第7試合 那須川 天心 VS. 才賀 紀左衛門（試合結果詳細）RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント 1st ROUND -夏の陣-

注目のRIZIN MIXルール。1R5分・キックボクシングルール。2R5分・MMAルールで行われる。

1R、那須川が右ローで先制、才賀の左ハイは空を切る。さらに那須川はバックスピンキックで才賀を後退させると左ストレートをヒットさせ、この一発で才賀をKO。那須川天心が秒殺で完勝をおさめた。

試合後、マイクを取った那須川は、「今日はご来場いただきありがとうございました。僕は昔から紀左衛門さんにお世話になっていて、今回試合をすることなって正直最初はやりづらいなと思っていたところはあるんですが、試合になれば殺るか殺られるかなので、僕はぶっ飛ばすつもりで練習を頑張ってきました。ここまでサポートしてくれた皆さん、本当にありがとうございます！　皆さん、打撃も面白くないですか？　RIZINをキックボクシングでもMMAでも本物のリングにできると思っています。これからも僕は本物を目指して強い相手と戦って、上を目指したいと思います。皆さん、これからも応援宜しくお願いいたします！！」とアピールして歓声を浴びた。

那須川 天心 インタビュー

「フィニッシュの流れは昔からやっているパターンで癖になってるというか」

──試合の感想をお願いします。

那須川　圧倒だったと言えば圧倒的でしたけど、試合までの過程が長かったというのはあります、倒し方的にはいい勝ち方でしたし、テレビ向きのKOができたので良かったかなと思います。

──試合時間は短かったですが、才賀選手はどうでした？

那須川　昔から気にかけてくれた先輩だったのでやりづらい部分はあったんですけど、試合はやるかやられるかで、ずっとさっきまで倒すことばっか考えていて、終わったあとに控え室で話して不思議な気持ちでした。

──どんな会話をされたんですか？

那須川　「お前は強い。格闘技界をどんどん盛り上げてくれ」って言われました。

──このMIXルールに対してどういう準備をされたんですか？　

那須川　準備的な面では普段と変わらずキックの練習をずっとやって来たのと、プラス総合の練習をあげてきた感じですね。あとはミットで5分やったりとか、マススパーで長めにやったりとか、そういうトレーニングはやりました。

──今年またRIZINに出るつもりですか？

那須川　今一番盛り上がっている格闘技イベントがRIZINだと思うんで、僕はキックボクシングをメインでやってるんですけど、総合の団体のほうがメジャーになっているので、僕はキックでそういう団体ができたらいいなと。RIZINが両方凄いんだぞ。という風になればもっと格闘技界が盛り上がると思います。

──フィニッシュはいつも通り身体が動いたんですか？　あと用意した打撃があったということなんですけど、今回出すチャンスはありましたか？

那須川　フィニッシュの流れは昔からやっているパターンで癖になってるというか、ヒザ蹴り蹴ってくる選手は得意で、身体の反応で勝手に動く感じになっているので、練習したことが出たという感じです。あれで失神したとは思わなかったので、自分の実力が上がっているのは感じました。用意していたのはあったんですけど。出せずに終わってしまったので、今後の試合は3週間後に決まっているので、そこで出せたらいいなと思っています。

──キックとMMAを交互にやっている状況に満足していますか？　海外でもネットやフォーラムで議論が盛り上がっていて、天心選手がこのままでいいのかと。最終的にMMAに絞る覚悟はあるんですか？

那須川　今は一番やりたいのはキックボクシングをメジャーにすることなんですけど、いろんなところから声がかかっているんで、若いんでいろんな道があるんですけど、定まってないんで、いろいろ考えたりしているんで今は言えないというか、MMAも考えてますし、キックも、ボクシングも考えていますし、この先格闘技界がどうなっていくかわからないので、それ次第でその道に進みたいなと思っています。

才賀 紀左衛門 インタビュー

「K-1とかで上の階級とかいろんな選手とやってますけど、別格に強いですね、天心」

──試合の感想をお願いします。

才賀　いやあ、強えなって感じですね、天心。あんなに立ちで差があるとは思ってなかったんで。いくら久々のキックでもいけるかなと思っていったら、全然ダメでした。めっちゃ悔しいし……悔しいな。

──決まった時、記憶はありますか？

正直、左ストレートをもらってってわかんなかったですね。速かった。記憶はもらったのだけわからなくて、あとは憶えてるから。パンチを合わせたりもしたんでいけると思ったら、全然ダメやった。楽しんでやりたかったんですけどね。

──天心選手のどこが一番強いと感じました？

才賀　まあスピード、パワー、バランス、すべてですよね。まともにKO負けって初めてだから、凄い本当に。もっともっと俺も頑張って。MMAしっかり頑張ろうみたいな。キックはもういいから（笑）。

──新たな発見と言うかここから何か変わってくるっていうのはありますか？

才賀　今回キックやったんで、キックでやられちゃって、MMAになったらMMAになったで違う展開だったと思うんですけど、キックでここまでやられるとは思わなかったんで。まあ、今はMMAのファイターにちゃんとなっているので、複雑というか悔しい。

──天心選手に何発かパンチを入れたと思うんですけど、手応えは？

才賀　ヒットしたのでいけるなと思ったらやられたんで、何枚も上手やったと思うし、いけると思わせて合わせたかのかもしれないし、俺もキックから離れているんで、もっと冷静に闘えたら良かったと思うんですけど。ジャブで距離取ってとかやったら違う展開だと思うんですけど、せっかく1ラウンドにキックあるし、自分の今の立ちのスキルを試したいということで勝負にいったんですけど、凄い。K-1とかで上の階級とかいろんな選手とやってますけど、別格に強いですね、天心。

──結構、才賀選手は戦前挑発されていて。

才賀　挑発していました？

──上から目線というか。

才賀　いや、昔から知っている後輩だし、お父さんもリスペクトしているんでそういうつもりはなく。

──リングの上で再会を果たしましたけど、入場の時はどう思われました？

才賀　すげえな天心と思いましたね。スターというか昔あんな小ちゃかったのに、今は俺の目の前に立って試合だと。複雑な気持ちやったですけど、ここで俺が天心にちまちまと変な試合して、そんな試合したら、先輩としてカッコ悪い、人としてカッコ悪いと思ったから、ここは天心の得意の土俵で。俺も男やから、逆に気持ち良く闘いたいという気持ちがあったのでやりましたね。まあ、あっさりやられちゃいましたけどね（笑）。