こんにちは!雷美(らいみ)です!みなさんちゃんと覚えててくれてますかー!?今回もやってきました「教えてチャーリー!」のお時間です!

教えてチャーリー!」は、格闘技初心者の私が、RIZINマッチメーカーのチャーリーさんと一緒に“これを読めば格闘技観戦がもっと楽しくなる!”を目指して試合を振り返っていく企画です!

前回からすごーーーく楽しみにしていた大阪大会に行ってきました!たこ焼き!お好み焼き!ライト級GP開幕戦!そんなわけで、今回も皆さんおなじみチャーリーさんに突撃して、試合を振り返って行きましょう!

――チャーリーさん!アゼルバイジャァァーーーーーン!!
…お、お疲れ様です。完全にトフィック選手に影響されてますね。

――もちろんです!ライト級GPでの選手たちの激闘に影響されまくっちゃいましたよ!Heeey!!
…そ、それはグスタボ選手の真似ですか。真似したくなるくらいインパクトがあったってことですね。

――そうなんです!それにしてもライト級GPに勝ち上がった選手、皆さん強かったですね!
そうですね、特に今回のライト級GPはどの試合も勝った選手の良い部分が突出した試合になった印象ですね。

――サトシ選手の「ここはRIZINだよー!」をもう一度聞きたかったんですが…負けて落ち込む姿に涙が出そうになりました。。でもでも、勝ち上がったジョニー選手も爽やかで格好いいから次が楽しみです!
サトシ選手も攻めたんですけどね、ジョニー選手のディフェンスが上手かったですね。

――そうそう、チャーリーさん!そのジョニー選手とサトシ選手の試合で会場が「おおぉっ!」と盛り上がったあのシーン!あそこで何が起きていたのか、私イマイチわからなくて…
ほぉ。

――なんとなく会場の雰囲気で「なんか凄いことが起きてるな!?」っていうことは分かったんですけど…あそこでいったい何が起きてたんですか?早速ですが解説をお願いしたくて…!
雷美さん、だんだんと試合への探究心が出てきたんですね。良いじゃないですか。

――…だって私も皆さんと一緒にあの興奮を味わいたくて…!!早くこの試合を解説してください!
了解です。では一緒にその試合を見ていきましょうか。

画像: 教えてチャーリー!ジョニーvs.サトシはまさに『知恵の輪の攻防』!! RIZIN.19を振り返る!vol.1

≫ 試合動画を見る

――あ、試合開始早々に少し気になったんですけど、サトシ選手は背中が少し丸まってますが、ジョニー選手は背筋がピーーーン!としてて姿勢が良いですね。
ジョニー選手ってフットワークが軽いんですよ。体幹がすごくしっかりしているからフットワークを刻んでもパンチがぶれないんです。

画像1: ≫ 試合動画を見る

――お!そんな事を言っている間に早速サトシ選手がジョニー選手に組み付いていきました!
サトシ選手は柔術家ですからね。ここでなんとかしてグラウンドで自分の展開から技をかけたいと考えているんです。

画像2: ≫ 試合動画を見る

――ジョニー選手のお腹のあたりでダッコちゃんのような体制になっていたサトシ選手が、気づいたらジョニー選手の腕に移動しています!木登りみたい!
サトシ選手の仕掛けは早かったですね。さっきの時点で既にジョニー選手の左手を狙ってたんですよ。そして手首をコントロールして相手の肩の前に足を持ってきて、自分のスネを相手の顔の前に持って来たんです。「オモプラッタ」という肩関節を決める技を仕掛けて、そこから色々と展開していきたかったんだと思います。ちなみに「オモプラッタ」はポルトガル語で「肩甲骨」のことなんです。

画像3: ≫ 試合動画を見る

――ジョニー選手、危機!と思ったら、おわわわわ!ぐるぐる回って二人とも立ち上がりました!凄い!けど…いったい何が起きているのか全然わかりませんでした…!(泣)
ジョニー選手は「オモプラッタ」を仕掛けられたときに自分の動く方向次第では肩を極められてしまうと思ったんでしょうね。だから極められない方向へ体を回転させたんです。関節の可動域っていうんでしょうか…解説するのも難しいですね。それだけ凄い攻防でしたね。

――ううーん…ジョニー選手は自分の腕を軸にして、扇風機みたいにぐるぐる回って、腕がスポって抜けたみたいにも見えます。でもスローで見てもやっぱりよく分からない…。
扇風機というより、このジョニー選手の一連の流れは、例えるなら「知恵の輪」みたいな感じです。

――ち、知恵の輪??
雷美さん、知恵の輪ってやったことあります?っていうか、知恵の輪って知ってます?

――し、知ってます!!知恵の輪くらい…!!
この一連の攻防は「知恵の輪の攻防」とでも言いましょうか。

――おーーー!なんですかその名前、なんか格好良いですね!!
この二人を知恵の輪で例えると、ジョニー選手がちゃんと正しい方向に回したことで知恵の輪が解けたっていう感じです。知恵の輪ってちゃんとハマると解けるじゃないですか。このジョニー選手の動きはまさにこれなんですよ。

――へぇー!この一瞬でそんな事が起きていたんですね…。
もしジョニー選手が間違った方向に回っていたら、きっとどこかで引っかかってしまい、少しでも動きが止まったらサトシ選手に締められてしまう。そう考えると尚更このジョニー選手のディフェンスというのは本当に綺麗でしたね。

――それで会場があんなに「おおぉっ!」と盛り上がったんですね。雰囲気だけじゃなくて、やっとその凄さがわかってきました!
この一連の流れがほんの一瞬の出来事でしたからね。サトシ選手の仕掛けるのも早かったし、ジョニー選手が凌いだのも早かった。

画像4: ≫ 試合動画を見る

――その後は、サトシ選手が再びタックルしたものの…何かが目に当たったのか床に倒れてタップしちゃいましたね。
これを「サミングだ」と言う人がいますが、明らかに違いますね。サミングというのは目潰しのことで格闘技ではもちろん反則なんですが、これはサトシ選手のタックルに対してジョニー選手がギリギリで脇の下からパンチを入れてるんですよ。スローで見るとよくわかると思います。ジョニー選手のパンチが、サトシ選手の目に当たっていますね。

――そうなんですね…でも痛そう。。
その後サトシ選手はタップしちゃったので、タップしたらその時点で戦意喪失なので負けということになります。RIZINルールでは、審判団の判断に疑義などがあれば二週間以内に書面で提訴できるシステムになってるんですが、サトシ選手サイドからは主催者に提訴文は届いていないので、あの打撃はサミングではなく有効打だと納得したんだと思います。

――ほー、そういうシステムがあるんですか!知りませんでした!
ただ、僕の中ではやっぱり、ジョニー選手のパンチがサトシ選手の目に当たってタップした。多分、サトシ選手はこういう打撃に慣れていなかったんでしょうね。そしてサトシ選手のパンチに左のクロスカウンターを合わせて、その後タックルにあのタイミングで右の打撃を当てたジョニー選手は凄いと思いますよ。

――確かに!飛び込んでくる相手に拳を出すって、そんな簡単に出来るんですか?
あり得ない事ではないと思います。これに似た展開がPRIDE時代にありましたね。

――へー、過去にも同じような事が起きてたんですか。
ヘンゾ・グレイシーとダン・ヘンダーソンが対戦した時に起きたんですよ。さっきのジョニー選手のパンチと同じような感じで、ダン・ヘンダーソンがパンチを入れてKO勝ちしたんです。雷美さん、ちょっとPCでその試合を調べてもらえます?見たいんで。

――は、はい!ちょっと調べてみますね…これですか?
そうそう、これこれ。ヘンゾ・グレイシーって言うのが柔術家で、今回のサトシ選手と同様に相手にタックルしに行くんですが…ほら、同じようなタイミングでパンチを合わせられてるでしょ。ダン・ヘンダーソンの右手が顔に当たってKOされちゃうんですよ。これを読んでくださっている皆さんも興味があったら調べてみてください。

――本当だ…!今回の展開と同じですね。
全く一緒です。これは目ではなく完全に顎に入っちゃってますが。だからこれはあり得るKOなんですよ。

――なるほど〜。
タックルするっていうのは、ある程度の勢いで相手に向かって行くので、小ちゃなパンチでも自分からぶつかりに行けばそれだけダメージは大きいでしょうね。

――高速道路でフロントガラスに小石がぶつかっただけでガラスにヒビが入っちゃう…みたいな事ですね。
(あれ、今日はいつもよりまともな例えだな…)そうですね、そんな感じです。ヘンゾ・グレイシーはこのパンチで完全にノックアウトされましたけど、サトシ選手の場合はたぶんパンチが目に当たってびっくりしたんでしょうね。めちゃくちゃ痛い!目が見えない!となって、たぶんパニクったんじゃないかなと思います。

――そうなんですね。でも今回チャーリーさんの解説を聞いて、もっとサトシ選手の柔術を見てみたくなりました!
そうですね、僕も見たいです。本人は少し休みたいと言っていましたが、諦めずにまた出てきて欲しいですね。

――はい、また出場してほしいですね。...ではチャーリーさん!
はい?なんですか、いきなり。

――次はチャーリーさんが解説したい試合のお話を聞かせてください!
今回はそういうスタイルなんですね。うーーん、今回は割と早く勝負が決まる試合ばっかりだったからな…。僕的にちょっと話したいのはメインの試合ですかね。

画像5: ≫ 試合動画を見る

≫ 試合動画を見る

――メインってイリー選手の試合ですか?私も会場で見ていたのですが…その直前の試合で、海選手が憂流迦選手の顎を粉砕した衝撃が強すぎて…
まぁ、そうなってしまうのは無理もないでしょう。あの破壊音は衝撃的でしたからね。

――それで、そのメインの試合で話したいことってなんですか?
ちょっとその前に…雷美さんはあの試合を見てどう思いましたか?

――うーん、あの試合ですか?まぁ、イリー選手がファビオ選手をコーナーに追い込んで、そのままパンチの連打でイリー選手の圧勝だった、って感じですかね。
僕も雷美さんと同じく前情報なしの状況なら、たぶん雷美さんと同じような感想だったと思います。

画像6: ≫ 試合動画を見る

――??…チャーリーさんは違ったんですか?
僕はあの短い攻防の中で、実は「おおっ!」っとテンションが上った瞬間があったんですよ。

――え?一体どこで??
そもそも僕はこのメインの試合に関してすごく期待値が高かったんです。

――それは現役チャンピオンのイリー選手への期待値が高かったということですか?
いえ、メインの試合に出場するこの2人に対しての期待値が高かった。イリー選手はもとより、ファビオ選手もです。ファビオ選手は本当にボクシングが上手なので絶対にああいう展開になると思っていたんですよ。

――「ああいう展開」というのは?…もっと詳しくお願いします!
雷美さん、良い顔付きになってきましたね〜。ファビオ選手がガードを固めて亀のように丸まった状態になって、そこへイリー選手がパンチで攻めまくる。あそこまでは全然良かった、というか思惑通りでした。

画像7: ≫ 試合動画を見る

――私から見たらイリー選手が一方的にファビオ選手を攻撃しているように見えたんですが…あの場面がですか?
そうです。ファビオ選手は一見、防戦一方の消極的なスタイルに見えますが、コーナーに詰められた彼は肩でガードをしながらカウンターを狙っていたんです。

――ふーーーん...。
まだ納得できていないという顔をしてますね。ファビオ選手の過去の試合を見てみると、コーナーとかロープ際とか金網際とか、そういうところに詰められる展開が多いんです。彼はコーナーやロープなど、背中を何かに付けて亀のような状態からカウンターを返す、そういう選手なんです。ほら雷美さん!ちょっとPCでファビオ選手とヒョードル選手の試合を調べてもらえます?見たいんで。

――は、はい!ちょっと調べてみますね…これですか?
そうそうそう、これこれこれ。この試合も最初はすごく消極的に見えるでしょ。でもこれがファビオ選手のやり方なんです。このやり方で皇帝ヒョードルからダウンを取ったんですよ。ほらほらっ!

――あぁ、チャリーさんの言う通りの展開だ!
そうなんですよ。ファビオ選手はああやって詰められてからウンターを狙うんです。なので今回もファビオ選手はいつも通りの展開で試合を進めていたんです。

――なるほど〜!この動画を先に見て、その後に今回の試合を見ていたら「お!ファビオ選手のいつものパターン来たきた!」ってなってたかもですね…!
そうなんですよ!だから僕の中ではファビオ選手がガードを上げてコーナーに詰められた時点で結構テンションが上がったんですよ。お、来た!いつものように餌まいてる!って。

画像8: ≫ 試合動画を見る

――なんて言うか、挑発の逆パターンみたいな感じですね。煽るのではなく、身構えることで相手のパンチを引き出すみたいな。
ファビオ選手はガードしながら後ろに下がって、一度コーナーに当たって場所を確認しているんですよ。ちょうどその時、目の前にジョニー・ケース選手がいたんですけど、ジョニー選手も僕と一緒に「お!」と注目していたんです。ただ、その後はあれれって…。

――今回は、今までのような反撃がなかったのですね。
イリー選手もファビオ選手の対策をしっかりしていたんだと思います。ファビオ選手の真正面に立つけど相手の右手が当たらないようにステップをしているんです。ファビオ選手から見て左側に頭をずらしているんですよ。ファビオ選手は亀のような状態になってからのカウンターは必ず右なので、その対策をしていたんでしょう。

画像9: ≫ 試合動画を見る

ファビオ選手は自分のスタイルの対策をしてきたイリー選手に対し、多分どこかで「もういいや」って思っちゃったんですかね。イリー選手の右クロスがファビオ選手のガードを割って真ん中に入っていたので、そこらへんから諦めちゃったのかもしれません。

――最後のマットにうつ伏せに倒れた場面だけが印象に残っちゃいましたね。。
別に失神KOじゃないのに床にベタっと倒れて頭抱えちゃうのは見た目も良くないですしね。しがみついてでも勝ちに行こうという姿勢が全く感じられなかった。これは本当に残念でした。

――その前の試合で、顎が折れてもまだ闘う目をしていた佐々木憂流迦選手を見た後だと、尚更でしたね...。
憂流迦選手は顎が折れても海選手の足にしがみついてたし、山本美憂選手もレフェリーに止められたけどハム選手にしがみついて最後まで何かしようとしていた。ダミアン・ブラウン選手だってそうでしたよ。

――私みたいに前情報なくあの試合を見た人はきっと、あーあ、ファビオ選手が詰められて終わっちゃったなって思っちゃいますよね。
ファビオ選手は凄いタフな選手なんですよ。殴っても殴っても立ち向かっていく凄い選手だった。だからこんな風な負け方になっちゃったのはすごく寂しいんですよね。僕の知っているファビオ選手はこんなんじゃない。ファビオ選手が下がって相手を誘ってるときに、おっ!なんかあるかも!って僕も思ったし、きっとイリー選手も思っていたと思います。

――なるほどですね。今回の解説を聞いて、年末はしっかり予習して試合観戦に挑まないと、と思いました!
良いですね〜。そういう心意気なら僕は協力しますよ。

――チャーリーさん、知っている情報は全て私に横流ししてくださいね!
横流しって、人を密売人みたいに言わないでください。まぁでも、僕の知っている情報はどんどん雷美さんに伝え、年末に向けて、皆さんが少しでも多くの試合に興味を持っていただけるようチャーリーガイドなど、今回も見どころ解説コンテンツを用意していこうと思っています。雷美さんもぜひ協力してください。

――はい!私も頑張ります!!
ところで、今回はもう終わりですか?

――それが…最後にもう一つだけ解説してもらいたい試合があるんですぅ。
では、それはまた次回じっくりお話しましょうか。

――その方向でお願いします!それでは皆さん!続きはまた次回~

関連記事

≫ 教えてチャーリー!RIZIN.19を振り返る! Vol.2
≫ 教えてチャーリー!記事一覧

NEXT EVENT

RIZIN.20

≫ 大会情報・チケット
≫ 対戦カード一覧

BELLATOR JAPAN

≫ 大会情報・チケット
≫ 対戦カード一覧

This article is a sponsored article by
''.