7月20日(火)に行われたYogibo presents RIZIN.30 記者会見の第一部として、石渡伸太郎と榊原信行CEOが登壇。
榊原CEOがマイクを握ると、石渡伸太郎が6月に行われたRIZIN.28東京ドーム大会での試合をもって現役生活を引退したことが発表がされた。
石渡「上位陣を倒す自分の姿が想像できなかった」引退の理由を明かす
マイクを持った石渡は記者の見守る前で「前回の井上直樹戦をもって引退することを決意いたしました」と、自ら『引退』という言葉を口にした。
引退の理由について「これまで蓄積したダメージ、怪我、特に首がずっと良くない状態で練習が満足にできない状態で、これ以上、上位陣を倒す自分の姿が想像できなかったので『引退』という区切りを付ける事を決意しました」と、怪我が原因であり、また自分が勝ち進むイメージが出来なくなった事が引退の理由であることを明かした。
榊原CEO「日本の格闘技を支えて行くメンバーになってもらいたい」
榊原CEOは石渡から引退の決意を聞いたのは3週間ほど前であることを話した。
「僕も石渡から『井上直樹戦をもって引退を決意した』と、3週間くらい前にわざわざ会社に来て貰って、その思いを伺いました。RIZINに繋がる日本の格闘技界の中で先頭を走って、自らが闘う姿でプロの格闘家とはどうあるべきかを体現してきた石渡選手に、本当に『お疲れ様でした』という思いと、『まだまだやって欲しい』と思いがありました」
石渡の今後について榊原CEOは「格闘家は現役を退いてからの人生の方が長いですから、身体に大きなダメージを負ってのセカンドキャリアは大変だと思うので、我々としてはこれからも日本の格闘技界を、若い選手も含めて、RIZINを盛り上げていくのにも協力して欲しいと思いますし、新しい選手の育成・普及に、RIZIN男塾・塾長として取り組んでもらえたらなと、共に日本の格闘技を支えて行くメンバーになってもらいたいなと思います」と、今後も格闘技界に携わって欲しい旨を話した。
また、9月19日(日)に開催されるYogibo presents RIZIN.30で、石渡伸太郎の引退セレモニーを執り行いたいとも話がされた。
記者からの質疑応答を全文公開!石渡「堀口恭司さえ居なければ」
ーー最後にもう一試合をやることは考えはなかったのですか?
石渡 それに関しては、毎試合、大袈裟に聞こえるかもしれませんが、自分で『死んじゃったらしょうがない』という思いでリングに向かっていたので、『引退試合』ではそういう決意が出来ないので、半端な試合になるので、そういうのはしない、という気持ちです。
ーーセカンドキャリアはどのように格闘技に関わりたいと思っていますか?
石渡 これから考えていきたいんですが、今関わっている選手の指導をしたり、自分が現役中にアメリカの指導環境を見てきた中で自分が歯痒い思いをしてきたところを、後進にそういう思いをさせないように繋げていって、日本の格闘技界を盛り上げていけたらなと思います。
ーーキャリアの中で印象に残っている試合、印象に残っている相手を教えて下さい。
石渡 そうですね、やっぱ堀口恭司との闘いですかね。
ーーそれはどんな所ですか?
石渡 本当に「勝てなかったな」という。「堀口恭司さえ居なければ」みたいな(笑)
ーー奥様をはじめ、ご家族みなさんは何とおっしゃっていましたか?
石渡 『お疲れ様』とだけ言われてます。いつも何も言われない、いつも自分のやりたいことを尊重してもらえているので『お疲れ様』とだけ言われています。
ーー今回の井上戦の前に、そういった結果を出さなければと言うことを考えていたのでしょうか?
石渡 『これで負けたら引退する』みたいな臨み方だと、自分の限界が見えてあまり良くない結果が出てくることが多いような気がしたので、そうではなくて、僕は井上選手に勝って(現役生活を)続けたかったんですけど、練習が出来ているものがすごく少ない中で、その中で勝って行かなければいけなかったんですけど、なので(バンタム級グランプリ)初戦は井上選手を避けていこうとしていたんのですが...そうですね、答えになってますかね?(笑)
ーーRIZINでのキャリアをどの様に振り返りますか?
石渡 パンクラスで防衛している時は自分の力に自信があったのですが、でも世の中の人に認知されない歯痒さがあって。RIZINに出てたくさんの人に見てもらえて、最後はこういう形で会見までやらせてもらって、本当にたくさんの人に見てもらえて良かったです。
大塚「同じ世代を生き抜いてきたので寂しい」扇久保、井上もコメント
同日の記者会見第二部に出席した大塚隆史、扇久保博正、そして井上直樹が石渡の引退についてコメントした。
過去に二度も対戦経験のある大塚隆史は「石渡選手とは二度も闘って僕も負けているので、この(バンタム級グランプリ)トーナメントの巡り合わせでやれたらと思っていました。引退を聞いて、同世代で、同じ世代を生き抜いてきたので少し寂しい、残念な思いはありました」と、同じ時代を闘い抜いた盟友の引退について「少し寂しい」とコメント。
2019年の大晦日に当時のRIZINバンタム級王者次期挑戦者の座を賭けて拳を交えた扇久保博正は「僕のことを『兄弟』と言ってもらえて、自分的には親近感のある選手なので、本当にお疲れ様と言いたい」と、言葉を掛け、また「もう対戦することないので、機会があればYouTubeで一緒にカメハメ波を打ちたい」と、YouTubeでのコラボを行いたい旨を明かした。
石渡と最後に拳を交えた井上直樹は「最後に闘わせていただき、ありがとうございました」と石渡に感謝の気持ちを述べた。
石渡伸太郎の引退セレモニーなどの情報は、詳細が決まりRIZIN FFオフィシャルサイトにてご告知予定。RIZINでも数々の名勝負を生み出してきた石渡の引退セレモニーはどの様な事が行われるのか。今後の情報にも注目だ。
記者会見の様子(YouTube)
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