7月31日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された湘南美容クリニック presents RIZIN.37の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
パク・シウ「(2回戦も)提示された相手とやるだけ、全力で戦いたい」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
パク 試合に勝利できて気分は良いですがカンナ選手と仲が良いのでちょっと胸が痛いです。
——公開計量やリング上で日本語で挨拶をしたのは自分の言葉で伝えたかったということなのでしょうか?
パク 公開計量のコメントは準備して覚えたことを言いました。今日のリング上は自分が思ったことを知っている限りの単語で表現することができました。
——浅倉選手と戦ってきて、練習してきた時と違うところはありましたか?
パク 練習と何も変わらなかったです。
——トーナメント2回戦で戦いたい相手は現時点で決まっていますか?
パク 私は常にやりたい選手はいないです。提示された相手とやるだけだと思っています。
——では2回戦の意気込みをお願いします。
パク トーナメントだからと言って特に何も変えることはなく、一個一個の試合と向き合い、次に提示された相手とやるだけなので、全力で戦いたいと思います。
——今回の試合で特にスプロールがより効果的でした。タックルのしつこさがパラエストラ千葉の選手の特徴だと思いますが、今回グラップリングの技術の伸びが見えました。レスリング元世界王者の山本美憂さんの助けは大きかったですか?また、グラップリングはどういう選手とやってどう成長したのでしょうか?
パク 自分は比較的、打撃が得意ですし好きですが、これはMMAなので全ての分野ができなくてはいけないと思っています。そして相手選手も自分が打撃の印象が大きいのかタックルに来る傾向が多いのですが、全般できなくてはいけないのでタックル切るというのはカンナ選手との対戦だから極めたということではなく、昔から想定してやってきたものがただ出ただけですし、グラップリングに関しても昔から培っていたものが出ただけで必然だと思っています。美憂選手はアドバイスもたくさんくれて、二人とも頑張るタイプなので、そういう点で相性も合いますし、常に高め合える存在だと思っています。
——今MMAだから、ということでしたがフィジカル面では非常に力強さを感じました。そこについては、韓国での練習も含めて、ご自身でパワーアップできたと思っていますか?
パク フィジカル面は特別な訓練はしていませんが韓国は男性選手が多くて昔から男性選手と組んでいたり男に負けないようにフィジカルを作ってきたので常に基準が女性ではなく男性ファイターとしていたので強くなっていったのと、とはいえ自分ではまだまだ強いとは思えていませんし、これからもっともっと強くなれると思っています。
浅倉カンナ「パク・シウ選手と試合できたことがすごく嬉しい」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
浅倉 1回戦を勝ち進むことができなくて、悔しい気持ちはあるんですけど、パク・シウ選手と試合できたことがすごく嬉しいです。
——パク・シウ選手とは練習していた仲間とのことでした。実際に試合してみて違うところはありましたか?
浅倉 正直、練習だと本当に全然勝てなくて怖いなというイメージがあったんですけど、試合でも本当に強くて、全然かなわなかったな、というイメージでした。
——フルラウンドで、最後の最後までタックルしていた印象でした。自分の得意なタックルで最後まで戦おうと思っていたのでしょうか?
浅倉 そうですね、自分の戦い方のイメージは本当はテイクダウン行きたかったのですが、なかなかこう、うまく行かず、勝ちパターンを潰されてしまい、テイクダウンがうまく行かず出し切れずに負けちゃいました。
——スッキリされたようにも見えますが、気持ち的には落ち着きましたか?
浅倉 そうですね。パク・シウ選手とは最近まで練習していて強いのも知っていたので、悔しいですけど試合できてよかったなという気持ちの方が大きいです。
——試合を終えたばかりですが、今後の展望を教えていただけますでしょうか。
浅倉 トーナメントがこの後もまだあるので自分の今後は分からないです。
RENA「限りある時間ですけれども頑張って成長していきたい」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
RENA そうですね、やっぱり思っていた以上にやりにくかったというのと、1Rで「あ、終わったな」と自分で勝手に思っちゃってて、そこで一瞬緊張の糸が解けたというか。そこで倒し切れなかったのが大きな反省ですね。3Rまで長引いちゃって。巻き返しというか、アナスタシア選手のハングリー精神もすごい感じましたし、色々勉強になった試合だったなと思います。
——特にどういうところがやりにくかったですか?相手のリーチだったり、パワーだったり?
RENA 手足の長さはすごい感じたなぁっていう風に思いますね。
——対戦相手印象としては、その辺りが予想とは違いましたか。ほかには何かありましたか?
RENA 想像していたよりやりづらかったのと、久しぶりに私自身もパンチ効いたなと思う部分もあったので、本当に勉強になったなぁ、というか。ローキック自体はもう手足も長い分、いいかなと思って放っておいたんですけど、1発・2発、「あ!痛!」って思うこともあって。こんなに腫れたのも、シュートボクシング時代から初めてなので。そうですね、すごい本当に。2倍くらいになっちゃいましたけど(笑)。
——今回勝利し、2回戦にコマを進めました。やはり戦いたい選手は会見の時から変わらずでしょうか?
RENA これが1Rで倒していれば言いたかったのはありますけど、やっぱこのままじゃダメだと思うので、その名前は伏せたいなという風に思いますね。やれる機会があるならやらせていただきたいですがこのままじゃ勝ち上がったメンバー誰にも勝てないと思うので、より気合が入ったな、という風に思います。
——トーナメント2回戦への意気込みをお願いします。
RENA (今日)まだあと2試合、誰が勝ち上がってくるかまだわからないですけれども、ベスト4まで一応残れたっていうのはすごい大きいですけど。うん、まだまだだなって。このままじゃ勝てないと、家族LINEにも、このままじゃ決勝行けないぞと言われたので、シュートボクシングのシーザー会長に打撃をまた1から教えてもらって、阿部さん、そして宮田先生に寝技を教えていただいて、もっともっと、限りある時間ですけれども頑張って成長していきたいと思います。**
——今回打撃で倒し切ることをテーマにしていたと思います。それができなかったのは、相手の打たれ強さでもありましたか?
RENA うーん、打たれ強さというか私がまとめる力がもう少し足りなかったという風に。最大でも3つくらいしかパンチ連続して打てていないと思うので、それはアナスタシア選手が足使って止まらない、という動きをされたからまとめられなかったというのはあるのですけど。そうですね、まあ、うーん。本当に色々課題が残る試合にはなりましたね。
——それは以前の自分だったらできたという感触ですか?
RENA どうですかね(笑)。わからないですけど、やっぱり倒し切るのが私の売りなのにそれができていないのがすごい悔しいという。そうですね……。毎試合倒すことは難しいですけど、できたのにできなかったのが今回1番悔しかったことだと思いますね。
——この練習期間にやってきてよかった部分はどこですか?
RENA ダウン1回は確実に、2回くらいは取れたかな、と、すごい感触もあったので。あそこまで倒せるのはまだいないと思うので。そこで満足せずに倒し切ることをテーマにもっと頑張っていきたいと思います。
——パク・シウ選手も勝ち上がりましたが、リベンジという意味で意識しますか?
RENA どの選手が勝ち上がったとしても、私的には誰とでもストーリーになるのがこのトーナメントだとう風に思うので、カンナ選手とパク・シウ選手どちらが勝ってもリベンジマッチになるし、もし浜崎選手とやるんだったら、本当に師匠への挑戦という感じにもなるし。伊澤選手はただ私がやりたいだけで一方的な感じですけれども。まあ誰が来てもいいように、しっかり見つめ直したいなと思いますね。
——オープニングや入場などいつもより笑顔が明るく見えました。それにはテンション的、心境的な部分がありましたか?
RENA トーナメント1回戦というのがすごいあって。めちゃくちゃ緊張もしましたね。この1回戦勝ち上がらんと話にならんぞって自分ですごい思ってたので。それでも楽しもうとなったのは、大好きなさいたまスーパーアリーナですし、お客さんもすごい応援してくれる方も多くなりましたし。そうですね、すごい私自身楽しもうと思えたからなのかなと思います。
——アナスタシア選手と一緒にウクライナの旗を掲げていましたが、このタイミングでウクライナの選手と戦うことができたのはご自身にとって思うところはありましたか?
RENA 私は本当に経験もできないし、本当に争いはしたくはない、格闘技をしているからあれですけど。戦争って本当に何も生まれないというか、被害者がすごい出るので。国のことは私にはよくわからないですけれど、やっぱり日本てすごい平和じゃないですか。その中で私には絶対経験できないような悲しいこと辛いことがたくさんある中で格闘技に向き合って、日本に来て試合するって、すごい大変なことだと思うんですけど。そこに来てアナスタシア選手、すごい優しくて、性格もすごい良くて。本当に強い人なんだなと肌で感じたなという風に思いますね。ラブ&ピースを広めたかったというか。私にできることはあれしかないですけども、みんなにもう一度感じてほしい、見つめ直してほしいというか。わからないけどすごいやりたかったことですね。
——機会があれば一緒に練習してみたいですか?
RENA そうですね、すごいやりたいなと思いますね。
——MMAというフィールドでこれだけ退かずに打撃で張り合ってくる選手も珍しいのかなと思うのですが、その辺で戸惑ったりまとめきれなかったり、打ち返してくるかな?というのが入ってきたというのはありますか?
RENA あー、そうですね。久しぶりに殴り合ってくれたな、と、今思いますね。試合中は本当に退けない、退かないの繰り返しだったので、今思い返すとすごい楽しかったなと思いますけど、やっぱ柔術家の選手であるというのがすごいあって、引き込んでくるというのも情報にあったのでそこは警戒しつつ、案の定やってきましたし。うん、全体を通して楽しい試合にはなりましたけど。
——久しぶりにアジア人以外の外国人とやって、パワーであったり「外国人だな」と感じた場面はありましたか?
RENA 体格的に本当に手足長いのが、日本人にあそこまで長い人はいないので。しかも49kgで。それはすごい日本にはいない、本当に「外国人だな」と思いました。寝技の展開になったらもっとやりづらい展開になっただろうなと思います。
——最近のRIZINの女子MMAでなかなか打撃バックボーンの選手はやって来ないというのがあると思いますが、そういう部分は何か感じるところはありますか?
RENA やっぱり女子は倒れづらいし倒しにくいし、なかなか決め切れないところがありますが、レスリングや柔道で押さえ込みが強かったりして、そこからMMAに上がってくる、そっちの方が有利だとは思います。ただ、打撃の選手だけれどもここまで来れるよというのを私が見せたいというか、打撃の選手にも夢を与えたいと思うので、ただただもっと頑張らないと、と思います。
——キックボクシングなどの舞台でやっている選手にも感じてほしいものがありますか?
RENA そうですね、せっかくやってるからこそ稼げるし有名になれるし、うん。「自分なんか」じゃなくて、私でもなれてるんだよっていうのはすごい、「あなたもなれるよ」って背中を押せるような存在にはなりたいなとは思いますね。
アナスタシア・スヴェッキスカ「ファンの皆さんのあたたかい声援によって勇気づけられた」
——試合後の率直な感想をお聞かせください。
アナスタシア 今日の試合の結果について私自身が評価して考えることしか申し上げられませんが、私は十分にいい試合だったと思います。自分の最大と言える力を全て発揮できましたし、皆さんにいい試合を見せることができたとは自己評価しています。この試合を組んでくださった運営に対しても満足しています。ただ今回の判定を完全に承服しているかというと、私自身はいくつか疑問に思っているところがあります。今回3ラウンドの試合をフルで戦いましたがジャッジ3名全員が対戦相手に勝利を付けたことには納得行かない部分があります。ただ結果は結果として受け入れて、今後に繋げたいと思います。
——対戦を終えて、対戦相手のRENA選手はイメージと違う部分はありましたか?
アナスタシア 今回の試合に向けてほぼ2ヶ月準備をし、その中で対戦相手のビデオを、色々な試合を何回も見て、彼女のスタイルは当然研究してきました。その中で試合では何か違ってたかと言われると、特別違うとか全く予想もつかないような驚くようなことはありませんでした。私の想像の範囲内だったと思います。
——1ラウンド目でパンチを被弾した場面は印象的でしたが、その後、作戦を変更したりはしましたか?
アナスタシア 確かに1ラウンドで随分パンチをもらったのは事実です。そしてかなりダメージを受けたのも確かです。だからと言って作戦を変えたかというと、1ラウンドでパンチをもらったから変えたのではなく、それ以降のラウンドで、私からの打撃もかなりRENA選手に入っていたし、パンチの打ち合いで、かなり同等な試合運びができると考えたので、あのような形で、どちらかというとパンチの応酬のような試合運びとなりました。
——試合を終えたばかりですが、今後の目標を教えていただけますでしょうか。
アナスタシア 今回の疲れをまず取り、体力を回復させたいとまず思っています。今はっきりと言えることは、これからも格闘技というスポーツでキャリアを積んでいきたいということです。格闘技が大好きですし、これからももっと成長していきたい、と望んでいます。いろんな方にとって「私もこうなりたい」という見本になりたいと考えています。プロとして活動を続けていくことと、じゃあこれを一生やるとはまだ言えませんけど、今はプロとして自分の満足度も高いですし、もっと強くなっていきたいと思っています。
——今後ももっと日本で戦いたい気持ちはありますか?
アナスタシア もちろんです。これからも格闘家として活躍し、何度でもリングに上がって試合をしたい。RIZINは大変組織力が高く、レベルの高い運営をしています。初めてオープニングセレモニーにも出ましたが、その雰囲気や、ひとつのイベントとしてのレベルの高さに大変感銘を受けました。これから、またこの場所に戻り、いい戦績を残せるように頑張りたいと思います。
——RENA選手は、機会があれば練習してみたいと。それを聞いていかがですか?
アナスタシア もちろんです。私としてもRENA選手とトレーニングできるなら最高です。ウクライナの女子格闘家は練習相手を探すのが非常に難しいのです。今のお話を聞いて、そんな機会があるなら喜んで一緒にトレーニングを積みたいと思います。これは私にってもですが、彼女にとっても非常に有益なことだと思います。
——母国が大変な状況下で試合をすることについてお聞きします。日本でも元首相が射殺されるなど大きな事件もあったり、周囲がウクライナでの戦争に対する意識が下がっていることについて、ウクライナ人として、もしくはファイターとして伝えたいことはありますか?
アナスタシア すでに戦争が始まって6ヶ月過ぎようとしていますが、いまだに戦争は終わっていません。多くの国民が戦争の犠牲になっていることは紛れもない事実です。国民は勇敢に戦い、男女を問わず戦争に駆り出されています。子供達も、男性も女性も、若者も老人も、多くの人間が戦争のために殺害され、また暴力の被害に遭っています。これが本当に真実だということを、今この場でも皆さんにお伝えしたいです。そして、是非言いたいことは、戦争は決してまだ終わっていないということです。ウクライナ国民はそういう状況でもお互いに助け合い、勇気を奮いたたせてこれから国の発展に尽くしていきたいと考えています。そして諸外国からの援助にもこれからも期待しています。これは金銭的なことだけでなく、道徳的、モラルの援助も含めてです全てにおいてサポートを受けざるを得ない状況なのです。それを、このような国際試合に出られたことでこの場を借りて皆さんにお伝えしたいのですが、ウクライナは独立国であり、自由で豊かな国なのです。残念ながら現在ロシアによって多くの領土が占領されている状況ですが、私たちは決してこのような状況に甘んじることなく、自分達の国を守っていきたい。戦争状態に置かれている母国を思いながら、皆さんの支持や強いサポートをこの機会に訴えたいと思っています。
——今のお話を受けて。先ほど、今後の展望を聞かれて、これからも格闘技を続けたいと話しながら涙ぐんでいたのは、格闘技を続けて試合に出ることが現在とても難しい状況なのでしょうか?
アナスタシア 格闘技を続けていくか否かに関しては国の状況に関わらず、私は国の状況を言い訳にしたくない。自分が本当に望めばどんな可能性も見出せると思っています。トレーニングもそうです。どんな状況でも、もしそれをどうしてもやりたいと思えばそれを実現できるはずだと思いますし、自分もそうありたいと思います。私は、必ず自分の目的を遂げる強い意志を持っています。こういう状況を言い訳にしたくありません。自分の将来について言えば、格闘技の中で、もう少しブラジリアン柔術やレスリングの方に重きを置いていく可能性はあります。これから自分の体とも相談しながら、どのような技術を習得できるかをコーチと一緒に考えながら決めていきたい。自分が望めばキャリアは積んで行けるし、嫌になればやめてしまうでしょう。誰にも強制されることではなく、例えばどこかの組織との契約でやりたくないのにやらざるを得ないというような状況でもない。私は自分の意思でやりたいと思っているので、続けていきます。
——アナスタシア選手のファイトを見てファンになったという日本の方がたくさんいます。
アナスタシア それを聞いてとても嬉しいです。今回試合に出て、日本のファンの皆さんが本当に熱心に応援してくれて、ウクライナの旗を掲げてくれたり、私の名前を呼んで試合中に応援してくれたことが、どれほど励みになったか、皆さんには想像もつかないほど嬉しいことです。異国で戦うのは難しいことです。私も来るまでは日本を知らなかったけれど、厳しい条件下にあっても、ファンの皆さんのあた高い声援によって勇気づけられました。ありがとうございました。
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