9月25日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された湘南美容クリニック presents RIZIN.38の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
伊澤星花「気持ちの、戦術の面で通じ合えた」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
伊澤 すごい試合怖かったんですけど、それ以上にすごい楽しかったなって思います。
——打撃の印象の強かったアナスタシア選手と寝技の展開になったとき、組んでいる時間が長かったように思いますが、それだけ相手がうまかったというのはありますか?
伊澤 はい。前戦のRENA選手がすごい打撃の強い選手だったので一回戦では打撃の選手に見えましたが、寝技はデータ通りすごい強くて、パスさせなかったり、させてもガードに戻したりという動きがすごいうまかったです。
——実際に対戦してみてイメージしていたものと違ったところが具体的にありますか?
伊澤 やっぱり寝技のポジションの取らせない力が思ったよりも強かったです。
——決勝戦はパク・シウ選手と再戦です。現時点でどのような試合になるイメージでしょうか。
伊澤 打撃の強い選手なので、打撃の展開も多くなるし、そこから組んで寝技の展開も作っていきたいな、と思います。
——終始サブミッションを何かしらずっと仕掛け続けている状況でしたが、あの展開が得意ですか。ポジションをとって、パウンドで削るというよりも極めに行きたかったと言う感じでしょうか。
伊澤 やっぱり極めるのが好きなので、いつでも極めを狙っていく試合が好きです。
——ここまで逃げられるとはという感じでしたか。
伊澤 それよりもいいポジションにさせない、攻めさせないという動きがうまいという印象ですね。
——これで連勝が続いていますが、優勝への手応えはいかがでしょうか。
伊澤 やっぱり今回もすごい苦戦したんですけど、結果的に一本で勝てているので、決勝もいい流れで向かっていけるのかなって思います。
——試合後のマイクで、アナスタシア選手と通じ合うものがあったとおっしゃっていましたが、具体的にはどういう場面でどんな感覚になったのでしょうか。
伊澤 寝技の攻防で自分がやりたいこととアナスタシア選手がやりたいことの駆け引きであったり、攻めどきとかの見極めで、あ、同じようなことを考えているなとか、こういうことを考えているんだろうなという、気持ちの、戦術の面で通じ合えたのかなって思います。
——パク選手と1回対戦していて、非常に接戦でしたし反則もあって悔しくて泣いていらっしゃったと思います。あの試合に特別な思い入れがあり、再戦に特別な思い入れもありますか?
伊澤 うーんと、そうですね、そんなに再戦に向けて、前回の試合に関しての強い意識はないんですけど、テイクダウンディフェンスが強い選手だと思うのでそれに対しての対処をこれからしっかりやっていきたいと思います。
——浜崎選手もテイクダウンがカギになるとおっしゃっていました、ご自身もそう思いますか?
伊澤 そうですね。やっぱりテイクダウンがカギになると思うのですけど、そこからしっかりと寝技の展開に持っていけるようにコントロールしていきたいなと思います。
——今回トーナメントの決勝ということで資格としては大晦日のメインを任せられるのでは。その辺りのご自身の気持ちは?
伊澤 そうですね、何試合目になるかわからないですけど、しっかり女子格闘技を盛り上げられるように、これからしっかり自分の実力を上げるとともにしっかり宣伝していきたいと思います。
——大晦日で女子のメインは歴史的なことになると思いますが、歴史に名を残すという大きな野望はありますか?
伊澤 そうですね、歴史に名を残したいです。
——今回セミでしたが、前回メインの大会では、1日楽しんでいたとのことでしたが、今日は?
伊澤 今日は、来る時PPVで超を見て、会場に着いてメイウェザー戦を生で観て、あとは大原樹理選手の試合などを見て自分のアップに入った感じです。
——今回は観戦はそんなにできず。
伊澤 そうですね、でもメイウェザーの試合を見れたので、海外に行った気分になれました(笑)
——メイウェザーさんとはバックステージで遭遇したりしましたか?
伊澤 (メイウェザーが)会見している時に、このインタビュールームに来て後ろで見ていました。
——ウクライナ国旗をアナスタシア選手と一緒に掲げていました。SNSでも感動の声が上がっていましたが、どういった心境で、なぜやろうと思いましたか。
伊澤 大変な状況のなかで来ていただいて、総合格闘技って、やっていることは、戦っているということなんですけど、そのなかでも今回の自分の試合のように、相手の気持ちを考えたり相手の気持ちに寄り添ったり、今回は駆け引きという形でしたが、試合の中で相手の気持ちを考えることができると思っていて、そのなかでアナスタシア選手と何かで繋がれたという感覚があったので、国旗を掲げました。
アナスタシア・スヴェッキスカ「さらに鍛錬して良い試合を見せるように頑張りたい」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
アナスタシア ……。今回対戦してみて、対戦相手がスーパーアトム級で最強の選手だとはもちろん知っていました。ですから私にとって今回対戦できたのは非常によい機会でしたし、新たな経験を積めたことを高く評価しています。これから自分のスキルやキャリアをさらにより良くしていけるものだったと思っています。
——1ラウンド序盤からお互いにグラウンドの攻防の時間が長かったですが、やりにくさはありましたか?もっとこうできたという部分があれば教えていただけますか?
アナスタシア 実際グラウンドでの時間が長かったのは事実だと思いますが、だからといってグラウンドがやりにくかったわけでも時間が少ない方がよかったとは思わないです。グラウンドで自分がやれるべきことは全てやりましたし。今思えばもう少しスタンドの時間があって、それからグラウンドに持って行ったほうがよかったのかもしれませんが、グラウンドがやりにくかったということはありません。
——日本でした2度の試合を通じて、ご自身で成長を感じた部分はありますか?
アナスタシア もちろん日本での2試合を通じて、十分にトレーニングして、準備もしてきました。そういった準備をとおして技術的にも精神的にも、自分自身、非常に成長したと感じていて、それは確かなことだと思います。実際にグラウンドでの練習もたくさんやりましたし自分自身スタンディングでも寝技でも、どちらでも格闘技というものが大好きなので、これからもどんどん、前進していきたいと思います。いまとても強い選手と当たることができて、とてもよかったと思っています。今日の試合を思うと、自分自身のなかで、もうちょっとこれが不足していたという部分は感じたのでこれから不足部分をさらに完成させていきたいと感じています。
——ファンやメディアなど、注目してくれた方々にメッセージをお願いします。
アナスタシア 試合後に感情的になってしまい、記者のみなさんには、遅れてしまって大変申し訳ありませんでした。私の試合に注目して見ていただき、本当に感謝しています、ありがとうございます。また日本のファンのみなさんからメールや手紙をたくさんもらったり、街で会うと挨拶してもらったりして、あたたかなサポートを非常に感じています。私はマスコミの皆さんやファンの皆さんからのサポートの気持ちを高く評価しています。将来さらに鍛錬してより良い試合を見せることができるように頑張りたいと思います。
——今回連続参戦ですが、ウクライナが大変な状況のなか国外で活躍し、国旗を掲げる選手がいることを国内ではどう受け止められていて、またその反応をアナスタシア選手はどう受け止めて、がんばっているでしょうか?
アナスタシア いまはほんとうに国は大変な状況です、戦争はまだ続いています。実際に今日も戦争がまだ終わっていないのです。私は国に対しても自分の活動を支えてくれる人たちに対しても大変感謝の気持ちを持っています。自分たちがスポーツに専念できることは、ある意味では、軍や軍人の方々の活躍のおかげだと思っているので彼らにも心から敬意を表したいと思っています。
——そんななかで試合後に伊澤選手がともに国旗を持って立ったこと、それをどう感じましたか?
アナスタシア 私にとっては伊澤選手が一緒に国旗を持って掲げてくれたことを本当に彼女に深く感謝しています。本当に素晴らしいサポートの気持ちの表れだと、思っています。日本の皆さん、世界の皆さんにウクライナの国旗を見てもらいたかった、この国旗の色を覚えてほしかった、そういう意味で、非常に数少ない貴重な機会だったと思います。そういう意味で、今日の対戦相手、日本のサポートしてくださる皆さんに心から感謝したいと思います。
浜崎朱加「自分自身情けない気持ちです」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
浜崎 負けてしまって、応援してくれた皆さんにちょっと申し訳ないというか、自分自身情けない気持ちですね。
——対戦してみてパク選手、試合前と後で印象の違いなどありましたか。
浜崎 違ったところはなかったですし、強かったですね。
——パク・シウ選手の得意な打撃を被弾して腰を落とす場面もありましたが、焦りはありましたか。
浜崎 焦りはなかったですね、効きはしましたけれど。
——試合を終えたばかりですが、今後の展望をお聞かせいただけますか。
浜崎 腕折れちゃって。ちょっとすぐには練習もできないんで。わからないんですけど、手術になるかもしれないんで、ゆっくり休みます。
——腕の怪我はどのタイミングだったでしょうか?
浜崎 2ラウンドの、たぶん序盤だと思うんですけど。そこで多分折れちゃって。
——“度重なる”反則ということでパク・シウ選手は注意を受けていましたが、反則行為について自覚することは?
浜崎 サミングですね、指が入った時です。
——“度重なる”ということでしたが
浜崎 いや、その時だけだと思いますが。(パンチを打つときに)指が向いていたのかもしれませんね、こっち側に。
——1ラウンドの早い段階でパンチを受けたときに、口元を気にしている仕草があったようですが特に打撃は関係なかったですか?
浜崎 私がですか?いえ覚えていないです、すみません。
——今回の結果を受けて自分のなかでのキャリアの軌道修正であるとか、ちょっと休んでまだ復帰したときに、こういうふうに強くなっていたいというような考えというのはありますか?
浜崎 そうですね、どれくらいかかるか分からないので。私も骨をちゃんと折ったことが、ちゃんと言いますか、初めてなので、とりあえずちょっとゆっくり休みたいですね。
——今回の負けはそれくらい大きいですか。怪我も含めて。
浜崎 そうですね、そんなに試合終わってすぐ休むことがなかったので、まあいい機会かと思います。
——途中でやっぱりペースが変わった、狂った、という印象もありましたが。それはやはり怪我が一番大きかったですか?
浜崎 そうですね。テイクダウン臨んだんですけど、結構こっち(傷めている)側が痛くて。それもありますね。まあまあ強かったです、ただ単純に。
——こっち、というのは、ニータップをするときに持つ方が痛かったのですか?
浜崎 肩の方がですね。はい、できなかったです。
——今回はタックルや柔道の投げではなく、ニータップがメインの作戦だったのですか。
浜崎 はい、練習してきたので出して行って、1ラウンドでテイクダウンできたのでまあ2ラウンドめも行ったんですけど、そうですね、ダメでしたね。
——決勝戦は伊澤星花選手とパク・シウ選手の対戦です。どちらも浜崎選手が直近で対戦していますが、決勝戦はどのような試合になると思いますか?
浜崎 打撃戦だったらパク・シウ選手の方が強いと思いのですけど、どれくらいテイクダウンできるか、で。多分寝技もパク選手できるんですけど、やっぱり極めの強さで言うとやっぱり伊澤選手だと思うので。そうですね、予想はちょっと難しいですけど、楽しみではありますね。
パク・シウ「決勝戦で二人が当たれば、面白い試合になる」
——試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
パク まずは試合に勝てて良かったなと思っています。
——3ラウンドめに浜崎選手を倒した場面で追撃しなかったことが印象でしたがあれはどうしてなのでしょうか?
浜崎選手は本当に色々な意味でうまいですしキャリアもあります。ですから今日はとにかく落ち着いて臨もうと思っていましたので、相手がダウンしたからといって、むやみに入って行かないというのが自分の今日の戦い方でした。
——以前も浜崎選手をレジェンドと称えていましたが、実際に拳を交えてイメージが違ったところはありましたか?
パク やはりとても強かったですし、MMAの面で完成された選手と感じました。だから大変な試合でした。
——ご自身の試合の後の伊澤vs.アナスタシアはご覧になりましたか。
パク いえ、まだ自分の試合の後で、見られませんでした。まだ見ていません。
——決勝は伊澤選手と再戦となります。次の試合をどう戦いたいか、今後の展望をお聞かせください。
パク だいたい1年前くらいだったでしょうか。一度試合をして負けましたが、現在その時よりも伊澤選手も自分も、ふたりとも成長していると思います。決勝戦でふたりが当たれば、面白い試合になるんじゃないかと思います。伊澤選手はグラップリング、自分は打撃が得意なので、ふたりが当たればまたその面白さが出るんじゃないかな、と思います。
——自分の直前に試合したキム・スーチョル選手の勝利は、精神的に影響がありましたか?
パク はい。キム・スーチョル選手がいい試合をしていたので「私も頑張らなくてはいけない」と思いましたが、同時に「ちゃんと落ち着いていこう」とセルフコントロールしました。
——過去に対戦している伊澤選手の得意な部分もご存じかと思いますが、現在、自分が上回っているという自信はありますか?
パク 伊澤選手は子どもの頃から柔道をやっていらしたそうで柔道式のテイクダウンが得意だと理解しています。あとは、グラップリング、サブミッションに秀でていると思います。ただMMA的には自分のほうが一歩抜きん出てているのではないかと思っています。
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