6月8日(金)、東京都内でRIZIN FIGHTING FEDERATIONが記者会見を行ない、榊原信行RIZIN実行委員長、髙田延彦RIZIN統括本部長、そして五味隆典の3名が出席。7月29日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催する『RIZIN.11』の追加対戦カードとして五味隆典vsアンディ・サワーを発表した。
火の玉ボーイがさいたまに凱旋
日本軽量級の礎を築くとともに、その軽量級をメジャーにした立役者。プロデビューを果たした修斗で破竹の14連勝を飾り、初代PRIDEライト級王者となり、戦極を経てUFC参戦…。そして昨年末、久しぶりに帰って来た日本のマットで、RIZINライト級のエースとなった矢地祐介と対戦。敗れはしたが豪腕パンチと強烈なパウンドで矢地を追い込み、魂を揺さぶる死闘を展開した。五味隆典、7ヶ月ぶりのRIZIN出撃となる。
オファーを出した榊原RIZIN実行委員長は「真夏の格闘技の祭典の中には必要だという思いがあって話をしました。五味隆典とアンディ・サワーという一時代を築いた、日本の格闘技の全盛期を駆け抜けてきた2人がRIZINで遭遇、対峙するというのは見てみたい」とコメント。
髙田統括本部長は「五味選手に今日会った瞬間に感じたことは、ものすごくやる気に満ちているというか、貪欲に何かに向かっている充実感。2017年の年末、あの矢地祐介の挑戦を受けた瞬間から、今日ここに座ることが約束されていたような気がする。アンディ・サワーは世界トップクラスの手強い相手。一発で五味隆典がのされる可能性もある。しかし7・29、なんとか乗り越えて年末を超えるような熱を生み出してもらいたい。火の玉ボーイ、じゃないよ、火の玉おじさん! これからも1試合でも多くの熱い試合を提供してもらいたい」と五味のRIZIN再登場、そして今回の一戦について熱い期待を寄せた。
以下、質疑応答
ーー今回のオファーを受けた経緯を教えてください。
五味「福岡の大会が終わるまでお話がなかったので、何もない1年もあるのかなと考えていたのですが、先週ご連絡をいただいて。大晦日はお話をいただけると思っていたのですが、半年間落ち着いていい練習ができていたので、あとは(体を)絞り、打撃の練習をするだけなので。今年は怪我もありませんし、素晴らしい舞台に立てる機会があるなら、やったほうがいいなと思いました」
ーー対戦相手のアンディ・サワー選手の印象は?
五味「2017年も(対戦相手の候補として)考えていたのですが、ひとつの競技を極めた選手で、新しいことにチャレンジしているので尊敬しています。僕も柔術をやり始めたばかりで、寝技は五分かなと。まあどちらに転んでもいいように練習しています。尊敬できる選手と試合ができて光栄です。(サワーは)総合ではなかなかKOがないですが、コンビネーションがうまい選手ですね。ガードもいいです。だからヒザや蹴りと、右ストレートとかに気をつけていきます」
ーー五味選手はテイクダウンに行ったほうが勝率が上がると思うのですが。
五味「テイクダウンにいって、グラウンドで殴ればKO勝ちはKO勝ちなので。総合格闘技の中で必ずKOすればいいんじゃないですかね」
ーー今年、もっと早く試合がしたかったですか?
五味「エキシビジョンマッチを経験して、この階級のエースがいないなと思って(笑)。それで盛り上げられるなら出ようと考えました」
ーー柔術をやり始めた理由というのは?
五味「UFCの時は肘の対策とか、海外の選手のフィジカルに勝つということでレスリングに固執していたところがあり、粘り強さがなかったので。レスリングはコントロールとかそういう部分が重点となりますが、柔術の技術はグラウンドでもつれた時とかに、がむしゃらにいけるので取り入れています。(ジムの)生徒たちと道着を着たりしながらやっています。レスリングと違い、ヘタクソでもなんでもいいんで、がむしゃらに納得いくまでやっています」
ーー髙田統括本部長のほうから「火の玉おじさん」と言われましたが。
五味「火だるまにならないようにがんばります(笑)」
ーーまた燃えるような思いが湧き上がってきましたか?
五味「はい。今年は3連勝で終わろうと思っています。そこはもう榊原さんとファイトマネーを相談をしながら(笑)。半年間しっかり練習できましたし、ストレス発散はKO勝ちしかないですね」
ーー契約体重の73kgはフィットしている感じですか?
五味「72kgでも大丈夫ですし、さほど苦しくはないです。それと海外に行って不安な状態でやるよりかは(日本で)迎え撃つというのは、やりやすいです」
ーーサワー選手とスタンドに打ち合ってみたい気持ちはありますか?
五味「気の向くままにやります。テイクダウンできればやりますし。長くやろうとは考えていないです」
【選手コメント】
アンディ・サワー選手
「久しぶりに私の第二の故郷である日本で試合ができることを嬉しく思います。シュートボクサーとして2002年からずっと日本を主戦場に戦ってきて、2015年からはRIZINでMMAへのチャレンジもスタートしました。MMAでは、なかなか結果が出せていませんが、今回は五味選手との試合と聞いて本当にワクワクしています。なぜなら彼は数々のMMAファイターの中でも世界有数のストライカーだからです。PRIDEの頃から彼の試合を見ていたが、必ずKOを狙うあのスタイルは私と同じです。必ず噛み合う試合になると思うので、日本のファンの皆さん、楽しみにしていてください」
RIZIN.11 (MMA特別ルール 73.0kg:5分3R / インターバル60秒)
五味隆典 vs アンディ・サワー