「僕は一発があって華があるタイプではないかもしれないですけれど、昔のPRIDEで言うところの高山善廣vsドン・フライのような男臭い試合ができると思うので、熱い泥試合を観て欲しいですね。」

──石橋選手は今回がRIZIN初参戦となりますけど、現在の率直なお気持ちを教えてください。

石橋 よくここまで来たなという気持ちと、ここがまた自分にとっては新しいスタートだと、ワクワクした心境でいます。

──RIZINにはどのような印象をお持ちですか。

石橋 僕がアマチュアの頃に見ていたようなTV放送のある格闘技の舞台なので、本当に憧れです。自分が思っていた舞台よりさらに華やかというか、本当に夢の場所です。

──石橋選手のアマチュア時代というと、何年ぐらい前になりますか。

石橋 初めてアマチュアで試合をしたのは、11年か12年前になりますね。

──もしかして、プロになった頃は華やかな舞台がなくなっていたという感じなんですかね?

石橋 はい。メジャーな舞台がない時期に僕はプロデビューしたので、こういうリングで試合をするというイメージが全然ありませんでした。

──なるほど。それがタイミング良くベルトを巻いている時期に巡ってきた感じですね。

石橋 はい。

──しかも、注目のバンタム級トーナメントに修斗代表ということでエントリーされて、このトーナメントに出場するということに関してはどのようなお気持ちですか?

石橋 トーナメントの話が出た時に、僕が修斗のチャンピオンなのでオファーが来るんじゃないかと思っていたんですよ。

──その通りに呼ばれましたね。

石橋 修斗王者として呼ばれたので背負っているものもありますが、まずは自分を出していこうと思っています。自分らしさを見せてドンドン勝ち上がって、名前を売っていきたいです。

──石橋佳大という名前を売りたい。

石橋 はい。「俺を見てくれ」と(笑)。

──貪欲でいいですね(笑)。やはり注目を浴びたいという気持ちは強いですか?

石橋 そうですね。トーナメントは堀口選手とか所選手とか、僕と同い年の大塚選手なんかもDREAMで活躍していた選手だし、僕の注目度は正直高くないと思います。でも、会見で言いましたが、そう思っている奴らを全員見返してやるぞと思っています。今は僕のことを注目していなくても、トーナメントが終わった頃には「俺のことを見ちゃうよ」っていう気持ちです。

──試合が終わったら俺に釘付けだよ、と(笑)。石橋選手には“激闘王”という異名がついてますけど、誰よりも凄い試合をする自信ってやっぱりあるんですか?

石橋 はい。とにかく最初から最後までアタックし続けます。絶対につまんない試合はしないですし、できないんですよ。

──つまらない試合はできない(笑)。おもしろい試合しかできないと。

石橋 はい。できません。

──気持ちのいい自信の持ち方ですね! でも、試合がおもしろくなるかつまらなくなるかって、相手次第のところもあるじゃないですか? 今回の対戦相手となるカリッド・タハ選手に対してはどのような印象をお持ちですか?

石橋 まだしっかり映像を見ていませんが、戦歴だけみたら10戦10勝で、勝ちの内訳にはKOや一本もあって、年齢も若いし、見た目もゴツいので、ガンガン来てくれると思います。僕も当然ガンガンいきますから、凄い試合になるんじゃないですかね。

──すでに激闘の予感がしていると。タハはドイツ人でまだあまり名前を知られている選手じゃないですけど、未知の強豪っぽさがありますし、RIZINのスタッフ曰く新鋭らしいですよ。

石橋 僕自身、国際戦をやったことがないんですよ。

──あっ、外国人選手との対戦は初めてでしたか。

石橋 そうですね。だから、今の自分がどれぐらいの実力なのか試してみたいという気持ちもありますし、その相手が無敗という戦績ですからね。海外で10戦10勝している選手と自分の力の差がどのぐらいなのかというのも結構気になります。

──自分の実力を図る試金石にもなると。今その肩からかけている修斗の環太平洋のベルト、それを持ってRIZINの舞台に上がるわけじゃないですか。先程背負っているものもあるという発言もありましたけど、プレッシャーを感じたりはしますか?

石橋 あんまりプレッシャーには感じてないですね。むしろ修斗王者ってこれだけ強いという姿を見せてやります。このベルトがあることで逆に自信が出てくる感じです。

──修斗のベルトが自信の支えになっているんですね。あと榊原実行委員長や髙田統括本部長のお話にもありましたが、今回のトーナメントは堀口選手を中心にということで組まれたと。それに関してはどう思われますか。

石橋 やっぱりこのトーナメントの主役は堀口選手だと思うんですよ。実は僕、修斗のデビュー2戦目の新人王トーナメントで堀口選手と試合をして、ボコボコにされて眼窩底をやられて負けてるんですよ。

──えぇ!! そんな過去があったんですね。

石橋 そういった意味でもトーナメントを勝ち上がって、あの頃の俺じゃないんだぞというところを見せたいですね。あっちは憶えているかどうかわかりませんが、リベンジしてやろうという気持ちも、胸の内に沸々と秘めています。

──では、石橋選手にとって物凄く大きなテーマのあるトーナメントなんですね。ちなみにその試合は何年前にやったんですか?

石橋 僕のデビュー2戦目なんで8年前ですね。

──もし実現するなら、お互い成長したところを見せ合えたらいいですね。

石橋 はい、実現させます。

──トーナメントに参戦するそのほかの選手で気になる選手はいますか?

石橋 まだ全員発表されてないですけど、所選手と僕は凄い噛み合うと思っていて、グラウンドの動きは僕も似たような部分があるんじゃないかなと。所選手とならずっと動きが止まらないような試合ができるかと思います。

──なるほど。強くてもつまんない試合をする選手は結構いますが、さっきから話を聞いていると、とにかく面白い試合をする自信に満ち溢れていていいですね。

石橋 はい。僕は一発があって華があるタイプではないかもしれないですけど、昔のPRIDEで言うところの高山善廣vsドン・フライのような男臭い試合ができると思うので、熱い泥試合を見てほしいですね。

──熱い泥試合! これは新しい言葉ですね(笑)。

石橋 腹の底から声が出ちゃうような試合をしますよ。

──わかりました! では、改めてファンの方にご自分のアピールポイントをお願いします。

石橋 僕は“激闘王”と呼ばれていますが、その名の通り激闘しかしません。試合が始まったら最後までフルスロットルでいくので、試合中は絶対に瞬きしないようにして最後まで観ていて下さい。