11月1日(火)、都内で12月29日(木)、12月31日(土)にさいたまスーパーアリーナで開催される『Cygames presents RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND/FinalROUND』の記者会見が行なわれた。
会見には髙田延彦RIZIN統括本部長、榊原信行RIZIN実行委員長、そして先日電撃参戦が発表された川尻達也と9・25『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 開幕戦』で総合格闘技に初挑戦したK-1ファイターの木村“フィリップ”ミノルが出席。追加対戦カードとして、川尻vsクロン・グレイシー、チャールズ・“クレイジー・ホース”・ベネットvs木村を発表した。
まず、この2カードを組んだことについて、「芸能仕事の現場で、『RIZINがおもしろくなってきた』という声を聞くようになりました。非常に潮目が変化してきていることを感じているんですが、その中でも女子力と言いますか、ウーマンパワーが炸裂中で、前回のRENAvs山本美憂がおもしろかったと。男子が押されているような印象になってしまっているんですが、いま発表したカードは世間の目をそっちに引っ張り出すためのカードです」と、髙田本部長よりコメント。「2017年に向けて勢いをつけるための最高のカードであり、人を惹き付ける求心力のあるカードです」と自信を持って太鼓判を押した。
そして、木村との再戦が決まったベネットよりコメントが到着。「今回のこのリマッチが決まって本当にうれしい! 俺の望むリマッチを組んでくれたRIZINには感謝しかない!! なんたって俺はKawajiriとのリマッチを待ち望んでいたからな」と人を食ったようなコメントを寄せたベネット。前回大会でわずか7秒で木村を葬っているだけに、「えっ、違うのか!? なんだって木村とリマッチしなきゃいけないんだ。ヤツはこの間7秒で寝かしつけてやったばかりだろ。またやりたいなんて、よほどおねんねするのが好きなんだろう。まあ、前回は役立たずのセコンド(ヴァンダレイ・シウバ)がいたから、今回はセコンドのいう事なんて聞かずに自分の本能で闘ってみろよ。そうすれば10秒くらいはもつんじゃね〜か」と、挑発的な言葉を並べ立てた。
これに気性の激しい木村が黙っているわけがない。「あのクソ野郎をぶっ倒せるかと思うと興奮します!」と早くもエキサイト。さらに木村は、「あの試合を観たMMAファイターからいろんなことを言われて、自分が持っているドロドロとした汚いものが出てきたので早く見せたいですね」と目をギラつかせると、「おまえらじゃ総合格闘技は引っ張っていけない。俺みたいな選手がいないと(この業界は)潰れるぞ? 勝って、ど真ん中に立ちますよ!」と、総合格闘技界の中心になることを宣言した。
前回秒殺されたことについても、「都合の悪いことは憶えてません」ときっぱり。こんな木村を、「周りの声に押されてこの再戦を組んだんですが、あの内容でもう一回見たいと思わせるあの絵力(えぢから)は凄い。あそこで誰も失望しなかったという不思議な作品だし、このタイミングで観られるのは幸せ」と、髙田本部長も期待を寄せていた。
一方、RIZIN初参戦となる川尻はクロン・グレイシーと対戦。自ら望んだカードだけに、「格闘家人生の最終章の一発目がクロンということで、最高の舞台を用意してくれました」とこちらも興奮を隠し切れない様子。「ファンも楽しみにしてくれているし、掴みはOKでしょう。ホップ、ステップと来たので、試合でジャンプして、RIZINと共に大きくジャンプしたいですね」と意気込んだ。
前回、所英男を寝技で完封したクロンだが、MMAはまだ3戦しか経験していない。百戦錬磨の川尻にしてみれば、相手はルーキーのようなもの。しかし、川尻には甘く見ている様子はない。それどころか、宮本武蔵の「千日(せんじつ)の稽古(けいこ)を鍛(たん)とし、万日(まんじつ)の稽古を練(れん)とす」という言葉を引き合いに出し、「クロンはグレイシー一家の育ちですから、生まれながらのファイター。万日を過ぎています。ボクはまだ18年。日数にすると6500日ぐらいで、万日には達していません。ファイターとしては彼の方が大きなキャリアを持っているので、敬意を持って全力で叩き斬ります」と、気を引き締めてこの一戦に挑む腹づもりだ。
クロンの最大の武器は父であるヒクソン・グレイシー仕込みの寝技だが、「寝技になったら諦めます」とうそぶく川尻。「今さら凌ぐ対策をやっても勝てない。ただ、絶対に負けたくないので、(不利な体勢に)持ち込ませません。自分の得意なカタチにしてKOする。それがボクの対策です」とベテランらしく深みのある言葉で語っていた。
髙田本部長も、「クロンが本当に強いと実証されたこのタイミングでやるのは偶然じゃない」と楽しみにしている様子。また、“しん”グレイシーハンターを名乗る川尻に対して、「“しん”は『新』なのか、『真』なのか、あるいは『シン・ゴジラ』のようにカタカナなのか?」という質問が報道陣から飛ぶと、「コメントを聞いていると深いんだよね。深みがあるよ。私はカタカナもいいけど、『深』もいいと思う」と逆提案するなど、PRIDE時代よりも一回り大きくなった川尻の様子にご満悦だった。
なお、榊原実行委員は会見後に記者の質問に答え、来週にも追加カードを発表予定と明かした。また11月3日(木・祝)には、『K-1 WORLD GP 2016 JAPAN ~初代フェザー級王座決定トーナメント~』(国立代々木競技場第二体育館)、『GRANDSLAM5 - WAY OF THE CAGE -』(ディファ有明)、『DEEP JEWELS14』(新宿FACE)の3大会を”はしご”観戦する。各大会でRIZIN参戦を希望する、あるいはRIZINに参戦させたい選手の視察を行なう様で、「こんなはしごをするのはボクぐらいでしょう!」と語っていた。
その他にも11月11日(金)にTDCホールで開催されるシュートボクシングの『SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-cup 2016』、そして11月13日(日)にディファ有明で開催される『PANCRASE282』にも注目しており、それぞれの結果を受けて、RENAのカードや、正式にオファーを出しているという中井りんなどのカードも決めていきたいという。無差別級トーナメントの組み合わせも近々発表するとのことで、11月下旬までにほとんどのカードを発表したいという意向を示した。
【追加対戦カード】
[RIZIN MMA特別ルール:3分3R/インターバル60秒 67.0KG契約]
チャールズ・“クレイジー・ホース”・ベネット vs 木村“フィリップ”ミノル
[RIZIN MMA特別ルール:1R10分/2・3R5分/インターバル60秒 65.8KG契約]
川尻達也 vs クロン・グレイシー
【既報対戦カード】
[RIZIN MMAルール:1R10分/2R5分/インターバル 60秒 62.0kg契約]
所英男 vs 山本アーセン
[RIZIN 女子MMAルール:5分3R/インターバル 60秒 49.0kg契約]
アンディ・ウィン vs 山本美憂
[RIZIN トーナメントルール:5分2R/ 無差別級]
ミルコ・クロコップ vs ヴァンダレイ・シウバ (12/29)
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