11月4日(土)にアゼルバイジャン・バクー ナショナルジムナスティックアリーナにて開催されたRIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijanの出場選手たちの試合後インタビューを公開!
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鈴木千裕「格闘技界の二刀流、その夢を叶えることが出来た」
ーー鈴木選手の目の前にマイクがあるので机にはなるべく登らないでくださいね。
鈴木 (登ろうとしながら)ごめんなさい!ははは。
ーーおめでとうございます。試合後の率直な感想をお聞かせください。
鈴木 やっと夢をひとつ叶えることができて、格闘技界の二刀流になることが夢で、現役のキックボクシングチャンピオン=KNOCK OUTチャンピオン、現役のMMAチャンピオン=RIZINチャンピオン、このふたつを現役で獲ることに意味がある、その夢を叶えることが出来たので、今すっごい嬉しいですね。
ーーフィニッシュの決定打はなんだったのですか?
鈴木 それはテイクダウンが来た時にクロスガードに戻して、前回朝倉未来選手にやった、首を抱えてパウンドや肘を落とすのを僕は見ていたので、それが来るなと思ってて。で、ケラモフ選手がパウンドを打ってきたので、フェイクの三角絞めをわざと取るふりをして、取る気はないんですよ、そうすると嫌なので上体を上げてくれるので。そうするとパウンドを打って来るじゃないですか。この上から下の動きに下から上の攻撃、ここをドンピシャで合わせようと思って、カカトで。相手がパウンドを打って来る瞬間に蹴り上げを合わせてそこでダウンをとれたので、あとは息が戻る前に決めてやろうと思ってラッシュでKOですね。
ーーそれでは、あの流れは想定通り・作戦通りだったということですか?
鈴木 いや、一切作戦には入っていなくて。この、僕は戦いの中で答えを見つけるので、ケラモフ選手と戦って、動きっすか?パウンドの動きとかそういう戦いの中で答えを見つけて。言ったじゃないですか。1Rの中で5回アタックチャンスを作るって。そのチャンスが今来たなって思って狙っただけですね
ーー対戦相手のヴガール・ケラモフ選手について、対戦前と印象が変わったところがあれば教えてください。
鈴木 や、でもイメージ通りでやっぱりテイクダウン、片足のタックルが絶対に来ると思っていたんですけれど、その、来ると思っていてもやっぱり倒されちゃいましたよね。とにかくテイクダウンのスピードが速かったので。それは想定内です、やっぱり。テイクダウンされるのは。そこからのリカバリーを練習してきたので、イメージ通りですね、はい。
ーーその(右腕の)包帯は?
鈴木 多分、殴った時に、試合で下から殴ったことは1回もないので、思い切り行こうと思ってやったら、親指が直で当たっちゃって。骨に。多分……、分からないんですけど、ヒビかなあ?ちょっとヒビか分からないんですけど、痛いんで。靭帯か分かんないけど。東京帰ったら病院で見てもらいます。あの、チャンピオンになれるなら骨が折れても何でもいいです。チャンピオンになれるんだったら骨のひとつやふたつ、全部持ってけ!って感じです。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の目標や展望を教えてください。
鈴木 やっとRIZINの看板を背負うことが出来たんで。RIZINに恩返ししていくので、これからチャンピオンとしてとして。まだ見えてこないです、今は自分でいっぱいいっぱいになっているので。でも、やっぱ子供たちに未来をやっぱ見せたいんですよね。格闘技で。今は日本の格闘技は不良の人が輝く時代になっちゃってて。ヤンキーとか、そういう人たちが表舞台に出て格闘技の質を下げちゃってるんですよね。じゃなくて、本物が本当に格闘技をちゃんとやって、格闘技で、一切遊びも全部断ち切って真面目にやっている人が報われる格闘技業界を俺は作りたいので。そういうのを子供たちに見せたいですね。真剣に、真面目に格闘技をやって夢を叶えられる。それを僕が今後、格闘技を通じて見せていきます。
ーー最初ケラモフ選手に右を当てられて、右を返そうとしたところにカウンターのシングルレッグテイクダウンを受けました。その時はハーフガードだったと思います。その時鈴木選手がしっかりフルガードに戻せたことで蹴り上げも出来たと思います。あそこで寝技の練習が活きたという思いますか?
鈴木 そうですね、本当にそれはあると思うのですけど。まあ、身体が勝手に動きましたね!特に考えてなかったです。
ーー先ほどフェイクの三角に相手が上体を上げるからスペースが出来たて蹴ったり殴ることが出来たということでしたが、そのあたりの想定はゴーゾーさんとはしていたのですか?
鈴木 できるワケないっスよ、あんなの!(笑)。僕の格闘技は戦いの中で答えを見つけるんですよ。だから作戦なんて僕は基本的には聞かないですし。だから戦いの中でチャンスを作る、それが俺の戦い方なので、そのチャンスがそこに来ただけですよね。
ーー相手が失神したというか、力が抜けたのは間近で感じましたか?
鈴木 まあ、感触があるので。パンチを打ち抜いたときに、打ち抜く感覚に似ててて。「あ、これ完全に効いたな」と。予想が出来ない角度からの攻撃って一番効くんですよ。だから、蹴り上げなんて予想しないじゃないですか。だから相当ワケ分からないと思いますよ、「なんで俺、倒れたんだろ」みたいな。そういう技ですね。
ーー(中継を通して、解説していた)金原選手から鈴木選手の言葉を受けて『じゃあ、やりましょう、大晦日』という言葉があった。ベルトを背負ったばかりですが、その言葉に対してどう考えますか。
鈴木 そうですね、拳が間に合うか微妙ですけれどなんとか間に合うように頑張りますんで。ちょっとまだ分からないですね、まだ検査していないので。間に合うかな……、ちょっと待っててください。
ーー「1Rに5回のアタックチャンス」ということですがこれは作戦を練ったのではなく感覚的に出たものなのですか?
鈴木 直感ですよ、当たり前じゃないですか(笑)。
ーーリング上で子供たち、または格闘技関係に寄付したいと言っていましたが、鈴木選手はもともと日本でそういうことをやっていたりしたのですか?
鈴木 ハロウィンイベントに一部協賛したり、子供イベントしたりとか、そういう小さな活動ですけど、そういうのをやってるんで。この、一番大事なのって、20代の僕らと大人が今の未来を作ってるじゃないですか。で、子供たちはそれを見ているんですよ。だから僕たち20代がいま頑張って、素晴らしい未来を作らなきゃいけないんですよね。だから、それを、僕は格闘技を通してそれが出来ると思ったんで。だからアゼルバイジャンに何かの形で、寄付を、寄付でもいいですしそういう子供イベントみたいなのをやって、子供たちが「あ、俺もいつか格闘技をやって国に還元したり、未来の子供たちにできる大人になりたい!」って思ってもらいたいですよね。そういうきっかけを作れればいいなって思って僕はやっています。
ーー二刀流チャンピオンになったことで、この機会に他の夢も聞かせていただけますか?
鈴木 これは見えてくるな……格闘技の中心に立つことが出来たので、次は格闘技界を変えることですね。今は少し、大きくだな、大きく変わりつつあるんですけれど、僕はやっぱりこの、次、いやこれはずっと思い描いている夢なのかもしれないけれど、やっぱ子供たちが本当に、ここが一番大事で、子供たちが「ああいう選手になりたい」と思ってもらえる選手になることなんですよね。格闘技ってただ殴り合っているだけのイメージが、まだ日本には多いんですよね。「殴り合いかよ!」みたいな。そうじゃなくて、格闘家はリングの上でも強いし、リングを降りたとしても強くて逞しいカッコいいい選手になり続けることですね。この夢は。チャンピオンになったら、なおさら説得力がある!
ーー勝利おめでとうございます。5回のチャンスということでしたが、1回目で勝利できたのか、いつ頃試合を決められましたか。
鈴木 今回、フルラウンド15分間のどこかで倒せればいいと思っていたので、1Rでもいいし2Rでも3Rでもいい、特にそこは決めていなくて、結果的にKOしようと思ってて、そのタイミングが最初にチャンスだな、ここ行けるかもしれないと思って行った、そのチャンスの1アタックが成功したって感じですね。
ーー大晦日でたとえばヴガール選手と戦ってくださいとリクエストがあればどうしますか?
鈴木 チャンピオンなので誰が来ても逃げちゃダメですよね、だから、なんだろう。そうかな、来るのかな。結果的にチャンピオンなので逃げる選択肢はないのでずっと待っています。だから誰が来てもOKです。
ーー次の試合でもしヴガール選手と試合になったらどんなふうに準備をしていくつもりでしょうか?
鈴木 そうですね、やっぱり今日テイクダウンされちゃったのでタックルとか、もっと切れるように、レスリングかなって。やっぱ。武田選手も試合しましたけど、レスリングがすごく強いのですよね、だから、やっぱもっともっとレスリングを練習しなきゃいけないなと思っています。アゼルバイジャンはレスリングがめちゃめちゃ強いので、そこを見習って練習しようと思います。