4月16日(土)武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催されたSPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rdの出場選手たちの試合後インタビューを公開!
ルイス・グスタボ「オブリガード!アリガトーゴザイマシタ!」
ーー勝利、おめでとうございます!
グスタボ オブリガード!アリガトーゴザイマシタ!
ーー今のお気持ちをお聞かせいただけますか?
グスタボ 本当に日本に帰って来れて、とても嬉しいです。日本がとても大好きですので、今回KOで勝てて嬉しいです。もちろん自分がKOするとは分かっていましたが、とても嬉しい、言葉にできないくらいです。
ーー試合後の花道で日本のファンに言葉をかけられていましたね、そのときの気持ちは?
グスタボ すごく大きな喜びを感じました。初めて来た時もですね、矢地選手とメインイベントで戦った時も同じように感じたんですけれども、今回も大きな喜びを感じました。
ーー久しぶりの試合だったと思いますが、試合感覚はすぐに取り戻せましたか?
グスタボ この試合は、自分が12歳の頃から毎日やっていることと同じです。特に何も変わっていません。僕は2年間止まっていたわけではなく、練習を続けていました。
ーー今回戦った矢地選手は以前と変わったところは感じましたか?
グスタボ 試合前のインタビューでも言いましたが、直近の3つの試合を見ましたけど同じ印象であることは変わりません。やはり同じです。矢地選手は強い選手だと思いますが、印象は変わっていません。
ーー今後の目標をお聞かせいただけますか?
グスタボ 僕の目標はいつも同じです。ヴァンダレイ・シウバ選手がしたようなキャリアを日本で積むことです。それは日本でチャンピオンになることです。
ーー先ほど、“かめはめ波” をやるのを忘れたと仰っていましたね。今回ケージの中でやりたかったのですか?
グスタボ やりたかったんですよね。でも気分が高揚してしまってつい忘れてしまいました。でも今やります!(と言って”かめはめ波”のポーズをする)
ーー矢地選手の印象は前回と変わらなかったとのことですが、対峙して、前回とここが違ったというのはなかったですか?
グスタボ 違いというのは特に感じませんでしたが、矢地選手はとても強い選手だとそれは自分も認めていますし、尊敬しています。強い選手にも勝っている選手です。でも今日は僕の方が強かった。
ーー逆にグスタボ選手はこの2年間、試合をしないながらも自分のどこが成長してきたと思っていますか?
グスタボ 難しい局面が自分を強くしてくれると信じています。この2年間、困窮した状況にありました。練習のクラスを教えられなかったのですが、そういう状況が自分を強くしてくれた、成長させてくれたと思います。他のイベントにも誘われましたが、日本で戦いたいと思っているので。
ーー今日も予告通りのKO勝ちだったですけれども、今後も日本の観客を魅了するようなKOを量産したいですか?
グスタボ そう思っています。自分はいつもKOで試合を終わらせたいと思っています。
**ーーよくヴァンダレイ・シウバ選手の名前を口にされていますが、そういう選手になりたいと思っていますか?5年後、10年後にああいうスーパースターになっていると思いますか?
グスタボ ** もちろんそう思っています。そのために毎日練習しています。ベストになるためじゃないとできないし、ヴァンダレイ・シウバ選手がPRIDEでやったように、僕はそれをRIZINでやりたいと思っています。
**ーー印象的な勝利でした。朝倉未来選手とはもう一度やりたいですか?階級の問題もあると思いますが、もう一度試合したいですか?
グスタボ でも、彼はやりたくないだろう。たしかに一度やったけれども、体重の問題もある。(向こうが)70kgでやらなければいけないとなると、難しいと思います。
ーー明日、この階級のタイトルマッチがありますが、そこに名乗りをあげたい?
グスタボ もちろんです。明日試合をやれと言われてもその準備ができています。誰とでもやれます。
矢地祐介「もっともっとやれると思ったし本当に悔しい」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
矢地 いやぁー、言葉が出ないと言うか、悔しいっすね、本当しっかり負けたんで今回。ずっと課題にしていた部分も試合の土壇場で出てしまって、その結果なんで。うーんなんか、もっともっとやれると思ったし本当に悔しいですね。なんか、虚無感というか。「マジか。」っていう感じです。
ーー「課題としていた部分が出た」というお話ですが、どういうところか教えていただけますか?
矢地 皆さん知っていると思いますが、プレッシャーをガンガンかけてくる相手に対して、頭下げてパンチふっちゃうっていうのをずっと課題としてやってきたんですけど、今日も序盤で出てしまって。ある程度修正し始めて、修正しかけてたんですけど。やっぱり最後もああいう形でね、詰められて上体上がって、パンチもらうっていう。前より良くなったとしてもそれが仇となったなというか、自分に残念な気持ちでいっぱいです。
ーー久しぶりの再戦を終えて、対戦相手の印象は以前と比べて異なる点はありましたか?
矢地 前回に関してはお話にならなかったので、今回に関してはしっかり、試合っぽくなっていた、というか。なんか、うーん。紙一重だったのかなと思うのですけど、全てで上回れられた感じがして。組みでも。組みにも行けなかったし、組んでもやっぱり対処早くて、そもそも組ませてもらえないというか。なんか徹底してやりたいことやらせてもらえず完敗だったので。なんかやっぱり強くなってるな、というか。良いところを残しつつ強くなっているなと思いましたね。
ーー今回、「対世界」というのも意識してお話しされていましたが、その点については戦ってみていかがでしたか?
矢地 いや本当そこに関して自分自身、本当ガッカリで。もっと本当やれると思ったし、今回の試合しっかり勝って「おお、矢地やるじゃん」と。試合前にも言ってましたけど、「矢地、地力あるし強いな」って思わせたかったんですけど、まあ見事にやられたんで。悔しいっすねー、本当に。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の展望を教えていただけますか?
矢地 今後の展望ね(苦笑)、本当マジで何も考えられてなくて。まあ、ね、本当に「どうしよう」っていう感じ。裏でさっき金原さんにもね「もうやるしかないんだよ!」って怒られましたけど、今、何も見えない状態ですね、久々の感覚というか。完敗です、はい。
ーー序盤からの展開で自分の思い通りに進んでいったのはどれくらいまでですか?
矢地 結果的に言えば、後手になってしまって、見過ぎた?相手がどんどん、どんどん、最初カッコ悪く攻撃受けちゃってましたけど、自分のジャブとか、しっかり刺せてて、相手がどんどん鼻血出てたりとか、被弾しているの分かってたし、で、疲れてきている。圧倒的に俺より消耗しているの分かったので、そこは唯一、まあ思い通りに行ったというか、まあまあ、まあ最低限のラインは不恰好ながら守れていたというか。でもそこでやはり見過ぎてしまいましたね。後手になりすぎました。
ーーハイキックからの連続攻撃で最終的に止められましたが、ハイキックは見えなかったのですか?
矢地 ハイキックに関しては見えていたんですけどやっぱり出力の高い蹴りだったのであそこで上体が上がらずにしっかり受けるなり捌くっていうイメージでいたんですけど、やっぱりそこで上体を上げられてしまって、パンチの追撃でっていう流れだったと思うので、全然効いたりはしていないんですけど、うまくやられたなと。蹴りで相手を効かせようと相手は思っていなくて、俺の上体を上げさせるためにやっていたと思うので、見事にやりたいことやらせてしまったなという感じでしたね。
ーー「今は先のことを考えられない」ということでしたが、それでも世界の外国人選手に通用するという手応えは?
矢地 いや、全くない!正直。もっと組みにもいきたかったんですけどそこに関しても中途半端になってしまったし、技術というより、やっぱりちょっと気持ちの面で後手になってしまったのかな?と言う感じですね。まあ、やっていることは間違っていないという感じなので、この感じで、どんどん強くなっていきたいという感じなんですけど……、うん、はい。とりあえずは何も考えられないです。
ーー結果論かもしれませんが、思ったよりも組んでいなかったのは、先ほど「もうちょっと組みたかった」と仰っていましたが、組めなかったのかタイミングをどこかで計っていたのでしょうか。
矢地 手の内を話すというか、プランでは、下がっている時に無理に組みに行くと気持ちも動きも後手になっちゃうので、出されてしまった場合は体勢を崩さず、構えを崩さずにジャブ刺す、で、当たったら回る、みたいなプランで。で、俺のプレッシャー感じてくれたら組みに行く。プレッシャー背負わせたら組みに行くっていうのを徹底しようと思っていたので、そのまず背負わす展開になかなかなれなかったというのが一番大きかったのかなと。そこで全部後手になって相手にプレッシャーをかけさせてしまったので、それが良くなかったのかなと思っています。**
ーー今回が本格的な海外勢の入国で、グスタボはその間にそんなに試合をしていなかったかもしれませんが、その間の差というのは日本勢とは少し、まだ届かないという部分があると感じましたか?
矢地 うーん……全然……、そうですね、正直久々の感覚で。「あー、世界ってこんなか」っていう。もっとやれると思っていたので。大昔に海外でね、ある選手に負けたんですけどその時の感覚に似ていますね。「あ。何もできねぇじゃん、俺」っていう。壁はだから感じましたね。自分が負けた相手にこんなこと言うのも何ですけど別にグスタボ選手は世界トップの選手ではないので、これから駆け上がっていくかもしれないですけど、現状あああいう立ち位置の選手にこんな負け方してしまった、っていうので、本当に悔しいし壁を感じちゃいましたね。
ーー自分がこれだけやってきて期待が多かったから「何もできなかった」と見えるんじゃないかと思いますが、ボディロックから倒されなかった、左ハイから左の追いつき、ハッとさせられるような良い攻撃だったと思いました。
矢地 (笑)。ありがとうございます。ちょっとね、確かに色々うまくいっていた分、きっと理想が高かったかもしれませんね。ちょっと、今言ってもらったようなところを、しっかり試合見返して、いいところは伸ばして希望は捨てずにやりたいと思います。ありがとうございます。…ちょっと本当にやめてほしいですね、なんか今の。もう長いんでね、高島さんと。
ーー素直に嬉しかったですか?
矢地 嬉しいしやめてほしかったです。はい、でも前向きに頑張ります。
関根“シュレック”秀樹「逆にゲンコツくらわされた、ムスコに、強ぇ!」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか?
関根 貴賢神君ね、もうすごいパワーと規格外の大きさでね、押さえこめなかった。でね、やっぱすごい素質を感じた。もうスタンドでね、勝負して、ゲンコツ食らわしてやろうと思ったら逆にくらわされた、ムスコに、強ぇ!
ーー「ゲンコツ」という表現がありましたが、打撃がかなり強かった?
関根 今回貴賢神君とやるに当たって、ベルウッドチームでね、“怪物くん”のところで、ディフェンスを特に強化して、頭をふって、でもうスパーリングだとほとんどパンチももらわなくなっていたんですよ、ステップも使って。でもあの大きさとリーチの長さで結構食らったなっていう。
ーー試合前は「ジャーマンさせないぞ」「それはフリですか?」というやりとりをされていましたが、投げる場面については、あれはジャーマンではなかったですね?
関根 そうですね。一発目はタックルで入って、そしたらケージ際で普通はね、ケージでこう、アキレス腱をやるような感じでディフェンスするんだけど、それをさせなかったんだけど、彼の太ももがちょっと屈んだだけで太ももがバーン!て膨らんで、バチーンて切られちゃって!筋肉が膨らんだだけで、バチンと切られちゃって。結局テイクダウンまで持っていったんだけど、やっぱパワーと結構スタミナがあってね彼も。立たれちゃって。ま、二発目は自分、結構得意なんですけど、捨て身技ですよね、柔道で言う。自分からクラッチして自分が寝ころんで上になるっていう。シビサイ選手とやった時も使ったあれをやって、上になれました。
ーー今回大晦日に続いて2連勝。試合を終えたばかりですが今後の展望をお聞かせいただけますか。
関根 先ほどのインタビューでも言ったんですけど、自分はUWF、PRIDE、DREAM…で、RIZINさんに夢を持たせてもらってここまで希望を持って生きていられたんで。チャーリー柏木さんがRIZINを盛り上げるため、未来につなげるために組んでくれたカードを一生懸命盛り上げて遂行するのみです。希望とかは特にありません。
ーー最後のマイクで「昭和最強!」と仰っていた時、プレスルームは盛り上がっていました。
関根 平成生まれの方はいるんですか?すみません。昭和ね、歴史的に見ても、本当、昭和時代も昭和生まれも、あんまり良いことがなかったかもしれないけど、だからこそ、この令和の時代に平成生まれに負けずにね、頑張って行きましょう。
ーー試合後半からテイクダウンしてのグラウンド、あれは支えつり込み足でいいのですか?
関根 あれはね、うーん……、支えつりこみはしていなくて。クラッチして、柔道の捨て身技に近い感じですね。自分から足を出して寝転んで、柔道で言う「横分かれ」とか、そういう捨て身技に近い感じです。
ーー…という形でテイクダウンでされることで向こうが泡を食ったり慌てて対処が遅れた感じはありましたか?向こうがやるべきことは下でできていた感じでしたか?
関根 そうですね。本来自分はヘビー級ですけど、道場で練習する際にはね、相手の動きを先回ってバック取ったりとか、力で抑えこむことはしていないんですね。ただ、貴賢神君の規格外のサイズのせいで、バックに上がるのが、高さがあってできなくて、というのがありましたね。すごいパワーと、スタミナないかなと思ったら2ラウンドもしっかり寝技で抵抗してきたので、相当ちゃんと練習しているのだと思いました。
ーー伸び代や、ここが強くなるというものをどこかに感じましたか?
関根 先ほどメディカルルームであいさつして、彼の目を見た時に、何か晴れた目をしていたのでね。おそらく彼はそのまま真面目にやれば、このまま長所を伸ばしていけば、多分、次やったら、シビサイ君とやった時もそうですけど、自分は勝てないですね。初手だからこそ、老獪な試合運びで勝っただけで、彼はそのままでも強いですね、今。はい。
ーー後半の展開を生み出したのはやっぱり柔術ですか?
関根 1ラウンドは徹底的に打撃で勝負にいって、MMAの先輩としてMMAの全ての力で上回って勝とうと思ったんだけど、五発くらい顔面食らって。あ、このままでは折られる。確かに折られる、と思って。2ラウンドからは自分の土俵で勝負をするしかないなと思って。引き込んでもいいから寝技持ち込もうと思いました。
ーーマイクも力強かったですが、連勝で勢いに乗っているのを感じていますか?
関根 連勝と言うかね。今回そんなに苦労せず勝つつもりできたのですけど、過去ないくらいに打撃も磨いてきて。だけど本当に一歩間違えば、顔面折られてても間違いないし、ギリギリかったんでね。連勝の勢いというよりホッとした感じで盛り上がっちゃいましたね。**
ーーちょっと力強すぎたので闇堕ちかと思いました。
関根 “闇に躍るシュレック”って感じですね。
ーーきっと満身創痍だと思うのですが、だけど動きが良くて、怪我をしている中でも、古傷がある中でもこうやって自分が思う通りに動けるのはどういう要因になっていると思われますか?
関根 ふたつ理由があって。ひとつはベルウッドファイトチームっていう、打撃の鈴木博昭さん=怪物君。彼がボンサイの選手それぞれにカスタマイズした指導方法をしてくれて、打撃が大幅に向上した。打撃でも勝負しようと思える気持ちになったこと。技術的なグラップリングに関しては、今まで、自分で展開を作ったり、攻めることを考えていたのを、流れに応じて、相手に応じて出し入れ、力の出し入れをしていくってことを心がけるようになったのが大きいと思います。
ーーUのテーマでなく『キン肉マン』のテーマだったのは自分のなかでのテーマが違ったのですか?
関根 Uのテーマというのは、大晦日の会見でお分かりの通り、本来自分が使っていいものではありません。自分はUWFのプロレスラーではないし、ただの自分はファンなので、UWFに青春を捧げたファンだったので。UWFから連なるPRIDE DREAM RIZIN、大晦日ということで自分の人生の集大成としてUのテーマを使わせてもらっただけですね。一回ぽっきりの命をかけた大勝負だから使えたもの。今まで自分はね、全てMMAに関してはキン肉マンのテーマで入ってきたんでね。今回の『ズダダン!キン肉マン』って言うのは、貴賢神君、おそらく色んな不幸なことですさんだ心があったから、自分がね、先輩として、偉そうでおこがましいですけど、勇気、涙、愛を教えてあげたいなと思ってあのテーマを選びました。
ーーということは、今日の勝利は友情パワー?
関根 そうですね。まさに『キン肉マン』じゃないですかね。自分のボンサイ柔術の仲間、MMAの他のチーム、全然ボンサイ柔術じゃない、関係ない同じMMAの仲間が、外敵である相撲界からきた悪魔超人を友情パワーで倒して、悪魔超人とされた貴賢神君も、さっきメディカルルームで会った時は、目がすごい、澄んだ目になって、おそらくこれからMMAに真っ直ぐ向かっていってくれると思うので。本当に自分なんかが言うの偉そうなんですけど、彼のポテンシャル、自分は、今度はおそらくね、自分も何年かしたら戦えなくなるので、彼と戦った者として、いちファンとして応援したいと思っています。
貴賢神「挑戦を受けて下さったシュレック選手に感謝しかない」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
貴賢神 とりあえず後悔はないです。本当にデビュー戦から自分の挑戦を受けてくださった関根シュレック選手には感謝しかないです。**
ーー今「後悔がない」と仰いましたが、それは練習してきたことを出し切ったということですか?
貴賢神 いや、それで言ったら全然出せてない。やったことに後悔がないということですね。やるべきことはやれていないのでそこに対する後悔はあるのですけど。まだまだ足りないところだらけで。とりあえず本当に(相撲を)辞めて半年で、経験のない自分の対戦を受けて下さった関根シュレック選手には感謝しかないですね。
ーー「やるべきことがやれていない」というのは、特にその中で一番どこが課題だと思われていますか?
貴賢神 やっぱり、自分、今だから言えるのですけど、もともとの自分のデビュー期間は4月ではなかったんですよ。体力的な向上もまだまだしなくちゃいけないところだらけで。で、体重も落とさなくてはいけないというので。まあまずそこが課題なのと、まあ、あとはもっと場数が必要ですよね。何て言うんですかね、相手との駆け引きが……、相手の動きに対してちょっと集中しすぎて警戒しすぎたところもあって、そこがやっぱり、何て言うんですかね……、うーん、ちょっと頭がまだボーっとして舌が回らず頭も回っていないんですけど。相手にさせる攻撃、誘いとか、自分から行くところとか、そういうのもやっぱりまだまだ足りていないですよね。
ーー「駆け引き」という言葉がありました。相撲での勝負も駆け引きがあると思います。そう言う部分で、MMAと違う部分が結構ありましたか?
貴賢神 そうですね。180度違いますね。力士時代は、基本的に、何分もやるわけじゃないので、土俵下から基本的に戦いが始まってて、そこから心理戦の駆け引きが始まるわけですよ。で、土俵に上がった相手の雰囲気を感じて、相手が何するかを感じ取ったり、そこから始まるんです、身体的にというよりは心理的な駆け引きです。この5分3ラウンドというのは長いので、この長さの中の駆け引きは全く違うので、そこは経験していかなければいけないですね。
ーーそんな中で今回MMAデビュー戦で、MMAでの手応えは感じましたか?
貴賢神 いや、もう、まだまだですよ。「まだまだ」というのは気持ちがっすね。ああもうこれで終わりだな、ということではなく、まだまだやるべきことは山ほどありますし、技術面も体力面も精神面も。それこそ「心技体」ですね、まだまだです。
ーー試合を終えたばかりなのですが、今後の展望、目標を教えていただけますか?
貴賢神 変わらないです、そこはもう。とりあえず、ちょっと試合で、膝が感覚的には、左の内側か何かをちょっと傷めているっぽいので、そこを治してからですけど、もっともっとやっていきます。
ーー話せる範囲で、デビューが早まった理由は何かあったのですか?
貴賢神 そこはあまり話すべきではないと思います。すみません。
ーー試合中、特に1ラウンドの途中からジャブを積極的についたり、カウンターで右ストレートを合わせたり攻め込む場面もありました。振り返って自分がうまくいったところ、逆にここは練習との想定外だったところというのはありますか?
貴賢神 試合っていうのはやっぱり相手ありきなので、基本的にベテランの選手と、言ったらMMAを、アマチュアもやってなく、こういうデカい舞台でデビューさせていただいてカタチ的にはメイン枠でやらせてもらえてありがたいですけど、やっぱり経験が全く違うのでそこでの駆け引きも全然できてないというのがあります。……ちょっと、質問に答えられてなかったら申し訳ないです。頭がちょっとボーっとしていて。
ーー特に寝技は試合で初体験だったと思います。怖かったり、慌てたり、慣れてないなと自分では感じましたか?
貴賢神 それもやっぱりありますけど、1R目?2R目の始めですかね?ちょっと記憶が曖昧なんですけど、そこで膝がちょっと、音が鳴って、そこから言うこと聞かなくなったんです。で、「えび!」とか「ブリッジ!」とかって言われてるのは分かったんですけど、やろうとした時にシュレック選手が自分の右側にいたから左足で蹴らなくちゃいけないんですけどその左足が言うこときかなくて、そこは言い訳じゃないですけど、そこで何もできませんでした。
ーーデビューが早まったことで、この日に上がるという準備に不安はありましたか?
貴賢神 まあ不安だらけではありますけど。結局これも「やる」って決めたのは自分ですし、不安がないことのほうが人生を通して少ないので。やっぱりその中でどう自分が不安をごまかしながら、自分と向き合ってやっていくか、ということだったので、不安がどうのこうのっていうのは言い訳にはならないです。
ーー会見の時に「相手の顔の骨を折る」と仰っていました。ああいう強い言葉は、試合前の駆け引きで投げていたのですか?自分の中での不安を多少でも見せないようにしていたということはありましたか?
貴賢神 いやいや、ごまかすために、自分の弱さどうのこうのとかそういうことで言ったわけではなくて、やっぱり盛り上げることも大事ですし、自分も本当にそのつもりで言っているので、別に、うわべや嘘で言っているのではなくて、やっぱりそれくらいの気持ちでやらないと、結局勝負事なので、やるかやられるかじゃないですか。本当にその気持ちはありました。
ーーこれからもそういう気持ちで上がっていくということですね。
貴賢神 試合前は、結局戦う相手なのでそういうことも言いますし、これで負けたからってファンの方々には結構言われると思いますけど、まあ別にそれはそれですし。本当に自分の言ったことが、ファンの言ってしまえばアンチ、自分の反目の人にしてみれば「ざまあみろ」と思うかもしれないですけど、自分としては言ったことに後悔はないです。
ーー減量についても触れられていましたが。今の体重はベストではなく本当はもっと下げた形でやりたかったですか?
貴賢神 これは個人的な話ですけど、自分のデビューの日付、期間は4月ではなく、8月・9月とかで、辞めて一年くらいかけて、そこの標準に合わせて120kgのヘビーの規定体重にすることが自分の目標でやっていたので。受けたのは自分ですけど、半年というので甘くはないですよね。
ーー今後は120kgくらいでの戦いを目指していきたいということでいいですか?
貴賢神 とりあえずこの試合終わったら次は120kg台にして、125kg未満へとりあえずそこまで減らして、そこで動ける体力を作って、試合までに120kg=ヘビー級の体重に一回減量して、と言うような感じでやろうと最初から思っていました。
ーー今日ケージに入って、大相撲時代は両国の土俵にも上がっていますが、景色はどうでしたか?両国と今日のケージに立った時の気持ちの持ち様というのでしょうか。
貴賢神 思ったより狭かったなというのはありますね。広く見えるのかなと思っていたのですけど、狭くは感じました。景色の違いはあんまりないですね。
ーー緊張はどうでしたか?
貴賢神 緊張は直前までしなさすぎてちょっと「ダメだな」っていう。自分はやっぱり緊張感がないと頭の反応が遅れるので。大相撲でずっとやってきて人の多いところでやってきたのでその辺の緊張はなかったです。
ーー足の状況によると思いますけれど、ご自身の希望として、次の試合はいつぐらいにどんな相手とやりたいなっていうご自身としての希望はありますか?
貴賢神 いつくらいは分からないないですけど、とりあえずいっぱい課題があるので。決まったからにはやらなくちゃいけないというのが自分の中であったので、それがいつくらいと言われると正確には言えないのですけど。怪我の回復具合と、とりあえずあと体重をしっかり落としていきたいですね。
ーーたとえばどんな相手とやりたいとかありますか?
貴賢神 どんな相手でもやります。
ーー怪我していなければサイドの状態からエビなりクリンチなりして立ち上がるという技術はご自身の中でそこから立ち上がる自信はあったのですか?
貴賢神 気持ちは死んでなかったですし、次の動き、次の動き、と頭の中では分かっていたんですけど、身体が言うことを聞きませんでしたね。
ーー立ちたかったですか?
貴賢神 立ちたいのは大前提ですし、まあ立ちたいというよりも、自分の有利な位置で勝負したいな、というのがありました。
ーー有利な位置とは?
貴賢神 たとえば基本的に自分が下ではなく上になるのが大前提で、柔術で長年経験されている選手なので、上になられるとちょっと難しいです。
ーー作戦としてどのような戦い方をしようとイメージしていたのでしょうか?
貴賢神 とりあえずやっぱり経験もないので、攻防を繰り広げるってところではなくて、自分から攻められるところは攻めて、捌くところは捌くという感じで、相手との、”やって、やられて” の繰り返しではなく、やったらとりあえず捌くとか、来たら捌く、というメリハリをつけてやるのが自分の中でありました。
ーー思い描いていたフィニッシュの形は?
貴賢神 まあ、打撃ですよね。
ーー膝に関してはどういう形で傷めたのですか?
貴賢神 タックル来て、ちょっと今、曖昧なんですけど記憶が。2ラウンド目ですかね。1回タックル来て、1回捌いたんですけど、中途半端に足抜いて、抜け切らずにに次の動きしようとしちゃって。で、その時にケージ際で、相手の頭を押さえた時に膝のところに乗られてバコバコってなったんですね、音が。その時ですね。
ーー最終的には乗られてということですか?
貴賢神 “押し付けられて” なのかもしれないですね。乗られてという感覚ではなく横から押されたときです、タックルで。
SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd 試合結果一覧
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