7月28日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催されたYogibo presents 超RIZIN.3の出場選手たちの試合後インタビューを公開!

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後半 試合後インタビュー / Yogibo presents 超RIZIN.3

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扇久保博正「ベルトを獲るとるためにこれからも勝ち続けたい」

ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。

扇久保 本当に精神的にきつい試合だったので勝ててよかったという感じです。

ーーその精神的なきつさは、勝利したことで解消されましたか。

扇久保 うーん、まあそうですね。絶対に負けられない戦いだったので、勝ってホッとしているところはありますけど、昔一緒に練習していた後輩なので、ちょっと複雑なところは少しあります。

ーー今回久しぶりに手を合わせた感じは戦うイメージと違うところがありましたか?

扇久保 イメージ通りでしたね。

ーーイメージ通りだったからこそ試合に勝てたということでしょうか。

扇久保 そうですね。

ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。

扇久保 フライ級のベルトを絶対に獲ろうと思っているので、獲るとるためにこれからも勝ち続けようと思います。

ーーいつもの勝利後のようなすっきりとした気分を感じていますか?

扇久保 うーん。まあ勝ててよかったとホッとしている気持ちはありますけど、まあ心からの嬉しさというのはちょっとないかなと思いますけど。

ーー神龍選手は自分が勝っていたと思っていたそうです。扇久保選手は3-0は納得あるいは当然の結果だと思っていますか?

扇久保 そうですね、ダメージで勝っているな、とは思っていました。

ーー神龍選手は負けたままでいられないと。因縁やストーリーのあるこの試合をまたすぐにというのは難しい部分もあるかもしれませんが、再戦についてどう考えますか?

扇久保 今は再戦は考えていないですね。

ーーいずれ実績が積み重なり機運が高まれば?

扇久保 そうですね、でも今はちょっと考えられないかなと思います。

ーーフライ級のベルトをめざすにあたり、どのようなビジョンがありますか。

扇久保 これから強い外国人選手が、ラマザン・テミロフやメイマン・マメドフがいるので、そこらへんの選手たちにはまだ分からないけど、戦って勝って行きたいと思っています。

ーーTHE BLACKBELT JAPANからUFCファイターがふたりいて、さらにその一人はすごい状況にいます。UFCでは35歳以上の王者が防衛できなかったりというジンクスがありますが、今日若手をやぶって、そこに反論になるのでは。自分は年齢とパフォーマンスどう考えてほしいと?

扇久保 37歳になったのですけど、年齢に応じての練習の仕方や、コンディションの作り方があるので、それをしっかりやっていけば、37歳〜40歳までまだ強くなれるんじゃないかと僕は信じてやっています。

ーーUFCのフライ級ランカーと比べてRIZINのランキングの中のご自身の位置をどう考えていますか?

扇久保 UFCフライ級と全然引けを取らないと思っています。

ーー戦ってみて神龍選手は以前とは違いましたか?同じでしたか?

扇久保 やっぱりスピードもすごい昔より速くなっていると感じました。

ーー速くなっている気持ちにちょっとは嬉しさはありました?

扇久保 嬉しさは全然ないです(苦笑)

ーー試合後どちらからか声をかけるかと思いきやそういうシーンはありませんでした。勝った側としては、向こうから声をかけてほしかったですか?

扇久保 向こうから?いや、それはないです。

ーーいろんな試合をやってきて、今回のような試合は初めてだったかと思います。こういう試合をやったことと、勝ったことで得られたものなど感じていることは?

扇久保 本当に正直なところを言うと精神的にかなりきつい、今までで一番きつい試合でした。勝って得られたものといっても、本当にこのきつい期間を乗り越えられたので精神的にはかなりまたさらに強くなったかと思います。

ーー傍目にはノーサイドみたいに「水に流そう」というものが見られたとしたら、見る側は一番楽な展開ですが、そうならないなかで、試合中2回の仕切り直しで、グローブタッチをしようとして、相手が応えませんでした。ちょっと合わせようと自然に出てしまったものでしょうか?

扇久保 やってました?あまり記憶にないのですけど。そうですね、自然に出ちゃった感じだと思います。

ーー気持ちではなく、タッチするからブレイクからまた試合に戻るということで出るようなもの?

扇久保 ううん、難しいところですね。仲悪くてもかつては教えていた後輩なのでそういうところが出ちゃったのかと思いますね。

ーー試合前インタビューでも、ああは言っていても時折「誠」と呼ぶ時に、思いが残っているのかと思っていましたが。

扇久保 そうですね。さっきも言いましたけど、かつて教えていた後輩なので100%それが憎しみに変わることは正直ないので、そういうところが出たのかなと思います。

ーー神龍選手は勝ちに徹して動きのない試合をしてしまったと言っていましたけれども、それをさせなかったのが扇久保選手なのか、この大切な一戦でできなかった神龍選手の弱さがあるのでしょうか。

扇久保 お互いに勝ちたかったのでそういう展開になったかと思います。でも僕はダメージ取って自分がしっかり勝ったかなと思いました。

ーー神龍選手は戦い方を変えたと。扇久保選手は変えず、そのままやったのかな?と。

扇久保 はい、そのままやりました(笑)

神龍誠「きついですね」

ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。

神龍 きついですね。

ーーどう「きつい」のかを、もう少し詳しく教えていただけますか。

神龍 勝ちにこだわって面白くない試合して、で、さらに負けるっていう。すみませんでした。

ーー印象が違ったところがありましたら教えてください。

神龍 特にはなかったですね。こんな感じでくるだろうなとは思っていて。特に差はないです。

ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。

神龍 ちょっとまだ今はあまり感情がわからないですけど、とにかくすぐに試合がしたいですね、ダメージもないので。

ーー判定は3-0でした。結果に納得はできていますか?

神龍 いや僕は勝っていると思っていて。勝ってると思っていました。まだわからないですね。うーん。勝ってると思っていました。

ーー3-0で自分が取っていると思っていましたか?

神龍 そうですね、1Rずつ自分がギリギリで取っていると思っていました。

ーー劣勢だと思っていたらまた戦い方が違いますか?

神龍 そうですね、この試合だけは本当に負けられなかたので、勝負に徹して固くなってしまって。3Rも、相手が殴りにくるだろうなというところだったので、そこもしっかり組み付いて何もいいことさせてないから勝ちだろうという認識でした。

ーーリベンジしたいと思っていますか?それとももう因縁は終わらせたいと思っていますか。

神龍 もちろんすぐ再戦したいですね。ちょっと負けたままじゃ終わらないです。はい。

ーー扇久保選手に対して、いまどんな心境なのですか。

神龍 今本当に何も考えられないです。すみません、ちょっとまだなんで負けたかも自分でわかっていないので、ほかのことが考えられないというか、すみません。

ーーいろんな他の試合ではない感情が両者にあった試合。こういう感情が、今後MMAをやっていくうえで、こういう感情が必要ないのか、こういう試合もあったほうがいいのか、どう思われますか

神龍 どうなんですかね。見ている側はそういう因縁があったりしたらおもしろいとは思うので、まああってもいいんじゃないですかね。

斎藤裕「言葉があまりない。率直に」

ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。

斎藤裕 負けたので、言葉があまりないような感じです。率直に。はい。

ーー対戦した久保選手ですが、戦う前のイメージと違うところがありましたか。

斎藤裕 立ち合いがやっぱりうまいなとおもいましたね。最初のスタンドの攻防がやっぱりうまい、作り方というか。想定はしていましたけど、思っていたよりちょっとこう、懐が広いというか、そういうふうに思いましたね。

ーー今回が初めてのKO負けですか?

斎藤裕 カットでのTKOはありますね。

ーー今回の結果に対して、直後に思ったことは?

斎藤裕 うーん……、そうですね……なんだろうな。ちょっと先のことを考えられないというか、なんとも受け入れ難い現実というか。そういう気持ちですね。

ーー現時点で今後は考えていないでしょうか。

斎藤裕 はい、もう今後……、負けてすぐ次とは言えないですよね。どの選手もそうですが、一戦一戦にかけていますから結果出なかったときは考えなければいけないと思いますね。

ーー最後の三日月蹴りは見えていなかったのか、それとも三日月の軌道じゃないと思ったのでしょうか?

斎藤裕 見えて……、やっぱりこう、蹴り方が上手ですよね、三日月蹴る前に外のミドルを蹴ってからインサイドですか。その、たぶん三日月が当たるなって久保選手が察したと思うので、それを狙い撃ちされたような感じですかね。だと思います、多分。見えてないわけではなかったのですけど、こう、角度って言うんですかね。立ち技で錚々たる選手たちとやってきているので、蹴りの精度とかは高いなという感じですよね。

ーーテイクダウンを防がれたときに際の場面で久保選手がヒザを入れた場面はどう思いましたか?

斎藤裕 ヒザというよりは、作戦だと思うのですけどブレイク待ちの組手というか。で、余裕が出て多分打ってきたのかなという。作戦だったと思いますけど、もう少し自分も次の展開を動かしていけたらよかったのですけど、ブレイクになっちゃいましたね。

ーー試合中盤から打撃が当たってきて久保選手が自分のリズムに乗ってきた印象でしたが、ご自身は?

斎藤裕 途中で笑っているようには見えたのですけど「誘いなのかな」とも感じながら、多分あれで出ていくとカウンターがあるのかなとは感じていたのですけど。やはり1Rで、ある程度自分のやりたいことを向こうが固めたような感じだったのかなというのはありますね。2Rから上がってきたというような感じですかね。

ーーメインの結果についてどう思いますか。

斎藤裕 1R KO?そうですね、やっぱりああいう打ち合いになると平本選手の強さが出ますよね。結果論なのですけど、ああいうインサイドの打ち合いを逃がさないというか、的確に打ち抜く技術がありますよね、平本選手は。久保選手と共通しているかもしれませんが、立ち技の選手は攻撃の精度が高い、そう思いますね。

ーーひときわ声援が大きかったです。ファンの方に向けての感謝の言葉を。

斎藤裕 そうですね、感謝しかないですよね。なんだろう。うん、他の選手がどうかわからないですけどキャリアを重ねていくと自分だけのためにがんばれないというか、色々背負うものや思いを感じてしまうようになって。やっぱり応援してもらうのがすごく嬉しくて。そうですね、自分のためでもあるんですけど、やっぱり勝ってみんなで喜びたいって思いが強くて選手を続けているところがあるので、それだけに結果が出ない時は堪えますね。かなり心が痛いです。

ーー今後の展望は。

斎藤裕 今後……。まあ勝った久保選手は先に進んでいくと思うのですけど、なかなか……、見えなくなりますよね。今回これだけ盛り上がっている超RIZIN.3っていう舞台に出場できることはすごく嬉しいことなのですけど、やっぱり勝ったから先に進めるのが格闘技なので、結果をしっかり受け止めて、相談して行きたいと思います。

久保優太&サラ「一個ずつクリアして、RIZINフェザー級のチャンピオンになりたい」

ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。

久保 いやあ、ちょっとホッとしています。やっぱり緊張していたし。そうですね、ここで斎藤選手という元フェザー級チャンピオンに勝たないと、僕の目標だったRIZINフェザー級ベルトを獲るというところを、せっかく4連勝まで来て、前回、高橋遼伍選手という強敵に勝つことができたのに今回負けちゃったらまた振り出しに戻っちゃう、「やっぱり久保はMMAまだまだだった」と思われちゃう、どうしようと緊張していました。

サラ 今回はあまり叫ばなくてすみました。なんか地味で。ちょっと上の人の戦いって素人からするとよくわかんなくて。今回あまり叫ばなかったけど、勝てたからよかった。

久保 いやあ……ちょっとそれに期待していたんだけど、サラちゃんのエールとか応援に。

サラ 応援はしてたけど。

久保 試合前に目は合ったよね?

サラ 合ったっけ?

久保 うん、でもサラちゃん怖い顔してた。

サラ ああ、それはマザーファッカーさんの応援しすぎててちょっと喉が枯れてたから心配だった。そっちに使っちゃった。

久保 ああ確かに。芦澤竜誠くんも勝ったしね。

サラ 今回勝ったんで、千裕?ですかね?なんか、最近チャンピオンって知ったんですよ。イケメンなひといるなと思ってたけど、まさかそれがチャンピオンだっても思ってなくって。「やば!」って

久保 久保とどっちがイケメン?今日の久保はイケメンだったでしょ?

サラ それは人によるよ

久保 クソー!

サラ 相手の選手、いたじゃない。

久保 斎藤選手?

サラ あの歌のモンチッチにそっくりすぎて(笑)、モンチッチに見えました(笑)

ーー入場の映像に出ていたモンチッチですね?久保選手の話ではないのですね。

サラ はい。モンチッチです。

ーー打撃の攻防で余裕のある表情を見せていたのは?

久保 タックル切って、斎藤選手の手札をどんどん削っていって、もう打撃勝負するしかないんだぞって言って、出してこい、それには全部カウンター合わせてあげるよって。そこにパンチなり蹴りなり来て、そこに合わせてあげようかな?っていう誘いでした。

ーー斎藤選手と実際に戦った感想は想定どおりだったということですか?

久保 いや。想像でもめちゃくちゃ斎藤選手の映像をずっと見て強いの分かっていたし、見る分だけ斎藤選手の癖だったり強い部分、弱い部分、すべて頭にインプットして今日を迎えたので、斎藤選手は本当に、自分のイメージは本当にめちゃめちゃ強い。でもそのとおり本当に強い人でした

ーーサラさんから「千裕」という名前も出ましたが、今後の目標・展望を教えてください。

サラ やっぱなんか、ここまできたらチャンピオン見えちゃったじゃん。

久保 行けそうな気がするでしょ?

サラ 行けそうな気がする!

久保 ハハハ!

サラ 行けちゃうんじゃないこれ?やば!

久保 でも真面目な話をすると、鈴木千裕選手はやっぱり、フェザー級ランキングがもしあるとするならば1位、2位、3位の選手、オールラウンダーの選手には勝っている。金原選手やピットブル選手のような。でも僕みたいな打撃超特化型の選手とやったら僕は勝負論あるんじゃないかと思っていて。僕はフェザー級でチャンピオンになりたくてこの舞台に来たし、斎藤選手にもチャレンジしました。鈴木千裕選手とやりたいですし、僕と鈴木選手の打撃、どっちの打撃が強いか興味ありません?もし直接対決が叶わないなら、挑戦者決定戦でも、一個前の前哨戦でも何個でもいいです。どんどん勝って、一個ずつクリアして、RIZINフェザー級のチャンピオンになりたいと思っています。

サラ 順番を踏みたいみたいな?

久保 順番?そうだね、段階を踏んでいって、元フェザー級のチャンピオンにああいう勝ち方できたっていうのは、

サラ たしかに。

久保 斎藤選手もああいいう形でKOされたのは初めてだと思うのですよ。そういう勝ち方ができるのはやっぱり僕しかいないと思っているし、それくらい僕の実力っていうのを今日証明できたと思うので、僕はフェザー級でチャンピオンになれると僕自身思っています。

サラ なんかさあ、チャンピオンになれるかもってちょっと見えてきたらさあ、なんか応援しよ、と思った。

久保 今まで応援してなかったの?あんなに声出してくれていたのに?

サラ いや、違う。手のひら返すじゃないけどさ。いけるかも。

久保 1:9の割合で選手の方や専門家の方から斎藤選手が勝つというふうに言われてたから。

サラ K-1チャンピオンでRiZINチャンピオンて、結構やばくない?

久保 それを目指しているんだよ!

サラ やっば!うそ。やばいよ。

久保 RIZINフェザー級でチャンピオンになります!今年でも来年でもいいので、皆さん期待しててください!

サラ 手応えが違う。ちょっと人気になったぽいよ!

久保 本当に?

サラ 帰りの花道のさ、お客さんの手を、「うぇい!」みたいにやるの、あれあったよ。あれなかったでしょ?私も波に乗って「うぇーい」とかやっちゃったけどあれ初めて。きもちよかった!

久保 さいたまスーパーアリーナで歌ったのは気持ち良くなかったの?

サラ あれはもう慣れた。運動の一環になった、普通に。でも最後の手のぶわー!っていうのは超気持ち良くて、「みんな大好き!」みたいな。あれまた味わいたい、クセになるから。

久保 じゃ、そのためにも、勝ちます!

ーー三日月蹴りは狙っていたのですか。

久保 一撃必殺の技があると言っていたことですか?あれではないです。あれは僕のK-1時代から見てくれているひとはわかると思いますけど、僕はあれで何人も倒してきた、普通に僕の打撃の技術のひとつです。僕は本当にたくさん必殺技があって、どれも一撃で倒せる技ではあるので。

ーー計量の時に言っていた必殺技ではないのですね。

久保 あれじゃないんですよ。

ーー「挑戦者決定戦でもいい」と。いろんな選手がベルトを狙っていて、千裕選手がピットブルとやりたいと言っているなかで順序もあると思いますが、どのような選手とやってベルトに近づいていきたいですか?

久保 どういう選手?やっぱり具体的には、前回、高橋選手に勝ってケラモフ選手とか元チャンピオンクラスの選手とやりたいと宣言させてもらって、それで今回RIZINが斎藤選手と組んでくださったので。今回のような元チャンピオンを倒せて、そうだな、どういう選手がいいんだろう。チャンスをもらえたら、「こいつに勝ったらタイトル挑戦させてあげるよ」とRIZINに用意してもらった選手を、”人参ぶら下げる”じゃないですけど、ひとりずつクリアしていくっていう。僕はその自信が正直あるので、倒していくのみであります。

ーーメインで勝ったほうとか?

久保 朝倉選手も平本選手もタイトルを目指している感じなのですか?順番待ちすごいですね、千裕選手人気ですね。それだけこのフェザー級は群雄割拠なのかもしれないです。たしかにそうですよね。外国人の選手もめちゃくちゃ強い選手が入ってきているので。ファンが望むカードで尚且つ、そろそろタイトルいいだろうって人とやりたいですね。

ーー安保選手とパッキャオ選手の試合はどのようにご覧になりましたか?

久保 安保選手って、ディスりじゃなくすごいなって思います。MMAやって、ブライキングダウンでスダリオ剛選手とやってボクシングでパッキャオ選手とやるんですよ。すごいですよね(笑)、僕だったらできないですよ。僕とは違う道の選手だと思うけど、対戦した選手として、僕にはできない道なのである意味尊敬しています。

ーー距離のコントロールにすごく長けていて、見応えがあるなかで、全部カウンターを取る感じで斎藤選手の打ち手がなくなっていきました。最初から試合のプランだったのですか?

久保 自分は打撃ではGLORYとK-1でチャンピオンになった人間なので、僕と打撃で勝負するとしたら、変な話、世界でも僕が一番だと思っているのですよ、MMAでも。でもそれはテイクダウンしたりタックルで変わる。だったらテイクダウンディフェンスを完璧にしなくてはいけない。ある種僕はこれで、テイクダウンディフェンスが強いと言われている朝倉選手や平本選手が斎藤選手からテイクダウンされていたわけじゃないですか。だから斎藤選手に対して、自分がやっているテイクダウンディフェンスが通用してテイクダウンされなかったとしたら、僕がいま練習しているものがすごい成長できているというか。自分自身の実験じゃないですけど、改めて練習の成果が、今日の試合をもって、次の試合はタックルにくる選手はあまりいなくなるのでは、作戦を変えてくるのではないでしょうか。

ーー打撃では無理ですが。

久保 ですよね、でもタックルにきても無理なので、僕を脅威に感じて(ほしい)。選手の方も専門家の方も、僕がテイクダウンされると1:9くらいの割合で、僕が漬けられて終わるという戦前の予想を見ていて「だよな、みんなそう思うよな」と。でも自分がやってきたことを信じて、BRAVEジムにはトップレスラーが所属していて、その中で僕はレスリングを勉強してやらせてもらっているし、FIGHTER'S FLOWで上田貴央トレーナーもみっちり戦略を練ってくれて、僕がどういう戦い方だったり、どういう戦略をやったらいいかを1から考えてくださっている。弟の久保賢司も元RISEチャンピオンなので、弟が打撃コーチをずっとやってくれているので、僕はそのみなさんを信じて、今回BRAVEジムの宮田和幸代表も忙しい中セコンドについてくれて、本当にみんながチーム一丸となってじゃないですけど、みんなが僕を勝たせるためにサポートしてくれたことに感謝ですね。

所英男「ROAD TO 代々木第一に向けて頑張りたい」

ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。

 なんか、KO負けしたときみたいに覚えていなくて。ちょっとびっくりしてます。

ーー今モニターで映っていた試合の結果もあってのことでしょうか?

 ちょっとあの試合のあとにここで喋らせてもらうの申し訳ないと思っています。

ーー衝撃的な試合でしたが、実際にヒロヤ選手と手を合わせてみて戦う前のイメージと違うところはありましたか。

 戦っていて気持ちいい選手だと本当に感じました。いい選手、素晴らしい選手だなって、改めて思いました。

ーー所選手のフィニッシュはグラップリングを想像する方が多かったと思いますが、パウンドでしたが、いかがでしたか。

 起き上がらないでくれーと心で叫びながら打っていました。

ーー引退はおあずけになりました。今後の目標・展望を教えてください。

 ROAD TO 代々木第一(体育館)を目標に今回も挑んで、今日が終わりじゃなかったんで、またROAD TO 代々木第一に向けて、ちょっと休んだら頑張りたいと思います。

ーーカーフキックに右ストレートをクリーンヒットさせていましたが、狙っていたのですか?体が自然に動いたのですか?

 セコンドの指示で、勝村(周一朗)さんと、金原(正徳)さんの指示で、やっている時、僕が食らっている時に、合わせて打てっていう指示が聞こえたので、合わせて打つことができました。

ーー元々ヒロヤ選手への対策は?

 いや、していないです。自分は二人の指示に従って動くだけなので。

ーー試合後にヒロヤ選手とリング上でどんな会話を?

 日本を代表する選手になると思いますし、プロフェッショナルな選手なので、これからもがんばってくださいとお伝えしたのと、ヒロヤ選手との試合だったから本当にいい練習を、厳しい環境で厳しい練習ができたなって、感謝を伝えました。

ーー奥様の誕生日を祝福されていましたが、いつなのですか?

 7月15日なんですけど、こどもが7月7日で、子どもの誕生日会をやって、その翌週に奥さんの誕生日会やろうかと思っていたのですが、「私は試合で勝ってくれたらそれでいいよ」と言ってくれて。だから「勝たないとな!」と思っていました。

ーー試合前のように夫婦で勝つ、家族で勝つということにはそういう意味も?

 そうっすね。やっぱり僕が勝つことが特効薬になればいいなと思っていましたし、「なる!」って勝手に信じていますので。

ーー金原選手とまた同じ大会に一緒に出たいという気持ちがありますか?

 (涙をこらえながら)やっぱり欲を言えば一緒の大会に出たいですけどね。ただ僕ももう僅かですし……、金原さんは、やっぱ本当に厳しい試合してきて、体もボロボロですけど。やっぱり欲を言えば一緒の大会でたいですね。

ーーまた一緒にタイに修行に行きますか?

 「行きましょう!」と言ったら断られました(泣き出す)。

ーー今日はやはり懸けているものがありましたから、入場するときから気持ちが違いましたか?

 「今日が終わりじゃない」「今日が終わりじゃない」とって自分に言い聞かせたのと、ふたりが「今日は行ける雰囲気がある!」と言ってくれて、やっぱ、乗せてもらいました。

ーーその気になりました?

 はい、その気になって、調子に乗りました。

ーー自分の勝利が確定した瞬間は?

 安堵の気持ちが大きいですかね。本当に、「ああ、まだ続けられるんだ」っていう安堵の気持ちが大きいです。

ーー続けられる気持ちがハッピーな一方で苦しい練習も待っています。

 そうですね、今日みたいなテンションでやることってなかなか難しいと思うけど、また続けられるというハッピーな気持ちがすごくあるので、早く練習に復帰したいですね。

ーー試合後、セコンドのふたりからはどんな言葉をかけられましたか?

 あー、えー……(金原に)なんて言われましたっけ?ちょっと忘れちゃいました。

(金原から)ハキハキ喋って!

 ええと、そうですね、嬉しいです(笑)

ーー引退を懸けて臨むことでの重圧や緊張などどういう気持ちが一番大きかったですか?

 負けたら終わりということなので、自分も「ああ、やめたくないな」というのはあるのですけど、たくさんの方から連絡いただいて、前田(日明)さんは毎日のように気にかけてくださって電話やメッセージいただいて、感謝しかないです、本当にどれだけたくさんの方に勇気づけられたかと思います。

ーーKO負けのように覚えていないとのことでしたが、引退がかかっていることも影響していますか?

 そうですね、無我夢中で。本当に何が当たったかとかも後から聞いたという感じでした。

ーーこの規模のスタジアムバージョンでやる経験は、所選手の長いキャリアでもそんなにたくさんはないと思いますが改めて入場の時の気持ちは?

 嬉しい気持ちはありますけど、やっぱり感謝の気持ちがでかいですよね。ぼくは乗っからせていただいて今日の舞台に立てたので、本当に榊原代表と、RIZINの方々と、選手の皆さんと、皆さんに感謝です。

ーー奥様とお話ししたのであれば

 「はやく病気治して、いっぱいいろんなところ行こう」って話をしました。**

ーー「まだ続けられる」とか、「やめたくないと思っていた」というお話をされていて、もちろん引退がかかっている状況で重たいものを背負っていたなかで戦って、まだそう思えるのはどこが最大の魅力なのでしょうか、所選手にとって。

 なんですかね、本当にこんなに魅力的なスポーツないなと思って。ぼく野球好きだったけど、次元が違います、やっぱり格闘技が好きです。

ーー今日の試合を終えてよりそう思った部分も?

 そうですね、自分勝手に、ぼくはただ好きなことやっているだけなのに本当に周りの方がすごい喜んでくれて、セコンドの金原さんも勝村さんも萩原(一貴)くんもめちゃくちゃ喜んでくれて、なんか本当に嬉しいです!

ーー打撃でのフィニッシュはご自身にとって久しぶりですよね?

 そうですね、思い出すだけでも(アレッシャンドリ・フランカ・)ノゲイラ戦と(佐藤)ルミナさんだけだと思います。

ーーどうでしたか?

 あー、ちょっとあとで見返してみます(笑)

ーーこの試合が決まった時の、負けたらやめなきゃいけないという気持ちと、いま勝ってから取り組む気持ちは違うものになりそうですか?

 そうですね。これから練習行くのがすごい楽しみになります。本当に嬉しいです、めちゃくちゃ嬉しいです。

ーーリングに入る前に、マットに言葉をかけてから入っていたのは何を?

 恥ずかしいのでちょっと言えないんですけど。

ーーそこをなんとか

 ここからこっちは強気な自分、ここからこっちは弱気な自分、(それが)入れ替わる、みたいな。

ーーあまり分からないです(笑)。

 ここを越えたら強気な自分しかいない。ここまでだぞ、弱いのは、っていう。

ーーみんな所選手が勝って現役を続けるの嬉しいとみんな思っていると思いますが、セコンドのふたりもかなり「最後になるんじゃないか」と覚悟していたのではないでしょうか、試合後どういう話を?

 「もうやりたくない」って言われました。「もう1回だけ付き合ってください」とお願いしました。

ヒロヤ「まだ心の整理がついていない」

ーー試合後の率直な感想をお聞かせください。

ヒロヤ 控室戻ったときはあんま覚えてなくて、ぶっちゃけ。1回そこから気持ちがすごい落ちたのですけど、未来さんとか目の前にして暗い感じでいるのもアレだなと思って。別に暗い気持ちでいても結果が変わるわけではないので、前を向いていかなきゃいけないんですけど、まだ心の整理がついていないなって感じです。

ーー所選手の対戦前のイメージと変わったことがあれば教えてください。

ヒロヤ いや、イメージは全く同じでした。

ーー今回あの展開になったことについて、今どう思っていますか?

ヒロヤ 合わされたなというか。自分がいい感じに展開も進んでいたけどそこに集中しすぎていたのと、所さんもそこにかけて出してきたところにクリーンヒットしたなっていう、ぶっ飛ばされたって感じです。

ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。

ヒロヤ 自分がフライ級のチャンピオンになると考えてアメリカ行ってUFCファイターたちとたくさん練習もしてきて、なんかもう一番、ここで負けるかっていうふうに、現実を突きつけられている。でもこれ、どうしようもないんで。まあでも、クヨクヨしてもダサいな、とは思いますね

ーー試合の記憶はありますか?

ヒロヤ 最初はまったくあまり覚えていなくて夢のような感覚で虚ろ虚ろ覚えていたような。今は動画も見ましたし、試合映像を見たので。だいたい全部戻ってきましたね、今。

ーー所さんが下から足を狙うシーンはエスケープしたもののそこから勝負を急いだということはありますか?

ヒロヤ あそこは逆に冷静に。僕はあそこでヒジを肘を本気で何発か打ってやろうかなと思ったのですけど、所選手の勝機があるのは寝技のほうかなと思ったのでここは立った方がいいなと思って、普通にあまりそこは焦っていなかったです。

ーー蹴りにパンチを合わされたのは所選手のうまさ?

ヒロヤ いや、必要以上にぼくがカーフを狙いすぎました。

ーー効いているという感覚があった?

ヒロヤ そうですね、しっかりクリーンヒットしていたので、ちょっと追いすぎたというのがあります。

ーー1年前の超RIZIN.2の参戦時に負け、大晦日での勝利があって今回を迎えて、1年前と心境は違いますか?

ヒロヤ 全然違いますね、ここで負けるかって感じですね、正直。いやあ、うまいこといかないですね、人生。

ーー所選手のような相手に対しての今回どう攻略しようとしていたかのプランを教えてください。

ヒロヤ 今回は、打撃を戦おうと思っていました。

ーー下から、今回も足関を攻められました。そういう時はただ単に逃げようと?それとも上から何かしようと思っていましたか?

ヒロヤ 足関を狙ってくるだろうとは思っていて、そこはまあ徹底してトップキープすれば全然潰せるかなと思ったので、いいところを、ポジション取れたらそこをキープして徹底的に潰して、そこで攻め急がず立ちに持っていこうというのがプランでした。

ーーフィニッシュは?

ヒロヤ KOです。打撃のKOを狙っていました。

Yogibo presents 超RIZIN.3 試合結果一覧

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