才賀紀左衛門
「MMAの選手と立ち技の選手の打撃の差をきっちり見せたいですね」
──試合を控えてコンディション的にはどうですか?
才賀 減量ってしんどいなと思いました。今回58キロなんで。普段は普通に落とせたと思うんですけど、肩をケガして動けなかった分、急に落とすことになったのでしんどいなと。まあ問題ないです。
──肩の負傷は?
才賀 100%ではないんですけど、問題ないと思います。
──練習はどうでした?
才賀 痛かったりもしたんですけど、だんだん良くなって今は問題ないです。
──本来の調子ではない感じですか?
才賀 まだ100%ではないですね。
──対戦相手についてはどういった印象をお持ちですか?
才賀 アグレッシブなファイターですね。
──やりづらそう?
才賀 やりやすいと思います。まあ、どうなんですかね? やりにくくはないと思うんですけど。
──前回はアメリカに練習に行かれましたけど、今回は日本でトレーニングされたんですか?
才賀 そうですね。今回は肩のケガもあったのでリハビリをメインにして。試合をやるって決めたのが1カ月前なんで、だいたい3週間ぐらいですかね。
──前回からの強化点はどこになりますか?
才賀 前回の試合の中でちょっと対応が遅かったり、寝技のキープというか、際が自分でもっとああしたらこうしたらっていうのがあったんで、そこを今回は練習してきたっていう感じですね。あとは打撃をしっかり練習してきましたね。ちょっと総合格闘技の打撃と立ち技の打撃は違うんで、一番いい形で勝てるように磨いてきました。
──アーセン選手との試合では試合中に言葉をかわしての楽しかったとおっしゃっていましたけど。
才賀 いや、僕は肩のケガをしてるのがバレないようにしゃべってただけなんで。肩痛かったんで。
──試合でも気になる感じですか?
才賀 スパーリング中は気になってないので。100%ではないんですけど、自分の中ではそんなに問題ではないなと思います。
──練習で肩を気にしないで自由に動けるようになったのはどれぐらいの日にちでしたか?
才賀 まったく気にしないのは無理なんですけど、そこまで気にしないようになったのは2週間、10日ぐらい前ですかね?
──脱臼したあとはしばらく固定していたんですか?
才賀 しばらく固定して、12月に入ってからですね。
──スパーリングができたのはどれぐらいですか?
才賀 3週間ぐらいからですかね。でも、もっと動かないのかなと思ったんですけど、回復も早くて、自分の中では問題はないかなと思います。調子はいいですね。
──今回の対戦相手は打撃が得意な選手ですけど、持ち味は出せそうですか?
才賀 楽しみですね。しっかり差を出したいというか。キックボクシングの試合も全然できますし、MMAの選手と立ち技の選手の打撃の差をきっちり見せたいですね。
──食事とかで気をつけたこととか?
才賀 今まで減量がない分、ガンガン炭水化物も好きな物も食べてきたんですけど、炭水化物もそうですし、脂っこい物は食べないように。野菜とか、同じ脂でも魚を摂ったりとか、植物性のタンパク質だったりっていうのを多めに摂るようにしましたね。
──奥さんが料理を作ってくれたんですか?
才賀 作ってくれましたね。奥さんは凄い料理上手で、結構考えて、トレーナーの話を聞いて作ってくれましたね。それは凄い助かりますね。計量パスしたら、好きな物が入った味噌汁を作ってくれるって言ってたんで。栄養たっぷりのものを用意してくれると思います。
──好きな物ってどういうものが入っているんですか?
才賀 餅が好きなんで。あとは野菜をたっぷり入れてもらって。あとは奥さんに任せます。
──では、正月が楽しみなんじゃないですか?
才賀 そうなんですよ! 正月は美味しい物をたっぷり食ったろうと思って。減量って凄いなと思って。正月って店が空いてないじゃないですか? 1~4日は。だから、今のうちに予約しておきました。焼肉行きます。4日間焼肉行きます。
──全部違う店?
才賀 2店舗を交互に行こうと思います。
──食べたい物りストを作ったりとかしました?
才賀 付けてます。携帯に。インスタグラムに食いたい物を加工して、あとはメモしたり。ラーメンとかもすっげえ好きで、どこどこ行きたいとかいろいろ書いてます。インスタグラムの加工すげえな。
──余計つらくないですか?
才賀 僕は逆に減量中に食べてもらいたいんですよ、一緒にいる人に。気を遣ってくれて「私も食べない」とか言われるとイラッとするんで、食べてどういう味かを伝えてくれって。
──モチベーションになりますね。
才賀 バリバリにモチベーション上がってますね。
堀田祐美子
「『私が代わりに行かせてください』という言葉を神取さんに伝えました」
──今回、急な試合出場となりましたけど、心境はいかがですか?
堀田 今は落ち着いて、あとはやるしかないので、気持ち的にはドキドキ感もなくなってきました。
──MMAの試合は何度かやってきたと思いますけど、改めてどうですか?
堀田 4年前のDEEPでやった試合は、私はずっと女子プロレスラーであって、総合格闘技とかグローブマッチは担当というわけじゃないんですけど、女子プロレスの中にも華やかに舞う選手と実力でやる選手がちょっと別れていて、私は実力系で来てたので、そういうのがあったからこそ、私は今でも女子プロレスを続けていると思うんですね。その気持ちは本当に総合格闘技に感謝もしているし、4年前に体力的にも落ちているというか、まあヒザの手術もしまして、そっからもう一回自分に活を入れるつもりで、総合格闘技をやりたいので探してくれと。そうしたら、ヒザの手術から1カ月後ぐらいに話が来て、やりますと。というので、最後にやりたいと思って4年前にDEEPでやったんですね。それは自分のため。今回はまさかまた私がやるとは考えてもいなかったので。神取さんがやるということでトレーニングパートナーを始めた時に凄いなと。あの人、この歳でやっぱりただもんじゃないなというのを感じて。トレーニングをずっと一緒に続けてきて。その中でアクシデントのケガ。私はずっとやってきて、神取さんの気持ち、ケガを隠しながらずっとやっていたので。私は肌を触れながらやっていたので全部わかって。その中で友情とか感情とか、そういうものがトレーニングの中でより一層芽生えた時に「私が代わりに行かせてください」という言葉を神取さんに伝えました。
──では、神取さんのケガがわかった時点で、ある程度覚悟というか。
堀田 そうですね。たぶんできないぐらい悪化してたので。なんかわからないですけど、その中でも私が一緒にトレーニングして格闘技の何かが芽生えたのかもしれないですね。だから、自分の中にもやりたいというのもあったのかもしれないですね。
──ギャビの印象はどうですか?
堀田 やっぱり凄いというか、私が今まで闘ってきた中で一番最強じゃないですかね? 私もわかっているし、皆さんが一番わかっていると思うけど、私も凄いことを引き受けちゃったなっていうのが心のどこかにありましたけど、それ以上に私が背負っているもの、ここで私が受けなくちゃいけないというか、これから女子プロレスの未来のこともそうですし、これは私がやったことで結果として、女子プロレスというものがもう一度世間にブレイクしてもらえればというのが一番大きいことかなと思いますね。あと、もうひとつ最後に勇気づけられたのはプッシュしてくれたんですね。北斗晶。やはり同期の北斗晶が病気して、それからずっとLINEで毎日欠かさず「おはよう」とかってやり取りをやってきて、その中で彼女にも何か私ががんばる姿で私もがんばろうと思ってもらえるようになってもらいたいなというのもあって、私がこれを決める時に電話しました。「どうおもう?」って。そしたら、「やりなよ」と言ってくれたのが「よしがんばろう」っていう気持ちになったのは正直なところです。
──注目度も高いですし、背負っているものの大きいですね。
堀田 それのプレッシャーがないと、それ以上はできないので。逆に作り上げて、プレッシャーでリングに上がるっていうことが私は一番今までやってきた中で一番向いているのかなって。逆にそれのほうががんばれるかなって思います。
──神取さんの練習相手を務めてきたということですけど、当然ギャビとかの情報を頭に入れて務めたという感じなんですかね?
堀田 そうですね。私だけじゃなくて、他の人もいて。神取さんも私と同じ気持ちで、女子プロレスというのが大きかったんじゃないのかなと。女子プロレスをフューチャーするっていうのがあって、だから私をトレーニングパートナーに選んでくれたっていうのもあるんじゃないですかね?
──神取さんは勝つという秘策があるとおっしゃっていましたけど、当然伝授されていますか?
堀田 そうですね。寝て勝負したら100%勝てないというのはわかっているので、ここは立ち技ですね。蹴り、パンチ、この2つだけ。短い期間でやっているのはそれしかないですね。
──立ち技の練習はどちらで?
堀田 横田さんですね。横田さんといつもトレーニングで代々木に行ったり、あとは髙田道場で。横田さんは大きな人とも曙さんとか村田夏南子ちゃんとかともトレーニングをやっていて、モチベーションを上げることのうまい方で、気持ち熱い方ですよね。
──空手の練習は?
堀田 今はやってないですね。まあ時々道場に行ってやってますけど。
──直前までプロレスの試合に出られている中で、他の選手からも声をかけられていますか?
堀田 そうですね。昨日まで試合をやっていたんですけど、「31日があるからもう出ないでいいです。私が出るんで休んでください。エプロンにいてください」って、タッグマッチでパートナーになった選手が気を遣ってくれたりするんですよ。ほとんどの選手からLINEでがんばってくださいという言葉はもらっています。
川尻達也
「グレイシーという伝統のあるファイターがいて、温故知新、古きものから学びを得て、それを最先端のMMAとしてクロンと観ているファンに見せつけたいなと思います」
──どんな心境ですか?
川尻 いつも通りなんですけど、ワクワク半分、ドキドキ半分の躁鬱状態です。テンション上がったり下がったりを繰り返してます。
──コンディションはどうですか?
川尻 ケガもなく病気もなく、過去最高の川尻達也を用意できると思います。
──心身ともに完璧ということですか。
川尻 そうですね。アメリカに行っちゃえば言葉もわかんないし、コミュニケーションも取れないし、ホテルの中で携帯いじったりしているだけで、やることなかったんですけど、日本だとこういうのがあるし、プロモーション活動もあって、違いを思い出しつつ、楽しみつつここまでもってこれたかなと思います。
──久し振りの日本の試合はどうですか?
川尻 ずっと日本で闘ってきて、3年間空白があるんで、その間に「川尻最近観ねえな、引退したのかな」って思う人もいるだろうし、「ああ、解説の人ね」って思う人もいると思うんで、「この人まだ選手なんだ。強いじゃん」って思うし、せっかく3年ぶりに戻ってきたんで、川尻達也っていう名前をいい意味で日本の格闘技界に刻み込みたいなと思います。
──クロンはどうですか?
川尻 特殊なファイターなんで。寝技に関しては突き抜けているし、今まで通りだと、3戦目でキャリアは浅いんですけど、一芸に秀でていると誰とやっても勝つ可能性がある両極端の怖い選手なんで、一本取られない練習もしてきましたし、逃げてる練習ばかししても意味がないし、ぶっ倒す練習をしてきました。
──久し振りのリングですけど、どうですか?
川尻 広いオクタゴン、ケージ、金網対策でやってきたんですけど、試合の1R10分というのも含めてマイナーチェンジというか変えなきゃいけない部分もあって、スパーリングの映像を取ってディスカッションして、ミットだったり打ち込みに活かして、うまくできたと思います。
──どんな試合を見せたいですか?
川尻 まあ2016年、素晴らしい選手はたくさんいて、グレイシーという伝統のあるファイターがいて、温故知新、古きものから学びを得て、それを最先端のMMAとしてクロンと観ているファンに見せつけたいなと思います。
──改めてグレイシーという名前についてはどうですか?
川尻 ある意味神話ですよね。格闘技界の神話の中のひとつみたいな感じで。やっぱ僕がプロレスファンだった頃にグレイシーを初めて知って本当に驚いたし、なけなしのお年玉握りしめてグレイシーのビデオを買うか買わないか迷いながら、ドキドキして買ってっていうそういう存在なんで。交わることが楽しみだし、光栄だし、リスペクトを持ってクロンをぶっ飛ばしたいなと思います。
──神話というグレイシーですけど、今は等身大に見えませんか?
川尻 ヒクソンを見たらプロレスファンに戻っちゃうかもしれないですけど、リングに上ったら現在のMMAを知らしめてやろうかなと思っています。
──今回の入場曲は?
川尻 いつもと同じB-DASHの『Water Pow』です。中井選手に負けるかもしれないですけど、公開計量は考えてます。変態仮面ぐらいはやるかもしれないです(笑)。
桜井“マッハ”速人
「俺が小池栄子をお姫様抱っこしてやりますよ! できればチューまでしたいなって」
──久し振りの試合になると思うんですけど、心境はどうですか?
マッハ もう若手じゃないんで、60回ぐらいやってますから、毎回こんな感じなんで特にないです。もうルーティンなんで。
──RIZINは初出場になりますけど。
マッハ RIZINは初めてですけど、PRIDEから武士道、DREAMからやってるんで。桜庭に次ぐぐらいやってるから特にないです。
──今回坂田選手が対戦相手ですが、どうですか?
マッハ 坂田選手、会見ではいろいろ言いましたけど、ダニエル・グレイシーとやって、俺がアルフォンゾでやった時にしゃべったりもしたんで。思い入れもないんで、桜井vs小池栄子だと思ってます。坂田選手はなんとも思ってないですけど、小池栄子ですね。
──小池さんにどうやって勝つんですか?
マッハ う~ん、小池栄子軍を代表して来るんで、叩きのめして、どうだって言ってやりますよ。俺が小池栄子をお姫様抱っこしてやりますよ! できればチューまでしたいなって。奪ってやるって。
──ワクワクしています?
マッハ やっぱりテーマがあるんで。ただ闘うっていうよりも。今回もある意味強豪なんで、ワクワクしているし緊張もしています。
──今後もRIZINを盛り上げたいと思っていますか?
マッハ もちろん思っていますよ。ケガもないし、ずっと目も普通だし。骨折もしたことないんで、全然これからだと思っています。加山雄三目指してやりますよ。いつまで経っても若大将で。70歳で若大将で。自分も50ぐらいまでやって、世界のトップで闘えるっていうのを証明しますよ。キックやボクシングは20代後半で終わりじゃないですか? でも、総合は闘い方のシミュレーションで50歳でも世界で闘えるということを日本の国民に教えてやりますよ。私、余談ですけど、柔道整復師の免許も持っていますから、身体のことは理論的にわかっているので、論文を書くつもりでなぜ総合は50歳でも輝けるのかっていうのを立証してみせますよ。MMAは素晴らしい競技なんだって。
──那須川天心のお父さんのところで練習したと聞いたんですけど。
マッハ ただ友達っていうだけで。過去に行ったことがあるけど。練習はマッハ道場だけで、あとは某柔術の道場とかグラップリングやったりとかですね。
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