ルール
RIZIN MMA 特別ルール：5分3R/インターバル60秒 72.0kg
試合結果
1R 2分36秒 三角絞め
試合内容
「予想以上の大激闘に！ 最後は矢地が一本勝ち!!」
1R、ゴングと同時にいきなり飛び込んでヒザ蹴りを放った矢地。そのまま五味の首を抱えての左右のヒザ蹴りを決めていくと、五味はぐらつく。さらに左フックを決めた矢地だが、ここから五味が組みつきからテイクダウンし、強烈なパウンドを矢地に落としていく。しかし矢地は冷静に下から三角絞めをセットするとこれが完全に極まって五味はタップ。
矢地が一本勝ちをおさめた。
試合後、五味は笑顔で矢地の右手を上げて勝利を讃える。そしてマイクを取った矢地は「どうもヤッチくんです。いや、おもくそパンチをもらっちゃって、まだふわふわしてるんですけど。本当に憧れの五味選手と戦えて嬉しく思います。ありがとうございました。僕の小さな頃からの憧れだったので、こうして戦えて、五味選手から健闘を讃えられたというのは本当に泣きそうです。（五味は）ガキの頃からのスーパースターでいつまでも憧れの存在。まだ超えられたと思っていないので、超えらえるようにがんばります。五味選手と戦えて嬉しいです。最後に一言だけ。やっぱ大晦日、判定ダメだよ、一本じゃなきゃ！これからもいろんな奴をぶっ飛ばして、日本のトップ、いや、世界のトップを目指して頑張るんでよろしくお願いします！」とマイクでアピールすると、五味も笑顔。
そして五味も「ありがとうございます。矢地くんもパンチが効いたと思います。矢地くんだからこそいい試合ができたと思います。いやあ、悔しいですね。もうちょいだと思ったんですけど。来年もやります！今日は飲みすぎないように気をつけます。矢地くん、これから日本のRIZINを引っ張って、UFCとかに負けないように頑張って。そして皆さん、良いお年を」とマイクで挨拶。
再び矢地と笑顔で抱き合ってリングを後にした。
試合後インタビュー：矢地 祐介
「五味さんからは『これから頑張ってね。時代は任せたよ』みたいなことを言われました」
——試合を振り返ってみてどうでしたか？
矢地 反省点ばかりで、正直ちょっと落ち込んじゃってるんですけど、お祭りっぽい試合にはなったと思うので。
——五味選手の入場曲を聴いたときはどうでしたか？
矢地 いや〜、『スキャーリー』流れたときは上がっちゃいましたね！（笑）。
——五味選手とリング上で向き合ったときどう思いましたか？
矢地 やっぱ大きく見えたっスね。大きく見えました。
——五味選手のパンチをもらったときは効いていましたか？
矢地 あれは効いちゃいましたね。僕も攻めしか考えてなかったので。見えてないところから食らって凄い効きましたね。アグレッシブに面白い試合をしようと思って臨んで、最初に飛び膝崩れでちょっと五味選手の腰が落ちてたので「あ！ここでいくしかないな」というところで冷静さを欠きました。それで一番もらってはいけない右の存在が僕の頭からどっか言ってましたね。そこが本当に反省点ですね。
——パウンドを受ける場面もありました。
矢地 あそこは正直、朦朧としてて、その場しのぎでやってたって感じでしたね。あの時はパニックになってましたね。
——試合が終わった後に五味選手となんの会話をしましたか？
矢地 五味さんからは「これから頑張ってね。時代は任せたよ」みたいなことを言われました。
——誰と戦いたいですか？
矢地 誰とやりたいとかは考えてないですね。毎試合、毎試合、覚悟を決めてやってるので。俺の中で格闘家に未来はないと思ってて。その試合で死ぬかもしれないですから。そのくらいの覚悟でやってるので先のことは考えてないですね。
——どんなお正月を？
矢地 雑煮食っておせち食べて実家でゆっくりしたいっスかね。
——今日のお祭り度は？
矢地 お祭り度でいったら結構高いですよ。MMAでいうと反省点ばっかりですね。でも俺がいうのもなんですけど、五味さんのいいところも見れて結果的に勝てたのでお祭り度的には高かったですね。
試合後インタビュー：五味 隆典
「今日は何してくるのかわからない10年前の自分と向き合うような試合でしたね」
——試合を振り返ってみてどうでしたか？
五味 悔しいですね。
——矢地選手どうでしたか？
五味 うん。あれじゃあ世界には通用しないからね。もっとトレーニングしてもっと頑張ってほしいね。
——パンチであと少しのところまで追い詰めました。
五味 そうですね。つっこんで、全部出すっていうのが今回のテーマだったんですけどね。もう一回スタンドに戻したかったんですけど、足の力が強かったですね。ちょっと効いていたのでグラウンドで焦ってしまいましたね。
——会場からの歓声がものすごかったと思いますが。
五味 そうですね。入場からね。もう10年ぐらい前だよね。嬉しいし、経験したことあるんですけどね。この場にいさせてくれたことも嬉しいですし、10年経ってもお客さんの前に立たせていただいてるのでありがたいことですね。
——久々にさいたまスーパーアリーナに『スキャリー』が流れました。
五味 でも今の子は知らないんじゃないの？（笑）。会場もあっためたかったし、それが自分の役目でもあるし。あとホントね、昨日の公開計量もそうですけど、気恥ずかしいですよね（笑）。周りが若すぎちゃって。「なんで俺、ここいるんだろ？」ってなっちゃうよね。おじさんがいていいのかな？ って思っちゃいますよね（笑）。でもいいものを矢地選手には伝えられたんじゃないかなと思いますね。
——今日はコンディションが良さそうでしたが。
五味 うん。ヨネクラの会長さんから（ロベルト・）デュランを見本にしろって言われて。頭から突っ込んでいって、右フックでブン回していって左フックまで返したかったんですけどね。
——五味選手らしい強いパウンドもありました。
五味 うーん……もうちょっとだったんですけどね……。矢地選手がスタンドに戻りたくないって思っていればチャンスかなと思っていたんですけどね。でもリングに上がってるだけでも勘弁してほしいですね。それでもう納得してほしい（笑）。プロとしては十分やってきたので。若い子たちだけで日本の格闘技はやっていけると思いますね。
——来年も出場したいと言っていましたが。
五味 来年って言ってもね、大晦日。大晦日限定です。試合に対するモチベーションを維持するのは難しいですね。今日は何してくるのかわからない10年前の自分と向き合うような試合でしたね。
——次に戦いたい相手は？
五味 40までにあと一回、クロン・グレイシーとかでもいいですね。来年の大晦日に試合ができるならやりたいですよね。