6月9日(日)国立代々木競技場 第一体育館にて開催されたYogibo presents RIZIN.47の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
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堀口恭司「しっかりリベンジできた。本当は極めたかったけど」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。
堀口 そうですね、しっかりリベンジできたので。本当は極めたかったのですけれど、なかなか相手がうまくてそこまで辿り着けず。何しろ、勝てたことが嬉しかったですね。
ーー前回と比べて戦ってみて印象と違ったところがあったら教えてください。
堀口 お互い手の内はわかっているのでちょっと探り合いになりましたね。
ーーぺティス選手は堀口選手に対して変わらずスピードがあり強いという印象だったと。堀口選手も変わらない印象ですか?
堀口 まあそうですね。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えていただけますか。
堀口 海くんがチャレンジするUFCに自分もチャレンジしたいなとは思っていますけど、まあどうなることか、まだわからないですね。
ーー試合前あまり感情を入れずにひとつの試合として戦うと。改めて、リベンジ戦として実際向きあっても落ち着いた心境で試合に臨むことができましたか?
堀口 そうですね、でも悪い癖が出て3Rめにちょっと打ち合ってやろうかと思っちゃってセコンドから「おい恭司!おい集中しろ!」と言われてまあ、やらなかったです。
ーーでは打ち合いも……
堀口 もしかしたら行っていたかもしれないですね。
ーー前回同様、盛り上げたいと思って?
堀口 もちろんそういうのもあるので。
ーー全てのラウンドで盛り上がっていたように見えましたがもっと沸かせたいと?
堀口 やっぱり格闘技って、決めたほうが盛り上がるので、自分はそこを目標にやっているのでもっと決めたいなと。
ーー勝利後のリングに奥様を上げるのは恒例にしていきますか。
堀口 ガハハハハ!恒例にはならないですけど、やっぱり一番近くでサポートしてもらって、多分、自分はちょっと人の気持ちがわからないところがあるのですけど、多分一番緊張していたっていうか。この試合に向けて、しかもリベンジマッチだし一番ナーバスになっていたので、リング上に勝った後で上げて、喜びを分かち合いたいと思いました。
ーー結婚後に食事面のサポートをしてもらえるようになったことでもっと強くなっていけそうですか。
堀口 まあそうですね、もちろん。やっぱりアメリカに日本食ってあんまりないので。自分の腕だとあんまり料理作れないので(笑)、サポートしてもらって、もっともっと上を目指せるなっていう感じですね。
ーー海選手のUFCに自分もと。榊原代表はバンタム級と二階級制覇を、ということですが。
堀口 そうですね、ちょっと契約的な大人の話になると思います、ガハハハハハ!
ーー海選手はUFCで活躍しタイトル戦線に行けると思いますか?
堀口 できると思いますよ。日本人はダメだ、みたいな決めつけがすごいあるので。周りの人や格闘技ファンだったりとか。ネガティブな気持ちじゃなくやってやろうとかプラスな気持ちで行けば絶対勝てると思うのですよ。だから海くんにも絶対にチャンスがあると思います。
ーー極めっていう部分で、恭司選手のなかではテイクダウンのあとに、ペティスがスクランブルにきたらバックでチョークという狙いもあったかもしれません。結構向こうがガードでステイしたのでフィニッシュに至らなかったのでしょうか。
堀口 そうですね、守りにすごい徹していたので、ああやられちゃうとやっぱすごい難しいです。パスガードも何度もやってましたけど、戻してずっと抱きついて……、なのでなかなかそこから極めるのは難しかったですね。だからコツコツパウンド当てて、という感じでした。
オモプラッタ来た時が一番バックが取れそうでしたが、あの場面でも立ち上がらず引き込んできたときはそういう試合になると自分では思いましたか。**
堀口 そうですね、でも最後極めたかったというのはありましたね。
ーーまたUFCに行きたいという話が、どうなるかは置いておいて、今UFCフライ級に平良達郎選手や鶴屋怜選手のような若い選手がいます。率直に二人への評価は?どのくらいの戦力があると見ていますか?
堀口 すごいふたりともすごい強いですよ、やっぱりUFCが取っただけあってめちゃめちゃ強いし、鶴屋くんは一緒に練習したことありますけど、グラウンドテクニックがめちゃくちゃうまいですね。もっと伸びしろがある選手です、強いです。
ーー平良選手はランキング入りしていますが、当たったとして全然勝てるとイメージしていますか?
堀口 ファイターで勝てないっていう人はいない。全然勝てますよ、はい。
ーーUFCの話で、フライ級に色々な(日本の)選手がいるなかでもしバンタムでならオファーが来たら考えますか?
堀口 うーんそうですね。いっぱい食べないとならないですね。やっぱ考えますよ、バンタムのほうが盛り上がってるし選手層も厚いので、まあ考えます。
ーーぺティス選手がサウスポーにスイッチしていたのは前回と比べてやりやすい、やりにくいとか、どうでしたか?
堀口 自分はスイッチに関して全然何も気にならないです。だから別にやりづらさもなく、前回もサウスポーを1回くらい使ったかな、なので変わらなかった。
ーー前回同様テイクダウン中心に攻めたなかで、前回と変えてアタックしたこと、違ったところは?
堀口 あまり距離を取らずに近場で勝負しました。あんまり距離取ると回転系の技が当たっちゃうので近場にして、向こうのほうが自分よりは遅いので自分のほうがスピードがあるので、振り回す前に入っちゃうって言う感じですかね。
ーー逆にペティスが前回から攻略してこういうところを狙ってきていると思ったことはありますか。
堀口 スピン系は変わらず狙ってきていたけど自分がそれをさせなかった感じですかね。
ーーいくつかパンチ、1ラウンドの左フックとか当たっていたと思いますが、本当の芯は当てさせてもらってはいませんでした。あの辺の手応えやダメージは?
堀口 結構あったけど打たれ強かったですね、タフでした。
ーー2ラウンドまでは堀口選手が完璧に支配していました。3ラウンドを迎えるときの気持ちはどういうものでしたか?
堀口 最終ラウンドは、セコンドに言われる前までは盛り上げるためにちょっと打ち合っちゃおうかな?というのがあったのですけど(笑)、前回のミスがあったので、ちゃんとそこはセコンドの指示を聞いて勝ちに徹しようと思いました。
ーー「集中しろ」と言われたのは2ラウンド終わりですか。
堀口 インターバルもそうだし、3ラウンド始まって、相手と向き合ったときですね。
ーー上になってコントロールしていた点について、その時間帯も会場の雰囲気としては優勢な堀口選手を応援して雰囲気が充満していました。
堀口 ありました?シーンとしてたからちょっとやばいかな?って思っていました。
ーーどう受け止めていましたか。
堀口 やっぱりもうちょっと盛り上げないとなというのはありました。やっぱりメインだし。今回はしっかり勝ちをとって次回からしっかり極められる選手になって戻ってきたいと思いました。
ーーメインで見せたいものは見せられましたか?見せられたとすれば、何を?
堀口 リベンジマッチだったので勝つ姿を見せるのが一番の目標。そこは見せられたかなと思います。
ーー事前インタビューでRIZINがひと区切りになるということでしたが、真意を教えてください。
堀口 どうなんだろう?言っていいのかなこれって。ガハハハ。契約的な問題もありあんまり言えないんじゃないかな、これ。まあまあ、自分が海外に挑戦したいのが一番ですね。だからです。
ーーもしそれが無理だったらRIZINに再び?それももうないのですか?後ろは考えずに前に進んでいるのでしょうか。
堀口 まあそうですね、なるべく自分の目標に向かって突き進みます。でも、なかった場合には……まあ(笑)。これ言っちゃうとアレですね。あんまり言わない方がいいのかなって。
ーー今回どれくらいの期間でバンタム級の体を作ったのですか?
堀口 1ヶ月半くらいですかね。でも作れてないですよね。自分は64キロなので、計量の前日に半身浴して3キロ落とす感じなので作れていない。気合いで、リベンジマッチだからやったっていう感じですかねえ。
ーー本来ならどれくらいの期間でフライ級からバンタム級の体を作り上げていくのですか。
堀口 人によりますよね太りやすい体質とか。自分はすぐ痩せちゃうのでなかなか難しいですね。だいぶかかります。
ーーご飯たくさん食べなくちゃいけないから嫌だと以前おっしゃっていました。どれくらい摂取しなくてはいけないのですか。
堀口 自分の練習量だと1日に5食とか食べないと付かないですね。牛丼にたとえると、大盛り2杯を5食。何回も吐きました。
ーーバンタムに行くとしても練習以外でそこがきつくなるのですね。
堀口 そうですね。
ーーさっき、ペティス選手が、堀口選手がUFCに挑戦した場合に通用するかを質問したらフライ級ならチャンピオンクラスだが、バンタムだと体格が小さいからしんどいんじゃないかと私見を述べられました。聞いていかがですか。
堀口 まあそうですね。でも人がいうことって人の評価でしかないので、やっぱりやる自分がどうかが一番大事だと思うので。まあ、もちろんバンタムにするには色々な準備が必要だし、自分はタッパもないですけど、行ったら行ったでやるしかない、ですかね。自分は行けると思っています。
ーーリング上で、「誰だ負けるって言ったやつ、榊原さん!」と叫んでいました。有名格闘家の予想では五分五分だったかと思います。その声を聞いてどう思っていましたか。
堀口 格闘家の方は全然自分は気にならないです。でも榊原さん!プロモーターがそれ言っちゃうと「おい!」ってなりますよね。ダリオン・コールドウェル戦も確か「負けるんじゃないか」と言ったんですよ。それで自分も火がつくので逆にすごい相乗効果みたいな感じで強くなれたなって気持ちです。
ーーでは勝って会心の気持ちだったのですね。
堀口 そうです。絶対言ってやろうと思いました。
ーーパッキャオ選手の参戦が発表されましたが、その試合について何か感じることはありますか?
堀口 おもしろそうだけどルールは何?ボクシングなんですか?
**ーーRIZINスタンディングバウト特別ルール3分3Rとなっています。
堀口 ボクシンググローブ?へー。でもおもしろそうっすよね。千裕くん、勢いがあるので。何か起こしてくれるんじゃないのか、っていうのがあるし、パッキャオに通用するのかな?って。ボクシングで、パンチだけで生きてきた人間じゃないですか。そこのおもしろさはありますね。
ーー見にきます?
堀口 いや、フロリダにいます。ロイ(飼い犬)もいるんでね。
ーー勝利して座ったyogiboの感想を一言お願いします。
堀口 自分の家にも、海くんとやったときかな?yogiboがあるんです。それでよく寝ています。めちゃくちゃ気持ちいいです。
セルジオ・ペティス「もっとできた、と思うと非常に悔しい」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。
ペティス もっとできた、と思うと非常に悔しいですが、とくに最初の2R彼はうまく試合をコントロールしていました。彼は自分のゲームプランをやり通した。前戦起きた延長線上で先を戦ったような感じで、起きたことは起きたことというか前戦はそれをバックハンドブローで自分が倒したけれど今日は彼の日だった。今回は彼のほうが上回っていたということで彼を称えたい。
ーー前戦とは堀口選手に変化を感じましたか?
ペティス いや変わったことは全くないです。彼はまだまだ強く、まだまだ速い。前戦に比べると自分は彼のフェイントやキックにより対応できたと思うけど、レスリングでうまくコントロールされてしまっていた、とてもうまくて、自分にとってそこは取り組んでいる課題だし、継続して取り組んでいくべきだと思わされました。自分はまだ30歳で8年から10年くらいこれから続けていくつもりでいるから、今後もっと上達していきたいと思います、成長過程のひとつ、と考えています。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えていただけますか?
ペティス いろいろあるけれど、まず戻って、PFLやBELLATORでいろいろと機会が出てくるでしょう。ただ自分の格闘技の旅路のようなものにあるものは、どこでどんなものであれ一生懸命やるだけ、受けていきたい。UFCで6年やって、若い頃はそこでキャリアを終えるものだと思っていたけれど、BELLATORに移籍し、そこでチャンスを掴んだ。そうしてRIZINに出場する機会にもあったので、どんな機会があるかわかりませんが、格闘技の旅として自分を連れ出してくれるどこにでも行きたいと思っています。結局のところ、自分は格闘家だから。これからも前進していくし、最高な選手のひとりとなれるよう、努力をし続けます。
ーーyogiboの座り心地はいかがですか。
ペティス 非常に素晴らしいです。控室でも横になったのですが、眠りそうになりました。家に持ち帰りたいくらいです。
ーー今回はリングでした。コーナー際に詰められる時間もありましたがリングで戦ってみていかがでしたか。
ペティス たしかに違いはありました。自分はリングで戦ったのはプロ1戦目のカナダでの試合以来です。でも結局はMMAなので、どんな場所であれ、ルールもそうだけど、そこに対応しなくてはいけないものです。堀口選手が素晴らしい戦いを見せた、つまりしっかりと勝利を掴むだけのものがあって勝利を確かなものにしたと思うので、彼に脱帽です。
ーー平本連選手のサポートに対して感謝などの言葉はありますか。
ペティス 本当にありがとうと感謝の気持ちを述べたい。兄弟のような存在になったと思うしジムなども手配してもらい感謝しています。結果を受け入れた上で、またRIZINに近いうちに戻って来れたらいいなと思います。この機会に対してエンターテインメント性の意味ですごくいいなと思っているし、自分もお客さんを楽しませられていたらいいのですが。**
ーー日本のスターの堀口の敵として来日しましたが、今回、声援など受けて日本のファンから受け入れられたという実感がありますか?
ペティス 本当に日本のファンの皆さんの声援も感じましたし、日本のファンのすばらしさも肌で感じました、とても応援する姿勢があると思っていて、素晴らしいです。大会の最初から最後まで客席が埋まってるなんてびっくりなんだ。アメリカに行ったら正反対で、メインイベントになってやっと埋まるような感じだから。全部の舞台裏から演出面で、行われた全ての制作・運営面で素晴らしかったと感じています。だから関わった皆さんに感謝したいと思っています。負けてはしまいましたけれど、忘れ難い時間を過ごすことができました。この瞬間を忘れることはないでしょう。素晴らしかったです。
ーー日本で行きたいところや食べたいものは?
ペティス たくさん食べて、たくさんビールを飲みたい。全部だな、ずっと妻がハンバーガーやラーメン食べってるのも見てたし全部ですね、日本の食を探求したいと思います。
ーー踏みつけも見せました。RIZINルールはいかがでしたか。
ペティス かっこいいなって。小さい頃からPRIDEを見て育ったから、すばらしかった。もうちょっとショーを見せられたらと思ったりもしたし、逆に堀口選手の踏み付けやヒザが怖かった部分もあって、だからしっかり彼を掴んでいたというのもありますね。
ーー勝敗はどこで分かれたと思いますか?
ペティス 全体的にコントロールされていてレスリング技術で素晴らしい仕事をしたというところでしょうか。**自分に背中をつかせてコーナーに追い詰めてコントロールしていました。前にも言ったけれど、自分のキャリアの中でずっとそこは足りない部分だったから、しっかり対策してきたつもりだけど、まだまだ足りないなと気付かされた試合っていうのはこれまでもあったけれど堀口に対してもそうですね。だから、うん、そういうことです。
ーーあとちょっとでフィニッシュできたと感じた瞬間がありますか?
ペティス 打撃ではいいところを見せたのではないかと感じています、最初の対戦よりはずっとよかったと思っています。序盤彼はたくさんカーフキックを蹴ってきたけれどしっかりチェックできていたし、いい感じのオーバーハンドもありましたがそれも避けられましたし。自分がジャブやキックを出して、観客にアピールできていた部分はあると思います。ここ数年はチャンピオンの重圧を意識しながらストレスを感じてやっていましたが今日は楽しみたいと思って臨んで、負けたとはいえ楽しむということはできたので、よかったと思っています。
ーーダースチョークをかけた感触はいかがでしたか。
ペティス 汗で滑ったりということもあって彼は抜け出せる感じだったし肩を出していてあのまま無理にやろうとしても絞り上げる腕に負担がかかるだけで何も起きないということで離しました。それもうまく堀口選手がお腹のほうからトランジションして下がっていました。
ーー前回と違い堀口選手がテイクダウンに来ることは予想ができていたと思います。カウンターのギロチンでフィニッシュもありえるけれども、堀口選手がギロチンにかからないようにテイクダウンできる、その堀口選手の技術をどう捉えていますか。
ペティス たしかにおっしゃるとおり堀口選手はうまくやったたと思う。自分も狙ったところをよけられて立ち上がるしか無い場面が何度かありました。ひょっとしたらちょっと頼りすぎた気もしていますので修正していくべきと感じています。
ーーミルウォーキー出身ですが東京のビールにも期待していますか。
ペティス 100パーセントです。楽しみにしています。7日間ホテルに缶詰だったので、東京のナイトライフを全部楽しみたいです。
ーーヱビスビールを楽しんでください。
ペティス おすすめですね?もう1回教えてください。**
ーーヱビスビールがおすすめです。
ペティス わかりました。
ーー左フックを側頭部に受けてヒザを着いた場面のダメージはいかがでしたか。
ペティス バランスを崩したというのはありました。脅威に感じるものは特になく、ただバランスを崩した感じです。
ーー堀口選手はUFCの再挑戦が選択肢にあるようですが、世界のなかでの堀口選手はどの位置にあると感じていますか。再挑戦した場合、通用すると思いますか。**
ペティス どの階級で?
ーーフライ級かバンタム級でしょうね。
ペティス フライ級なら上に行けるでしょうし、チャンピオンまでいけるかもしれないと思いますが、とはいえ上位にはキラーと言える選手が何人かいるので、どうなるかというところ。私見ですけど、バンタム級だと小さすぎて難しいし、フライ級ならうまく行くのでは。
ーーUFC契約に関連して堀口選手は「フライ級に需要がない」と。北米市場でフライ級の需要は低いと感じていますか?
ペティス 自分もフライ級だったので、実感として需要が少ないとは感じますが、それで階級を上げました。実力が均衡して決着がつきづらいのでそのあたりも人気につながりにくいのかもしれません。