2019年12月24日（火）、RIZIN.20に出場する江幡塁が都内で練習を公開した。
大晦日、RIZINという舞台で神童・那須川天心との対戦が決まったWKBA世界スーパーバンタム級王者 江幡塁。ここまでに挙げた勝ち星36勝のうち半分がKO勝利と、その破壊力には絶対の自信を持っている。スピードもパワーも兼ね備えた那須川相手に、その強さを証明することが出来るのか、またどんな戦略で挑むのか注目が集まる。
公開練習では1Rのシャドーと3分2Rのミット打ちを披露。その後、囲み取材に応じた。
質疑応答
ーー現在の心境はいかがですか？
試合まであと一週間となり、仕上がりも良くなって来て、もう少しだなという実感です。
ーーRIZINに出場することになってから周囲からの反響はありましたか？
以前から（那須川天心と）対戦して欲しい、楽しみにしているという声がありましたが、対戦が決まってからは新日本キックボクシング協会からは「勝って欲しい」「伝統のスタイルを証明して欲しい」と言う声を聞きます。
ーーRIZINにどんなイメージを持っていましたか？
日本で一番盛り上がっている格闘技イベントだと思っています。
ーー那須川天心選手をいつ頃から意識していましたか？
（キックボクシングイベント）KNOCK OUTに出るようになってから…その前くらいからですかね。いろんなキックボクシングの団体を見ているのでその中で知るようになりました。
ーー那須川選手と闘いたいと思うようになったのはいつ頃くらいですか？
その時からですね。彼は従来のスタイルと違うので、実際に闘ってみたらどんな風になるんだろうなと思うようになりました。
ーー江幡選手がおっしゃる「キックボクシング伝統のスタイル」とは具体的にはどういうものですか？
キックボクシングと言っても、ボクシングと空手だったりムエタイとキックボクシングが混ざっていたりしますが、キックボクシングとは「打倒ムエタイ」として発祥したスタイルなんです。打倒ムエタイというからには「倒す」キックボクシングが基本のスタイルです。ガードが高かったり。ボクシングではない、キックボクシングのパンチの撃ち方やムエタイではないキックの撃ち方、キックボクシングでのキックの撃ち方があります。うちのジムは混ざり気のない、生粋なキックボクシングです。
ーー那須川選手のキックボクシングに対してはどう思っていますか？
器用な選手だなと思います。空手が混ざっていたり、ボクシングが上手なファイターだなと。そういう意味でも対戦が楽しみにしています。
ーー昨日、那須川選手の公開練習で「大晦日は多少リスクを負ってでも行くべき」と言っていましたが、江幡選手はそれに対しどう思いますか？
大晦日、僕もようやくキックボクシングが見せれるんだと思っているので、最高の闘い方をしようと思っています。
ーーフィニッシュはもちろんKOで考えていますか？
相手がKOを狙ってくるなら、KO決着になると思います。
ーー試合に向けて強化した部分はありますか？
基本は普段と一緒ですが、前回（KNOCK OUTの）ワンデートーナメントをやったときは、基本に忠実にやったので、今回も普段と変わりないです。でも気持ちの面では盛り上がっています。
ーー今回、合宿などはしましたか？
合宿には行っていないです。ジムでトレーニングを積んでいます。
ーー江幡選手はさいたまスーパーアリーナで自分が戦うイメージはありましたか？このタイミングでRIZINに出場するというイメージはありましたか？
井上尚弥くんの試合を見ていて、年末にRIZINがあるのは知っていたので、なんとなく「ここでやるんだろうな」というイメージを描いていました。RIZINでの試合が決まったときは、すんなり「ここか」と自然に馴染みました。
ーー気持ちなど含めて、年末に向けてトレーニングしていたのですか？
常に闘えるように、うちのジムは休まないジムなので、日頃からトレーニングを積んでいます。
ーー那須川選手のスタイルは掴みどころのないスタイルと思いますが、江幡選手の正統派のキックボクシングスタイルとは噛み合うと思いますか？向こうが噛み合わせないと思いますか？
僕はすごく噛み合うと思っていて、闘うと決まるまではどんな闘いになるのかなんて考えていましたが、試合をすることになり、実際に闘う意識をして戦略を組んだりしていて、俺はやりやすいだろうなと思っています。
ーーもちろん3Rで仕留める予定ですか？
そうです。
ーー那須川選手のスタイルはポイントアウトもできる選手と思いますが、そこはいかがですか？
彼は今回、大晦日の舞台でそれをしないと思っているので、言い方はおかしいですが、僕にとっては有利かなと思っています。大晦日で彼はポイントで逃げることはしないと思うので、彼の「勝ってやる」という姿勢、前に来る姿勢は僕にとって良い試合をする要素でもあると思うので、そういうところも含めて楽しみにしています。
ーー那須川選手の有利な点としては大舞台慣れしている点だと思いますが、江幡選手の強みはなんですか？
闘いに関してはすごく自分でも強いと思っています。どんな舞台でもどんな選手でも、スピード・技・経験を全てを合算した闘いに慣れていると、強いと思っています。その闘いの部分で勝てれば、試合に勝てると思っています。そこに自信を持っています。
ーー新日本キックボクシング協会の看板を背負っているから？
そうですね。もちろん看板、ベルト、沢山の人の思いも背負ってます。見ている沢山の人の思いを背負っています。背負ってるのももちろん、負けられないとも思っています。自分の心で闘いに行きたいと思います。
ーー芸能界におい付き合いがあると思いますが、そういった方々も応援に駆けつけてくれるのですか？
駆けつけてくれるという声ももらってます。一緒に入場したりとか。（友人の）三浦春馬も頑張っている時期だし、僕も大舞台というチャンスを掴んで頑張っている、僕もあいつも頑張っているので、弟の睦も含めて3人で大舞台に立とうと思っています。
ーー（三浦春馬さんは）セコンドには着きますか？サプライズ？
当日の状況になってみないとどうなるかわからないですね。僕の希望としては、3人で晴れの舞台にという形ができればいいなと思っています。
ーー入場だけですか？セコンドにはつかないのですか？
それは分からないですね。毎回サポートはしてくれています。普段も時間があれば計量の時の送り迎えもしてくれます。彼も同じく夢を追いかけている身としてサポートの仕方を心得ているので、近くにいると安心するし、物事に集中出来る環境を作ってくれます。（双子の）睦も春馬も。
ーー三浦春馬さんは江幡選手のRIZIN出場を聞いて何と言っていましたか？
決定についてはとても喜んでくれていました。「塁のキックボクシングがたくさんの人の目に留まると思うと興奮する」と言ってくれています。僕より相手の研究しているなんて話も聞きます。笑
本当に嬉しいですね。
ーー最高の状態でリングに上がれそうですか？
あと一週間、すごくいい調子です。会長にも朝から付き合ってもらって、マッサージから全力を注いでくれているので、結果で恩返しをしたいです。
ーー昨日の公開練習で那須川選手は「江幡選手の攻撃は強いが当たらない」と言っていましたがそれについてどう思いますか？
昨日が公開練習だったんですか？それってもう（ネットなどで）公開されていますか？そうですね、彼もスピードに自信があると思うのでそう言っていると思うのですが、僕は右ストレート、ローキックがなくてもいろんな攻撃があるので、気にしていないです。
ーー逆に那須川選手はバックスピン系や飛び膝、胴回し回転蹴りなど、今まで闘ったことのないタイプの技を出す選手と思いますが、それについてはどう思いますか？
どんもんなんだろうなと、すごく楽しみですね。
ーー睦選手がそれ（バックスピン系）をやって、仮想・那須川天心になっていたりするのですか？
睦はそんな器用じゃないっすね。笑
大技の軌道だったりとかは基礎が出来ていれば、そういった攻撃の攻略が可能だと思っています。基礎をやっているというのは大きな対策をしなくても、どんな対戦相手でも、大技でも対応出来るのが僕たちの強みなので、それを見て貰えればなと思います。
ーールールの面での違いについてはどう思いますか？
もともと僕は首を掴んでから組み立てるスタイルではないので、（首相撲がないのは）問題ないですが、肘はあったほうが便利かなと思います。もし自分が勝ったら、また肘ありでやりましょう、なんてこともあったらいいなと思ってます。
ーー家族はRIZIN出場についてはどんな反応でしたか？
すごく喜んでくれていました。もちろん会場にも来ます。