8月24日(金)、東京都内ホテルにて『RIZIN.13』(9月30日、さいたまスーパーアリーナ)に向けた記者会見が行われた。「重大発表記者会見」として告知されたこの会見は、ファン公開形式で実施。榊原信行RIZIN実行委員長、髙田延彦統括本部長に加え堀口恭司、那須川天心ら多数の選手が出席した。

会場が大歓声に包まれた今年最大のサプライズ発表

会見冒頭の大会概要告知に続き、高田本部長から決定カードの発表とともに選手が登場。
ダロン・クルックシャンクvsディエゴ・ブランダオン
イリー・プロハースカvsジェイク・ヒューン
アンディ・ウィンvs山本美憂
中村優作vsマネル・ケイプ
朝倉未来vsカルシャカ・ダウトベック
朝倉海vsトップノイ・タイガームエタイ
砂辺光久vs越智晴雄
浜崎朱加vs黒部三奈
ミルコ・クロコップvsロッキー・マルティネス
大雅vs原口健飛(※キックルール)
那須川天心vs堀口恭司(※キックルール)
一気に11カードが髙田本部長の口から伝えられ、最後は那須川vs堀口を映像で発表。会場のファンからは大歓声が起こった。

『RIZIN.13』のテーマは「温故知新」

そして、対戦カード発表後に榊原RIZIN実行委員長から今大会について「今年が勝負の年だとみなさんにもお伝えしてきました。この3年間の歩み、RIZINで作り上げてきたものを感じられる大会にしたい。テーマは温故知新。これまでの歴史にリスペクトを払い、この3年間を未来につなげる大会にしたい。(今大会は全13試合に向けて)あと2試合。命がけで、全力でやります。日本の格闘技の素晴らしさを日本中に、そして世界に届けていければ」と伝えられた。

出場選手たちの熱き思い

中村優作「やっと総合で中村優作の強さを見せる時がきました。大晦日、あけてます。これに勝ったら、大晦日は朝倉海選手とやらせてください」

朝倉未来「今月、試合したばっかりで、いい勝ち方をしたので。オファーは嬉しいのですが、もっと面白い相手を用意してもらえるかと思ってがっかりしたんですけど。相手の映像を観たらいい選手で。俺たち朝倉兄弟と世界の強豪選手。常に日本なめんなっていう気持ちはもっているんで。俺たちが勝って日本の意地を見せたいと思います」

朝倉海「まず前回、怪我で欠場してしまい、すみませんでした。自分でも悔しいので、そのぶん暴れてやろうと思います。相手は打撃の選手ですが、打撃でいこうと思うので。面白い試合になると思います」

越智晴雄「第2代DEEPストロー級王者の越智です。今回、チャンピオン同士の頂上決戦だと思っています。負けたらDEEPのベルトを渡してもいいと思ってます。勝ったらパンクラスのベルトもらいたいと思います」

砂辺光久「パンクラス王になる男、砂辺です。これまでなかなか陽の当たらない階級でしたが、素晴らしい対戦相手とストロー級、自分の階級でMMAができることを光栄に思います。ただ、これは査定試合だと思っています。RIZINがストロー級を必要としているのか。ストロー級にも未来がある、しっかりやっていれば輝かしい舞台で試合ができるということを示したいと思います」

黒部三奈「ただいまご紹介にあずかりました黒部三奈です。41歳ですけど、RIZINではフレッシャーになります。世界最高峰の選手とやれるのは光栄ですが、浜崎選手はなんだかんだ美形なので、容赦なくぶっ飛ばします。あと、私の彼氏候補探しも進んでいると思うので、それを無駄にしないためにも頑張ろうと思います」

浜崎朱加「現日本チャンピオンの黒部さんと最高の舞台で闘えるのが嬉しいです。ただ、私は世界で闘ってきたので、やってきたことが違うということを試合で魅せて、しっかり勝って、黒部さんの彼氏作りを阻止したいと思います(笑)」

ここで榊原RIZIN実行委員長からキックトーナメントについて説明が行われた。これまで正式発表ではないものの9月に1回戦、大晦日に準決勝&決勝を考えていたが「やめました」ときっぱり。9月30日にキックルールのワンマッチを行い、その上で大晦日に4人制のワンデイトーナメントを開催する構想が発表された。そして今大会、キックルールで対戦する4人が意気込みを語った。

原口健飛「大雅選手は新生K-1で一番好きだった選手で、いつかやれたらと思っていたのですが、まさかRIZINでできるとは思っていなくて、凄く光栄です。感謝とリスペクトをこめて倒しにいきます。そして年末、参戦したいと思います」

大雅「ずっと試合ができない時期があり、いろいろなことを思いました。今日この場にいられるのは、ファンのみなさんの支えがあったからだと思います。試合ができなかったぶん、9月30日、おもいっきりぶっ倒して楽しませたいと思います」

堀口恭司「このカードが発表されて、自分が一番ワクワクしています。ルールはまだ決まってないのですが、那須川くんとなら面白い試合ができると思うんで。15分一本勝負とか、完全決着的なルールがいいなと思っています」

那須川天心「本当にワクワクしています。日本、いや世界が注目するカードだと思います。堀口選手はずっと尊敬していて、いつかやれたらと思ってました。こういう形で決まって本当に嬉しいです。必ずKOで勝って、日本の格闘技をどんどん盛り上げますので応援お願いします。それから15分の試合も、自分的にはいいんじゃないかなと思います」

続いて高田本部長からカードのみどころが発表された。那須川vs堀口について「どこでどんな負傷があるかわからないし、これが最初で最後になるかもしれない。お互いが最高な状態、フレッシュな状態で見たいと。そんな時に堀口くんから『トーナメントじゃなくていいんじゃないですか、僕は那須川くんとやりますよ』という言葉がありました。それを那須川サイドも快諾してくれて、トーナメントが吹っ飛んだんです。我々は常に背水の陣でやってきました。乾坤一擲です。いま懐にある一番のカードをすぐに出して見てもらいたい。これは闘いの神様に感謝するとともに、両選手に感謝の思いを伝えたい」と解説した。

ここから記者陣との質疑応答へ。堀口が提案したルールについて聞かれた榊原RIZIN実行委員長は「これは立ち技の異種格闘技戦。堀口恭司選手はMMAファイターとして、那須川天心選手はキックボクサーとして闘う。いずれにしてもキックルールをベースに両陣営と話し合いたいと思います。これまでにもルールについては、いろいろありましたから。その経験を生かして、落としどころを見つけたいと思います。2人が真っ向勝負ができる環境を作れたら」とコメントした。また大晦日のトーナメントについて今回の2試合は査定試合という意味合いも出てくるという。「大雅選手vs原口選手も査定試合です。我々だけではなくファンのハートをどう射止めるかという査定になれば」と説明が加えられた。

今回、那須川vs堀口の契約体重が58kg、大雅vs原口が59kgとなっているが、大雅はトーナメントが58kgになった場合「落とします。もちろん天心くん、堀口選手とやらないと思っているので」。原口も「ROAD to RIZINキックトーナメントは58kgだったので落とせます。僕も天心くんと1回はやってみたい」。

堀口はワンマッチでの対戦を望んだ理由を「早ければ早いほどいい」と話し、「ファンが盛り上がることをどんどんしていきたいので」とコメントした。那須川もワンマッチの対戦について「いつやってもいいと思っていました。旬のカードをやらないと格闘技界が盛り上がらないし意味がない」と前向きだ。さらに「MMAvsキックボクシング、自分はキックを背負って闘いたいと思ってます」とも。ルールの詳細に関しては「問題ないです」。堀口は「年末のトーナメントにも、盛り上げるために出たい」と連続出場に意欲を表明した。
大雅に対しては「試合に出ていない間、どんな気持ちだったか」という質問に大雅は「歯がゆかったというか、早く試合がしたいなと思っていました。精神的に難しかった時はありましたけど、試合が一生できないわけではないので」と話し、MMAについては「自分はちょっとできないのですが」と苦笑。

ストロー級王者対決を行なう砂辺は、ベルトをかけてほしいという越智の言葉について「それは軽くないですか? DEEPはDEEP、パンクラスはパンクラスで選手がこだわって切磋琢磨してきているので。チャンピオン同士だからベルトをかけるって、パンクラスのランカーもいっぱいいるので、その人たちに失礼じゃないかなって。ただ対抗戦の意味合いはあると思います。(勝ったほうが)全部持っていく。チャンピオンの位置づけが決まるので。それはずっと続くと思います」と正直な気持ちを吐露した。

女子トップ対決となる浜崎は、黒部に「美形」と言われたことに対して「嬉しいです。ありがとうございます」とお礼を言いつつも「私も黒部さんも、女子格闘技があまり盛り上がっていない時代からやってきた選手。その強さを見せたい。真の日本一を決める試合を見せたいと思ってます」とプライドを感じさせるコメント。対する黒部は「スマートな試合をしたいのですが泥臭い試合ばっかりで。(浅倉vsRENAと)違いを見せるとかの余裕もない試合ですが、なんとしても勝ちたいと思っています」とコメントした。

最後は観覧に訪れたファンからも質問できる機会が設けられ、マネル・ケイプとの対戦について聞かれた中村は「自分のルールでできるので、中村優作の強さを見せられる時が来てテンション上がっています。マネル・ケイプ選手、強いですけど僕のほうが強いんで」と回答した。
堀口と那須川には「勝敗を分けるのはどの辺になりそうですか?」という質問に堀口は「一つミスしたら負けるという勝負になると思うので、そこを見てほしいと思います」。そして、那須川は「自分もまったく同じことを思っていました。一つのミスが勝敗に関わると思っています。あとは自分の距離で闘えるか。今回のテーマはゼロ距離か100距離か120かで考えています。しっかりそこを練習したい」とお互いポイントを語った。

ここで会見終了となるはずが、髙田本部長から「堀口選手はまだ一回もキックボクシングの試合をしたことがない。こともあろうに世界最強のキックボクサーとの対戦を即決したんです。それはRIZINのためならなんでもやるよと。それを快諾した那須川天心選手。この気持ちがなかったらこのカードは実現しなかった。それを受け止めて試合を見たいと思います」と、主催者が「重大発表」と銘打つほどのカードに対する思い入れを語って会見を締めた。

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