ルール
RIZIN 女子 MMA ルール:5分3R/インターバル60秒 57.0kg
試合結果
3R 判定(0-3)
試合内容
「ジョシカクの超新星・渡辺が杉山しずかを破る!!」
1R、渡辺が前に出てプレッシャ−をかけていき、牽制気味の右ミドル。杉山は右ヒザをボディにヒットさせるがバランスを崩したところを渡辺が追いかけてバックに回るが、杉山はロープ際に移動してテイクダウンを許さず。
渡辺が足払いでついにテイクダウンをとると、バックからのフェイスロックに。これは極まらず杉山は立ち上がる。杉山は片足タックルにきた渡辺に右ヒザ、さらに右ストレートをヒットさせるが、渡辺はまたも足払いでテイクダウンに成功する。
2R、スタンドの打撃で杉山の右ローがヒット。渡辺が両足タックルでテイクダウン成功するが、杉山が上になりサイドに回る。さらに立ち上がった渡辺に組みつきからヒザ、左ミドル。
3R、組みつきから杉山は右ヒザをヒットさせるが、しかしまたも渡辺が足払いからテイクダウンに成功。そのまま顔面に鉄槌を落としていく。さらにマウントポジションを奪取すると、顔面にパウンド。そして腕十字を取りにいく。杉山はガードをしながら顔面を踏みつけにいくが、渡辺はその左足を抱えて阻止。ここで試合終了のゴング。
判定3-0で渡辺が勝利をおさめた。
渡辺は「今日はこんな大きな舞台に立たせていただき、榊原代表、ありがとうございました。私はまだ2戦目なんですけど、どうですか。KO、一本勝ちはできなかったんですけど、国内トップということは示せましたでしょうか? 今後、MMAの選手として女子格闘技、RIZIN、そしてDEEPジュエルズ、全部自分が引っ張って盛り上げていきたいです。いい選手がたくさんいます。これからも応援お願いします。これから、もっと強い人とやらせてください。もっともっと強くなります」とマイクでアピール。
試合後インタビュー: 渡辺 華奈
「すべてが新しいもので華やかで楽しかったです」
——試合の感想をお願いします。
渡辺 このような大きな舞台でやらせていただいて、凄く楽しめました。多くの課題が見つかった試合でした。自分にはもっと力や実力が必要だなと再実感しました。
——今回キャリア2戦目でのこの大舞台で、楽しめた部分はありますか?
渡辺 試合が始まってからは試合のことしか考えていなかったので、集中していたんですけど、雰囲気や入場退場、すべてが新しいもので華やかで楽しかったです。
——相手の杉山選手の印象はどうでしたか?
渡辺 試合運びが凄く上手くて、すべてにおいて強い選手だと感じました。尊敬できる選手でした。
——1ラウンドで、チョークで後ろに回ったときは、自分ではいけると思いましたか?
渡辺 ちょっと極めが甘かったので、極めることは難しいかなと思いました。
——腕十字もありましたけど、そのときはどうでしたか?
渡辺 腕十字をとるのが一番の目的だったので、必ずいこうと思っていたんですけど、やはり杉山選手は上手くて極めきれなかったです。
——ベテランの杉山選手とあれだけの試合をして、自分自身の評価はどうですか?
渡辺 まず試合に勝てたことは凄くホッとしてるんですが、自分の思った通りにできない部分が多かったので、嬉しいというより反省する部分が多かったと思います。もっともっと自分から先に仕掛けていきたかったんですけど、様子を見てしまったり、打撃をたくさんもらってしまったり。打撃ももっと自分から仕掛けたかったんですけど、タイミング的にいけなかったりとか、今振り返ってみたらどんどんそういうのが出てきます。
——マウントをとったときの内股について、何の内股か覚えていますか?
渡辺 内股から相手を仰向けにしたんですけど、内股を警戒して相手が後ろに重心をかけるところを切り替えて。あれは柔道の技です。
——最後の極め具合というか、手応えとしては入っていなかったですか?
渡辺 そうですね、ちょっと極めが甘かったですね。ちょっとずらされてしまっていました。なんとかとりにいこうと思っていたんですけど、そのまま時間が経ってしまいました。
——投げに関しては、ご自身の手応えはどうですか?
渡辺 投げれたこと、テイクダウンできたことは凄く自分の中では良かった点です。もっとしっかりリング内でのコントロールをできていたら、もっと簡単に投げれたと思うので、ちょっとそこは反省点です。
——杉山選手には柔道着を着て入場してくるところをみて欲しいと事前にコメントしていましたが、実際に入場してみて感想はどうですか?
渡辺 やっぱり慣れているものだったのでしっかりきたし、自分は総合格闘家なんですけど柔道の心というか魂は持っているし、柔道は大好きなので、ちょっとでも柔道の心構えを伝えたかったので、入場のときに柔道着を着ました。
——1ラウンドの初めから打撃で突き合っているなっていう印象があったんですけど、打撃戦はプラン通りでしたか?
渡辺 そうですね。打撃をまったくやらないという選択肢はなくて、打撃をしっかりやって対応していこうというプランでやっていました。
——2ラウンドでボディーにローキックを受けていた場面がありましたが、あれは効いていましたか?
渡辺 そうですね。痛かったです(笑)。
——総合格闘技で本格的なストライカーと闘うのが初めてで、感触としてはどうでしたか?
渡辺 初めてしっかり打撃の選手とやったんですけど、自分の打撃のスキルがまだまだだと感じたのと、どれと同時に、くらっとするところはなかったので、「大丈夫かな」とも思いました。
——試合後のマイクでは、どんどん強い選手と対戦したいというコメントもありましたが、改めてどんな選手と闘っていきたいか教えてください。
渡辺 海外の選手や強い選手とRIZINで闘いたいと思っています。
——相手の杉山選手のスキルに感心した部分はありましたか?
渡辺 はい。やっぱり日本のトップファイターなので、凄くスキルが高いものを持っているなと思いました。
——試合後にはDEEPの佐伯代表から焼肉を奢ってもらえるという話がありましたが、佐伯代表には会いましたか?
渡辺 まだ会っていないんですけど、お肉ご馳走になりたいです(笑)。
——またRIZINには戻ってきたいですか?
渡辺 チャンスをいただければ、いつでもすぐにでも試合したいです!
——試合を終えて、今夜は何をしますか?
渡辺 ちょっとゆっくりしたいです(笑)。
——北米の観客に対してメッセージはありますか?
渡辺 これから総合格闘技の渡辺華奈という名前がどんどん広まっていくと思うので、注目してください。
——31日は会場で観戦しますか?
渡辺 はい。いちファンとして楽しみます。
試合後インタビュー:杉山しずか
「この試合に勝って、輝く未来っていうイメージがあったので、めちゃくちゃ絶望してます」
——試合の感想をお願いします。
杉山 かなり悔しいです。たぶん1、2ラウンドはとったかなって思ってた展開で、組みも対応できるかなっていうところで3ラウンドでああいう展開にしてしまった代償がかなり大きかったです。
——具体的なポイントはありますか?
杉山 ボディーとかも効いてたと思って、スタミナ的にも上回っていた実感があったので、相手の落ち着けるポジションになった時間が長かったのは自分の大きな責任だと思っています。
——渡辺選手の印象はいかがですか?
杉山 組み合ったときは、パワーあるかなと思ったんですけど、そんなには感じなかったので、1ラウンドの最初で組み合ったときに落ち着けたところがありました。ストライキングはそんなに上手いっていう感じもないですけど、倒せる感じが私になかったために、組まれたときの展開のほうが強かったのはショックですね。
——今回、2年ぶりの復帰で体はどうでしたか?
杉山 そうですね、力は入りましたし、スタミナの面も問題なく闘えたように思えます。ただ、慎重にいきすぎたところがありました。
——試合終わってすぐですが、今後の目標はありますか?
杉山 この試合に勝って、輝く未来っていうイメージがあったので、めちゃくちゃ絶望してます。(しばらく黙って、泣きながら)たくさんの人に助けてもらって、格闘技が続けられてるんですけど、勝たないと、ただ子供に寂しい思いをさせただけとか、みんなに迷惑かけただけってなっちゃうから、最後にそのことをもっと思い出せばよかった。もっと自分に責任があるっていうことを自覚すればよかった。だから、この先取り返さなきゃいけないのかもしれないけど、挑戦していく資格があるぐらい、確実に勝っていく厳しい練習をしないとなって思いました。
——かなり僅差の試合だったような印象でしたが、セコンドの人と1ラウンドでとった、とっていないっていう話はしましたか?
杉山 1ラウンドとったっていう質問をあえてしないでそのまま2ラウンドに入ったんですけど、自分の中ではチョークの形にはなりましたが、ダメージを与えているのは私っていうイメージだったので、1、2はしっかりとったつもりでした。セコンドはもう少し冷静に見ていたと思うので、「もっといけ」という指示でした。
——相手の投げに関してはどうでしたか?
杉山 びっくりとかはなくて、もっていかれちゃったところはありました。その前に何回か切り返せていたので、投げられたところでっていうので対応が遅れてしまいました。