタイルというか。自分、キックの時はガードすごい高くて全然違うというか。本当にこういつまでもキックの打撃にこだわってなく、俺は新しいことをやろうとしている、そういうふうに世間を見返せるきっかけになったかなと今日は思いますね。
ーーこれからは平本蓮の時代と言っていましたが、以前、魔裟斗さんも同じセリフを。意識されていますか。
平本 はい、K-1リスペクトです。
ーー組みがあるMMAにおいて組みがあるから打撃というところから、自分が打撃を使って相手を組ませたぞっていう感覚は今日つかめましたか。
平本 そうですね、嫌がりながら組ませるというか。最初の足関とったときとか、効かせて上取った瞬間に、あ、これは組み負けないなと思ったんですけど、ただ弥益選手のグラップリングというか、寝技は基礎的なものより変則的なものがすごい多くて、欲を出しすぎてこう、思わぬ初見殺しみたいなのくらうのが警戒があったので今回付き合わずに、コントロールして立たせてっていう、強いレスラーが何回もテイクダウンして「無理、これ立てないな」と思うのと逆バージョンが作れたのかなっていうのは思いますね。
ーー前足で移動ではなく後ろで移動するっていう意識って、普通、稽古でできても実践では難しいと思うのですが、今日すごいできていたのではないかと思いました。
平本 岩崎先生の声がすごい大きくて。すごい試合中も落ち着いて「出るな、出るな」っていう、自分の今までのパンチっていうのはジャブの時にステップでこう入る、ワン・ツーのステップで入るボクシングの基本の動きだったのですけど、そのタイミングで萩原とかはテイクダウンとられていたので、自分は動かずに、足を出さずにその場でというのはすごい徹底してやってきた部分だったのでちょっと試せてよかったですね。
ーー置くパンチみたいなものができた?
平本 はい、もう自然に。左が当たったらもう右伸びてるっていうか。バン、バンじゃなくてババンって音がするようなひとつの音にする感じにパンチができたんじゃないかと思います。
ーー鈴木千裕選手が、平本選手がいい人間と悪い人間を使い分けていると。いつも素でいるべきだということを言っていました。そういうことを言われるとどうですか。
平本 じゃあ、あいつは逆なんですね、普段いい人ぶってるけど本当に性格悪いじゃないですか。だからまあ、なんですかね、僕、道徳とか教えてあげますけどね。
ーー今後リングよりケージでずっとやってきたいですか。
平本 もっかい次もケージでやりたいです。次の試合もケージでお願いします。
ーーそうなると大晦日は難しいですね。
平本 またLANDMARKかもしれないですね(笑)ハハハ。
ーー試合中、ここまで効かせたら倒して終わりたいという欲求はなかったですか?
平本 相手が意識途絶えるまでぶん殴ろうというので、最後は意識も結構キツかったと思うのですけど、欲を見ずに、本当に自分の勝利を信じて戦ったというか。逆に2戦連続コントロールが続いて、自分のなかでどんどんどんどんコントロールできてるんじゃないかというか。で、一個前の試合は、鈴木選手はシュートボクシングで、テイクダウン来なかったので、勝負どころというのを作りづらかったというか、向こうも危機回避能力というか、やっぱり打撃のスペシャリストでもあると思うので、「あ、この人入ってこないな」と途中から今日はKOないなと気づいたのですけど、ああいう風にテイクダウン織り交ぜる選手ほどあの瞬間ていうのが生まれるというか、勇気出す瞬間ですよね。そういうのをしっかりポイントにして攻められたからよかったなと。
ーーもう、あれを繰り返して最後相手が倒れたらそれでいいと?
平本 そうですね、はい。本当に終わりだなと思った瞬間仕留めようと思ったのですけど。もうなんかあれで全然。はい。
ーー弥益選手に試合直後に声をかけていたのはどんな会話をされたのですか?
平本 それは秘密です(笑)。はははは。
ーー弥益選手は効かされすぎていてあまり覚えていないと。
平本 あ、本当ですか。自分を信じてやれたのが、よかったし自分が今まで本当に子供の頃からいろんな試合をしていってこんなに「挑む」って思ったのって本当に初めてだったので、すごく勇気をもって戦いました。弥益選手がいたからそれも成り立ったのかなと。
ーーそういった内容のことを伝えたのですか。
平本 はい、そうです。
弥益ドミネーター聡志「正直、想定通りの部分多かったがそれを自分が上回れなかった」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
弥益 あー……っと、なんだろうな、正直、想定通りの部分が多かったんですけど、その想定を自分が上回れなかったなというのが率直な感想ですね。
ーー「ヤマス楽勝だと思っている人が驚く展開」とおっしゃっていましたが、そうなったのでしょうか。
弥益 まあ、ああなるだろうなというか。ダウンもするし、多分組みも何回かきられるし、関節も逃げられるかもしれないな、というのはずっと考えていたので、心折れないように頑張ったつもりなんですけど、ちょっと、頑張りきれなかったな、と。情けないなと思っています。
ーー実際に平本選手と対戦して相手の印象は試合前にイメージしていたものと違うところはありましたか。
弥益 もちろん打撃はトップだというのは頭ではわかっていたのですが、やっぱり対面してみて、正直ほとんど、打撃というかパンチもダウンしたものについてはほぼ見えていなかった部分が大きいので。いや、こんなにか、と。頭では理解していたつもりですがやっぱり対応はしきれなかったと。思ったより早い段階で自分が置いて行かれてしまったなという感じがしたので、ちょっとそこから巻き返そうと頑張ったつもりだったのですが、ちょっとそのまま持って行かれちゃったなという感じですね。
ーーそれは相手のペースになっていたのでしょうか。
弥益 そうですね、ちょっとのまれちゃったなという感じはしました。
ーー今回の試合を終えて、今後の目標・展望をお聞かせいただけますか。
弥益 いやちょっとこのテンションだとなんか引退匂わせおじさんみたいになりそうで(苦笑)。あんまり喋りたくないんですけど、そうですね……。まあ、とりあえず当分、格闘技の練習はちょっとできない気がするので、はい。何しようかなってちょっと思ってますね。なんか、格闘技以外にやること……、もちろん仕事もありますし、父親としても、夫としての仕事もたくさんあるんですけど、でも「格闘技なくなった時間って何するんだっけな」ってさっきちょっと考えていて思っちゃって。まだ何もわからないっす。すみません。
ーーそれは体にダメージがあるのでしょうか?
弥益 まあちょっと脳みそについては、「そろそろお前マズいぞ」っていうのはマネージャーの梅田さんにも言われているので、どうするにせよ落ち着かせる必要はあるかなと思っています。
ーー平本選手があそこまで待ってくるのは想定していましたか?
弥益 想定していました。多分中央とって、カウンター待ちのスタイルだろうとは思っていたのですが、あー、そうですね、ちょっとサウスポーというのも少し頭にはあったのですけど、パターンとして。ただやっぱりサウスポー対策というところにしっかり重点を置けていなかったというのも敗因のひとつではあるかなと思っています。
ーー打撃が想定通りとのことですが見えていなかったのはサウスポーだったせいですか?
弥益 そこは関係がないです。想定通りだというのも強いのを頭で理解していたのですが、全然体はついていけていなかったので、はるかに想定を上回るようなクオリティの打撃だったなと考えています。
ーー展開のなかで、「相手が待っているなら待たしてやれ」じゃないですけど、ある種、向こうが注目される部分があるなかで向こうが焦れて動くのを待つという選択肢はなかったですか?
弥益 うーんと、まあ、まず序盤に自分が効かされていたのももちろんありますし、なんか別にその、試合中に、なんかこう、立ち位置というか別に相手が注目されているからとか正直そんなに考えるほど自分は器用じゃないですし。そうっすね、やっぱり行きたいというか前には出たいなとは思っていたんですけど。まあ前に出たいという気持ちと、ただまあ打撃怖いなという気持ちとの合間で、うん。本当に自分の弱いところも、でも弱いながらもちょっと頑張るところとかも、試合中に見られて。まあそこは良かったかなと思いますね。
ーー注目度という点では、今回弥益選手にとっても注目される試合で、正直メリットはそんなにないのかなという厳しい試合に臨んだのは、どのように自分を奮い立たせたのでしょうか。
弥益 ひとつは、単純に、自分は平本選手のことをすごく評価しているというか、負けておいてこんな偉そうなこと言うのもアレなんですけど、すごく強い選手だと思っていましたし、チームとしてもしっかり対策を練ってくるだろう、というのは感じていましたし。これから確実に彼がずっと真摯に格闘技に向き合い続けるのであれば上に行くような選手だと自分は思っていましたので、その選手に触れられるっていうことは、ひとつ自分にとってのメリットかなと思っていました。で、あとやっぱり自分が結構実はトン、トン、トンとベルトを巻いてしまったというか、しっかり苦労をせずに巻いてしまったところがあるんですよ。で、結局トン、トン、トンと行けたってことは、ずっと自分より格上の人を当ててもらったからだと思っていますし、本当に格闘技の世界のいいところだけつまみ食いしてきたような人間だと思っているんで。まあ別に今回そうなるつもりは全くなかったのですけど、まあいつか自分が、次の世代っていう言い方もちょっと悔しいですけど、腐り落ちて肥料になるじゃないですけど、何か次につながるような役目はいつかやらなくちゃいけないだろうなとはちょっと思っていたので。今回その役目を果たすつもりは正直さらさらなかったですけど、そういうところもちょっと頭の片隅にはありましたね。
ーー前足をあそこまでどっしりと置く構えに対して足を蹴ることが1ラウンド序盤にはあって、最初にこかしたかと思いますけど相手のカウンターにもなって。その後あの構えに対して、テイクダウンがどっしり受け止められたことに関しては想定内だったのか、あるいはあの構え自体がテイクダウンディフェンスが強かったのでしょうか。
弥益 うーん、そうですね。ちょっと、向こうの制空権というか、思ったより近い距離の打撃が自分は見えなくて。あそこにしがみつきに行きたかったのですけど、そのちょっと前の段階で自分がもちろんクオリティが低いのもあるんですけどもらってしまったのでちょっと容易には行けなかったですね、情けないですけど。
ーー先ほど脳みその話をされましたが、後半は足に力が入っていなかったように見えました。
弥益 そうでした?ちょっともう覚えていないですね。
ーー組みきれなくて足関節になることも何回かありました。想定されていたとは思いますが、あそこでいい形にできなかったのも引き込み方がもういい形に……
弥益 そうですね、しっかり形には入れたかもしれないのですけど、取り切れる実力も技術もちょっと足りていなかったなと思いますので。また今成さんに教えてもらおうかと思っています。
ーー試合後、ゴングがなった直後に言葉をかけられていましたがどのようなお話でしたか?
弥益 毎回、自分直前に思いっきり効かされているので、ちょっと覚えていないですすみません。何か感動的な言葉をかけられたということにしておいてください。ごめんなさい覚えてないです。
ーーサラリーマンでもあるということで、次の出社のご予定は?
弥益 今日結構遅いので明日は有休をいただいていますので、明後日から仕事を始めます。
ーーダメージ考えると火曜日から出勤は問題ないですか。
弥益 在宅勤務なので、頑張って頭を働かせます。
ーー今年の大晦日はファンとして試合を見る立場になりそうでしょうか。
弥益 これで大晦日ストライカーと組むんでしょ(笑)、これで弥益は帰ってこれないですよ、本当に。社会に(笑)。あの、もう敗者はおとなしくしていようかなと思います。
ーー応援してきたファンの方に一言メッセージいただけますでしょうか。
弥益 いや、うーんと正直それがありがたい話なんすけど、一番しんどくて。負けた人間は、本当にどん底まで落ちるべきだと思っていますし、本当にありがたいですけど、あのもっと、もっとあの、なんですかね、怒ってほしいですし、「何やってんだ」って言われるべきだと思いますし。あの、なんか何言ってもうまく言えないですけど、見てくれた方、応援してくれた方には本当に感謝しかないですし、自分が好きでやっていることですけど、応援してくれた人たちの思いには応えられなくて申し訳ないなとは思いますし、ただ、平本選手を誉めてほしいと思います、本当に平本選手を評価してほしいと思います。
ーー試合前に、平本選手がどんな形で70kgをつくってくるかが問題だとおっしゃっていましたが、どうでしたか?
弥益 いやもうわかんないっす。もういいじゃないですか、試合前の話は。もういいです。ケージの中が本当に全てですしケージに入った時点でそこまでのはどうでもいいですよ全部。勝ったやつがすごいし偉いしがんばってるし。負けたやつは情けないし努力が足りなかった。多分それだけだと思います。
ーー試合前いろんなことがあったことが想像できる中で、その中で今回の経験が、桜庭選手や青木真也選手のような一部のJ-MMAの選手が経験してきたような、特別な経験であると言えば、J-MMAが好きな弥益選手は少しは心が晴れますか?
弥益 いや、あの、まあ色々あったのですけど、でも別に自分一人が何か迷惑を被ったわけでは決してなくて、平本選手ももちろん怪我されていろんな事情があって、団体にも事情があって、で、自分にも事情があって。弥益に皺寄せがいっているという意見もSNS上で聞くんですけど全然そんなことなくて、みんながベストを目指した結果だと自分は思っていますし、お答えになっていないですけど、あの頃の自分が見たら、多分ちょっと笑っていると思います。
ーーそこそこ売れてきたので、営業職に回ってこの経験をキャリアに活かしたいと思いますか?
弥益 全くないです。全くないです!俺の格闘技は、俺のプライベートと切り離して(笑)、やっていきたいと思いますので、今後ともみなさん、そっとしておいてください。あはははは。よろしくお願いします。ありがとうございます。
鈴木千裕「壁を越えられたなと思った」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
鈴木 やっぱ、この壁を越えられたな、と思いましたね。これでまた一歩チャンピオンに近づけているので、この……、試合前にも言っていたのですけど、これは僕にとって試練だと思うのですよ急に試合が決まって短期間で調整して、それで勝つっていうのが、やっぱりすごい僕の今のこれからの格闘技人生にすごい必要なもの、こういう恐怖に打ち勝つのもそう、短期間で準備するのもそう、そういうの全部含めてこの試合は受けて大正解だなと思いましたね。
ーー急遽参戦でしたが、この短期間で今成選手と戦う作戦や戦略はありましたか。
鈴木 作戦とかは、足を取られないように、しかないのですけど。僕のなかで一番の目標をトレーナーには言わないですけど、僕の中で試合の目標をいつも決めてやるッスよ、それが今回は「逃げないこと」っす。やっぱすごい怖いじゃないですか、一発で足を極められちゃうし、折られるかもしれないし。そういう相手に、目を一切そらさないで、ちゃんと見て、相手の目を見て、で、逃げるのとディフェンスは違うので、ディフェンスはするけど逃げないんスよ。それを僕のなかで今回目標にできて遂行できたので、すごいいいものを手に入れられたと思いますね。
ーーブレイクのあと踏みつけに行って足を取られたと思います。ああいう場面は冷静でいられましたか。
鈴木 いや、冷静ではいなかったです。折られる覚悟で行って、正直もう足取られたときは「折れるものなら折ってみろよ」と思って。でも俺は折られないで、ぶん殴って思いっきり蹴り飛ばしてやると思って勝負して。足取られてるけど、痛いけどめちゃくちゃ痛かったっスよ、バキッて言ったし、「折れる!」と思ったけど、でも踵で攻撃できるし蹴り飛ばせるし殴れるし、動くものはいっぱいあるのでだからそれ全部ぶつけて勝負して、それで折られたらしょうがないんですよでも折られなかったので、そこはリスクかけて勝負を手に入れたので、そういう僕の戦い、試合の中で決めた判断がいい方向に行ったなと思いましたね。
ーー足関十段と呼ばれている相手のイメージは実際戦ってみて違うところはありましたか。
鈴木 足関のイメージは僕のイメージ通りだったのですけどやっぱり僕キックボクシングのチャンピオンでKNOCK OUTって団体でチャンピオンやってるんスけど、今まで戦ってきたなかで一番圧があって、何かを感じました。もしここで俺が一個攻撃したら何かがあるんだろうな、何かしたら何かやられる、必ず何かが返ってくる圧があって。それをすごい感じましたね。目に見えない恐怖というか、それが一番ありましたね。
ーー今回で4連勝ですが、今後の展望を教えてください。
鈴木 試合決まったら先のこと考えないスタイルですけどやっと試合が終わったので。大晦日、格闘技のビッグイベントにふさわしい相手と戦いたいですね。で、やっぱ僕若いので、足とか痛いけどすぐ治るんですよ。なので、すぐ治してすぐ戦える準備するので、大晦日、KOでね、まだKOしていないので、KOで年末飾りたいので、オファーお待ちしています。
ーー急遽受けるとなったら周囲からの反対の声があったと思います。今成選手に勝つには今日のような試合ではファンに受けるような試合にはなりませんが、取られる心配があるのに顔面を踏みに行って足を取られかけたあそこは、今成選手に普通に勝つのではなくて、何かしようと思って、何かを見せたくてああいう攻撃を仕掛けたのでしょうか。
鈴木 やっぱ、周りにずっと言われたんですよ、勝てないよ、千裕が勝てるわけないじゃん、無理、無理、無理、極められて終わるって。それが本当に悔しくて。周りの人は誰も信じてくれない。でも俺を信じてくれてる人がいるんで、ちゃんと。その人たちがいるかぎり、やっぱり逃げる試合はしたくないんですよ。常に倒せる瞬間があったら、倒しに行く、で、勝つ。結果的に判定になってしまったけどKOを僕は狙いに行っていました。だからそういった非日常というか、みんなが、一般の人、普通の人が考えたら絶対リスクかけないで、ちょっと中距離から攻撃して距離取って、ピッピッて攻撃して距離取って、で安全運転を選ぶじゃないですか。それってやっぱり普通で。やっぱりみんなお金払って見に来てくれて僕の勝利を期待してくれている人がいるので、そういう見せ場じゃないけど、倒す姿勢を僕は見せたかったんですよ。だから必然的にあの蹴りが出て、踏みつけてやろうとか思い切りぶん殴ってやろうとか、そういうものが出ましたね。
ーー試合中に頻繁に足を動かして、手で膝を触るような仕草などやっていたのは、足関節対策なのでしょうか?どういう意図でしょうか。
鈴木 そこはひとつ「来いよ!」って。「取れるものなら取ってみろ」と言って出した感じですね。で、来たら反応できるしカウンター合わせられるし圧かけられるし、僕は逃げたくなかったので、正々堂々来いよ、とやった感じですね。
ーーそういう意味ではKO以外はやりたいことはかなりできた感じでしょうか。
鈴木 KOはできなかったですけどリスクをかけて勝負にいって、この試合で一番大事なのって、本当は一発もらわないのが一番正しいですけど、僕は今成さんに足関節思い切り極められてディフェンスしたんですよ。極められないようにはずして、耐えてはずして。それで僕が勝ったんですよ、そこに意味があると思って。今成選手の必殺技を、僕は直接、こういう言い方は変ですけど、正面から受けたかったんですよ、正面から入られて、本当にいろんな人を倒してきた関節ってこれくらい威力あってこれくらい圧があるって、勉強したかったんですよね。それがリアルに味わえたのは、今後のキャリアに本当に大事なことで、だからチャンピオン目指すにあたって今成選手みたいな相手が来ても、足関はもう怖くないです。他の人で足関が強い人がいたとして、今成さんより絶対強くないので。だからそういう感じでした。
ーー大晦日の対戦相手を具体的に挙げるならこの選手と、というのはありますか?
鈴木 誰がいるんだろう、でも、そうですね、大晦日にふさわしい相手なので、タイミングとかあると思うのですよ。ちょっと試合終わったばかりで誰とやりたいとか出てきてないので、「あ、こいつとやりてえな」というのが出てきたら自分のYouTubeとかで言うと思うのですけど。今は、格闘技ファンが見たいカード、榊原さんがこの選手とやったらおもしろいんじゃない、この選手とやったら大晦日ぶち上がるからやってみなよと思われるようなカードを組んでほしいですね。
ーー平本選手の試合はご覧になりましたか?
鈴木 ちょっとだけ。
ーーそこともう一度は?
鈴木 いや、戦う必要ないっすね。別にやる必要もないし、僕は別にもう、僕が勝っているので。まあ、あっちが勝ち上がってきたらタイミングが合えばやらざるをえない状況になればやると思うのですけど、基本的にやる必要はないですね。僕とやるならまだ倒さなきゃいけない相手がいると思うので。正直僕、嫌いなんで。そんな、嫌いなんで。僕素直なんですよ、大っ嫌いなんですよ。ああいう試合前はヒール面して、試合の時だけ正々堂々やりましょう!みたいな。悪党でいるなら最後まで悪党でいろと思うんですよ、そういうのは僕の性には合わないので。って感じですね。
ーー萩原戦からの怪我もあったことを踏まえて急な試合に向けてのトレーニングで特別に取り組んだことはありますか?
鈴木 特別なことというか足が痛くて動けなかったので、「休む」です。拳も痛かったので。動きたいけど動かない。それがちょっと僕の課題で。本当にじっとしているのが苦手なんですよ。3日とか練習しなかったら「もう、やべえ動きたい」みたいな。でも勝つために何もしないのを選びました。これすごい辛いんですよ、ただ休んでるだけでしょって思うかもしれないですけど病院行ってひたすら寝て治療してっていうのって本当にしんどくて。スタミナ上がらないし技術落ちるし、周りは試合してプレッシャーかかるし。そういうなかでも、休むんですよ。勝つために、動かすためい。ずっと休んで休んで、完治じゃないですけど、8割くらい治った時に動き始めるのを意識していました。あえて練習しない、回復させる練習です。それがしんどかったですね
ーー以前からRIZINのチャンピオンになると公言されていますが、自分の中でタイトルマッチにどれくらいでたどり着けるか見えてきたでしょうか。
鈴木 僕の中のチャンピオンの美学があって、チャンピオンは誰にでも勝つことが僕に取ってのチャンピオン。相手を選ばない。裏であると思うのですよ、勝てる相手とやる。それを選べるので、チャンピオンは。でもそういうのじゃなくて、誰にでも勝てる選手、それは多分格闘技ファンと榊原さんが決めることだと思うので、僕が今からチャンピオンとタイトルマッチやらせてくださいって言っても100%組まれないのですよ。なので、順番があるので、この人に勝ってこの人に勝ってこの人に勝ったらタイトルマッチやっていいという業界の目安があると思うので、それを出してほしいのです。あと2連勝なのか3連勝なのかとか、次KOしたらとかそういう、大体見えていると思いますけどね。あと3、4戦以内にはタイトルマッチできるんじゃないですか?それかたまたま欠場で空いて、タイトルマッチ急遽やることもあると思うのですけど、だからいつでも戦えますよ。
ーー立ち技との二刀流も公言されていますが、立ち技は今年1月が最後で、次の大晦日もRIZINだと1年くらい立ち技をやっていません。どのようなプランになりますか?
鈴木 KNOCK OUTは来年3月にビッグマッチをやると思うので、そこに僕は出ると思うので、そこに向けて頑張ります。何があるかわからないけど来年3月にはやると思います。
ーー平本選手のSNSの影響力の大きさについて、そういうところも世界的に求められている要素だと思いますが、SNSテク、自分を見せる、プロデュース能力についてのお考えをお聞きしたいのですけれども。
鈴木 やっぱり僕自身YouTubeとかSNSやってますけど、水戸とジローっていう学生時代からの友達二人が盛り上げてくれててすごい感謝してるんですけど、やっぱり、パフォーマンスも大事ですけど、格闘技の本質は、僕は強くなることだと思うので。気取るのが好きじゃないんですよ、本来の本当の自分じゃない自分をSNS上で作ってSNSではこう言う顔、で、みんなの前ではこう言う顔っていうのが好きじゃないんですよ。俺がやりたい格闘技って俺が持っている性格、俺がやりたいこと、俺がやっていること何一つ間違ってると思わずに生きているので本当の俺を見てほしいんですよ、でも本当の俺をSNS上で出すと批判がきたりやってもいないフェイクニュースで叩かれたり、そういうことが起きるじゃないですか。だから僕が思ったのは、僕は何も変わらないです。僕の性格何一つ変える気はないので本来の自分を見せたいのですけど僕だけじゃ無理なので周りの人にサポートしてほしいです。僕は見せることは、自分の力はないので、いろんな人に支えてもらって輝けるようにしてほしいです。ここにいる皆さんが僕を有名にしてくれるんすよ(笑)。じゃないと困るので、変なフェイクニュースばかり取り上げないでください、もう。いいニュース取り上げてください。じゃないと、きっと俺は悪にもなれるしヒーローにもなれると思うんスよ。それはみなさん次第だと思うので。お願いします!
今成正和「身体が痛いです、いっぱい蹴られて」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
今成 体が痛いです。
ーーそれはご自身が仕掛けに行ったからか、それとも相手の打撃をもらってなのでしょうか。
今成 いっぱい蹴られて。
ーー対戦相手の急遽変更で、鈴木選手のイメージは前と後で違うところはありましたか。
今成 もうちょっと弱いかなと思ったんですけど、すごい強かったです。
ーー試合前インタビューでは「瀧澤パート2」になるんじゃないかとお話ししていました。実際試合をしてみていかがでしたか。
今成 うーんと、そうですね、もっと攻撃をしてくるタイプだったので、ちょっと違ったっすね。
ーー試合の序盤で果敢に足関節を取りに行く場面で、取りきれなかったのはどう思っていますか。
今成 まあそうですね、実力が足りていなかったのだと思います。
ーー試合を終えたばかりですが今後の目標、展望を教えていただけますか。
今成 できないことをできるように練習するっていうことですね。
ーーフェザー級に戻して2戦目で負けてしまいましたが、階級の手応えは?
今成 うーん、まああんまり別に階級がどうとかってあんまり考えていないんで。うん、そうですね、フェザーでいいかなと思いますかね。
ーー2ラウンド、顔面踏みにきた時に足を取れていたのは、あそこ腹這いまで入ったときにあそこを極められなかったのはどういうことが考えられますか。
今成 あれ、なんか、もうちょいだったんですけどねほんとうに(笑)。なんか、そうですね。向こうが持ってたんですね、やっぱりそういうものを。
ーー組み技と、打撃ありで戦う時に、相手選手がアドレナリンが出たりして打撃ありの方が足関節に耐えてくるというようなことは有り得ると思いますか?
今成 それはあると思う、興奮しているので、ちょっとやそっとじゃ「参った」しないですよね。
ーー逆に、今成選手の方が打撃ありだと極めに力が入ったり焦ることはグラップリングと比べてありますか?
今成 MMAで組みをやると、すごいヤバいなていう危機感があるので、そういうのを体験しておくとグラップリングするときに余裕が出る。そういう意味では、グラップリングの練習になるというふうには思います。
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