4月17日(日)武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催された湘南美容クリニック presents RIZIN.35の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
ホベルト・サトシ・ソウザ「リベンジができて、気持ちはとても良かった」
ーー王座を防衛し、リベンジも果たした今の気持ちはいかがですか?
サトシ 本当にとても嬉しいですね。本当にこの試合は、2年前この人に負けたことがあるから、リベンジができて、気持ちはとても良かったです。
ーーいつ金髪にしたのですか?
サトシ 昨日の夜ですね。本当に、やりたくないけど、奥さんとマネージャーがうるさいから「もういい!やるからな!」って(笑)。
ーーやりたくなかったのですか?
サトシ もっと試合に集中して試合のこと考えたかったからやりたくなかったけどマネージャーと奥さんが、大事だって、みんなびっくりするからって。2年前と今のサトシ全然違うから、ショーツの色も髪の色も全然違うから。
ーー以前と違ったところはどんなところだと戦っていて思いましたか?
サトシ 前と同じくらい。まず自分の自信、それが一番大事。あと、本当に2年前やった時の自分は私ではなかったですね、まだまだ、自信もないとか、勝つ気持ちもなくて、その気持ちで試合することは絶対許されない。1回でも間違えたら負ける。それだけが違いです。
ーー王座を防衛しました、今後の目標を教えていただけますか?
サトシ それはまだ考えません。家族とバーベキューが食べたいですからね。最初はそれ。それくらい。まだ日本とRIZINの名前を守りたいから。昨日と今日が日本人が外国人に負けていて、私はちょっと悲しいです。今日私が勝ったから、まだRIZINのベルトは日本に残留するから、それは本当に良かったです。他の人が来ても絶対RIZINと、日本の名前も守りたいです。
ーー金髪にしたことについて、(UFCライト級王者の)チャールズ・オリヴェイラ選手も金髪にした後で一度も負けたことがなかったのですがそれを意識しましたか?
サトシ もちろん、チャールズがすごいモチベーションになっています。ムサエフ戦の2週間前くらいに彼はベルトを獲った(2021年5月 UFC262)。矢地戦の時も、チャールズは1、2週間前(2021年12月 UFC269)に試合をしていたから、チャールズがモチベーションだしインスピレーションを与えてくれています。そして今度チャールズが来週くらいにやるから(UFC274)心配なのだけど、“金髪ラッキー”ができて嬉しいね。
ーーどうやって最後極めたのですか?
サトシ 矢地選手と戦った時とフィニッシュはほとんど同じです。入り方が違ったただけです。矢地戦はアメリカーナから入りましたが、今回は違いました。「レスリングが柔術をニュートラルにする」と言っていたので、それを見せられて良かったです。
ーーチャンピオンとして重圧のある責任の重い試合だったと思いますか?「どんなポジションからも極める」と言っていたご自分を預言者のように思いますか?
サトシ 昨日の計量の時、すごく緊張していて、足が震えるほどでした。それはジョニー・ケース選手と戦うので緊張していたのではなく、自分がこの大会に出るということでアドレナリンが出ていました。三崎先生も仰っていましたが、緊張することはとても良いことだと思います。ただそれをコントロールすることで、緊張が恐怖心を煽ってはいけないと思います。唯一MMAで負けた選手がケース選手なので、今日勝てて嬉しいです。
ーー今日の試合でリべンジに臨んだ選手がふたりとも負けてしまいました。その結果を受けてナーバスになりましたか?
サトシ 本当に私にその気持ちはないね。もう本当に。見ているけど、自分にはすごい自信があるから、絶対できるあるから。だからその気持ちはなかったです。
ーー序盤で打撃が入って、相手にも当てられましたが、そういう場面でスタンドで向き合えたのは自信になりましたか?
サトシ それはもう本当に私もその自信があるね。絶対彼と打撃でもできる。もちろんちょっとKOはなかなか難しいけど、スタンドだけで戦うのは難しいですけど、恐れてはいませんでした。それでも互角には戦えると。でもそれだけでは勝てないとも分かっています。
ーー最後のフィニッシュはグラウンドでは徳留戦に似ていましたがフライングでは初めて見ました。あれを練習しているのですか?
サトシ もちろん。今日の極めは、矢地戦と一緒。ヒロが朝倉海にやったのと似ているけどヒロはちょっと間違えたから朝倉は後で逃げた。この技は、ジムでよく練習しています。たまにバック取ってから極められないとか、相手のディフェンスが足を中に入れるから、それからこのバリエーションがボンサイにはありますから。
ーーベラトール王者はパトリッキー・フレイレです。どのくらいの時期にチャンピオンに挑戦したいと思いますか?
サトシ まだね。まだすぐはできない。私は彼の打撃のレベル、いろいろな経験があるのも知っている。長いから。レベルがわかる。もっと練習したいとか、もっとポイント直したり、自分の自信あげたい。私はよく考えるのですが、もちろん自分はいつも向上したいと思っています。後には戻りたくないです。彼を目標にしています。なぜなら、彼は世界のチャンピオンですから。
ジョニー・ケース「自分に対して失望しています」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
ケース 一言で言うなら自分に対して失望しています。とにかく試合をもう一回見直さないと分からないんですが、おそらく技術的なミスをしたのだと思います。自分が覚えているのは、バックを取られてしまって、とにかくバックチョークに気をつけなくてはいけない、レスラーとしての本能で相手のことをまず持ち上げて落とそうとしたことからはじまったことだと思います。気づけば三角の体勢に入って、もう気づいたときには腕が折れるかタップという選択肢しかないところに持って行かれてしまいました。脱帽です。今日は彼の方が強かった、それだけです。負けることは本当に辛いことだけれども、しっかり受け止めて次に向けてまたうまくなって戻ってきたいと思います。現在1-1なので、3回目のラバーマッチの可能性はあると思いますが、まずは家に戻って自分を見つめ直して、何を強化しなきゃいけないか、それを見たいと思います
ーー最後のRIZINの試合から今回の試合まで2年ほどMMAの試合をしていなかったと思います。ブランクや、試合勘を取り戻すまでに時間を要したというようなことはありますか?
ケース 全く試合勘の鈍りとかそういうものはなく、自分は調子が良くて試合に臨んだと思います。これだけレベルが高いところで試合をするのは、自分は当然この試合に臨む時は、楽な試合じゃないと思ってましたし、彼のことをワールドクラスの選手といったのも本心です。そのなかで彼は、今日の彼は自分の一歩先を常に行っていて、自分が動いている間、彼はその先を動いていました。本当に自分は今までないくらい調子よかったですし、そういうコンディションで試合にのぞみました。これは世界戦で相手は世界王者。ひとつのミスが命取りになるような、こんな凌ぎ合いを我々はやっています。自分でも驚きますけど16年間プロやっていてまだまだ覚えることが日々増えてきます。今夜は本当にチャンピオンにおめでとうと言いたいと思います。
ーー二度目の戦いでしたが、サトシ選手は前回と違うところはありましたか?
ケース 彼の打撃が間違いなくうまくなっていましたね、何発かもらいましたし、彼は本当に打撃に自信をもったように感じました。何発かもらって驚きました。「おお、ちゃんとしたファイトになるじゃないか」と。当然自分もうまくなって試合に臨んだつもりなんですが、この試合は「ファイトだ」と。このファイトの中で、自分は本当に調子が良くて万全の状態でこの試合に臨んだと思います。ただこのファイトの中でひとつだけ予測できない要素、それはファイトだと。で、当然ふたりの選手がリングに上がればどちらかは勝ってどちらかは負ける。今夜は自分が負けたという、それだけです。
ーー久しぶりのRIZINの試合でしたが、会場の雰囲気やファンの反応などいかがでしたか?
ケース 本当に、アメイジングな感覚で、本当に今回試合が決まってから日本に来て1秒たりともこれを当たり前と思わず常に1秒1秒に感謝しながら、過ごしてきました。日本に戻ってきて、ファンの前で戦えること。RIZINのキャンバスに足の裏で触れる感覚、全てにおいて感謝しながら過ごしてきました。当然、負けることはよくありません、好きではありませんが、ただ自分は光栄で幸せだと思いました。このような機会をいただいて、ましてや自分が心から愛するものを毎日やっていけるという幸せをすごく感じています。本当に捉え方次第で幸せに感じることがあるので、自分は当然試合に負けましたが、今は勝者の気分です。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標、展望を教えてください。
ケース まずは家に帰って家族と時間を過ごしたいと思います。ちょっと右足が痛いので、何とも言えませんが、大したことないのでジムにはすぐに戻れると思います。で、たくさんトレーニングしたい。随分と長い間試合をしていなかったので、自分にとっては、戦うのが人生の一部だと思うので、長い間戦っていないことは人生の一部が欠けていた状態だと思うので、ジムに戻ってたくさん練習して細かい修正をして、すぐにでも試合をブッキングしてもらいたいです。特に、白星先行になりたいです、これで2連敗になってしまったので、当然相手はワールドチャンピオンクラスの選手たちに2連敗しているので、あまり気にはしていませんが、自分もワールドクラスのファイターだと思っているので、本当に細かな修正などに強化して、自分を強くして必ず戻ってきたいと思います。
ーーフィニッシュシーンについてお伺いしたいのですが、サトシ選手と組むことは避けたいなかで、最初のシングルレッグは後方に飛ばしたと思います。最後の部分で、ケース選手が右足を抱える形になったのは何故ですか?
ケース あれは本当にレスラーの反応、リアクションだったと、自分としてはとらえています。ハイトップを取ったら10人中9人は落ちると思うんです。そもそもあの状態から三角を狙う人間はほとんどいなくて、自分はとにかくバックを取られることをさけたいと思っていました。何故ならあの状態でバックを取られると残りのラウンドを71kgのリュックサックをずっと背負うことになるので、何としても避けたかったです。で、あとはあの状態からグラウンドに引きずりこまれて自分が下になりトップを取られること、そしてバックを取られることを避けた結果ですね。なのでまあレスラーの反射という感じです。
ーーあの動きの中で三角の形を組まれたことは今まで一度もなかったですか?
ケース よく覚えていないので何とも言えませんが、あの体勢からもう少しうまく防御できるんじゃないかとは今になって思っています。自分はレスリングをしていて彼と向き合おうとした結果、気づいたら三角のポジションに入ってしまっていたので、今日のような入りは経験したことがないです。
ーー世界中でコロナ対策が緩和しているなかで日本はまだちょっと厳しいと思います。そんな中で、日本で緩和されてから初めて試合しました。その経験をどう他の海外選手に伝えたいですか?
ケース 実際そんなに規制はひどいものじゃなくて、3日間の隔離を経てテストして陰性なら解除で、そこまで厳しい条件とは感じませんでした。願わくばコロナ前のような完全に自由になればいいかと思っていますけど。ただ実際にやってみてそんなに厳しいものではないと感じましたし、自分は一回韓国で2週間の完全隔離やっていますので、あの状態で試合をするのはちょっと考えられないです。今回に限ってはそんなに悪くはなかったです。
ーー入場の時に「闘魂」と書かれたハチマキをしていたのはどのような意味がありましたか?
ケース 北岡悟戦の後にファンからもらった贈り物でした。書いてある意味を説明をしてくれていたのですが、ちょっと忘れちゃっていて、何が書いてあるかわからなかったのですが、今回に向けて荷造りしているなかで見つけたので持ってきて、友人に聞いてみて意味を教えてもらって、まあいいんじゃないかと思って着用しました。
牛久絢太郎「本当に勝利が何より嬉しい」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
牛久 この半年間、本当に自分を追い込んで頑張ってきたんで本当に勝利が何より嬉しいです。
ーーこれで文句なく王者と胸を張って言える感じでしょうか?
牛久 そうですね。もう大丈夫ですよね?逆に。
ーー顔つきも変わったように思いますが、やはり気持ちの面で変わった部分は大きいですか?
牛久 RIZINのベルトを持つことによって、色んなプレッシャーがあって、逆にそのプレッシャーが自分を強くしているのをすごく感じますね。だから本当にベルトに感謝しています。
ーー今回伊澤選手もタイトルを獲得したことで、K-Clannから2人の王者となりました。お話などはされましたか?
牛久 普通に「良かったですね、やりましたね!やってきたこと間違ってなかったですね」と、純粋にお互いの勝利を喜び合って。これから色々と話していきます。
ーー2回目の対戦で、前回と変わったところはありましたか?
牛久 前回の試合よりも僕を仕留めにきているなという圧力を感じました。
ーーグローブタッチしなかったのは?
牛久 それは斎藤選手に僕がグローブタッチするのかしないのか目で合図して、向こうがグっと、「いや」って感じだったから(やらなかった)。そこにお互い敬意はあると思うので、変な意味はないです。
ーー王座を防衛して、今後の展望をお聞かせいただけますか?
牛久 1試合、1試合に集中して全てを賭けているので、先のことを逆に考えないようにしていて、とりあえず今日勝ったので、考えます。とりあえず今日はゆっくりします。
ーー今日まで激しいトレーニングをしてきて、今やりたいことや食べたいものはありますか?
牛久 やっぱり甘いもの食いたいですね。試合前とかだと減量もあるので控えていて。そういうのを食べたいですね。
ーーどんなスイーツが食べたいですか?
牛久 チーズケーキだったり、どら焼きだったり。全般好きですね。
ーー甘いものの話が出ていましたが、今回どれくらい節制していましたか?
牛久 1ヶ月くらいは、やっぱり気をつけていましたね。
ーー今回のタイトルマッチを含めて4試合連続タイトルマッチでした。その緊張感はどのような感じでしたか。
牛久 一言で言うのはすごく難しいですけど、とにかく必死だったなって。今思うと、必死だったから、あっという間に過ぎちゃったという感じで。不思議な感じですね。でも毎回この4試合はプレッシャーを感じていたのでそのプレッシャーが自分を強くしてくれたなって本当に感じます。
ーーその4回のプレッシャーを乗り越えられた最大の要因は何だったと思いますか?
牛久 やっぱり、そのプレッシャーに負けず自分を追い込んで、プレッシャーから逃げないで、自分から追い込んできたことがデカいんじゃないかと思いますね。
ーーお客さんにもリング上から声をかけていましたが、RIZINという舞台は牛久選手にとって特別ですか?
牛久 僕にとってすごく特別で。本当に試合、RIZINで戦う時はすごく楽しくて。試合前からわくわくしていて。本当に特別な場所だと、本当に体で感じています。
ーー前回との違いをどういうところに感じましたか?
牛久 今度は自分が挑戦者じゃなくて今度は防衛するという形での試合だったのですけど、そのプレッシャーもすごくて、RIZINが大きな舞台だからこそ、プレッシャーもすごくて。本当にこう、自分を強くしてくれたなって。自分に自信がなきゃ本当に試合できないと感じました。
ーー戦術や戦略的にはどんなプランを立てて臨みましたか?
牛久 打撃で作ろうとは思っていましたね。で、あんまりこう、今回は組みで行く作戦ではなくて、打撃で勝負しようっていうような作戦でしたね、おおまかに言うと思っていましたね。
ーー斎藤選手も仰っていましたが、頻繁にスイッチして、距離感を戸惑わせるなど、どういう狙いがありましたか?
牛久 多分、斎藤選手はガツガツ来るなとすごく感じていたので、プレッシャーを逃すじゃないですけど、自分の距離を作るためにもスイッチを混ぜていこうと。もともと僕は両方できるので、使えるなら使おうと、両方混ぜて作戦を練りました。
ーーハイキックが一発入って、その後カウンターフックも。あの辺も狙っていた技ですか?冷静にタイミングを見ていましたか?
牛久 タイミングも見て、あと体が自然と反応してくれたというか。そこもデカいですね。でもこのフック系のパンチは前戦の朝倉選手との試合ももらっていたので、そこは自分の中でも作戦にも入れていましたね。
ーー斎藤選手にも伺いましたが、判定結果を待つまではどんな手応えでしたか?
牛久 僕が勝ったなと確信しました。
ーーふたつの決定的な効果ダウンがあって。
牛久 そうですね、はい。
ーーリング上で斎藤選手とお話しされていて、斎藤さんが後で牛久選手に「何を話していたか聞いてくれ」とのことでした。よろしければ教えてください。
牛久 「泣かないで、泣かないで、チャンピオンなんだからもっと胸張って」と言ってくれて。優しい方だと思いましたね。
ーー途中休憩の際にこの試合の勝者とクレベル・コイケ選手の試合を榊原さんが仄めかしていました。防衛ロードは「この選手に勝たないとベルトの価値を上げられない」と考えている方がいれば教えてください。
牛久 僕の中で斎藤選手はすごく尊敬していて、リスペクトできる本当にすごい選手なので、とりあえずこれに勝てたのは本当にデカいです。先のことは考えていなかったので、本当に今回の勝ちはデカいです。
ーープレッシャーを相当感じていたということでしたが、そのプレッシャーを超える自信は、これだけやったからという自信だと思いますが、追い込んでいる中で胸張って「これだけやったんだ」と一番辛かった追い込みはどのようなものですか?
牛久 練習は毎回毎回キツいんですけど。その追い込みを積み重ねていった時、試合前になった時に自信に変わるんですよ。表現が難しいですね。毎回毎回、限界まで追い込んでいると「これだけやったんだからもう悔いはない」と、それが一気に自信に変わるので。
ーーどのくらいのタイミングでしょうか。計量の頃?リングに上がった時?
牛久 リングに上る瞬間って色々、選手によって考えていると思うのですよ。色々こみあげてくるものもあって。その時に変わります。
ーー判定を聞いた直後に左手で何かを制するようなアクションをされていましたが、あのポーズの意図は?
牛久 前回の試合で叫びすぎちゃって、僕が。「オラァーッ!」みたいな。目が変わるほど叫んでて、みっともないと思っていて。「ちょっと落ち着け」と。すごい嬉しかったので一瞬叫ぼうと思ったけど、「ちょっと落ち着け自分」っていう(笑)。
ーーファンの方への「ついてきて下さい」というメッセージに会場では大きな拍手が。ファンの方々の後押しは伝わってきましたか?
牛久 嬉しかったですね。皆さんに受け入れてもらえたなっていうのをすごく感じて。すごくその拍手は僕にとってデカかったです。嬉しかった。
ーー同じ階級の朝倉未来選手が試合後にTwitterで、「牛久、男が簡単に泣くなよ」とツイートしていて、「正直なところチャンピオンより俺の方が強いと思うね」というツイートも早速されていました。
牛久 あ、そうなんですか。
ーーそれに対して何か思うところはありますか?
牛久 何か……? 「男なら泣くなよ」……まあ確かに。どうなんですかね? 色んな、僕もこみあげるものがあって。確かにそうかもしれないです。最近泣いてばっかり。涙腺が弱いかもしれません。
ーー最近はどんなことで泣きましたか?
牛久 前回のタイトルマッチも勝った後、ちょっと泣いていたような気がしたので最近ちょっと涙腺がユルいかもしれないです(笑)。次は泣かないんじゃないですか? ふふふ。分からないです。その時にならないと。
ーーダウンを奪ったシーンは右ハイが相手から来て、その打ち終わりに左ハイだったと思います。あのとき構えはどちらでしたか?
牛久 左ハイキックの時はスイッチを確か入れていたと思うんですけど。オーソドックスにしてからのハイキックですね。
ーー練習の中で入る瞬間を掴んでいたのですか?
牛久 はい。何回か掴んでいましたね。咄嗟に出たと言うか、そんな感じです。
ーー前手の左フックはサウスポー構えだった、ということですね。
牛久 はい。
ーーそれは朝倉戦を参考に?
牛久 はい。
ーーあの後、ダウンを奪った後にギロチンに行きましたよね。あそこで相手も回復していたかと思いますけど、ギロチンは、極めに行くことに固執したのでしょうか?
牛久 若干ずれていたので、相手の動きにあわせて極めにいこうかなと思ったんですけど、やっぱり相手もセコンドから休めと言われていたので、僕もそんなに思いきり力を使わずに相手の動きを見ていました。
ーーそういう意味では前戦より落ち着いて作戦が遂行できていた感じですか?
牛久 はい、そうです。
ーー朝倉未来というフェザー級の選手をチャレンジャーとして見た時、どう考えますか?
牛久 どう考えているか…、すみません。何も考えてなくて。とりあえず今回の試合が終わって、本当に次のこと考えていなかったので。……面白くなりそうですね。すみません、求めていた答えじゃなくて。
ーー今日の結果で、「次の挑戦者はこの男だ」とか「やりたい。俺にやらせろ、俺なら勝てる。」という声がどんどん出てくると思います。そういう状況のになった今の自分に対してどんな気持ちですか?
牛久 それを言うってことはみんな勝てるから言うことだと思うので。まあ、皆さんの僕の評価が低いとは感じますね。
ーー逆に言うと、やりたいと思わせないくらい強くなりたいということですか?
牛久 はい。そうですね。
ーー「ついてきて下さい」という言葉ですが、どんなチャンピオンになりたい、どんな存在になりたい、あるいはRIZINをこうしていきたいという野望のようなものは何かありますか?
牛久 本当にリングで言った通り、僕が勇気とか感動を、試合を通して見ている方に体現できたらと本当に思いますね。そしたら、何かそれを感じ取って、普段の私生活の中でみなさんの力になったら僕はすごく嬉しいです。勇気と感動を与えられる、そんなファイターになりたいです。
ーーリング上ではSNSを頑張っている話もされていましたが、RIZINフェザー級戦線にはキャラの立った人が多い中で、牛久選手はどんなキャラクター、立ち位置でやっていきたいと思いますか?
牛久 素の自分を見せれたら。僕、天然なんですよ。ちょっと抜けているところがあるので、そういうところを見てもらえればと。ちょっと抜けている部分があると自分でもたまに感じるので。
ーーそれがファンに浸透しているようですので、その魅力を発揮していただけるでしょうか。
牛久 はい、僕の魅力全開で行きたいです。
斎藤裕「結果として応えられなかった自分としての歯痒さある」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
斎藤 あまりちょっと言葉にならない状況ではありますね……はい。
ーーそれは、自分が出し切れなかったということでしょうか。判定に持ち込んでしまったことでしょうか?
斎藤 そうですね、色んなたくさんの方々に協力してもらって、今回の試合を迎えることができたのですけど結果として応えられなかった自分としての歯痒さはありますね。
ーーハイキックをもらった場面が印象的でしたが、あの時の意識は?
斎藤 もらったんで効いたんですけど、うまく反応できなかったというか。タイミングなのかなーって思いますね。ちょっと通しで試合を1ラウンドから3ラウンドまで見てみたいとは思うんですけど、多分ディフェンスできないタイミングでもらってしまったのかなというのが率直なところですね。
ーー今回、石渡(伸太郎)さんとともに綿密な戦略を練ってきたと思います。試合中こなせていたのか、どこかできなかった部分はありましたか?
斎藤 半々くらいかな、というところです。相手あってなので、相手の動き見ながら当てはめていけるところは、はめていこうと思いましたけど。そうですね、できることはやったかなと思ったりはします。
ーー今回の再戦で、前回の牛久選手と違いを感じた部分はありますか?
斎藤 前回よりも色々打撃の交錯だったり組みの展開もあったので、構えスイッチしたりとか、オーソドックス、サウスポー構えて、器用な技というか技術を持っている選手だという印象はあります。
ーー判定結果の後、リング上で牛久選手とどんな言葉を交わしたのですか?
斎藤 ……。あんまり覚えてないです、よね。えーと……。……労いの言葉をかけたような気がしますが本人に聞いてください(苦笑)。すみません。
ーー覚えていないのはどうしてでしょうか。
斎藤 今、思い出したんですけど、言わないでおきます。牛久選手から聞いて下さい。
ーー試合を終えたばかりですが今後の展望を教えていただけますでしょうか。
斎藤 今後はゆっくり休む時間が増えるかと思っています。自分ひとりで決めないところが色々あるので、休みながら近い人たちと相談して決めていきます。すぐ次という状況ではないですね。
ーー3ラウンド通じて全体的に斎藤選手の打撃の距離じゃないと感じましたが、ご自身ではいかがでしたか?
斎藤 打撃の距離……。そうですね、どうだろうなあ。構えをオーソドックス、サウスポー頻繁に代えていたので、そういう風に見えたのかもしれません。僕はそこまでおかしいなと思って試合はしていなかったんですけど、しきりに前足を替えていたので、そう見えたのかもしれませんね。
ーー1ラウンドでの牛久選手の前蹴り、関節蹴りが邪魔くさかったわけでもなく?
斎藤 あれは作戦でひとつ用意していたんじゃないですかね。自分の距離を維持するための攻撃だとは思いましたけど、ダメージとかはないですね。やりづらさも特になく「掴めるなら掴もうかな」ぐらいの感じでした。
ーー試合後、判定結果を待っている時の勝敗の手応えは自分の中ではどうでしたか?
斎藤 どうだろう。今見返すと、切り取ったハイライトで見るとしっかり落ちているので、ダメージで見ると、3ラウンド頑張ったけど届かないかなとは今では思うんですけど。「何かの間違いでも勝ちになってほしいな」とは思いましたけど。
ーー3ラウンドで強引に行ったのは、前のラウンドでダウンがあったので一気に逆転を狙ってあそこまでアグレッシブに行ったのでしょうか?
斎藤 3ラウンド行かないと勝てないと思ったので、ダウン取るような攻撃しないと判定厳しいというのはセコンドの石渡さんも言っていて「倒しに行く」という指示があったので、あの状況だったらもらっても自分から詰めていくという意識はありましたね。もう半歩、もう一発、二発、ワン・ツー・スリーくらいまでは打ててたらと今は思いますね。
ーーもう一度チャンスがあればラバーマッチやりたいですか?
斎藤 牛久選手とですか?うーん。まあ、同じ相手に2回負けてるわけなんで、そんなに甘くはないと思います。もしやるんだったら自分が勝ち上がらないといけないですね。
ーー斎藤選手のグッズを身につけたファンの方がいっぱいいましたが、ファンの方に向けて一言メッセージをいただけますか?
斎藤 本当に試合前からもそうですし、会場来ていただいた皆さん、入場中も試合中に熱心に応援していただいて、なんとか勝って応えたかったんですけど、ここまでたくさん応援してもらったことを一生忘れずに。すごい感謝の気持ちでいっぱいですね、はい。とても感謝しています。ありがとうございます。
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