12月29日・31日にさいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYS」。11月20日の会見では、新たな2つのカードと、3日間に渡って開催される「格闘技EXPO」の概要が発表された。
会見には、榊原信行RIZIN実行委員長、高田延彦統括本部長、髙阪剛が登壇。まずは高田統括本部長より、A.J.マシューズ(アメリカ)vsアナトリー・トコフ(ロシア)、髙阪剛vsジェームズ・トンプソン(イングランド)のカードが発表された。
高田統括本部長は「マシューズとトコフはお互いストライカーで打撃が強い。マシューズが27歳、トコフが25歳。いきのいい若い選手同士の激突です。特にマシューズはKO率の高いアグレッシブな選手。将来性のあるモンスター級のファイター。この試合は、目を離すことができない、レベルの高い打撃戦になりますよ」と話し、マシューズが練習先のタイ・プーケットでヤシの木を蹴り上げて伐採の手伝いをしたというエピソードを披露した。
続いて、髙阪vsトンプソンについて見どころを紹介。「2006年に大阪ドームでやった無差別級グランプリでのマーク・ハント戦。あの時は引退するのがもったいないと思った。あれから9年、46歳になったTKにどんな気持ちの変化があってRIZINに出てくるのか。彼自身は、人生最高のコンディションだと言っている。技術の進化もあるでしょう。突進力と技術のあるトンプソンをどう受け止めて戦うのか。そして、試合後の記者会見で『もういっちょ』と言うのか、あるいはまたしばらく休むのか。試合後の一挙手一投足も楽しみです」
ここで、参戦が決まった外国人選手からのコメントが主催者より発表された。
「日本で初めて戦えることにとても興奮している。相手はロシアのヤングガイと聞いているが、正直誰だって構わない。今は、打撃にさらに磨きをかけているところだ。いつも通りぶっとばして気持ち良いNEW YEAR を迎えたいね」(A.J. マシューズ)
「RIZIN の記念すべき第1 回目のイベントに参戦することができて、とても嬉しいです。そして、日本で戦えることを誇りに思います。世界中で活躍する多くの有名選手たちのキャリアは、この日本で始まっています。また、この試合のためにサポートしてくれたヒョードル選手に心から感謝します。対戦相手のAJマシューズ選手はとても強いファイターですが、思いっきりぶっとばしたいですね」(アナトリー・トコフ)
「再び日本で戦う機会を与えてくれたRIZIN とベラトールに感謝したい。日本では10 戦もして第二の故郷だと思っているし、日本のファンも大好きだ。TK、待ってろよ!!!」(ジェームズ・トンプソン)
続いて、髙阪剛がコメント。「RIZINで約10年ぶりに現役復帰させていただくことになりました。引退後も一生格闘家として生きていこうという思いがあり、でもその生き方とは果たしてなんだろうかと自問しながら日々トレーニングや練習をしてきました。結果、“戦う”ということが捨て切れなかった。それが自分の答えであり、今回の復帰を決めた大きなポイントです。昨日今日出した答えではなく、去年の10月くらいからリングに戻ろうと思っていました。そんな中で榊原さんと再会し、見えない手に引かれていったという気がします。RIZINの舞台を与えられてとても光栄。常に格闘家として生きてきた自分の生き様をリングの上で表現したいと思います」
次に榊原実行委員長が、トーナメント参戦選手としてBAMMA代表のマーク・ゴッドビアー、BUSHIDO代表のテオドラス・オークストリス、KSW代表のゴラン・レリッジを発表。「アライアンスを組んでくれた団体の代表選手が続々と決まってきました。チャンピオンを出してくる団体もあれば、敗れた選手を出してくるところもある。それぞれのプロモーションの思惑が見え隠れして面白いです。今回のRIZINはキックオフで、世界中の団体が送り出したいと思わせる大会にできるかがテーマ。それは我々のトーナメントの磨き方次第です。出場選手は日本代表を含め、あと3人。これから一週間ほどで選びたい。いずれも日本ではまだ知名度がない選手ですが、試合内容に期待してほしいと思います」
また、3日間に渡って同会場のコミュニティアリーナで開催される無料イベント「格闘技EXPO」の詳細も発表。「僕が格闘技から離れていた期間に感じたのは、格闘技にはファンファーストの精神が足りなかったということ。ファンとコミュニケーションできる機会や育成・普及する機会をもっと増やすべきだと感じました。格闘技EXPOは、3日間存分に格闘技に触れてもらえる機会。出場選手のサイン会、握手会、レジェンド級の選手や各国のラウンドガールが参加するイベントのほか、公式行事もすべてこの中で行う予定。また、リングとマットのスペースを作り、グラップリングの大会や選手の公開練習もやりたいと考えています」
ここで、参戦選手の試合日程についても発表。29日はトーナメントの1回戦5試合と、桜庭和志vs青木真也、元谷友貴vsチョ・ナムジン、A.J.マシューズvsアナトリー・トコフ、髙阪剛vsジェームズ・トンプソン。31日はトーナメント準決勝・決勝のほか、エメリヤーエンコ・ヒョードル、ホーヴェルソン・カイド(ともに対戦相手未定)、ギャビ・ガルシアvsレイディー・タパ、RENA vsイリアーナ・ヴァレンティーノ。その他の対戦カードの日程は未定となっている。
ここで、榊原実行委員長が「29日は、PRIDE、DREAMのけじめの日にしたい。サブタイトルは“SARABAの宴”。いろんな思いで支えてくれた選手、ファンのレクイエム。PRIDEのスタイルで、過去の集大成として行います。31日はまったく違う雰囲気の、未来への扉を開ける“IZAの舞”。過去、現在、未来がシンクロする瞬間。なんとしても両日観ていただきたい」と話すと、高田統括本部長が「8年間止まった時計を再び動かすのなら、その幕開けを体現できるのはTKしかいない。第一試合に持ってきたらどうか」と提案。すると、「手を挙げさせてもらいたいです。やらせていただいてよろしいですか」と髙阪。この場で、髙阪のカードが29日の第1試合になることが決定した。髙阪は「時計は止まっていたかもしれないけど、思いを持っていた人たちや選手はずっと動いていた。みんなの思いを感じることができた。それを全身で表現したいと思います」と語った。
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