12月31日(土)にさいたまスーパーアリーナにて開催された湘南美容クリニック presents RIZIN.40の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
堀口恭司「日本・海外のフライ級をもっと盛り上げていきたい」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
堀口 すごいやっぱり扇久保選手タフだなと思いました。何発もクリーンヒット入れているのに目が死んでいなかった。すごくタフだったなと思いました。
ーー扇久保選手とは3度目の対戦となります。1度目、2度目と比べどのようなところが変わったか、分かるところがあればお聞かせいただけますか。
堀口 やっぱり狙っているものだったりというものが分かっていたので、対策的にはすごいたてやすく、やりやすかったかなと思います。
ーー戦う前、「BELLATOR軍は複雑」ということでしたが、勝利してみて、お気持ちは変わるところはありましたか?
堀口 なんか「喜んでいいのかな?」っていう。今でも思っています(苦笑)。あと榊原さんがさっきリングに立った時に「お前、こっちサイドだろ?」って言ってました!ガハハハハ!**
ーー対抗戦を終え、フライ級に転向した初戦も勝利しました。今後の展望や目標を教えていただけますか。
堀口 体調的にも全然問題なく、日本のフライ級だったり、海外のフライ級をもっと盛り上げていきたいと思います。
ーー扇久保選手は1ラウンドで完全にカーフ効かされたと。そこは作戦通りでしたか?
堀口 そうですね、あれはもう試合プランに入っていて、ゲームプランとしてすごく狙っていた技ですね。
ーー効かせた感触はかなりありましたか?
堀口 そうですね、カットしないでそのまま食らっていたので、すごい効くだろうなと思って。多分2発目かな、当たったときにすごく嫌な顔をしたんですよ。効いているなと思いました。
ーー扇久保さんは10年間狙っていると言っており、そんな狙われ続けた相手に3連勝するのはどんな気持ちですか?
堀口 あんまり、狙われているとか、人が変なふうに思っているのをあまり気にしないタイプの人間なので、あまり何も思わないです。
ーー今回BELLATOR軍ということで5戦全勝に貢献しました。UFC、BELLATORと世界トップ戦線で戦ってきた堀口選手からして、差はどこにあると思いますか?
堀口 やっぱり技術的なものだったりとかが、ちょっと日本は遅れているのかな?と思っていたので自分は海外に渡ってそれを会得したので、今回の結果を見て分かるように、技術的にはちょっと遅れているのかなと思いましたね。
ーーその遅れを、どれくらいかというギャップはさておき、取り戻すためにどういう努力が、たとえば技術を輸入したりなど色々あると思いますがどういうアプローチが有効だと思いますか?
堀口 まあやっぱり自分がやっているようにアメリカに行って直に肌で感じる、技術の差だったりとかコーチの差を感じないとやっぱり人間って分からないので。やっぱり世界に出たほうがいいんじゃないかな、と自分は思います。
ーー22年は9月、12月と日本で試合をしました。23年は?
堀口 自分は怪我がなければどんどんコンスタントに試合やっていきたいので、そうですね、3、できれば4、できれば5!なるべく多くやりたいなと思っています。
ーーアメリカで5か日本で5かは相手やその時の状況によって?
堀口 まあそうなります。
ーー日本で見られる可能性もファンとしては期待できるのでしょうか。
堀口 そうですね、まあもちろんありますね。
ーー今日の大会で所選手に勝利したドッドソン選手がRIZINのベルトを狙っているということと、堀口選手が戦う機会があれば戦いたいと。彼の試合は見ましたか?
堀口 もちろん見ました。やっぱ強い選手だなと思っているので、この先当たるだろう、と思っていますね。
ーーアメリカに帰る前に日本でどんなことをして年始を過ごしたいですか。
堀口 それがですね、マネージャーがすごい仕事を詰め込んでいて、全然遊べないんですよ。ほんとかわいそうなんですよ。ハハハハ!
ーー釣りも行けなそうですか?
堀口 釣りはあれですね、仕事でいけます、撮影で。
ーーフライ級に落としてご自身で明らかに良かったと感じていることは?
堀口 (考えて)うーん(苦笑)。うーん、なんだろう。まああんまり変わらないっすよね。まあ相手との体格差があまりなくなってくるということですよね。
ーーほぼ今日完封、完勝して、ただバックのときだけ胸を合わされて正対されました。新しいトライでバックを攻めるというようなことを?何をマイクブラウンに言われましたか?**
堀口 そうですね、バックは得意なので全然取れるだろうと思っていたのですが、すごい扇久保選手が守りに徹していたのでなかなか取れなかったですね。マイク・ブラウンは「絶対バックは取るな」と言っていたんですけど、ガハハ、振り払って取りに行きました。だからまた言われました「何やってんだ!」って。フハハハハ!
ーー賞金首のような存在になっています。RIZINフライ級グランプリにもし出場可能性があったら引っ張っていきたいですか?
堀口 まあそうですね、BELLATORサイドがOKを出せば、やりたいなと言う感じです。
ーーまずBELLATOR側の選手として5ー0の勝利をどう思いますか?
堀口 もちろん嬉しいですけど複雑な気持ちです。日本サイドなんだけどな、みたいな。
ーースコット・コーカー代表とはリング上でどのような言葉を交わしましたか?
堀口 おめでとう、よくやったという話をしました。
ーーBELLATORで戦っている姿を見ている若い選手にメッセージをお願いします。
堀口 「やる気があるならATTに来い!」と。まあそんなかんじですかね(笑)
扇久保博正「1R目のカーフで頭が真っ白になってしまった」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
扇久保 1ラウンド目のカーフを完全に効かされて、それで試合をコントロールされてしまったなと思います。本当に完敗でした。
ーー3度目の試合となりますが。堀口選手の印象はこれまでと違うところはありましたか。
扇久保 上になったときの抑えこむ力とかテクニックもすごい強くなっていて、より総合格闘家として完成してきているな、と思いました。
ーー1度目、2度目と戦いご自身も変わっていると思います。内容的に以前と違うと感じたことはありますか?
扇久保 映像見ていないのであまり覚えていないところもあるのですが、本当に1ラウンド目のカーフで頭が真っ白になってしまいました。
ーーご自身のプランは?
扇久保 パンチ主体で攻めようと思っていました。タックル片足で組み付いてパンチを打っていこうというプランでした。
ーーカーフキック効かされて頭が真っ白になって、プランとは違う行動をとってしまったのでしょうか。
扇久保 そうですね、もう左足が完全にダメになっていたのでもうサウスポーに構えるしかなく、そうですね、そこから攻められなかったですね。
ーー試合前は戦えることが嬉しいと言っていました。堀口選手のことをこの10年間ずっと考えていたということですが、試合を終えて今のお気持ちは?
扇久保 しばらく堀口選手のことは考えたくないです。
ーー今回対抗戦を経験して今後の展望・目標を教えてください。
扇久保 (長考して)ここで勝って、フライ級っていう階級を世界一の階級にしたいと思っていたのですけど、まあここで負けてしまったので、うーん、今、現時点ではちょっと。……うーん、何も考えられないですかね。
ーー松葉杖をついていますが、症状として、左足はどんな感じでしょうか。
扇久保 左足は骨折は多分していないみたいで、靭帯を多分痛めているのですけど、また年明けに病院行くってレントゲンとってみないと分からないのですが、かなり腫れているので、靭帯がいっているのかなと。
ーーここまでのことは初めてですか?
扇久保 初めてですね、ここまで腫れるのは。
ーーカーフ一発で?
扇久保 いや、3発だと思います。一発目食らった時は大丈夫だなと思って、2発目でヤバくて、3発めで完全に壊されました。
ーーすべて1ラウンドで?
扇久保 はい、1ラウンドです。
ーー流れを挽回するチャンスはなかなか巡ってこなかったですか。
扇久保 2ラウンド目にバックから逃げて、上取ったりした場面があったのでチャンスというチャンスはそこだったと思います。
ーーセコンドからは指示が?
扇久保 スイッチして、左足が壊れているのでスイッチして戦えという指示はありました。
ーーしばらく考えたくないそうですが、3度戦って堀口恭司とはどういうファイターだと思いましたか?
扇久保 (長考して)全ての技が、本当に倒せる技。蹴りでもパンチでも寝業でも全てが相手を破壊できる技を持っている選手だと思います。
ーー考えたくないと言いつつも、やっぱり越えたい壁でもありますか?
扇久保 (悩んで)今日家帰ったらまた悔しくなってくるかもしれないですね(苦笑)いまはもう考えたくないです
ーーほかのフライ級の試合を見ていますか?
扇久保 ちょっとだけ見ました。
ーーフライ級が来年行きそうな予感はしましたか?
扇久保 ドッドソンだったり、ボントリンもともとフライ級の選手なので、フライ級がこれから盛り上がっていくのかなと思います。
ーー会見の時に、この10年、堀口恭司を倒すためにやってきたという話がありました。その10年を振り返って、どういう期間でしたか。
扇久保 (考えて)まあ本当に堀口選手を倒したくて戦ってきた10年間だったので、とにかく堀口選手のことばかり考えていた10年でした。
ーー考えたくないということでしたが明日から完全に忘れる?
扇久保 それはちょっと分からないですけど。明日になってみないと分からないです
ーー課題にしていた距離感はどう感じましたか。
扇久保 今日ははちょっと近かったのかなと思いますね。
ーー新しくできた家族のために戦うということを仰っていましたが、お子さんに声をかけるとしたら、どんな戦いぶりだったと伝えたいですか。
扇久保 またなんか言われますよ(笑)。(考えて)まあでも戦ったので、胸を張って、しっかり戦ってきたぞと言いたいと思います。
フアン・アーチュレッタ「死闘から勝利を得られてとても幸せ」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
アーチュレッタ 非常に嬉しいです、勝てたのも幸運です。スーチョル選手との死闘から、勝利を得られてとても幸せです。
ーー判定2-1で割れたことについてはどのように思いましたか?
アーチュレッタ 接戦になるとは感じていて、お互いに獣同士の戦いになるとも思っていましたので。
ーースーチョル選手の印象は対戦前と後で違いはありましたか。
アーチュレッタ 非常にタフな選手と感じました。自分もいいパンチを入れていましたが、それで手をちょっと痛めたことがあって、彼の頭が硬くてちょっと驚きましたけど、本当に素晴らしい選手です。
ーー大晦日にさいたまスーパーアリーナで試合をしたことについての感想は?
アーチュレッタ 欲張ってしまうけれど、今回ここで戦うことは自分の夢が叶って、非常に光栄ですし、またここで戦いたいと思いました。
ーー入場時の衣装についてどういった意味があるのかなど教えてください。
アーチュレッタ 自分のニックネームである「スパニアード」の通り、自分の父方は代々スペイン系であるのに対して母親はメキシカン・ネイティブ・アメリカンの系統です。その母方のでは、やはりジャガーやイーグルという、戦士を表す象徴、皇帝に選ばれし称号としてそういうのがあります。それを象徴して着ました。似た存在としては日本の侍や、ローマのグラディエイターがいますが、私のこれはアステカ文化の象徴とも言えます。アステカは歴史上ではもう既に失われた文化であり、それを蘇らせたい気持ちで着ています。その文化は日本で思われている武士道文化のように、アステカで思われている文化です。そういう戦士は、相手を殺すのではなく相手を打ち破り、それに敬意を表する意味もあるので、そういう意味もあると思います。
ーー対抗戦を終えて今後の展望や目標を教えてください。
アーチュレッタ とにかく自分としてはまたすぐにでも戦いたいという気持ちです。試合に勝ったばかりですが、控え室に戻り、セコンドと反省しながらすでにミット打ちもしたりしているので、勝てたことは非常に嬉しいですけど、また次回、来年このようなRIZIN vs. BELLATORのような大会があればそういう大会にまた呼んでいただけるように頑張りたいと思います。
ーースプリットだったことについて、自分のどこが優り、自分のどこが劣っていた?
アーチュレッタ 最初にダメージを相手に与えられて流血もして、そこから試合をコントロールできたと思っています。逆に、スタンドは彼のほうが有利かと思ったのですが、私としてはリングに慣れておらず滑りやすい状態で、どうにか滑らないようにスタンディングで攻撃する方法も探っていたのですが、グラウンドに持ち込んである程度コントロールできたのも良かったと思います。もちろん榊原CEOが簡単な相手を選ぶとは思わなかったので、厳しい戦いになるとは思っていました。当然スーチョル選手はROAD FC王者ですし、色々な相手と戦って勝って来ていますので、なんとかそういうタフな相手に挑んで、勝利することができてよかったです。
ーースーチョル選手はBellatorランクでどれくらいの実力だと思いますか?
アーチュレッタ まちがいなくトップ6位に入ると思います、まちがいなくトップ10以内です。そういうランクのなかでも彼がフィニッシュできる選手は何人かいると思います。前回自分の対戦したエンリケ・バルゾラ選手と似たようなタイプで、非常にタフで、盛り返してくるような選手だと思います。ただ自分もそういう選手と戦っているので、そういう選手との戦いを熟知しているのが良かったと思います。彼のボディショットは非常にきつくて本当に素晴らしいボディを受けた。自分のようにコンディショニングできてない選手ならすぐにやられていたと思います。
ーーせっかくの日本の舞台だから日本人の選手と戦ってみたいですか?
アーチュレッタ もちろん日本で、日本のファイター、朝倉未来だろうが弟の海でもやりたいと思う。榊原CEOが用意する選手なら誰とでもやってみたいと思います。
ーー現時点で、BELLATORが4連勝しています(最終的には5-0)。今の日本人選手に足りないものがあるとしたらなんですか。
アーチュレッタ 特に攻撃面での自信を持って行うことが足りないのではないでしょうか。**スーチョル選手が最初から攻撃的であれば自分もかなり防御的になったでしょうし、ちょっと大変だったかと思います。一線を越えてもっと前に出るのは、選手としては怖いものがあります。やはり前に出過ぎるとまずいという恐怖がありますので。そういう意味でピットブルも最初はそうだったろうと思います。その点でもう一歩前にでようとするところの差だと思います。
キム・スーチョル「皆さんにお詫びをしたい気持ちでいっぱいです」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
スーチョル とても恥ずかしいです。日本のファンの皆さんにも自分が恥ずかしいのと申し訳ない気持ちがいっぱいです。近くにいる妻にも、そのお腹にいる赤ちゃんにも恥ずかしい試合をしてしまったと思っている。
ーー恥ずかしいという思いはご自身の実力が出せなかったのでしょうか?思ったように試合が運ばなかったのでしょうか?
スーチョル なにしろ実力が足りなかったと思っています。もう1つは、アーチュレッタ選手の試合の運び、プランが素晴らしかった。それに私がはめられてしまいました
ーー判定が割れた瞬間の気持ちはどのようなものだったのでしょうか。
スーチョル 判定が発表される前に、自分は負けたんだと思っていました。
ーー対戦したアーチュレッタ選手のイメージは戦う前と違うところはありましたか?
スーチョル とてもタイミングの良い手でした。スクランブルでは、レスリングに入るだろうと思っていたのですがそうならなかったことと、彼の筋力の強さ、グラウンド上のコントロール能力もとても優れている選手でした。
ーー対抗戦を終えて、今後の展望を教えていただけますか。
スーチョル 負けてしまったので、ファンの皆さんには面目ないというか、申し訳ない気持ちでいっぱいです。RIZIN代表に選ばれてこの大会に参戦したのに、自分の結果が伴わず申し訳ないです。今のところ計画はないですし、皆さんにお詫びをしたい気持ちでいっぱいです。
ーー言葉通り、負けていたけれど、とても素晴らしい試合だったと言いたいです。ところで顎に貼っているテープはどんな状況でそうなっていますか?
スーチョル そうですね、負けたけれども素晴らしい試合だったという励ましの言葉をありがとうございます。顎については、跳び膝ですね、ラウンドの最後にこういう試合運びをするのが彼にはよくあることで、自分は何も感じませんでしたが、それこそアーチュレッタの魔法に自分はかかってしまったといえます。
ーー少し思う通りにならなかったということですが、アーチュレッタ選手はチョークを何度もされていてダメージがあったように見えましたがご自身としては手応えはありましたか?
スーチョル チョークはありましたけど、うまくいったと喜ぶ話ではありませんでした。彼は自分を固めてしまって時間をどんどん伸ばしていて、自分のことを遊んでいたような感じだったと思います。ダメージ与えたようなことはあったと思いますけど、自分ではそこまでは思えていません。
ーー負けても素晴らしい試合をしたことでNintendo switchは勝ってもらえそうですか?
スーチョル 負けは負けですので、期待していません
ーー榊原さんが買ってくれると思いますよ。
スーチョル ははは、ありがとうございます、申し訳ないです。
ーースーチョル選手と戦いたいと言っているRIZINの日本人選手がたくさんいます。来年どういう選手とやりたいか、ベルトに向けてのプランがあれば教えてください。
スーチョル 今日負けてしまったので、誰かとやってみたいという言葉を発すること自体申し訳ないこと。呼んでいただければ、1度でもチャンスをいただけるのであればまた一生懸命戦って、勝利してからまた考えます。
ーー奥様もご一緒ですが、新年を奥様と日本でどのように過ごしますか?
スーチョル選手の奥様 ゆっくり休ませてあげたいと思います。