5月6日(土)に有明アリーナにて開催されたRIZIN.42の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
ビクター・コレスニック「アリガト!今は感謝の気持ちだけです」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
コレスニック アリガト!まずRIZINで試合できる機会を与えてくれたことに心から感謝しています、ありがとうございます。RIZINの試合の雰囲気も本当に素晴らしくファンの皆さんの醸し出す雰囲気や暖かい声援は今まで経験したなかでもベスト。今は感謝の気持ちだけです。
ーー試合前「3Rかからずに決着」と宣言し実際にキックでKOしました。今回の戦略を教えていただけますか?
コレスニック 試合前から今回はおそらく判定にはならないだろうと思っていました。というのも自分もストライカーですし対戦相手もストライカーで強い打撃を持っている選手でした。今回キックがかなり効いて倒すことができ、いくつか攻撃の上で失敗はありましたが、それを上まわる自分の強い面が、勝てた要因だと思います。
ーー初参戦のRIZINで、リングで感じた印象などを教えてください。
コレスニック 本当に今までいろんな試合をしてきましたが、こんなにすごい開会式があったり花火や効果音だったりこんな経験はしたことがなかったイベントです。最初の開会式に出てそのまますぐ戦いたいというくらい気持ちが高揚しました。また戻ってきて、みなさんに良い試合をお見せできたら嬉しいです。
ーーまたRIZINで戦っていただけますか?
コレスニック アリガト!もちろんです。RIZINのチャンピオンベルトを獲りたいと思っています。
岸本篤史「カーフキックの対応が遅れ、その結果負けた」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
岸本 強かったなっていう印象ですね。
ーー具体的にどういうところが、想定していたようりも強かったでしょうか?
岸本 蹴りがまずうまく、速くて多彩というのと、予想していたのが組んでくる予想をしていたのですけど、向こうも完全にストライキングで来たので、カーフキックの対応が遅れてしまって、その結果負けてしまいました。
ーー決まり手となったカーフキーックは、どれか一撃が特に効いていたのでしょうか?何発か当たってしまった蓄積なのでしょうか?
岸本 蓄積です。
ーーでは、その結果として最後の一発が決め手に?
岸本 立っていられなくなりました。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標をお聞かせいただけますか。
岸本 まずはしっかり怪我を治してから考えたいと思います。
山本アーセン「ちょっとした呪いがとけたような気がします」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
アーセン やっとゆっくり寝れるような気がします。なんか、ちょっとした呪いがとけたような気がします。よかった。
ーーそれだけこの復帰戦は減量など辛いものがありましたか?
アーセン 復帰するまでの2年9ヶ月かな?よくピッタリとした時間はわからないけど、それが一番辛かったです、なんのために生きているのかも正直わかってなかったので。仲間がいなかったらとっくのとうに変なこと、ほかのことやってたのかなと思ってますし、本当ここまでキープするのは、まず1人だったらキープできてないし。キープするのがすげえ大変でした。でもなんか結果に、自分が望んでいるような結果じゃなかったけど、結果が出てよかったなと思っています。家族全員に感謝します、で、とくに漆間將生くんに感謝しています。
ーー望んでいたような結果ではなかったというお話が今ありましたが、やはりフィニッシュは狙っていてそれができなかったというところがちょっと悔しいところですか?
アーセン もちろん15分で判定があるのはスポーツじゃないですか。でもやっぱり俺たちはその、格闘技ってやっぱその倒し会いだと思っているので、そんな、時間内で決められなかった=選手としてはあんまりよろしくない結果なんじゃないかなとは思ってるんで、まあ次は”決闘で”勝てるような試合をしていきたいです。
ーー対戦相手は試合前のイメージと違う部分はありましたか。
アーセン 正直、今回伊藤裕樹選手のことは何も調べてなくて、何を言っていることも、何も俺、本当に情報入れないで、ただ自分がやらないといけないことばっかりを考えて自分がやりたいことだけを考えて。で、相手のことは弟分の將生が全部真似してくれて、でそこから自分はアイディアをこう見つけたり一緒に話し合ったりしてたんで、正直、今回伊藤裕樹君のことは何も知らなかったです。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標をお聞かせいただけますか。
アーセン ちゃんとしたファイターになります。でもこの1勝のおかげで、なんか一つ吹っ切れた部分もあるし、今まではファイターとしての発見が試合中なかったんですけど、今回はファイターとしての発見があったのでそれをしっかり伸ばしていけたらと思います。なんか明確に目標が見えて、なんか試合に勝ったというより、「あ、俺まだ強くなれる」って、本当にそっちの方に嬉しさを感じてるんで、まあとりあえずちょっとこの傷を今から縫って、後輩の試合の準備を手伝おうと思っています。
ーーベースとなるレスリングを前面に打ち出したように見えましたがいかがでしょうか。
アーセン まさにっす。だからあの、”塩漬け”とかあるじゃないですか。ガーッとコントロールしてっていうのもやろうと思ったんですが、やっぱそれもチームと話し合って、やっぱワンポジションに押さえつけても相手バテないし自分が当たったら手がパンパンになる。まあ結局蓋開けたら手パンパンになっちゃったけど、でもその細かくポジションチェンジ、チェンジ、チェンジしてたら意外に相手を逃がさなくて済んだのでなんかそれも言っちゃえば100%成功とは言えないんですけど成功のうちに入るからそれをもっとどんどん極めてって。でやっぱうつの叔父が山本KIDっていうイメージがあるからすごい爆発的な試合イメージとかしてると思うのですけど、やっぱ俺は俺で山本アーセンなんで、山本アーセンの最強の道をこれから極わめていけたらと思っています
ーー階級を落としてのパフォーマンスという部分では、いかがでしたか?
アーセン 正直あんまり苦ではなかっすね、やっぱ試合は全部辛いもんだし。ただ階級落としてこの肺が潰れそうとかは正直あんまりなかったので、俺ここの階級でいいやと正直思いました。
ーーでは今後もこの階級で?
アーセン はい。この階級でやらせていただきますので、今後。よろしくお願いします。
ーー復帰までの道のりで一番キツかったことはなんですか。
アーセン 一番キツかったこと?自分が生きている理由がわからなかったことじゃないですか。ただ単に普通に生きてるのが一番辛かったです、何の刺激もなくて何の目標もなくて。やっぱ自分はちっちゃい頃からレスリングとかトーナメントとか世界選手権とか、いつも何かしら目標があったんすけど、それが全くなく、ただ単にこう、ジムで生きていくっていうのがすごく辛くて、で、だんだんそれが当たり前になってって、当たり前になってくのも辛かったっす。本当に人間として刺激がない毎日を過ごしてたから、でも本当にそれを起こしてくれたのが、もう何回も何回も言うのもめんどくさいですけど、本当に今回のセコンドの將生だったんで、ギリギリ皮一枚救われたなみたいな。ほんとよかった、今すーっごい生きてる感じがします。
ーーTwitterの日本のトレンドで「アーセン」が1位になっていたのはご存じですか?
アーセン やー、試合終わらせられなくて、”サーセン”!マジ、サーセン!
ーー今2位です。
アーセン ああっサーセン!2位にしちゃってサーセン!
ーーいろんな格闘家の方が、青木(真也)さんとかも「俺が一番愛してる」っていうふうに発言されてたりするんですけど…
アーセン いや、それだったら俺に伝えてくれって言っといてもらっていいですか?そんなSNSばっかりでねえ、その動画使われたり書かれても、俺はあの”こっち”(スマホを持つジェスチャーで)より、ちゃんと生身の愛情を受けたい人間だから、あの青木さんにもし時間あったらそれを俺に伝えてって言っといてください。
ーーいろんな格闘家の方が絶賛していますが、そのことについての心境はいかがですか。
アーセン うん、別に。とりあえず他の人の意見も何も入れずに、さっきも言ったけど山本アーセンをこれからどんどん極わめていきたいと思ってます。チームと一緒に。
ーー勝利は1434日ぶりです。
アーセン わー!4桁いったっすか?
ーーそう考えると、どうですか。
アーセン よかったー!!マジでよかった!!そう考えると長かったっす、本当長かった。よかった。これからそれをどんどん短くしていきます、日にちを。よかった!びっくりした俺、今。
ーー試合後のマイクにも感動したという声が(SNSで)多くあります。話す内容は事前に考えていたのですか?
アーセン まあ、そうっすね。なんか、ちょっとやっぱお互いを傷つけ合うことが多いなって、正直、日本に住み始めて思ってて。たとえばグアムとか海外にいたらこう、そんなん、ないんですよ。貶し合いとか。みんなこう仲良くて愛情を正直に伝えてっていうのが当たり前のカルチャーだったんですけど、日本に帰ってきたらなんかお互いをこう恨み合うようなことばっかりだったから、もうちょっと、なんか、俺で数人でも気持ちを変えられたらいいなと思ったしそれも自分の欲しいものだったんですよ。勝たないとあのマイクパフォーマンスの数10秒ってもらえないじゃないですか。だからその欲しいもの奪うっていうのはちゃんと自分が伝えたいことがあるからあの人をぶっ倒してその数10秒もらおうっていう気持ちもひとつあったんで、はい。その一語一句間違わずに言うこと決めてたわけじゃないですけどある程度言いたいことは「あ、これは言いたいな」っていうの決めてました。
ーーマイク・パフォーマンスもモチベーションのひとつに?
アーセン だって、それ勝者しか無理じゃないですか。負けた奴がマイク持てないし持ったところで何もいいことないから、勝たないといけないなとは思っていました。
ーー次戦は、山本美憂選手にあわせて大晦日を目指しますか?もっと早い段階でもう一戦やりたいでしょうか。
アーセン フロウで。流れに任せます。
ーー今後フライ級で戦っていくということで、フライ級のトップファイターである堀口恭司選手を意識することはありますか?
アーセン のちのち。こんな試合内容じゃそんな言えないくらいのトップ選手だから。まあでも、聞くところによるとやっぱり伊藤選手もすごいトップファイターで、(漆間に尋ねて)トップファイターだよね? で、こう、強いよっていう人にまあ判定ですけど勝てたんで。まあこうやって地道にどんどん一段一段上に行って、で、いつか分からないけどまた戦えたらいいなと思います。また、じゃないけど、戦えたらいいなって。その時はもう俺レベチになっていると思うので。がんばります。
ーー(英語)最後、とてもエモーショナルになっていましたね。あの感情的になっていた理由というのを教えていただけませんか?
アーセン (英語)自分は2年9カ月くらい、試合してなかったんですよね。それで、実際のところ、生きてる実感を持てずにいたんですよね。暗闇の中にいたんです。それで全く光が見えなくなっていた。それで、自分がなんで生きてるのか、わからなかった。レスリングをやっていた頃っていうのは、自分にはそうだな競技として大会があって、世界選手権とか色々ありました。でもこの2年9カ月っていうのは本当にクソ。マジで。何もなくて。だから「なんで俺生きてるの?」みたいな。「俺、何やってんだろう?」って。それでこの試合がやれることになり、勝利することができて、ついに小さな光を、人生に見出せた。それで、感覚として「あああマジでめちゃくちゃ長い旅路だった」って。実際始まったばかりだよ、だけどマジでクソ長い旅のようだった。だからだよ。それからママの顔や、俺のチームを見たら、みんなも泣いてたんだ、だから気持ちがめちゃくちゃこみ上げてきた。やっと遂に、小さな光が差したんだ。すごく幸せに感じてる。そして、小さな光を見続けていかないと。とにかく前に進むんだ。
ーー(英語)次の対戦相手は誰に?
アーセン (英語)誰でも、RIZINが用意する相手と戦い、勝利するだけ。俺は「こいつとやりたい」とかないんだ、誰だっていい。「この人と戦うんだ」「わかった、ベストを尽くして、勝ちます」、その繰り返し。それを続けていけば、最終的には(堀口)恭司さんともやれる日がきたらいいなじゃないかなって。
ーー試合が終わった後、お母様の山本美憂選手が涙されていましたが、何かお話はされましたか?
アーセン すぐ泣きますからね、あの人。俺の母ちゃんすぐ泣くんでね、そんな毎回「泣きましたよ!」って、キリがないので。でも試合前に言ってくれて嬉しかったことは、「あんた今回勝てば私超えられるから」と言ってもらって、「おー、やってやるよ!」みたいな感じでそのことはすごい気合い入ったっす。でも泣いてることに関しては、すぐ泣くからね、あの人ね。だからそんな深いアレはないと思います。
ーー公開練習の時に、「勝ったらみんなでパーティーしたい」とおっしゃっていましたが……
アーセン そのパーティーは、クラブとかじゃなくてただラーメンとか食べたいっていうパーティーっすね。
ーー今一番食べたいものはなんですか?
アーセン 今一番食べたいもの……こってこての家系ラーメン食いたいっすね。まじ横浜行きてえ。がっつり行きたいです、押忍。
ーーあの試合内容に納得がいってなかったり満足してなかったりKID選手のような試合ができないっていうことを言われてたんですけど、今日のあのテイクダウン狙い、常にギロチンが待っててバックテイクに関してもキムラが待ってて、そういう中で現状アーセン選手ができる、すごい斬り合いをしてたんじゃないかな、と思います。その辺りは?
アーセン それはなんとなくもうわかってたので、これ来るだろ、これ来るだろ、これ来るだろうみたいな。で自分も今回やっぱ色々今回勉強していく中で、極めに行こうとするとやっぱ体力減るじゃないですか。で、自分の中で安心はしてるけどここでパって抜いても相手そんな疲れないかなと思ったから自分が安心する場面だったら十分にそれを使わせてたっすね。で、やっぱりそれをちょっと放置してあげると、息が荒くなったりグリップが(手を握ったり開いたりしながら)「うん、うん」っていうこの感触っていう筋肉が締まる、解けた、みたいな。なんかこれでどんどん疲れさせちゃおう、グリップなくさしちゃおうかなみたいな意味で、ちょっとそんなにすぐは抜かなかったんですけど、あそこはあんまり、フロントチョークは苦しいは苦しかったですけど「ああ、これ極まんねえだろうな」みたいな。「じゃあ使わしとけ」みたいな。で、セコンドも「それ、どんどん疲れるから!」みたいな。「うん、だよな!」みたいな感じで、頭の中で考えながらやってたんで、正直フロントチョークだったりキムラとかは別に心配はなかったです。
ーーあの試合を続けるというのは、勝っても自分も疲れる試合です。そういう部分で、別に殴り合わなくても相当な覚悟を持って戦っていたのではないかと。その辺りは?
アーセン ごもっともでございます。だからもうこのファイトスタイルの呪いっすよね、まあがんばれば勝てるけどちょっとでも気を抜いたら負けるし。ただ自分の中で、本当に打撃とかが超調子よくなってきて練習とかバチバチ当ててるし、打撃に関してもすごい自信がついてたんですよ。ただ今回の試合は久しぶりの試合だっていうこともあって、その、勝ちにこだわってしまったっすね。だから勝ちにそんなにこだわらず今までやってきたものを前面に出すっていうことやってればちゃんと打撃ももっと出てたと思うし、半分半分になってたなと思うんすけど、どうしても今回勝ちたいなっていうことがあって。だから、すぐテイクダウンに行ったり、相手が立ったら速攻テイクダウンし直したりというファイトスタイルになっちゃったんで、それもさっきチームメイトと話しててこれをどうにかシンクロさせたらもっといいファイターになれるねっていうこともあったんで。だから出直しっす。また作り上げてきます。次の試合までに。
アーセン 何点ですか?見てて。
ーーいいんですか?
アーセン いい。
ーー77点くらい。
アーセン ああ!50以上行ってるからいいや!
ーー公開練習ではオーソドックスの構えも見せましたが、今日サウスポーに構えたのは立ち合ってみてしっくりきたからですか?
アーセン 全部騙してただけです、ははは(笑)ひさしぶりの試合だから何言っても信じるだろうなあと思ってたから嘘バラまいてました。もうバレたから言いますけど、自分はサウスポーです。サウスポーのほうがしっくりきているので、こっから極わめていきます。
アーセン 押忍!これからもよろしくお願いします!
伊藤裕樹「実力が出せなかった試合なのですごい悔しい」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
伊藤 自分の実力が出せなかった試合なのですごい悔しいです。
ーータックルや投げが印象的でした。アーセン選手の技をどのように感じていましたか?
伊藤 レスリング力がすごい強くて、対峙しているときも気持ちがすごい伝わってきました。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標をお聞かせいただけますか。
伊藤 もっと練習して自分の弱点とかももっと埋めて、これからトップに食らいつけるようにがんばります。
ーー今後、強化したい課題などはありますか?
伊藤 組みの面で、今レスリングとかすごい強化しているんですけど、今日の試合も練習みたいな展開だったので、ここをもっと上達していけば、もっと強くなれるんじゃないかなと思います。
ーー想定していたことをしてきたけれど想定以上だったということでしょうか?
伊藤 そうですね、アーセン選手がすごい気持ちが強かったので、自分の実力不足ですね。
ーー試合後に対戦相手のアーセン選手と言葉を交わしましたか?
伊藤 「レスリング強化したらもっと強くなるよ」と言われたので、もっとそこを埋めてければなと思っています。