格闘技観戦 初心者の雷美(らいみ)が、RIZINマッチメーカーのチャーリー氏とともに、試合の攻防や技などを教えてもらいながら“これを読めば格闘技観戦がもっと楽しくなる!”を目指して見どころを紹介していく企画、それが「教えてチャーリー!」。

「教えてチャーリー!」打ち切り危機?!前回までのあらすじ

画像: ラスト10秒が勝負を分けた?!矢地vs.大原を振り返る!RIZIN.24 教えてチャーリー!vol.2

皆さんこんにちは!ライター志望の雷美(らいみ)です!突如、社内に『教えてチャーリー!打ち切り』の噂が!!チャーリーさんに相談したら「今回は読み手の事を考えて」と助言をいただいたので、前回は朝倉海・スダリオ剛の振り返りを実施!今回は、読み手のみなさんを考えて、あの大激闘の振り返りを聞きに行こうと思います…っ!!

ーーチャーリーさん、お疲れ様でーーーっす!今回も読み手の皆さんの事を考えて、あの試合の振り返りをお願いしに来ました~~っ!!

お疲れ様です。…なんか「読み手の事を考える」っていう大義名分で雷美さんの好みの試合に走ってしまうような気がするんですが…その辺り大丈夫ですか?

ーーちょ、ちょっと、チャーリーさん違いますよ~~っ!!今回振り返りたい試合は、前回の大会で見ている皆が熱ぅ~~くなった、あの大激闘の第1試合ですっ!!

あの第1試合ですか。たしかにあの試合はジャッジ泣かせの試合でしたね。分かりました、その試合を振り返っていきましょうか。

打点が頭の後ろ側?!大原のパウンドの特徴

画像: Full Fight | 矢地祐介 vs. 大原樹里 / Yusuke Yachi vs. Juri Ohara - RIZIN.24 youtu.be

Full Fight | 矢地祐介 vs. 大原樹里 / Yusuke Yachi vs. Juri Ohara - RIZIN.24

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ーー先月のRIZIN.22ではメインだった矢地選手が第1試合から出場するとは...っ!前回はサトシ選手に完敗だっただけに、もう後がない、崖っぷちって状況ですよね…っ!!

この試合はお互いの「覚悟」が感じられた試合でしたね。矢地選手は崖っぷち、大原選手はRIZIN初戦、しかも相手はみんなが注目する矢地選手ということもあり、彼にとってはRIZINでアピールするビッグチャンスでしたからね。

画像1: 打点が頭の後ろ側?!大原のパウンドの特徴

ーーおおおーーっ!試合開始早々、矢地選手は積極的に攻撃を出していきますね~~っ!!手数が多いっ!!

この試合を見ていて思ったのですが、矢地選手は前回に比べて打撃が良くなった気がしますね。

ーーほほ~~っ!具体的にどんな違いがあったんですか??

前までの矢地選手は、パンチをブンブン振り回している印象があったんですけど、今回はパンチの軌道がキレイになったなと。特に2R後半くらいから矢地選手のパンチがだんだん当たってくるんですよ。そこについては後ほど、その場面が来たらお話しましょう。

画像2: 打点が頭の後ろ側?!大原のパウンドの特徴

ーーひゃあーーーーーっ!!1R中盤、大原選手が矢地選手の上に乗る形になりましたーーーっ!!パウンドが強烈です...っ!!

大原選手は手足が長いので、パウンドの打点が他の選手と違うんですよね。

ーーパ、パウンドの打点が違うぅ~~??それってどういうことですかっ?!

大原選手は顔面にパウンドを打つとき、相手の頭の後ろ側を狙って打っているような感じなんですよね。なんというか、顔面はその打点の通過点なのでパウンドの力が有り余っているというか。大原選手のパウンドは独特ですよ。

画像3: 打点が頭の後ろ側?!大原のパウンドの特徴

ーーひぇぇ…っ!言われてみるとたしかに、大原選手のパウンドは矢地選手の頭を突き抜けて、拳がマットまで届いちゃいそうですぅぅ…っ!!

ところで雷美さん、この場面での大原選手が当てたパウンドの回数を数えてもらえますか?

ーーえ、あ、はいっ!!えーっと、1、2、3、4…(中略)...45…チャーリーさん出ましたっ!!大原選手が矢地選手に当てたパウンドの数は、45発ですっ!!(※踏みつけ等キックは除く)

ふーん、45発ですか。

ーーRIZIN.22でのサトシ選手のパウンド数は77発だったんで、その時より回数は劣りますが、何ていうか、大原選手のパウンドは1発1発の重みがありましたね~~っ!!

そうですね、打点が他の人と違うということは先程話しましたが、1発に気持ちがこもってる感じがしましたね。

前回同様のパウンド地獄でも試合が止められなかった訳

画像1: 前回同様のパウンド地獄でも試合が止められなかった訳

ーーはいはーーいっ!!チャーリーさん質問でっす!!

はいはい、雷美さんなんですか?

ーー前回のサトシ戦ではパウンドをもらって止められたのに、今回の大原戦は矢地選手があんなに血まみれになっているのになんで止められなかったんですかぁ~??

ほぅ、良い質問ですね。それは矢地選手がマウントを取られていたのか、ガードポジションだったかの違いですよ。

ーーマ、マウントとガード………??サトシ選手も大原選手も、どっちもマウントだったんじゃ…ないんですかぁ…??(汗)

サトシ選手はマウントポジション、要は矢地選手に馬乗りになっている状態ですね。この状態だと矢地選手の下半身は足をばたつかせてるだけで、どう足掻いても何も出来ないんです。

用語解説

マウントポジション
仰向けになった相手の胴体に正対し、競技者が馬乗りになっている状態のこと。馬乗りになった競技者は両手が自由に使えるため、圧倒的に有利なポジションである。

画像: 2020.08.09 RIZIN.22 - STARTING OVER - 第9試合/矢地祐介 vs. ホベルト・サトシ・ソウザ

2020.08.09 RIZIN.22 - STARTING OVER - 第9試合/矢地祐介 vs. ホベルト・サトシ・ソウザ

一方、大原選手のときの矢地選手はガードポジションです。矢地選手が足を開いていて、大原選手がその足の間に入っている状態です。この場合、矢地選手は足で相手の身体を絡めたり離したりと、抗うことが出来るんです。

用語解説

ガードポジション
競技者が仰向けの状態で、向かい合った相手を脚で隔てたり、相手の脚や胴に自身の両脚を絡めている状態のこと。仰向けの状態の競技者の脚の置き方によって様々なガードの種類がある。仰向けの競技者は脚の置き方などによっては関節技・絞め技を極めるチャンスがある。

画像2: 前回同様のパウンド地獄でも試合が止められなかった訳

ーーふむふむなるほど~~っ!!ということは…サトシ選手の時の矢地選手はもう為す術なしっ!って感じで、大原選手との時は抵抗できる状態だったってことですね~~っ!!

そうです。サトシ選手にマウントを取られた矢地選手はもうジリ貧ですよ。レフェリーもあの時、矢地選手の抵抗を一通りやらせたけれど、向かい合えばパウンドを落とされ後ろを向けば首を取られで、このままでは何も出来ないと判断したので試合をストップしたんです。

ーーおおーーーっ!!なるほど~~っ!!

でも今回の大原選手の時は、矢地選手はガードポジションなので、下から大原選手の腕を取りに行ったり足で相手を抑えたりしていて、まだ攻撃できる可能性があったんです。だからレフェリーはストップせずにそのまま試合を続けたんです。

ーーな~るほど~!!そいうことだったんですね~!!疑問が晴れてスッキリしました~☆…それにしても、あんなにパウンド浴びて血まみれの矢地選手が、最後立ち上がって大原選手に反撃した場面はすごかったですねーーっ!!

まるでゾンビっすよ。僕、去年のライト級GPに出場したダミアン・ブラウンがどんなにヘロヘロになっても前にでて攻撃することを『ゾンビモード』と呼ぶって言ったんですけど、この矢地選手もゾンビだし、打たれても打たれても立ち上がる大原選手もゾンビでしたね。。

ーーひぇぇ~…RIZINライト級だけでゾンビ映画ができちゃいそうです…っ!!

本当ですよ。そしてそのゾンビモードになった矢地選手の最後の蹴り上げが効きましたよね、大原選手に。それにしても壮絶な1Rでしたね。まさに精神論大好きおじさんが涙ぐむような試合でした。

画像3: 前回同様のパウンド地獄でも試合が止められなかった訳

印象は矢地のストレート!?お互い譲らない2R目の攻防

画像1: 印象は矢地のストレート!?お互い譲らない2R目の攻防

ーーいやぁ~~1Rの最後がすんごい展開だったので、2Rも開始からもうドキドキ・ワクワクですねっ!!

大原選手としては1R最後の蹴り上げが効いちゃったので、インターバル中にダメージが抜けたか気になりますね。矢地選手としては、大原選手のダメージが抜ける前に攻めたいんですが、自身のダメージもあるのでどう攻めるかがポイントですね。

ただ、前半に少し話しましたが、2R目あたりから矢地選手のストレートが入るようになるんですよ。

ーーほぉ~~っ!!そこの所、詳しく教えて下さい~っ!!

大原選手の方がリーチがあるんですが、矢地選手のフットワークが良くなっているのか矢地選手のパンチの方が当たるようになるんです。ジャブを打って距離を詰めてから、ドンピシャでストレートが当たるようになってきた。これはすごいなと思いましたね。

それに矢地選手は今まで、下がりながらパンチを打つイメージだったんですけど、今回は前に出ながらパンチを打っているなと思いましたね。自分で気がついているのかは分かりませんが、矢地選手はやっぱり前に出るほうが良いですよ。僕はこれがすごく良かったなと思いましたね。

ーーチャーリーさん、2R目は矢地選手を大絶賛ですねっ!!

いや、それにしてもこれを受けて耐えきった大原選手も良いですよね。精神論大好きおじさんはもう感動ですよ!

ーー…ちゃ、チャーリーさん、その『精神論大好きおじさん』ってなんですか…??

さっきはスルーしたじゃないですか。今回もスルーしてくれるのかと思ったのに。

ーーいやいやいやっ!!スルーできませんよーーーっ!チャーリーさんって、なんか精神論とか好きじゃないと思ってたんですが…お好きなんですね、そういうの。チラッ

精神論は合理的じゃないです。でも、最終的に「気持ちで勝つ」っていうのは、僕好きなんですよ。だって、闘っているのは人ですからね。一人の人間と一人の人間が闘っているんですよ。そういうところに僕は感動するんです。

画像2: 印象は矢地のストレート!?お互い譲らない2R目の攻防

ーーたしかに…私も、そういうところに感動します…っ!だから格闘技は魅力的なんです…っ!!

2R終盤くらいから矢地選手のパンチが徐々に当たり、クリーンヒットして大原選手が倒れます。そしてダウンしたところにサッカーボールキック!でもここでも大原選手は立ち上がりますからね~。

ーーひえぇぇ~~っ!まさに大原選手の『ゾンビモード』っ!!

大原選手は矢地選手に手数で圧倒されて、ダウンしてサッカーボールキックもらって、でも打ち返す。もう大原選手の意地ですよね、コンチクショーって。まさに2R目は死闘でしたね。でも僕の印象としては2R目は矢地選手が有利かなと思いましたね。

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