RIZIN.16に出場する魚井フルスイングが都内の所属ジムにて公開練習を行った。
魚井は豪快に“フルスイング”するフックを武器に、これまで22勝6敗の戦績を収めている。当たればKO勝ち、当たらなければ判定と分かりやすいファイトスタイルが魅力のファイターだ。RIZIN.16ではハワイの“激闘男”カナ・ハヤットとの対戦が決定しており、激しい戦いが予想される。
公開練習ではONEで活躍する猿田選手を相手に、マススパーリングとサーキットトレーニングを披露。スパーリング序盤、軽めに流す魚井選手に対し、猿田選手から「もっと(パンチ)振ってよ」と声をかけられると、次のラウンドでは鋭いパンチからのタックル、パウンド、サッカーボールキックなど迫力のある動きを見せた。サーキットトレーニングではロープトレーニングと傘を豪快に「フルスイング」する変わったトレーニングを報道陣に見せつけて公開練習を締め括った。
ー質疑応答ー
ーー今日の公開練習のテーマは?
魚井 本番でフルスイングする為の練習です。真面目な話をすると、疲労を残さない為に軽めの有酸素でやるという感じです。
ーー練習では猿田選手にテイクダウンを決められていましたが?
魚井 そうですか?そんな場面、僕は覚えてないですね。全部うまくいってたと思います。
ーー傘のフルスイングスイングの練習は?
魚井 やっぱり目を離すと打球を捉えられないですから。
ーー魚井選手の地元である神戸大会の出場が決まりましたね。
魚井 ずっと生活してきた場所ですね。
ーーオファーが来た時はどんな気持ちでしたか?
魚井 あらー、て感じですかね。なんていうか、あんまり「わー!」というびっくりはなかったです。へー、RIZINのオファーって実際に来るだなと。すごいなーというか、人ごとというか。有難い話なんですけど、試合終わってからあまり間がなかったので、え、そうなの?というか。
ーー神戸大会と聞いてどんな気持ちでしたか?
魚井 不思議な気分でしたね。よりによって神戸なんだと。縁だなって感じですね。
ーーよりによって、というのは?
魚井 ある意味そこ(神戸)から抜け出して河岸を変えてという気分でここ(東京)に来たので、せっかくの大舞台で呼び戻されてというか。色々考えましたね。逃げられないのかなと。あと、ある意味そういう運命というか、面白いなと思って。わざわざ自分の知っている街、知っている人(の前で試合をする)。でもその人たちは喜んでくれていますね。
ーー改めて(リングネームである)フルスイングの由来を教えてください。
魚井 東京に来てハーツに入って試合を1、2試合した時に、ジムの代表が「バカみたいな大振りするな」ということで、次からフルスイングになるからと言われて、冗談かと思ってたんですけど、次の試合のパンフレットを見たらフルスイングって印刷されてて本当になってて凄いなと(笑)
ーー名がつけられた事で自分もそういうスタイルになってきた感じはありますか?
魚井 そうですね。最初は気にしてなかったんですけど、段々とお客さんも「フルスイングするんだよね?」的な(というイメージで見てくれているようになってきた)。そいうのに引っ張られて打撃に意識が引っ張られている時期もありましたけど、今はバランス取れて良い感じになっているので、フルスイングが気に入っています。
ーー対戦相手の印象は?
魚井 VTJで強い相手とやってるなと。ただあんまり勝ちが多くない。体重とかを問わないというか。なんというか、逃げないタイプかなと思います。
ーーどんな試合を見せたいですか?
魚井 出来れば勝ちに行きたいです。自分がしっかり腹を決めてちゃんとやれれば、お客さんを満足させられる、盛り上がってくれるかなと。あんまり試合の展開とかは気にしていないですね。
ーー相手は一発でひっくり返す力があると思いますが、そういう展開になった時はどうしますか?
魚井 減量苦がないからこそという理由もあると思いますし、右のフックも強い。当てられた時に僕がどんなリアクションをするかを見てもらいたいですね。そこで日和るのか、どう出るのか。
ーー日和る(ビビる)というのは打ち合いに行かず、グラウンドに持ち込むという事ですか?
魚井 ビビったからグラウンドに持ち込むという事はないです。逃げの姿勢で打撃に付き合っていたりするのは僕の表情を見れば分かる人には分かると思う。MMAなので勝つために全部やるようにと指導してもらっているので。まぁでも、(パンチを)振りますけどね。
ー一 一本でも盛り上がりますよね。
魚井 寝技が強い選手とかONEとかで一本で決めている選手も(練習相手に)いるので、そういう選手に組み技とか教えてもらっているので、その辺も期待してもらっても良いかなと。
ーー今回はいつもより多くの人にもらえると思いますが、この試合はご自身の中でどういう位置付けですか?
魚井 緊張は普通の試合の時と変わらないかなと。オファーが急だった事もあるのでドキドキはあるけど、試合の緊張感は一緒。修斗では流れがあって、この人にこういう勝負をして、次の展開としてこの選手とやるというか、一個一個積み上げて来た違った種類の緊張感がある。RIZINは他の選手がこれまで積み上げてきて、出来上がったものにお邪魔するというか。なので、ただ勝負だけに集中できるという感じですかね。
ーーRIZINではいつもと違う戦いで負けてしまう選手もいますが、どう戦っていく?
魚井 どうなるか自分でも楽しみ。自分がどんだけのものなのかと。大舞台であがって(緊張して)しまう事も有り得る話。そこでバンと跳ねないと。今回出させてもらうに当たって、曲がりなりにも修斗のランカーとしてやらせてもらってるので、色々な人が話をまとめてもらって、自分は(話がまとまった後に)出させてもらえる話を後から聞いた。そういう人たちに見てもらえたらなと。相手もVTJの流れを汲んだ選手なので、それだけのクオリティをRIZINのお客さんに見せられるかなと思います。
ーーRIZINルールは上手く使えそうですか?
魚井 もしかしたらサッカーボールキックを空振ってこけるかもしれないですね(笑)グラウンドになってじっとしてたら(ストップがかかる)などルールが違うので、そこは注意かなと。ルールは少ない方が自分は活きる。反則はしないように注意しますが、ルールの違いはストレスにならない。
ーー大沢さん(所属ジム代表)から打席に立ったらフルスイングしようというのは?
魚井 自分が振らなかったらブーイングだと思うので(笑)
ーー改めてですが、自分が神戸でRIZINに出場する上で、けじめだったり、何かを見せたいという想いはありますか?
魚井 二つありますね。一つは凱旋。もう一つは、言葉は悪いですけど「ざまぁみろ」みたいな(笑)。「格闘技ちゃんと出来てるだろ、俺?」みたいな。綺麗にまとめられないので、両方ですね。すごい変な気持ちですよね(笑)