4月29日(祝・月)有明アリーナにて開催されたYogibo presents RIZIN.46の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
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鈴木千裕「ひとつ時代が変わった。でも何ひとつ満足していない」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
鈴木 そうですね、ひとつ時代が変わったのかなと思います。でも、やっぱり何ひとつ満足していないんだなと思いました。リングの上で勝ってもちろん嬉しいですけど、あ、俺が見たい景色はまだまだここじゃねえ、もっともっと上にあるって。まったく満足していないし満たされていないし、納得していないんで。もっともっと上目指して、世界に連れてくんで。今はそういう気持ちですね。
ーー金原選手の印象は戦う前と後で変わりましたか。
鈴木 いやもう、イメージ通りで、リング上で見合った時、開会式で見合った時からイメージはそのまんまで。やっぱすごいですね、圧とか。すごい目に見えない戦いが今回多かったですね。お互い一歩も出せないで、「あ、これ出したらこれ来るんだな」という読み合いの展開がちょっと長かった気がして。やっぱりベテランがゆえのオーラ、圧力とか、来ないはずのものを予想したりとか、自分のなかで葛藤があったけど、ベストな動きができて、よかったですね。
ーー今後の目標・展望を教えていただけますか。
鈴木 世界のRIZINに変えること、日本のRIZINを世界のRIZINに変えることを、俺が先頭突っ走って変えていくことですね。で、ピットブル。彼が試合前に「次はお前だ、負けるんじゃねえぞ」というエールを送ってきたので、「勝ったぞ」と。「ベルトかけろよ!ピットブル!」、奪いに行きます。今そういう目標が自分の中にあります
ーーパトリシオ・ピットブルの名前が挙がりました。チャンピオンとして次のRIZINの大きい舞台では超RIZIN.3がありますが、ここに出場するというお気持ちはいかがですか。
鈴木 そうですね、さっき控え室で榊原さんがちらっと寄ってくれて「6月、五味さんぶっ飛ばしてきます」と約束して。去り際に「じゃ、つぎ7月ね!」「え?7月?」みたいな(笑)ちょっとやりとりがあったのですが。怪我が治るというか、戦える以上は常に試合したいので、その時の怪我の状況で、整っていれば、いつでもやります。
ーーこれだけの強さを持つ鈴木選手の相手はパトリシオくらいしか相手がいないと思いますが、Bellatorに乗り込みたいですか?超RIZIN.3で迎え撃ちたいですか?
鈴木 僕は日本が好きで、日本で、世界のRIZINに変えたいので日本に呼びたいですね。日本で勝って「世界、見ろ。これが日本だ、これがRIZINだ」と見せつけたいです。まあ乗り込んでもいいですけどね、それは僕が決めることじゃないので。それはRIZINとBellator次第だと思うので、お任せします。
ーー「ひとつ時代が変わった」と。五味選手にも勝つことで時代は変わると?
鈴木 そうですね。僕の中では変えるというより、五味さんの格闘技の歴史を僕の体に全て入れ込みたいんですよね。表現が難しいですが練習で学べるものと試合で学べるものって全く違うのですよ。今回金原さんからリング上でしか勉強できないものを教えてもらったので。僕が解釈してるだけでどう思われるかわからないですけど、僕は学んだんですよ、リングの上で金原さんから。
鈴木 天下無双の稲妻ボーイを引き継いだので五味さんの全てをリングの上で学ばないといけない。
ーーそこで完結するということですか。
鈴木 そうです。
ーー距離を取って見合う時間が長かったですが、最後に勝負をかけたのはきっかけや察知した部分がありましたか?
鈴木 これ、やっぱわかんなかったっすか、試合のなかで。キーポイントがあるんです、左ボディです。左ボディが効いたんですよ。ボディが効いて動きが止まって目つきが変わったので、仕留めに行きましたね、はい。
ーーそれはチャンスが……
鈴木 5回の、ですね。
ーー駆け引きのなかでひとつのチャンスをずっと待っていたということですか?
鈴木 そうですね。3つあったんですよね、一個はカーフキックから勝負のチャンスの流れがあって、ボディの流れがあって、あと腕十字狙われたときにそこでいかに綺麗に対処するか、そこが勝負どころでしたね。あそこで腕取られていたら僕の負けでしたけど臨機応変に対応できたので。そこが最後の勝負どころじゃないですか。
ーー試合するたびに凄味が増しているようにも見えます。金原さんから学んだものを教えてください。
鈴木 やっぱりまずは気持ちの作り方ですね。試合までの気持ちの作り方と、あとチャンピオンはずっしり構えてないといけないので。だから試合のファイトスタイルもですが、発言も僕は学んだので。僕なりに今噛み砕いている途中ですね。いただいた課題を今ぼくの中で持って帰って理解する時間が欲しいです。ひとつ学んだのは、チャンピオンとしてずっしり構えようと思いました。何も言わないってわけじゃないですけど、チャンピオンらしい行動とチャンピオンらしい発言があるんだなって金原さんから伝わりましたし、それをみなさんに見てほしいので楽しみにしていてほしいですね。
ーーパトリシオ・ピットブルから指名されました。前戦では緊急参戦でコンディションが悪かったということでしたが本調子のピットブルを考えた時に、もう自分の実力で十分だと考えていますか?
鈴木 自分はそれは言い訳に過ぎないと思っていて。あの時、コンディション悪かったならなんで受けたの?って話じゃないですか。勝てるという、勝算があったから受けるわけなので、あっちもプロなので。だから負けたあとでコンディションが悪かったとか何だとか言うのは、その時点で、パウンド・フォー・パウンドではないと思います。
ーー今見たい景色というのは、RIZINあるいはどういう状況で?
鈴木 それを知るために勝ち続けるのです。勝てばおのずと見えてくるので。アゼルバイジャンのサッカー場作る目標をリング上で発表しましたけど、勝ったからこそ皆さんに注目していただけて集めやすくなりますし、能登にチャリティイベントに行った時にその子たちに約束をして、力を送ることができましたし、勝ったから。負けていたら暗い顔で過ごしているのかなと思いますが今は喜んでくれていると思うので。勝てば全てが変わりますし、勝者が全て。格闘技のなかでは勝ったやつが一番偉い。会長にも言われるので。勝たないやつが何言ってるんだ、勝ったから見える景色があるんでしょ?って。なのに勝つ前に先のことなんて考えるなって言われます。
ーー解説に朝倉未来選手がいたのは今後の展開を期待させる人選だったと思います。意識はしましたか?
鈴木 聞いてなかったですね、そういうのあったんですね。解説が誰だか僕はわかってなかったんであれですけど、どういうことを言っていたのですか。
ーー試合前に、自分が勝ったらこの試合の勝った方とやりたいというようなことを言っていました。(※注:記者が朝倉未来のコメントを間違った形で伝えてしまった。その後、記者は質問を訂正。)
鈴木 ああ、そういうことですか。それは勝っていけばおのずと開けるんじゃないですか。「やりたい」とかじゃなくて、勝てばおのずと開けるので、みんな上がってくるべきだと思うので。全然、色々、それぞれ美学あると思うけど、別に勝っていけば誰でも試合できるじゃないですか。
ーー事前に「格闘技界を変える、自分を変える」と発言されていました。あの時点では「勝ってから」ということでしたが、日本のRIZINを世界のRIZINに変えるということ、そして勝ったやつが偉いということを指していたのですか?
鈴木 勝ったやつがえらいのはどの業界もそうなのであれですが、僕がいま思い描いているのは格闘技を通してなにができるのかなっていうのが、すごい僕のなかでテーマ。繰り返しちゃうけど、勝つことによって、アゼルバイジャンもそうですし、能登で今、震災で辛い思いをしている人に少しでも元気を与えることができて、格闘技を通して子どもたちに夢を与えることができたり、そういった、世の中がいい方向に変わっていくことを格闘家として格闘技を通してできるんだなって今僕自身がすごい体感しているので、それをどこまでできるかが見たいんですよね。今回また勝ったんで、また新しい、格闘技を通して僕ができることを見つけていくんで。そんな感じです。
ーー朝倉未来が、試合内容は100点だが、マイクは30点だと。それについてはいかがですか。
鈴木 それが天下無双の稲妻ボーイでしょ!それが俺の味だから!いいじゃないですか!勝ったんだから!僕が勝って、「ありがとうございました!またよろしくお願いします!」って何もおもしろくないじゃないですか。ね、パカーン!ってやるのが俺だから!アンタにできんのかよこれが!俺にしかできないんだよ!
ーーせっかくなので本の告知もお願いします。
鈴木 なんで俺がこんなに明るくバカまっすぐでいられるのか、なんで勝ち続けていられるのか、なんでチャンピオンでい続けることができいるのか、なんで周りをハッピーにできるのか、その答えが全て、この本の中に書いてあります!けしてブレない稲妻メンタル!ぜひ皆さんご購入お願いします。シビれる人生生きようぜ!
ーー出版社の方が今日の勝利を一番喜んでいるかもしれない。
鈴木 現物見るの初めてです。うわあシビれるなあ。いや、絶対おもしろい!ちなみにこれは、僕こう見えてアホですよ、でもどんなバカでも最後まで読み切れるような読みやすい内容になっているので。社会人もそう。世の中、生きていて嫌なこといっぱいあるし、上司に色々言われたり、メンタルが情緒不安定だったり交友関係や家族の関係だとか、悩むことがいっぱいあるんですよ。本当にメンタルがすごい重要、大事な時代だと思っていて。SNSでも。でも決してブレない稲妻メンタルがあればちょっとでも人生いい方向に変わると思うのですよね。ネガティブにとらえる人生じゃなく、ちょっとこれを読んでバカだなとクスッと、人生のなかのアクセントになればいいと思っているので読んでください!以上!
ーー平本選手に読んでほしいというようなことを書いていましたね。
鈴木 朝倉未来選手が読んだほうがいいんじゃないですか?こうやって話しているとチャンピオンらしさがなくなると思うので、ずっしり構えさせてください。
ーー塩田”Gozo”歩さんが金原選手の以前のコーチであったことの影響があれば教えてください。
鈴木 影響あった面は、やっぱり金原選手の恩師でもあって、格闘技の先生なので、同じものを学べているのは大きいですよね。塩田さんのMMAは世界に通用しますし、金原選手もUFCとか世界に通用させてきたので何もまちがっていなかったと思います。
ーー塩田さんにも、昔の弟子と今の弟子が対戦されたことについて何か一言お聞きできますか。
塩田 自分としては、金原くんの若い時から一緒に世界に向けてやっていて、自分はもう千裕くんが世界に向けてやれる選手と自信を持って言えますので、これからRIZINを世界に向けて千裕くんが作ってくれますし、金原くんに関しても本当に強い選手だってわかってたのでふたりで研究してこうやっていい結果が出たのでこれからも千裕くんに期待していきたいと思います。
金原正徳「本当に悔いはないです」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
金原 そうっすね、ガードの上から打たれて、効いてしまってそのままちょっともうグラグラしてしまって、止められてしまったという、負けるべくして負けてしまった。そういう感じですね。
ーー試合後、鈴木選手の頭を撫でていました。どんな言葉を交わしたのでしょうか。
金原 普通に「ありがとね、頑張ってね」みたいな感じで声をかけさせてもらいました。
ーー鈴木選手は戦う前のイメージと実際拳を合わせて違ったところはありましたか。
金原 そんなにイメージは変わらなかったです。パンチが強いし、蹴りだったり、ハンドスピードも速かったなっていう、自分が想定していたものでした。
ーー試合を終えたばかりですが今後の目標や展望を教えていただけますか。
金原 それを言われると「もういいかな」ってなっちゃうんですけど……「言うな」って言われたんで(苦笑)。所英男にも「言うな」と言われたので(笑)。ちょっとあの、でも、まあでも、本当に最後のつもりでこのリングにあがってきたし、その覚悟は持ってリングに上がれたので。うん、とりあえず1年で3試合やったので、ちょっと、長期休暇というか。1回、怪我も色々あって、色々なことがあるので1回ちょっと休みたいと思います。それでまたやりたくなったらやればいいし。それでも求められなければ、そのままいなくなるしっていう。まあ、今の気持ちはそんな感じですかね。まあでも本当にやれることはやってこのリングに上がったので、本当に悔いはないですね。
ーー会場にいらしたときに少し笑みを浮かべていましたが、「やりきった」という思いがご自身の中では大きいですか?
金原 うーん、そうですね。あんまり自分は、緊張しいのタイプなので誰か、所さんとかと話したりするほうが気が紛れて、最後の直前だけ集中できればいいやというタイプなので、極力自然体でいようとは常に意識しています。
ーー打撃戦に巻き込まれたように見えましたが、鈴木選手の打撃の圧は何がすごかったと拳を交えて感じましたか?
金原 そうですね……本当にまあ、強いのももちろんそうなんですけど、自分がやれなきゃいけないことをうまくできなかった、それだけです。鈴木千裕がそれをさせなかったうまさももちろんあるんですけど自分がやりたかったことというか。やりたかったことができなかった、それだけです。それで手詰まりになっちゃって、結構覚悟決めていたんです。撃ち合いになることは。最後撃ち合いになって、あそこで勝てないとは自分でもわかっていたんですけど、それをさせられたというか、自分がそれに呑みこまれてしまったという感じですね。
ーーやりたかったことができなかったのは鈴木千裕選手の強さですか?
金原 まあそうですね。そこまで持ってかれてしまったのはそう言うことだと思います。
ーー今回のタイトルマッチは世代闘争の面もクローズアップされていました。金原選手としては鈴木選手に日本の格闘技界を託しても大丈夫だなという感覚ですか?
金原 俺に勝ったんだから背負ってもらわないとね!困りますよ。
ーークレベル戦では右ボディ、左フックなどを見られましたが、そういう意味で最初に入りでどういう対応されるかに注目していました。ほかの選手の皆さんも予想動画などで注目していました。実際は千裕選手が距離をとりながらプレッシャーをかけてきました。どういう入り方でいくつもりでしたか。
金原 今回はそんなに何をそんなに自分が仕掛けるというのは、プレッシャーはかけたいなというのはあって。自分が最初に望んでいた展開で一応うまくは組めたんですけど、そこで全て自分の歯車が狂って後手になってしまったところがある。ま、でも入りは良かったと思うのですけどね。あそこで切られてしまったというのが、想定外。
ーー切られてしまったのは想定外でしたか?
金原 まあそうっすね、そんな感じですね。
ーーガードの上から効かされたのはいつ以来ですかですか?初めてですか?**
金原 いや、ないっすね。練習とかでもなかったので、そのパンチ力だったり自分の撃たれよわさがこういう結果になって。まあ一発もらったらもう終わりだとは自分ではずっと思っていたのでガード高めには意識していたんですけどそのガードの上から効かされました。まだ映像見てないから振り返っていないけど多分左フック、右、だと思うのですけど。そうですね、初めてですね。
ーーヒザは?
金原 ヒザは多分当たってないと思います、あれは見えていました。
ーー冒頭の攻防のなかででテイクダウンが取れなかったのは悔いが残るところがありますか?
金原 いや、残らないです。もう、何言っても言い訳になるので、自分が渾身のテイクダウン行って切られてしまった、それだけです。
ーー結果論になりますが、チャンピオンの若さと勢いに呑み込まれてしまった感は?
金原 そうでしょうね。まあ結果が全ての世界なので何を言ってもそういうことになってしまうと思います(苦笑)。
ーー立ち上がりにロープ際でローブローがあり、一旦切れた。あれは組んだ状態でローブローがなければ行けたとは思いますか。
金原 あれは時間が過ぎればブレイクになると思ったし深追いするつもりがなかった。離れ際でパンチ打ってきたりしたところに合わせようと思っていたので、自分から深追いするつもりがなかったのです。ブレイクでよかったので。
ーー相手陣営にご自身をよく知る方がいたことはメンタル的にはいかがでしたか。
金原 塩田さんが相手側のセコンドにいて、15年前の戦極前のベルト獲った時に自分のセコンドについていた方が向こうのセコンドについているのは事実だしだからと言ってやりにくいのは一切なかったですけど。逆に俺のことを知るからこそうまくつけ入る隙もあったと思うので。まあ人なんてそんなに変わらないので、15年前だろうが自分のものって変わらないので、そういうのもうまく攻略されたというところはあるかもしれないです。でも自分はやりづらさはなかったですし、終わった後に「ありがとうございます」とお礼できたのでよかったです。
ーーキャリアを長く続ける秘訣はありますか。
金原 本当に諦めずやること以外に言葉はなくて。自分はずっと光を浴びた選手ではないし、メジャー団体がなくなることなど色々経験して、こうしてRIZINでメインイベントを張らせてもらえるのは光栄なことだし。けしていいことばかりではなかったけど、こうしてがんばれば報われることを辛い他の40代の人に伝わってくれればいいなって思います。
ーーメインイベントはオープニングから試合まで時間が長いですがいかがでしたか。
金原 メインなので長いので早く試合はしたかったです。ああやって特別にタイトルマッチで真ん中に立たせてもらったり注目浴びせてもらえることは、やっぱりなんだかんだ嬉しいし、その期待には応えたかったですけど、力及ばず、というか。まあ下を向かずに。自分は自分なりに一生懸命やってきたので結果がなんだろうが下を向かずに前を向いて明日から生きたいと思います。
ーーこの1年で3試合戦いチャンピオンシップを戦う手応えも得たなかで、MMAが未完成とされてきた鈴木選手のMMAの成長が金原選手の思っていたよりあったのか、今回の巡り合わせのなかでたまたまああなったのでしょうか。
金原 MMAって難しくて何かが、寝技できない選手ができるようになったから強くなるとか、そう言う意味でもなく
やっぱりバランスがすごく大事で、その意味で彼がチャンピオンになってからプレッシャーとか、色々なものと戦いながら成長していくことが大きいと思うので。僕がトレーニング積む期間よりまちがいなく彼のほうが強くなるし、自分は老いを止めるためというか。老いを止めるために一生懸命練習するしか方法はないから、差はどんどん開いていきますよね(笑)。でもそういうのは抜きにして、「MMA」で勝ちたかったなというのはあった、年齢を言い訳にせずに。でもできなかったんで、「はい」って感じです(苦笑)。
ーー去年の大晦日で発表されたカードなので今日まで4ヶ月ありました。タイでの修行や日々の練習で積み重ねてきたものが5分満たない時間で終わってしまうことは残酷ですが、格闘技の醍醐味や魅力と前向きにとらえていますか?
金原 全然。やっぱ本当にみんなが見るものはこのリングの上も部分かもしれないけど僕らが作り上げてきたのは60戦い上のものだし、リング以外のものーー人間性やその人のストーリーすべて含めて楽しんでたのしんでもらえればMMA楽しいと思うし、それで勝ち負けがあって、勝った人が全部持っていって、負けた方が落とされて、またそうやって這い上がっていく姿……そういう、人間の汚い部分、綺麗な部分含めて格闘技っていいなと思います。ちょっと久しぶりに負けたので実感があんまり沸かなくて。こういうのも色んな意味でいいなと思います。
ーー負けてもそれを思える……?
金原 うん、思います。別に初めての負けじゃないし、本当に自分でよくここまで頑張ったなと自分を褒めてあげたいし。でも最後ベルトをとって、っていうのがありましたけどね、いつもと違ったのかな!わからないです(苦笑)!何年やっても、何10年やっても、結局、家から出発する時に子どもと嫁に見送られて出る時は、やっぱ思い切って帰るぞという気持ちは何試合でも変わることはないし今後も変わることはないし。……ね!勝ちたかったなー!
ーーお子さんとはお話をしましたか?
金原 はい。次男はまだ4歳なのでそんなにわかる感じの子じゃないので、長男のほうには僕が試合に今日出る出発する時に「パパは大事な話がある」と。「勝負の世界は勝つこともあるし、負けることもある。でも精一杯やっていれば誰かが見てくれる。だからパパのがんばってる姿を目に焼き付けてくれ」と息子に言いました。そして試合後に会って「パパの頑張ったの見たの?」と聞いたら「見た」って。まあ、本当にいいことばかりじゃない、負けを教えることも教育だと思うし、それでも明日から頑張るぞという姿を、良くも悪くも親父の背中を見せられたと思います。
試合後インタビュー
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