ルール
RIZIN キックボクシングルール:3分3R/インターバル60秒 (58.0kg)
試合結果
試合内容
中村が意地を見せるも那須川が完勝
そしてRIZINキック王座創設を提言!
キックボクシングルール3分3R。
1R、身体を揺らしながらステップを踏む中村は遠い距離から一気に突っ込んでいくが、那須川はこれに冷静に対処し、右フックを決めるも中村がタックル気味に組みついてブレイク。そして、またも那須川の右フックが決まり、中村がダウンかと思いきや組みついてブレイク。その後も中村が右ローを当てると、那須川は左ミドル、右ストレートを決めるも、中村が組みつきタックルをしてブレイク。そして中村の右フックがヒットの矢先、那須川の左胴回し蹴りが中村のアゴにヒットしてダウン!
2R、中村の右ストレートがヒットするも、那須川の強烈な左ストレートで2回目のダウン。さらに那須川の胴回し蹴りを繰り出すが、これは決まらず。松本は右ストレートを当てるが、ここで那須川の左ストレートがクリーンヒットしてダウン。那須川がKO勝ちを収めた。
試合後、那須川は「ありがとうございます。ちょっとヒヤヒヤしました。自分、ちょっと力んじゃって、優作選手の抑え込みはすごく早くて気をつけすぎたのかなと思います。結果的に倒せて本当に良かったです。今回、RIZINという舞台で自分はキックボクシングルールでやらせてもらってるんですが、MMAはキックもあり、僕はこうして中村選手と対戦したことを誇りですし、中村選手も自分も戦うことの意味では同じ気持ちでいたと思います。6月17日に過去最高の相手、ロッタンという選手と世界タイトルマッチをやりますので皆さん応援に来てください。それとRIZIN、キックのトーナメントのベルトが自分は欲しいです。強い相手とどんどん戦いたいので、ぜひキックのベルトを作ってください! 皆さん応援宜しくお願いします!」とマイクでアピールした。
試合後インタビュー:中村優作
「やっぱり凄かったですね。でも、今までの試合を観ていたら、僕の右が一番効いたんちゃいます?」
中村 どうも、浪速の爆笑王です。…滑ったじゃないですか!
ーー試合を振り返っていかがですか?
中村 やっぱり凄かったですね。でも、今までの試合を観ていたのですが、僕の右が一番効いたんちゃいます? 僕も「ちょっと効いた」と思いましたもん。やっぱり僕の右はすごいなと(笑)。効いたからこそ前に出てきたんかなとちょっと思いましたけどね。そういう意味でもうまいなと思いました。あとは、だいたい自分からいけたんで。総合でやるときはタックルもあるし、ちょっと待ってからカウンターで狙うスタイルというのが多いのですが、今回は自分からガンガン倒しにいってやろうと決めてたんで、そこの部分では自分から仕掛けられたっていうのが、この試合をやったプラスかな。よかったかなと思うんですけど。
ーー一番最初の胴回し蹴りが来た時はどう思いました?
中村 びっくりしましたよ。僕が右ストレートを打った瞬間に回ってきたじゃないですか。やっぱり総合やったらありえへんじゃないですか。下見てもうたんですよ。そうしたら横から来たんで。その時に鼻が曲がっちゃったんですけど、効いたっていうよりかはビックリしてもうて、そのまま倒れちゃいましたけどね。すぐに立てたんで効くって感じではなかったんですけど。なんか、すげえ回ってたんですよ、下で(笑)。「うわあ」みたいになって尻もちついた感じですね。
ーー効いてはいないものの、動揺はしましたか?
中村 そうですね。「すげえな〜」と思いました。あんなん、なかなか使う人いないじゃないですか。
ーー第1ラウンドが終わって、セコンドとはどのような話を?
中村 ホンマゆうたらそこでちゃんと作戦を練り直さないと。やってきたことがあったのですが、僕の中で絶対に倒したんねん、倒したんねんというのが強くて、作戦を忘れてしまって。右からの左とかも当たってたので、絶対に右当てたんねんと、いきすぎたという。もしかしたらもっと面白い試合ができたかなと思うんですけど。もうちょっと駆け引きもできたんかなあと。いつもはもっとフェイントとか出すのですが、ちょっと当たり出した分、「いけんちゃうか、いけんちゃうか」って気持ちが前に出てしまって。ほんで、やってた練習があったのですが、そこを見せられなかったですね。
ーーどんな作戦だったんですか?
中村 絶対にカウンターを取ってくるので、右からのワンボディとかを結構、練習してきたのですが、顔面がちょっと当たっちゃったんで、顔面ばっかり狙いすぎちゃって、上下の駆け引きとか。第2ラウンドとかパンチのみになっちゃったんで、そこに関してはちょっと、なんか気持ちだけが先走ってたんかなというのがありますね。
ーー打たれた時にタックルに入るような動きがありましたが。
中村 それはもう癖です。申し訳ないですね。そんな練習はしてなくてもう反射ですね。でも胴クラッチとかはブレイクがかかるまで、そのままいっちゃってもいいかなとは思ってたんで。
ーー想像していた那須川天心と、実際の那須川天心は違いましたか?
中村 うーん、正直言うと全く未知の世界って思っていたので、僕の中では正直あのレベルがわからなかったので。自分には自信があったのですが、もしかしたら誰にでも当たる右が当たらんのちゃうかな、何も当たらんで終わっちゃうんかなと思ったのですが、そこに関しては「あ、通用する部分もあるんやな」って思ったのと。やっぱり天性の当て勘とかは、すげえなと思ったんですけどね。そんなに甘いものじゃなかったですね。
ーー那須川天心に穴はあると思いましたか?
中村 うーん。フィジカルですか。総合的なことで言うと。
ーー効いた中村さんの右というのは、日本拳法のパンチでしょうか?
中村 そうですね。あれは日拳のおかげですね。今までずっと日拳をやってきて、そこの部分で当て勘というのが身についてたんで。試合が終わって(天心と)話をさせてもらったのですが、やはり「思ったより間合いが遠いところから来て困惑しました」っていうのは言ってもらったのですが・・・・。
ーー那須川選手の攻撃で一番効いたのは?
中村 効いたのは、やはり左ストレートをもらったのですが、あれは「わあ」ってなりましたね。
ーーやりきったという満足感はありますか?
中村 もうちょっとできたんちゃうかなというのもあるんですが、通用したっていうのもあったし、次は総合で結果出したいですよね。今はスッキリして、次のことを考え、早く総合の試合がしたいなという気持ちがあります。
ーーMMAで戦いたい相手はいますか?
中村 誰というのはないのですが、RIZINでフライ級トーナメントをやってほしいなって思っています。
ーーRIZINのキックトーナメントのオファーがあったらどうしますか?
中村 いや、僕はこの1回こっきりで、あのグローブをつけることはないなと思っていたので、この(キックは)一戦だけですね。もうやるつもりはないです。そこは総合格闘技をやらせてください。
試合後インタビュー:那須川天心
「30戦目をKOで勝てたってことはホッとしています」
ーー今の気分はいかがですか?
那須川 本当に勝ててよかったなと。節目となった30戦目をKOで勝てたってことはホッとしています。
ーーいろいろな、多彩な技が出ました。
那須川 そうですね。もっといろいろな技を出したかったのですが、相手の作戦に乗ってしまったというか。絶対にタックルとか来るだろうと思っていたんですが、ムキになったというか「なんだよ〜」と思っちゃったという(笑)。そこに惑わされないようにするっていうのが作戦だったのですが。でもしっかりとKOで倒せてよかったなあと思います。
ーー中村選手のパンチはいかがでしたか?
那須川 速かったですね。今までのキックボクサーとやってきた距離じゃなくて、だいぶ遠かったですね。それでちょっと蹴り技とかを出したらもらうかなとか色々考えちゃいました。
ーー胴回し蹴りは考えてたんですか?
那須川 あれはほんとに閃きなんですよね。ワン・ツーを何度もやってきて、ストレートもやってきて、このタイミングでフック打ってみたらどうかなと考えてやってみたらちょっと遠くて。その時に「胴回しがあるじゃん」と。なるべく初動で当てたくてコンパクトに当てましたね。
ーー堀口選手の試合は見ましたか?
那須川 見ました。まあ、本当にヤバイですね。自分も相手が出してきたらすぐにカウンターを打つのですが、自分以外にああいうカウンターを打てる選手はなかなかいないのかなって。もし試合をするならカウンターの取り合いになるかなって思いますね。
ーー堀口選手から対戦表明がありましたが。
那須川 いやあ嬉しいですよね。本物の選手にそう言ってもらえる、そう思ってもらえるっていうのは。本当に嬉しいので、自分もめちゃくちゃモチベーションが上がりますね。格闘技ファンだけじゃなくて、日本中を巻き込んで盛り上げていきたいと思いました。