こんにちは!雷美(らいみ)です!気がついたらもう11月に入ってしまいましたね!みなさん風邪は引いていないですか?!
さて、前回の「教えてチャーリー!RIZIN.19を振り返る!vol.1」で解説してもらえていなかった試合について、引き続きチャーリーさんにお話を伺おうと思います!

ーーチャーリーさん!前回のRIZIN.19の解説の続きを聞きに来ました!
お疲れ様です。そういえば、もう1試合解説が聞きたいと言っていましたね。どの試合ですか?

ーーRIZIN.17の教えてチャーリー!でも解説してもらったハム・ソヒ選手の今回の試合です!
ほぉ、ハム・ソヒ選手の試合ですか、良いですね。

画像: 教えてチャーリー!恐るべしハム・ソヒの完璧な『タックル対策』!!RIZIN.19を振り返る!vol.2

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ーー前回解説してもらったハム・ソヒ選手の右手の話を聞いてから、私も夜道で変な人が寄ってきそうな時は右手を出して牽制するようにしています!
前手だけではダメですよ。ワンツーのツーを持ってないと前手は活きないですからね。ストレートをいかに当てるかのために前手を使ってください。じゃないとただ腕が疲れちゃいますから。

ーー…しょ、正直ちょっとツッコミ待ちだったんですが、そんなに詳しく解説されるとは思いませんでした…!チャーリーさん流石です…!
おっと、失礼しました。解説モードだったので、つい。

ーーでは、その勢いで早速試合の動画を見ながら解説をお願いします!
了解です。一緒に見ていきましょう。

画像1: ≫ 試合動画を見る

ーーハム・ソヒ選手は前回と同様に右手を前に出して牽制していますね!そして早速、山本美憂選手がタックルして行きました!
これは美憂選手、よくテイクダウンを取りました。

ーーハム・ソヒ選手は両足をこんなにガバっと掴まれたら、この後なにもできないですね…と思ったら二人とも立ち上がりました!な、なんでこの状態から立てるんですか??
これはハム・ソヒ選手がひたすら美憂選手の頭を押しているからなんです。これが今回のキーポイントです。

画像2: ≫ 試合動画を見る

ーー出ましたね!今回のキーポイント!
ハム・ソヒ選手は美憂選手がテイクダウンを取りに来たら、ひたすら頭を上げさせないように頭を抑えているんです。

ーー逆に、美憂選手は頭を上げたいということですか?
そうです。美憂選手はテイクダウンを取ったら頭をどんどん相手のお腹とか胸に持っていきたいんです。上に登っていきたい。そうするとハム・ソヒ選手を後ろへ倒しやすくなるんです。

ーー美憂選手はハム・ソヒ選手を後ろに押し倒したかったんだ!
でもハム・ソヒ選手は美憂選手の頭を絶対に上げさせない。頭を抑えられると美憂選手は力が入らなくなるんです。テイクダウンをフィニッシュできない。その後2人とも立つじゃないですか、立つとリセットされる。美憂選手はまた同じ作業をしなくちゃいけないんです。

ーー頑張ってタックルしたのに、振り出しに戻されちゃう感じなんですね。ツラい…。
この試合のポイントは、ハム・ソヒ選手の完璧なタックル対策でしたね。ハム・ソヒ選手はいつもよりもちょっと腰を引いて低い構えをしています。

ーーほー!ハム・ソヒ選手は相当タックルについて勉強していたんですね!
美憂選手がタックルして来たときにハム・ソヒ選手はすぐに「スプロール」と言って、相手の肩や背に乗りかかるようにして覆い被さった状態で自分の腰と足を相手の手から離れたところに置くような動きをしているんです。

画像3: ≫ 試合動画を見る

ーー本当だ!美憂選手がタックルしてくるのを、ハム・ソヒ選手は跳び箱を跳ぶような感じで避けていますね!
それが「スプロール」です。こうすることでタックルを潰しているんです。でも美憂選手も強いので再びタックルしてテイクダウンを取る。ハム・ソヒ選手は足を取られたらひたすら頭を押す、離す、上がらせない。

ーー二人が動いていないように見えるこの時間に、そんなやり取りが行われていたんですね…!知らなかった。
ハム・ソヒ選手はこの時、凄い力で美憂選手の頭を押してると思うんですよ。美憂選手は真正面でダメなら角度を変えて横へ移動してみたりしていますね。

画像4: ≫ 試合動画を見る

ーーあ!美憂選手が立ち上がれそうだったのに…またハム・ソヒ選手に頭を抑えられてマットに着いちゃいましたね。
本当は今、美憂選手はチャンスだったんですが...ハム・ソヒ選手はとにかく頭を押して美憂選手のポジションを良くさせないことに徹底していますね。

ーー二人とも動かなくなっちゃいましたね…そしてレフェリーに止められちゃいましたね。
これは美憂選手がこれ以上何もできない、膠着(こうちゃく)状態ということでブレイクし、また立ったポジションからのスタートになりました。

ーーそうそう!ちょうどこの時にメインキャスターのおのののかさんが解説の藤井恵さんに、私が気になっていることと同じような質問をしていて凄く分かりやすいな〜と思って聞いていたんですよね。
へ〜。どんな質問をしていたんですか?

ーー「この後、山本選手はどういった展開を狙っているのか?」と質問していましたね。
ほうほう、それで藤井さんはなんと答えていたんですか?

ーー「一番の狙いは相手を立たせないようにすること、立たれそうになったらバックを狙ったりということも考えているのでは」って解説していました。おのののかさん、聞きたいことを聞いてくれてありがとう!って思いました!
彼女、格闘技に関して勉強していますもんね。

ーーわ!今、一瞬の間に二人のパンチが交差しましたね!
ここら辺からハム・ソヒ選手の左ストレートが入るようになってくるんですよ。ワンツーが入るようになってくる。

画像5: ≫ 試合動画を見る

ーーなんでワンツーが入るようになってきたんですか?
これまで美憂選手は2回テイクダウンしたのですが、2回ともハム・ソヒ選手に立たれてしまったという精神的なダメージと、多分ハム・ソヒ選手がこの辺りから距離感を掴めてきたからだと思います。

ーーむむむ、美憂選手ピンチですね…!
美憂選手はこれまでタックルを狙って下を攻めてきたのですが、ハム・ソヒ選手の左ストレートが当たるようになったことで上にも注意せざるを得なくなった。またこれによって美憂選手は相手との距離を少し空けるようにもなりました。しかし、距離を空けると美憂選手のタックルの距離ではなくなってしまうんですよね…。

ーーひぇ〜!何ていうか、ハム・ソヒ選手が完全に試合をコントロールしているみたいですね。
ハム・ソヒ選手はそれくらい徹底して対策をしてきたんだと思います。

ーータックルの距離って、もうちょっと近い方が良いんですか?
美憂選手の場合はもうちょっと近めの方が良いと思います。遠目からタックルしてもスプロールされて潰されちゃうので。

ーー本当だ!タックルしたのにまた回避されちゃいましたね。
タックルしたのにかわされると、また最初からやり直しですからね。また距離を取って、そこからテイクダウン取って倒すって、美憂選手にとって本当に大変な作業ですよ。

ーー1R目が終わりましたね。いや〜、見ているだけでドキドキしますね…!引き続き2R目も見ていきましょう!
さっきも言いましたが、2Rに入るとハム・ソヒ選手の左ストレートが当たってきましたね。

画像6: ≫ 試合動画を見る

ーーあ!本当だ!ハム・ソヒ選手のパンチが当たって美憂選手が倒れました!その上にハム・ソヒ選手が覆いかぶさりました!
この後の、下のポジションにいる美憂選手がハム・ソヒ選手を持ち上げるシーンは凄かったのですが...ロープの外に出てしまったのはもったいなかったですね。ロープの外に出てしまうとリスタートになってしまうので。

ーー美憂選手、耳の上をカットして出血しています…痛そう〜!でも再開直後、また果敢にタックルする姿は格好良かったですね!!
そう、この後も美憂選手は諦めずに何度もタックルをしていきます。そして2R目で初めてのテイクダウンを取るんです。

画像7: ≫ 試合動画を見る

ーーハム・ソヒ選手は頭を抑えることを徹底していますね〜
この場面は特にそうなんですが、美憂選手のテイクダウンからの対応よりも、ハム・ソヒ選手のテイクダウンされてからの対応の方が良かったって感じですね。徹底して頭を押さえて、距離を作って足を抜いて立つっていう。おそらくハム・ソヒ選手はすごく器用なタイプではないので、一つのものを着実にこなしているという感じがしますね。

画像8: ≫ 試合動画を見る

ーー二人とも立ち上がってパンチの打ち合い!と思ったらハム・ソヒ選手が美憂選手を振り落として…ひぇっ!これがRIZINルールで許されている「サッカーボールキック」…!?す、凄い試合ですぅ…。
左の強打を持つハム・ソヒ選手を相手に、美憂選手もよく撃ち合いましたよ、本当。

ーーううう…なかなか刺激的な試合展開です…!
この後のスタンドポジションでの攻防は、ハム・ソヒ選手の追い足がすごい上手なんですよ。

画像9: ≫ 試合動画を見る

ーー追い足ってなんですか??
美憂選手はもう少し相手との距離が欲しいと思うんです。2R始まってから特にハム・ソヒ選手のプレッシャーが強く、常にパンチの届く距離にいるので、美憂選手はちょっと距離を取りたいんです。でもガンガン目の前にくる。サイドステップして移動しようとすると、ハム・ソヒ選手が美憂選手より外側に足を出して美憂選手の行きたい方向に行けないようにしているんです。

ーー美憂選手はただ下がっているんじゃなくて、進路を塞がれた結果、下がるしか出来ないってことですか?
ハム・ソヒ選手は相手をコーナーに追い詰めるのが上手いんですよ。相手はサイドステップをしても横に逃げ切れない。ただ相手を追いかけてるんじゃなくて、ちゃんと相手をコーナーに詰めるように追いかけているんです。

ーーああ!美憂選手の左ミドルをキャッチして、ハム・ソヒ選手が上から覆いかぶさりました…!打ち下ろす拳が…怖い…(泣)
美憂選手が左ミドルを蹴ってもハム・ソヒ選手は必ずキックをキャッチして自分の左ストレートを返してるんです。自分が追い詰めているから相手の行動が読みやすいんだと思います。

画像10: ≫ 試合動画を見る

ーーハム・ソヒ選手が攻撃の途中、左手で美憂選手の足首を押さえましたね。これは何か意味があるんですか?
雷美さん、良いところに目を付けましたね〜。美憂選手は最後の場面でハム・ソヒ選手と向き合う体制になりたかったんだと思います。相手の体に接していない外側の足を動かして体制を変えたかったと思うのですが、その足を抑えられてしまったので向きを変えることが出来なかった。

ーーあああーー!ここでレフェリーがストップしてしまいました…!
とにかくハム・ソヒ選手が強かったですね。これで年末に浜崎選手とのタイトルマッチが決まったわけなんですが、浜崎選手どうやってハム・ソヒ選手を攻略するんだろうなって思っちゃうくらい、ハム・ソヒ選手強かったですね。

ーーたしかに。私、この後のハム・ソヒ選手のインタビューを聞いて、なんだか泣けちゃいました。
彼女、すごく謙虚ですよね。

ーー何ていうか…アニメの主人公みたいな感じがしましたね。
…ん〜、ちょっと良くわかんないっす。笑

ーー特殊な能力を持った心優しい主人公が、本当は戦いたくない相手と勝負することになって、自分のパワーを抑えきれず相手を倒し、自分の心も傷ついてしまう…みたいな?
良くわかんないですが、まぁ、そういうことにしておきます。

ーーチャーリーさん共感して下さいよ!!
共感できる時は、素直にちゃんと共感しますので、僕。

ーーも〜!でもでも、今回の試合もチャーリーさんの解説を聞いて勉強になりました!
雷美さんも回を重ねるごとにだいぶ格闘技の楽しみ方が分かってきているようで、僕としても話し甲斐があります。

ーーではチャーリーさん!この辺でRIZIN.19の総括をお願いします!
雷美さん、仕切りも雑じゃなくなってきましたね…。今回の大会の印象としては、各選手に良いところ悪いところがあって、試合の展開によって化学反応みたいなことが起きていろいろな可能性が考えられるわけなんですけど、その中で、この選手の良いところが弾ければもう一方の選手の悪いところが重なって一方的な展開で試合が終わっちゃう、とかそういうこともあるわけで、今回は特にそういう試合が多かった印象ですね。

ーー確かに、今回のRIZIN.19は判定になった試合は少なかったですね。
マッチメイクした時は勝負論のある試合ばかりだったんですよ。ただ、蓋を開けたら一方的な試合が多かったという感じです。数あるシナリオ、選択肢の中から今回のような一方的な試合展開がたまたまたくさん出ちゃったっていう感じかと思いました。そこも格闘技の一つの魅力なのかなとは思っています。

ーー今回たくさんの方にライト級GPの予想をしてもらいましたが、そういえば皆さんぞれぞれの視点から試合展開を予想していましたね。北岡悟選手の予想の中で「試合の展開を想像して楽しむのが良い」とも言ってましたしね。
僕も正にそうだと思っているんですよ。今回もいろんな展開が予想されるようなマッチメイクだったんです。結果的にほとんどの試合で1Rフィニッシュっていう記録的な大会にはなったんですけど。ただ、同じカードでもう一度試合をしたら同じ結果になるかと言ったら、きっと全然違う結果になるとは思いますね。

ーーふ〜ん、なるほど。今回チャーリーさんの解説を聞いて、選手の事を知らないと『試合を予想する』って楽しみ方が出来ないんだな~って思いました。
本当にそう思います。予備知識とかはなかなか難しいですけど、そこをどうやって僕らが皆さんに伝えられるかですよね。例えば、京都とかも何の知識もなく観光に行くのと、ある程度歴史を勉強してから行くのでは全然違うじゃないですか、感動が。それってスポーツも一緒だと思うんですよ。

ーーたしかに〜!よし、年末の大会はたくさん選手のこと予習して、私も試合予想出来るくらいになりたいと思います!!
良い心意気ですね。一緒に年末大会を盛り上げましょう!

ーーチャーリーさん、今回もお忙しいなかご解説ありがとうございました!
いえいえ、こちらこそ雷美さんに満足していただいたようで良かったです。ところで…

ーーん?チャーリーさん、どうしたんですか?
なんか今回の雷美さん、前よりも変な例えとかがないし、テンションも割と普通というか…

ーーなんですか?何が言いたいんですか…!?

……
………『中の人』でも変わったんですか?

ーーちょ…ちょっと!!チャーリーさん!!!なんてこと言うんですか!!?!雷美は雷美です…!『中の人』なんて、いませんっ!!(怒)
あ…し、失礼しました。。

ーーということで、今回はこの辺で!皆さん、また次回もお楽しみに~!!

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