[RIZIN MMA 特別ルール(57.0kg)]
格闘技の新たなステージを見た! 壮絶な死闘は那須川が制す!!
1R、藤田が右ストレート、右ローで先制し、組みつきに行くと、そのままもつれ合うようにグラウンドになり、那須川が上になる。膠着ブレイクでスタンドに。那須川の左ストレート、左ヒザがボディにヒットすると、藤田が組みつきにいくが、ここも那須川が上に。そのままコーナー際でパウンドを落としながら、袈裟固め。そしてアームロックを狙いにいくが、ここは那須川が立ち上がる。スタンドで那須川が左ストレートをヒットさせると藤田はダウン。そして那須川がジャンプしての踏みつけ。那須川の左ミドル、藤田の右ローがヒット。
2R、藤田がパンチでラッシュ。那須川が右ストレートからバックを取る。スタンドで那須川が左ミドル、左インロー、藤田が右ストレートをヒットさせる。藤田が組みつきに来たがここで那須川が体勢を入れ替えてマウントを奪取。さらに藤田が体勢を入れ替えて上になると、那須川は両腕を抱えてガード。藤田が那須川の顔面とボディにパウンドを落としていく。
3R、那須川の左ミドルがヒット。藤田の右ストレートが那須川のアゴにヒット。藤田が組みつきにいくが那須川の左ストレートがヒット。ガブってネイキッドチョーク狙い、猪木アリ状態で藤田の蹴り上げがローブローで試合中断。スタンドで再開後、那須川は藤田の右ストレートをかわして、左ストレート、左ミドルをヒットさせると、藤田はスタンドで腕を取りに来るが、那須川がバックに回りパンチを入れていく。猪木アリ状態で那須川が左ボディを決めると、またも藤田の蹴り上げがローブローとなり試合中断。再開後、那須川が右ローの連打を藤田の左足に決めていく。
さらにスタンドで左ミドル、左ストレートをヒットさせる。残り時間1分、藤田が組みつきからマウントを奪取し、那須川の顔面にパウンドを打ち込んでいく。このまま試合終了から思われたが、さらに那須川が体勢を入れ替えて立ち上がると、猪木アリ状態からパウンドと踏みつけのラッシュをかけたところで試合終了のゴング。
判定は3-0で那須川が勝利を収めた。両者、抱き合って健闘を讃えあった。そして那須川は「福岡の皆さんこんばんは!那須川天心です。対戦してくれた藤田選手、本当にありがとうございました。総合で初めて判定で、ちょっと苦戦して。藤田選手が強かったのでこういう試合になりました。ありがとうございました!初の地方の試合で、不安があったり、いつもよりちょっと緊張して、固かったんですけど、勝利することができて嬉しいです。チームのみんなと応援してくれた皆さん、スポンサーの皆さん、本当にありがとうございました。これから格闘技が盛り上がって、もっともっとこういう生放送がたくさんできたらなと思います。これから僕はみんなの先頭に立てるように頑張っていきますので、皆さん、俺についてこい!!会場で応援してくれた皆さん、テレビで観ていただいた皆さん、ありがとうございました!」とマイクでアピール。
那須川天心 インタビュー
「すごい楽しかったです。あっという間の15分でしたね」
天心 「5分3Rを初めてやって、なんか、すごい楽しかったです。素晴らしい選手と闘えることができて、ほんとにいい経験になりました。」
──「楽しかった」というのが一番最初に出る感想ですか?
天心 「そうですね。あっという間の15分でしたね。向こうもバチバチで前に来てくれて、「決まったかな?」と思う部分でも立ってきたので、苦戦もしましたしいろいろ課題はあるんですけど、とりあえず勝って良かったなと思っています。」
──藤田選手の闘う前と闘った後の印象はどうですか?
天心 「強い選手だろうなと思っていたので、MMAもずっと練習しているって聞いていて、最初パンチ打ってきて、もっとパンチ打って来るかなって思ったんですけど、多分僕がパンチでダウンを取ったときに自信を持ったので、それでやっぱり組んできて、逃げるじゃないですけど、作戦変えてきたなってところで、まあそこでうまく対応できたので、ほんとMMAの練習をやってきて良かったなって思っています。あそこで打撃だけやっていたら多分全然やられていたと思いますし、そういう知識が活きたかなと思います。」
──一回バックを取られそうになったときは、落ち着いてセコンドの声も聞こえていたのでしょうか?
天心 「声は聞こえましたね。で、その前に腹にヒザを2回くらい打って、すごい嫌な声を出して効いていたんですよ。だから、あまり動いてこれないだろうなと思ったので、そこでコツコツ打っていこうかなと思いました。」
──今回オープンフィンガーグローブですごく近い距離で思いっきり殴り合う場面がありましたけど、どんな気持ちで?
天心 「僕はもう言った以上、蹴りで逃げるのとか組んで逃げるのは嫌だったんで、あそこはほとんどパンチばかりで、やっぱりキックの癖が出ましたね。倒して手をあげちゃって「終わった」と思ったら、「あ、ちげえ!」みたいな感じでしたね(笑)。そのまま追撃に行ければ良かったんですけど、ダメですねぇ、あれは。癖なんですよねぇ、もう。」
──藤田選手のパンチにスピード、キレを感じた瞬間ってありましたか?
天心 「普通の選手なら僕が打ったときに結構下がってくるんですけど、どんどんプレッシャー掛けてきて、僕が攻撃して終わった後にもプレッシャーを掛けてきたっていうのが「ああ、やっぱりボクサーだな」っていう。「ボクシングうまいな」って思って。逆にああいうふうに打ち合えたのかなと思いますし、すごい駆け引きが楽しかったですね。ボクシングで戦績ある選手に、KOできなかったですけど、パンチの土俵で追い込めたっていうのは自信になりました、はい。」
──確か先に蹴ってきたのは藤田選手だと思うんですけど、あのときはどう思われました?
天心 「「おっ、蹴ってきた!」って思いましたよね。しかもすごくいい蹴りだったのでビックリしました。「蹴り打つか!?」って思いましたね。」
──面食らうというか。
天心 「そうですね、面食らいました。でも、何が来ても大丈夫なようには用意していたので、その点でほんとに良かったなと思います。」
──もし再戦するとしたら、どのくらいの期間を空けてやりたいですか?
天心 「再戦ですか? 僕は別にいつでもいいですけど、やんなくてもいいかなとは思います。」
──もしもう一回やるならどんなルールでやったら面白そうかなと思いますか?
天心 「もしやるならボクシングルールで、向こうのルールで闘いたいなと思います。」
──今日は手応えとしてはMMAの5分3Rをみっちりできたってところですかね?
天心 「そうですね。それはあっという間ですよね。いつも3分3R、3分5Rで終わるものを5分3Rっていう。練習ではなかなかそういう、練習はしてきたんですけど、本物と練習は全然違うじゃないですか。そういうところで闘えたってところは良かったんですけど。あとは寝技の展開ですよね。ちょっと硬まりすぎちゃったので、もっと展開が。まあ、今日こういう経験ができたので、次の練習に活かせるかなって思います。あと、ずっと練習していて、僕やられていたんですよね。寝技でも極められてばっかで。自分で強くなっている実感がなかったんですけど、今日やってみて、寝技というか、対処はできるなっていうのは感じました。総合でお世話になっているパラエストラの皆さんに感謝したいですね。」
──いつもKOは狙われていると思うんですけど、いつか経験としてはこういう試合もやっておきたかったというか、こういうのもありなのかなという思いはありましたか?
天心 「自分的には納得できなかったですけど、テレビ的には良かったんじゃないかなと思います。いつもすぐ終わっちゃうので「長めに」って言われるんですけど、今回はわざと長くしたわけではないので、こういう経験をこういう素晴らしい選手と積めたっていうのは良かったです。」
──地上波で生中継でしたが意識はありましたか?今回の生中継で世間にアピールできましたか?
天心 「生放送っていう実感はなかったですね。あまり意識しすぎると硬くなるなと思って、そこは意識しないで闘ったんですけど、今もう携帯が鳴り止まない状態なんで、すごく見るのが楽しみです(笑)。」
──桜庭選手から伝授された技を出せそうなチャンスが何回かあったと思うんですけど。
天心 「ああ〜〜〜、ありましたね! あっ、ほんとだ(笑)。ああ、そっかぁ……やればよかったっすねぇ。セコンドからも立たせろって言われていたんですけど、後頭部とか叩かれすぎてわけわかんなくなっちゃって、そういう面でもパーっとなりましたね。初めての経験ですね。」
──2Rに下になる時間が長い場面がありましたけど、あのときは無理に立とうというよりかはガッチリ組んでやりすごしちゃおうって感じでしたか?
天心 「MMAの採点基準があまりわからないので、あれは良くないと思うんですけど、僕の中ではよけたりしているつもりだったんでいいのかなって思ったんですけど、セコンドに「このラウンドは取られたかもしれない」って言われたんで、「ああ、やっぱりダメなんだな」とは思ったんで、また次に活かしたいなと思います。」
──今回もお父様からの戦略はあったのでしょうか?あったとしたら、それを活かせた闘いというのはできたのでしょうか?
天心 「3つパターンがあって、蹴りで倒すというのもあったんですけど、僕的にはこういう大きな舞台でパンチで打ち合ってくれると言われたんで、僕的にはパンチで倒したかったんですよね。でも、父親と話して、チームの皆さんと話して、作戦はうまくハマって、倒せなかったんですけど、チームで勝てたかなというのが一番大きいです。」
──ジャンプしての踏みつけって、やっぱり見せてやろうという気はあったんですか?
天心 「あれ、一回もやったことなくて、練習でも。あれは本能だと思います。蹴ってやろうと蹴った、という感じですね。あれは練習もしていなくて、無意識の中で出た技なので。でも、結構入ったと思うので、会場もすごく湧いたので、もっとそういう技をやっていきたいなと思いました。」
藤田大和 インタビュー
「(出来は)30%くらいですね。まだまだです。でもすごい自信にはなりました」
藤田 「めちゃめちゃ楽しかったです。」
──藤田さんのほうからキックを出していきましたよね?
藤田 「そうですね。まあ、自然に出た感じです。」
──ダウンを奪われた時はどんな状態でした?
藤田 「あれは蹴ったときのミスですね。効いてはなかったです。全然大丈夫でしたね。」
──フラッシュダウンのような?
藤田 「そうです。」
──全体的に落ち着いていましたね。
藤田 「はい。セコンドの声がよく聞こえました。力んでても仕方ないので、セコンドの声を聞いてもう一度距離を測り直して。落ち着けた部分はあります。」
──天心選手の印象は?
藤田 「速かったですね。でも相対した時にイケるとは思いましたね。プレッシャーの面で。」
──実際にオープンフィンガーで殴ってどうでしたか?
藤田 「しっくりともこないですし、意外と倒れないなと思いました。左フックとかもがっつり当たってたんで。」
──那須川選手のボクシング技術は?
藤田 「パンチで1Rにダウンしてるのであんまりでっかいことは言えないんですけど(笑)。そうですね……もっとジャブをついてくるのかと思ってたんですけど、意外と踏み込みやすかったですね。ワンツーが決まりやすかった。撃ち合いの場面も左ストレートが見えていたので、左フックを合わせることができたんですけど。」
──今日の出来は何%くらいですか?
藤田 「MMA全体から見たら30%くらいですね。まだまだです。でもすごい自信にはなりました。」