はい!雷美です!9月に入り、夏もあっという間に終わろうとしていますね!
さて、前回の教えてチャーリー!RIZIN.17の続きでございますよ!チャーリーさんにお話聞いていたら長くなってしまったので、記事を分けちゃいました。
この記事では真夏の男祭りの象徴とも言える壮絶な殴り合いを繰り広げた元谷友貴選手VS.扇久保博正選手の戦いをチャーリーさんと一緒に振り返りながら解説していきますよ!
――チャーリーさんが「個人的ベストバウト」と称したこの試合を早速GYAO!で見ていきましょう!
――改めてですけど、この二人の戦いは扇久保選手から呼び掛けて実現したんですよね。
そうですね。元谷選手はDEEP、扇久保選手は修斗で活躍してきて今まで交わる事が無かった二人です。国内団体の王者同士、どちらが強いのか?どういう試合になるのか?など、格闘技関係者の間でも予想がつかない試合でしたね。
――団体の威信を賭けての戦いって、なんかカッコイイですよね! 元谷選手がコンフェッションズでお父さんの顔を見せてくれたのも印象的でした。
コンフェッションズの番組内でも二人とも「団体を背負って戦う」って発言してましたね。さぁ1Rのゴングがなりましたよ。
――ちょっと大人しめな感じの立ち上がりですね。あ、扇久保選手が倒しましたよ!
序盤はお互いに探り合いで打撃の交換をしてから扇久保選手がタックルを仕掛けてテイクダウンに成功しましたね。元谷選手も当然ここは分かっていて、冷静に対応しています。
――扇久保選手が上からずっと攻めています!強い!
ここで注目したいのが、元谷選手の背中です。トップキープが強い扇久保選手を相手に、背中をべったりと付けさせないんですよ。これは上にいる扇久保選手からしたら相当嫌だと思います。サイドを取られても背中を見せて立ち上がります。
――でも直ぐに扇久保選手が持ち上げて倒しました!顔と一緒でワイルド!
相手に立たれても扇久保選手はタックルを仕掛けていきます。元谷選手はここも逆らわずに脱力した状態でテイクダウン取らせている様に見えますね。なんというか、猫みたいな感じです。
――あぁ、言われてみると猫みたいかも。道路を挟んだ反対車線からこちらの様子をじっと見つめているような顔をする時ありますよね!
はい。いや、顔じゃなくて動きの事ですけどね。
因みにこの時点でエネルギーを消費しているのは扇久保選手だと思います。元谷選手は脱力して相手に攻めさせて、ここぞというタイミングでバックをとって攻撃を仕掛けています。技術がすごいですね。
――いつの間にか猫が後ろから攻めてる!ラウンドの最後は扇久保選手がワイルドに踏みつけて1R終了しました!
2Rが始まりました。ここでも扇久保選手からタックルを仕掛けていきますね。
扇久保選手の戦法は変わらずです。ただ元谷選手はテイクダウンされても背中を中々つけさせない。身体を半身にして立ち上がります。
元谷選手がグラウンド状態から立つコツとタイミングを掴んだのか、テイクダウンを恐れずに打撃の攻めが増えてきました。元谷選手はテイクダウンされても片手で突っ張って、身体をひねって扇久保選手のドライブを相殺しているんです。
――それでも扇久保選手が優勢に見えますけどねぇ?
もちろんテイクダウンを仕掛けているので扇久保選手が攻めてます。でも自分の生命線であるテイクダウンとトップコントロールをしても、毎回立たれてしまうというのは精神的にも相当苦しいはずです。体力を使うし、すぐ立ってくるし。
――せっかく掃除しても直ぐに猫の毛まみれになってまた掃除しなきゃいけない!みたいな心境ってことですね。分かります!
猫を飼っていないのでよく分からないんですけど、多分似たようなもんです。
ここから元谷選手の求める試合展開が始まります。前半は扇久保選手自分の試合の臨む試合が出来ていたけど元谷選手の粘りが強く極めきれず、元谷選手のシナリオに引きずり込まれ始めたという感じでしょうか。
――確かに元谷選手が攻撃が増えてきました!逆に扇久保選手には疲れが見えてきたような印象です。
倒しても立たれてしまうので、スタミナは削られていくはずです。
――ファイナルラウンドが始まりました!
――すごい打ち合い!
打ち合いの中で扇久保選手が倒しますが、ここも元谷選手は中々背中をつけさせませんね。
――立ち上がってまた打ち合いっ!
扇久保選手がテイクダウンしても元谷選手は直ぐに立って打ち合いに持ちこんでいきます。扇久保選手からしたら「もう勘弁してくれ」って気持ちだったんじゃないかと思います。でも立たれたら打ち合ってやる!という気持ちの強さも感じました。
――ゴング直前、扇久保選手が上から締めに行きましたよ!
扇久保選手がフィニッシュに向けて、もしくはジャッジに向けて肩固めを仕掛けますが、ここは時間がありませんでしたね。総合格闘技というジャンルの中で機転を利かせてバリエーションを多く混ぜてきた扇久保選手の上手さが勝負の分け目になったのかなと思います。
――うーん、まさに死闘って感じのすごい戦い。観ているこちらが何か疲れちゃいました…。
お互いの意地と意地がぶつかる内容の試合でしたね。最初の1,2Rはちゃんとした総合格闘技で、3Rは気持ちのぶつかりあい。技術より気力、セコンドからしたら決して褒められる内容のラウンドではなかったのでしょうか。
――会場で観ていても歓声が大きかったですよ。
試合後に聞いたのですが、元谷選手は「お客さんを盛り上げるには打撃で行くしかない」、扇久保選手は「会場がイマイチ盛り上がってないので俺の試合で盛り上げるしかない」と言っていました。
――二人とも勝ち負け以上にプロとして魅せる戦いをしようとしていたんですね。
日本のトップに上り詰めた選手が普段だったらあんなに雑でリスキーな打ち合いはしないだろうに、お客さんが求めるものを魅せたい、沸かせたいというプロ意識に感動しました。この試合を作ったのは間違いなく元谷選手で、扇久保選手がそこに応えたという漢気が詰まった熱い試合でした。
――本当に男らしくて、これで女性人気も爆上げですね!あ、元谷選手は結婚してるし、扇久保選手は若い彼女がいたか!チッ!
(笑)
――チャーリーさん、今回は何か終始真面目な感じになっちゃって、私は少し反省してます。
いやいや、真面目でいいじゃないですか(笑)
RIZIN.17はバンタム級四天王という括りで4人の日本人選手達にフォーカスしてプロモーションしてきたわけですが、プロモーター側の意向と選手側の意思ががっちりと噛み合った最高の試合だったのかなと思っています。重ねて言いますが、本当に技術力もファイトIQも抜群に高い両者なので、普段だったらこんなに雑な試合しないですから。要所要所でテイクダウン混ぜてきた扇久保選手が上手く、でもそこを毎回立って仕切りなおす事も元谷選手だから出来た事だし、無限連打もスタミナのある元谷選手じゃなきゃできなかった事です。この二人じゃなかったらできなかった名勝負だと思います。僕的に今大会ベストバウトです。
――しっかり締めて頂いて有難う御座います!次回はGOOD SPEED presents RIZIN.18の振り返りですね!
時間に余裕があったらやりましょう(笑)
――それは大丈夫!チャーリーさん見てるとめっちゃ暇そうですもん!
おいっ!そんな事ないわ!(笑)
まぁでも雷美さんと映像観ながら振り返るのは、意外と楽しいから良いんですけどね。
――え!?チャーリーさん、それってどういう??
ではまた次回!
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