RIZIN.16の見所をRIZINマッチメーカーの「チャーリー」が徹底解説!選手のバッグボーンやストロングポイントをチェックすれば、試合観戦がもっと面白くなる!観戦前にチェックしよう!
マーティン・ブランコ VS 那須川天心
ISKA世界フェザー級タイトルマッチ
マーティン・ブランコ
左のパンチ全般|コンビネーション|ハートの強さ
那須川天心
左ストレート|カウンター|蹴り全般|集中力
急遽参戦となったマーティン選手だが、短い準備期間でも試合を受けたのは自信があっての事だろう。遠い距離からのローキックと前蹴りを多用しつつ、自ら踏み込みクロスレンジでのコンビネーションの回転も速い。左の使い方が上手く、ジャブ、ボディ、ショートアッパーなど全ての距離に対応出来るようになっている。非常に好戦的で自ら前に出ていくファイターなので、那須川選手は距離を詰めらての展開になるか。近距離で速い回転で放たれる連打を那須川選手がどう対応するのかも非常に見ものだ。どちらの選手にとってもISKA二階級制覇の名誉がかかった一戦だが、遥々29時間かけてやってきたハングリーなマーティン選手の方がモチベーションは高いか。那須川選手はいかにアルゼンチンの強豪を返り討ちにする事が出来るか。
浜崎朱加 VS ジン・ユ・フレイ
RIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチ
2年9か月振りのリマッチになるこの試合はRIZINスーパーアトム級王者の浜崎選手にとって厳しい初防衛戦になると思う。前回の試合は2RカットによるドクターストップでTKO勝利と記録に残っているものの、内容としては実力の拮抗した試合で、試合が続行されていたらどのような結果になっていたかは分からない。浜崎選手を「柔」とするとフレイ選手は「剛」という身体能力とファイトスタイルだ。強いフィジカルを持ちガードを上げてプレッシャーかけてくるフレイ選手に対して浜崎選手がどうやって組み、技を仕掛けていくか。グラウンドの展開になった所でも実力は拮抗しているという浜崎選手にとってまさに最強のチャレンジャー。2年9か月という間に浜崎選手は世界アトム級1位の称号とRIZINのベルトを、フレイ選手は世界アトム級4位の地位とインビクタのベルトを獲得した。互いの意地と団体の威信にかけて負けるわけにはいかない戦いとなる。
浅倉カンナ VS 山本美憂
レスリングを主体としているファイター同士の試合。背中をマットにつける事に対して強い抵抗を持つレスラー気質の二人のどっちが上を取るのか?浅倉選手も山本選手も下から技を決めているイメージは極めて少ない。互いに得意なトップポジションをとった方が有利と考える。しかし、総合格闘技における一日の長がある浅倉選手が様々な状況における引き出しを多く持つか。圧倒的フィジカルを誇る山本選手に対して引き出しの多さで勝負をする浅倉選手。両者似たようなスタイルで、試合中に起こりうるであろう展開の数はそこまで多く無い中、事前の戦略を練ってきた方に軍配が上がるかもしれない。山本選手の性格を考慮すると、タックルを全部切って打撃戦で臨む可能性も大いにある。
山本アーセン VS ティム・エスクトゥルース
山本アーセン
レスリング力|ポテンシャル|爆発力|スクランブル
ティム・エスクトゥルース
レスリング力|グラウンド力| 技のバリエーション
RIZINで経験豊富な強豪相手に十分すぎるほどの潜在能力と運動神経を見せてきたアーセン選手が、初めて同じ経験値の相手と試合をする。彼のポテンシャルがどれだけなものか、真価が問われる試合になる。ティム選手はダロン・クルックシャンクなどの強豪を数々生んできた格闘技が盛んなミシガン州のローカルサーキットでアマチュアを通して凌ぎを削ってきたグラップラー。レスリングもしっかりこなしながら、下からの仕掛け、三角から腕十字へのトランジッションなどをスムーズにこなせる器用さを持つ。打撃、レスリングではアーセン選手が有利だが、ティム選手はテイクダウンされてもそこからの引き出しが多い。アーセン選手は「寝技の対策」という今までの課題をこなせていなければ、ティム選手はすかさず極めにくるだろう。今回は「肘有り」ルールという事で、アーセン選手がパウンドと肘をどれだけ落とせるのかという部分も見所になる。両選手ともにファイター、そして父親としても絶対に負けられない試合となる。
ロッキー・マルティネス VS ジェイク・ヒューン
ロッキー・マルティネス
打撃|ボクシング技術|総合力| パワー
ジェイク・ヒューン
アグレッシブ|好戦的|パンチ力|レスリング力
RIZIN重量級をそのファイトスタイルとパフォーマンスで盛り上げてきたストライカー同士の対決。両者ともにしっかりとしたレスリングベースを持ちながらも打撃戦を好む。綺麗なボクシングテクニックを駆使するパンチャーのロッキー選手に対して、蹴りを織り交ぜながらの乱打戦を好むムエタイ、キックボクシングスタイルのジェイク選手。ジェイク選手の蹴りにロッキーがパンチを合わせる形になるか、はたまた蹴りをキャッチして体格差を活かせるグラウンドに持っていくか。ポイントはジェイクの蹴りにロッキーがどう対処するか。両者下がりながら試合をする事を好まず、前に出てプレッシャーをかけていくブルタイプなので、どちらがリング中央を支配して相手にロープを背負わせるかも見所の一つ。いずれにしても超好戦的な両者が見合う訳もなく、エンゲージするたびにヘビー級同士の打撃の応酬が見られる事は間違いない。打撃戦のみの戦いになるか、はたまたグラウンドの攻防が見られるのか。
国崇 VS 才賀紀左衛門
日本ムエタイ界の"ジャーニーマン"国祟選手が久しぶりにムエタイ以外のルールでリングに上がる。注目すべきはRIZINキックルールへの対応力。ムエタイルールなら的確なジャブを打ちながら距離を詰めて肘を打てるが、今回はそれができない。クリンチでもワンアタックというルールにペースを崩さずにどこまで本領を発揮できるか。紀左衛門選手は勝負度胸があって細かな打撃では動じない強さを持っている。ムエタイ特有の懐の深さを持つ国祟選手に対して、どのように飛び込んでいけるのかがポイントになる。手数とスピードでは国祟選手、パワーと意外性では紀左衛門選手。RIZINキックボクシングルールだがムエタイvs空手の異種打撃戦に期待。
ダロン・クルックシャンク VS トフィック・ムサエフ
ダロン・クルックシャンク
蹴り技全般|アグレッシブ |完全決着|RIZINルール適応
トフィック・ムサエフ
試合決定率|総合力|フィジカル|パウンド
RIZINライト級で門番的存在になってきたダロン選手が昨年末に圧倒的強さを見せつけたトフィック選手と対戦する。ライト級新旧外国人対決となるこの一戦は見所が沢山。トフィックが詰め、ダロンが下がる。ダロンが詰まった所で打撃の交錯があり試合が動く。ダロンは下がりながらの蹴りをどれだけ放てるか、放てなかった場合は試合はパンチの距離での展開が多くなり、大尊戦で見せたパンチとタックルの流れを見る限り、グラウンドの展開になればトフィックが有利か。今年のライト級グランプリへの狼煙を上げるべくして組まれたこの一戦は、グランプリの行方を大きく占う事になるだろう。
中村優作 VS トップノイ・タイガームエタイ
中村優作
当て勘|飛び込み|距離感|経験
トップノイ・タイガームエタイ
打撃|クリンチ| 肘|勝負勘|入場
RIZINのリング上のみならず、参戦の度に様々な方向で試合を盛り上げてくれる両者が激突する。打撃を主体とするストライカー同士で中村選手は日本拳法、トップノイはムエタイをバックボーンに持ち両者切れのある打撃を得意とする。フットワークを駆使して射程圏内を出入りする中村選手と、ムエタイスタンスでジリジリと距離を詰めてくるトップノイ選手。リング中を縦横無尽に動き回る中村選手をトップノイが追いかける展開か。普段はお茶ら気ている両者だが、打撃に関しては文句なしのスペシャリスト同士。KO率も高い好戦的な二人がお見合いを続けるはずはなく、エンゲージする度にヒヤヒヤする攻防になる。中村選手が総合での経験を活かして寝技で勝負する可能性も無視できないが、トップノイも朝倉戦でグラウンド対応のレベルの高さを見せている。どちらかが一刀両断するのか、または切り合いの死闘になるのか。目が離せない。
山口裕人 VS 白鳥大珠
RISE一押しの白鳥選手の最大の武器は長いリーチと洗練されたボクシング技術にある。サウスポーに構えたリードジャブとショートフック、前蹴りで距離を保ちながら綺麗に試合を運ぶ。対する山口選手はハートで戦う激闘を好む。ムエタイ出身ということもあり、肘の使い方などのテクニックを持ち合わせているが今回は使用できない。山口選手が白鳥選手と得意の打ち合いに持っていくためにはまず懐の深さを攻略しなければならない。フック系の強打を得意とする山口選手に対して、真ん中を打ち抜くストレート系を得意とする白鳥選手だと同時にパンチを出してもストレートが先に当たる。勝負のポイントとしては山口選手がどうやって白鳥選手のペースを崩して自慢の剛腕を当てていくか。RIZINの関西初大会で意地でも負けられない山口選手、そして同門の那須川選手と共に出場する白鳥選手も負けられない。
征矢貴 VS 川原波輝
共に打撃を得意とする修斗新人王とDEEPタイトルマッチ経験者の対決。最近RIZINに出場する日本人選手が固定化してきた中、国内プロモーションを背負って出場する事はとても喜ばしい。征矢選手は様々な出来事を乗り越えて来てからの復帰戦。そして川原選手はDEEP王者を追い込んだ試合ぶりの復帰戦。互いに連敗は許せない上、ストライカーを自負しているもの同士で先にタックルを仕掛ける訳にもいかない。パワーと圧力では征矢選手。手数と試合勘は川原選手。両者から打ち合い宣言が出ている中で、誇りをかけた激しい打撃戦に期待したい。
魚井フルスイング VS カナ・ハヤット
魚井フルスイング選手が待望のRIZINデビューを地元神戸で果たす。総合格闘技がスポーツとして進化していると言われている中、魚井選手はリングネームの通り常にホームラン狙いの異色のファイターだ。修斗でキャリアを積んできて総合的なレベルも高いのにも関わらず当たればKO勝ち、空振りすれば判定負けと、非常に分かりやすくて魅力的なファイトスタイル。対するカナ選手はリングネーム「One man riot=一人暴動」が語る通り、いつ、だれとでも戦う事を信条とするハワイが誇る激闘男だ。敗戦の数が目立つが、それは階級も考慮せず、来たオファーは全て受けるという信条の結果であって、決して侮る事はできない。「どんな相手にもフルスイングする漢」が「どんな相手にも真っ向勝負する漢」と戦ったらと、想像するだけで楽しい対戦だ。戦績やステータス、白星への拘りの枠を超越した者同士の生き様がにじみ出る一戦になるだろう。魚井選手は地元で修斗と神戸男児の強さを、カナはハワイアンの強さを互いにリング上で思い切り表現する。そして多く当てた方が勝つ。
憂也 VS 田中STRIKE雄基
憂也
パンチ力|ひざ|右ストレート
田中STRIKE雄基
近距離の打ち合い|当て勘|変則
恵まれた体格とパワーを武器に、高校生の頃から最前線で試合を行ってきた憂也選手。ファイトスタイルは基本に忠実で、一つ一つの打撃が洗練されている上に自分のペースを決して崩さないクレバーさを持つ。体重を充分に乗せた右ストレートは破壊力抜群で、ガードの上からでも殺傷能力が高い。対する田中選手は変則的なスタイルで型にはまらない。独特なステップから生み出される距離で放つパンチは重く、特に右のオーバーハンドと返しの左フックは強烈だ。近距離の打ち合いの当て勘が抜群で、まず打ち負けない強さがある。教科書通りの憂也選手か変則的な田中選手か。両極端のスタイルの戦いはどう転ぶか分からない。
一刀 VS 中村寛
神戸を地元とし、プロで30戦以上こなしているベテランの一刀選手と、関西キック界で最も注目されているプロ7戦無敗の中村選手の対戦。経験を活かし、独特のリズム感と絶妙な距離感で試合を組み立てていく一刀選手に対して、圧倒的な運動神経と反射神経を駆使した野性的な戦い方をする中村選手。距離感とリズムでしっかり試合を組み立てていく一刀選手にとって、セオリーの無い中村選手の攻撃は一番厄介なものかもしれない。独特の距離を保ち、挑発を繰り返しながらもしっかりカウンターを合わせられる技術は目を見張る。中村選手は無敗街道を爆走中だが、一刀選手の様な経験豊富なベテラン相手に決して油断は出来ないだろう。
植山征紀 VS 拳剛
シュートボクシングの王者がRIZINの舞台で西日本空手界の雄と対戦する。シュートボクシングの王者ながら卓越したパンチ技術を持ち、様々な角度からのパンチを打ち分け、尚且つコンビネーションとして使ってくる非常にテクニカルなパンチャーだ。対する拳剛選手は実践空手で培った経験と実績を関西初となるRIZINの舞台で大いに発揮したい。両選手ともに空手をベースに持つが、現在はキックボクシングスタイルに合わせたスタイルが確立されてきている。鮮やかなパンチのコンビネーションを持つ植山選手に対して拳剛選手がどのように対処し、自分の打撃を当てていくかが見ものだ。