4月17日(日)武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催された湘南美容クリニック presents RIZIN.35の出場選手たちの試合後インタビューを公開!
髙阪剛「『終わっちまうのか』っていう気持ちの方が強い」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
髙阪 もちろん試合をKOで勝てたのは嬉しいのですけど、「終わっちまうのか」っていう気持ちの方が強いかもしれませんね。
ーーまだ戦いたいという思いが芽生えたりもしていますか?
髙阪 それはないですけど、四半世紀くらいに渡ってこういうことをやってきていたので、だから「終わっちまうのか」って。まあ自分でもちろん決めたことなんですけど、やっぱりリングに上がる前の練習だったり、ものすごいキツい練習をやって、こうした方がいい、ああした方がいい、というのを積み重ねたり、ここ弱いな、どうしたらそこもっと強くなるのかということを今後やる必要はないわけで。ただもちろん自分は一生格闘家でありたいと思っているので、“強さ”を今後も追求していくことはやっていきたいし、それをどうやったら後に遺せるのかということもすごく重要だと思っているので、そういうところにも力を注いでいけたらと思っています。
ーー対戦を終えて、MMAプロデビュー戦の上田選手は戦ってみて違うところはありましたか?
髙阪 本当にすごいポテンシャルを持った選手だと思いました。もちろん蹴りもそうだし、動きだったりとか、身のこなしというか。「や、すごいな!」と思いました。「すごいな!」と思いながら、なんだろう、どっかで嬉しい気持ちがあったのかもしれないですね、試合中に。ちょっと覚えてないんですけどその感じは。ようやく日本人のヘビー級がこうやって、扉を開いてくれたかっていうような気持ちがもしかしたらあったのかもしれないし、ただでも自分は試合の時は自分自身がしっかり前に出ることと目の前の相手を倒すことしか考えていなかったのでそう言う中でもそういう気持ちがあったような気がします。
ーー勝利し、ご家族から花束をもらい、引退後はどのように活動されますか?
髙阪 まずはやっぱりうちの道場生、アライアンスの道場生たちをしっかり鍛えて強くして、世界を目指せる選手にしていくことがまず第一ですけれども、もうひとつはヘビー級というカテゴリをとにかく絶やさないというか、今後もどんどん広げて発展させていきたい、いけたらいいなと思っていて、そういったところも何かこう、具体的には分からないですけれども、どうしたらいいのかは。何か、そういうことで力になれることがあればいいなと思っています。
ーー実際に今日の引退試合のリングで、ご自分の体の反応や相手の動きに対する反応をご自身でどう判断しましたか?
髙阪 自分自身はすごく良い形で今回仕上がったと思っていて。正直、上田君の動きが見えないところもあったのですけど、自分自身がやろうとしていることに関してはしっかり体が動いてくれていたなっていう風に思います。逆に上田君の体のずらしだったりとか、ああいうところはすごい今後もっともっと鍛えれば必ず上に上がっていけるポテンシャル持っているなっていう風には感じましたけど。
ーー後進の育成がメインになっていくと思いますけれども、ご自身のエクササイズも続けられるのですか?
髙阪 もちろんです。一生続けます。
ーー試合前に自分の体がどう動いてくれるかと仰っていました。蹴りで追い込まれた時にテイクダウンにいった動きですとか、ダウンを奪った右クロスなどは、完全に自分の体が反応した感じですか?
髙阪 何も考えていなかったです。自分はいつも心がけていることがとにかく前に出ること。で、目の前にいる相手をどうやったら倒せるかっていうこと。という、そのふたつだけなので、他の、もしそれが技術かと言えば技術なのかもしれないんだけど、そういったことは練習の中でああでもないこうでもないと言いながら取り組んで、体にどんどん植え付けていく作業をずっとやってきたので、リングに上がったらさっき言ったふたつしか頭の中では考えていなかったので、体が勝手に動いてくれただけです。
ーーダウンの後のパウンドの追撃もものすごく速かったんですけど、あの辺も考える前に体が動いたのですか?
髙阪 そうですね。倒し切るというところ。そのイメージが体にしっかりそこが反応してくれたかなという風に思います。
ーー試合後、走馬灯のように今までのことが頭を巡ったりしましたか?
髙阪 熊久保さん、まさにそれが起こったんですよ。起こりました、本当に。だから最後に名前を挙げた選手たちやああいった連中にのされた記憶とか、あとは、画面に田村(潔司)さんと、坂田(亘)先輩も映ったのかな?リングス時代の思いだったりとか、すごい強い先輩だったので、田村さんは。一緒にスパーリング重ねて来た記憶だったり、新弟子時代を二人で乗り越えてきた坂田さんとの記憶が、一瞬のうちに巡りました。これ、死んじゃうんじゃないかと思いました。「これ、走馬灯ってやつかな」って思うくらい一瞬で色んなことが巡ってしまいましたね。
ーーその中には前田(日明)さんに怒られた記憶もありましたか?
髙阪 前田さんに怒られた記憶というよりかは、自分は前田さんの付き人だったので、付き人時代の、「あの仕事しながら時間やりくりして練習したなあ」っていうのとか、は、後から思い出しましたけど(笑)。
ーー後輩や後進の格闘家たちに伝えたいことは何かありませんか?
髙阪 自分は正直さっき名前挙げた選手たちに勝ってたわけではないし、逆に一発でのされて、ミルコなんて一発で意識とばされてとか、マーク・ハントの試合は途中から全く覚えていない。リコに至っては顔面血まみれにされたし、そういうことがあって戦績的に考えると自分は負けがすごく多かったと思うんですよ。ただそこから学んだことは確実にあって。そこで気持ちをもう一回立て直して前に進むんだという強い意志をもたせてくれたのは、本当に強い連中と肌をあわせた体の記憶っていうのがあったからだろうなっていう風に思いますし、そういう、ああいう連中と戦ってきたっていう自信や、そういうものが、体の奥底にあったから、最終的にKOに結びついたのかもしれないし。だからそういったような総合格闘技のもちろん技術的なことも大事だし色んな局面でどう戦うかの、戦い方もももちろん大事ですけれども、一体ベースが何なのかしっかり見つめ直すといったことも実は重要なんじゃないかなということは、何か伝えられたらいいなあっていう風に思います。
ーー今回引退試合に向けて、さまざまなコンディションを整える上で色々されていますが、多忙だったと思います。試合前に結構なスケジュールでお仕事をされてい多様に思いますが、そういう意味での不安はなかったですか?試合に向けて時間がないだとか。
髙阪 全くなかったです。というのは、もちろん試合に向けてのトレーニング、これも自分にとって大事なことなんですけど、「月刊 格闘無双」の収録だったりとか、それも大事だし、道場の指導も大事だし、実況解説の仕事ももちろんものすごく大事だし、全てのところから何か色んな要素としてモチベーションをもらったりとかそういうことをいただいています。だから逆に忙しく動かしてもらっているほうがありがたい、逆に自分は強くなれるという感じがします。
ーー試合を終えたばかりですが、おそらく色んな方からお祝いなどのメッセージも届くと思いますが、全く何もしなくていいオフを迎えて何が一番したいですか?
髙阪 釣りがしたいです。今ちょうど、バスに関してはものすごく良い時期なんで。今月の終わり頃になると不味くなるので、5月の頭とかになるともっと不味くなるので、今週中には行きたいです。
ーーこの先もずっと髙阪さんは格闘家であると思うのですが、格闘家以外に今後もしやりたいことがあればお聞きしたいのですが。
髙阪 ないですね。ないというか、格闘技っていうものは、これだけ長くやってくるとそれ以外を柱にするイメージが自分にはわかないというか、何をするにもやってきた格闘技をやろうとするんです。情熱だったり取り組む姿勢だったりは。そこから、それを活かして次の何かという形は考えられるのですが、それ以上のものは自分は今想像がつかないですね。
ーー髙阪さんにとって日本の格闘技界は今後どうあってほしいですか?
髙阪 やっぱり世界に目を向けて欲しいな、というのは絶対あります。もちろん国内同士での凌ぎ合いだったり削り合いの中で強くなっていくとかどんどんレベルアップはすごく重要だと思いますが、本当に、一歩外に踏み出してみたときに、「全然リーチ違うじゃん」とか、組んだ時の力が「何だこいつ」っていうのはいくらでもいるので、スタミナの化け物とか異常に体が柔らかい選手だとか、手足長いとかいるので、総合の同じルールの元でやりあえる数少ないチャンスだと思うんですよね。だから世界に目を向けてどんどんどんどん、たとえばこう、海外に練習に行くとか、キャンプ1回張ってみるとか、それで自分の格闘技レベルアップするということが起こると思うので、「これよりもっと」という欲をもって取り組んでもらいたいと思います。
ーー昨日の大会で関根選手が勝利のあと「昭和最強」と叫んだのですが、その場面はご存じですか?
髙阪 分からないです。自分は見てないです。
ーー髙阪さんは「昭和最強」という言葉をどう受け止めますか?
髙阪 いや、それぞれ最強があっていいと思います。関根君には関根君の中にある最強ってものがあるだろうし、自分の中にも強さっていうもののカテゴリというか、自分の思いのある強さっていうのがあるし、それぞれに強さがあると思うので。
ーー特に昭和にこだわりはないですか?
髙阪 ないので。自分は大丈夫です。
ーー先ほど世界へ目を向けて、というお話がありましたが、それはまさに髙阪さんがやってきたことだと思うのですが、特に「対世界」という意味で、日本人の特にヘビー級の選手は厳しいと言われ続けていますが、そのために何を大事にして欲しいですか?
髙阪 まずベースをしっかり作ることが必要なんじゃないかなっていう風に自分は思っています。それはフィジカルだったり、根気強く続けられるだけの、本当にバカになれる頭だったりが、すごく重要だと思います。それがあって、次の技術だったりとか、試合の勝ち方っていうのが見えてくると思うので。最初からフィジカルでかなわないからといって他の方向に逃げちゃうと絶対にうまくいかないと思うんですよね。なので自分も本当に何回も苦い思いをして、フィジカルを強くする、芯をしっかり強くするのはどういうトレーニングか試行錯誤を繰り返して自分なりに見つけられたものがあって、そういう自分にとっての柱をしっかり、時間はかかるけれども、それを見つけることの取り組みをやめないでほしいです。
ーーこれから生活そのものはそれほど変わらないにしても、試合がないとなると普段の生活や考え方、気持ちの持ち様は変わってきそうですか?
髙阪 それはないと思ってます。というのは、やっぱり自分いまだにトレーニングしてても本当に自分に腹が立つ時があって。「なんでもう1回できないんだ」とか、「なんでこの重さが扱えないんだ」とか、タックルいって切られた時「なんで切られるんだよ」とか。毎回、毎日の練習だったりそういう取り組みの中で必ずそういうことが起こっているのですよ。自分は完璧な人間ではないので。穴だらけで、それをどうやったらもっと強くなるのかなっていうことを考えずにいられないというか、そこは全く変わらないので、試合の前の状態、直前の状態がない寂しさはありますが、ないと思って信じています。
ーー試合をしていないだけで来年の髙阪さんがもっと強い可能性もあるということですね。
髙阪 あるかもしれないです。
ーー入場時に黒帯を持って入場したのはどんな意味がありましたか?
髙阪 あれはですね。柔道時代に初段を初めてとったときの帯なんですよ。そこが自分にとってスタートだったなっていうのを思い返してあったので、なので今回持ってきて。その思いを背負うといったら大袈裟ですけども、握りしめて試合やりたいなと思って持ってきたんです、あれは。
上田幹雄「MMAっていう世界の厳しさを教えられた」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
上田 完敗ですね。もう。MMAっていう世界の厳しさを教えられたというか。このどん底から、また1から這い上がっていこうと
ーー世界大会よりも追い込んできたと仰っていましたが、敵わなかったのは、体力、技術、気持ち、どういった面だとご自身で感じていますか?
上田 技術でしょうね。あとまだ経験って言うんですか?空手の時の一個決まればそのまま追い込むっていう悪い癖、MMAでは悪い癖になっちゃうのでしょうけど、そこでもう少し冷静にやっておけばというところなんですけど、変に倒しに行きすぎてそこで一発もらってしまったなという。映像を見ていないので意識はないですがチラっとREPLAY見たらそんな感じでした。
ーーMMAデビュー戦として手応えはありましたか?
上田 自分の技的には何個かヒットしていたので、パンチもですね。そこは追求していきたいなと思いますし。ひとつはテイクダウン取られた中でも立てたのは自分の中でも何とかできたので、あとは経験を積んでいかなきゃなという感じですね。
ーー戦ってみて髙阪選手の印象は、試合の前と後で違うところはありましたか?
上田 印象は特に変わらないですね。やっぱり気持ちの強い方ですし、引退試合だから来るなだろうなと思いましたし。そこでやられたという感じです。
ーー空手時代にこの会場で試合をされたことがあるそうですが、RIZINの舞台はいかがでしたか?
上田 昨日来た時にはああ懐かしいなと思いましたけどオープニングセレモニーから、RIZINと空手は違うと思いましたね。特別な感じがあって、盛大にセレモニーとか行われるので、そこは違うと思いましたけど。
ーー試合を終えたばかりですが、今後の展望を教えていただけますでしょうか。
上田 言い訳なしで、本当に自分が弱かったから負けたので、でもここから這い上がるのが自分自身ですので、自分は空手時代も負けて負けて負けて最後に勝ってきたので、この敗戦を忘れることなく脳のダメージがあるかもしれないので、そのケアをして、しっかり1から這い上がってくるので、皆さんまた応援してください。
ーーダウンを奪われた右のクロスですが、左手を不用意に伸ばしたところにもらった感じがしました。場面を覚えていますか?
上田 もらったのは覚えているのですけど、倒れた後、何発かもらったのは、一瞬記憶ないですね。だから、記憶がないですね。もらったのは、パンてきて、終わったら止められていたので、REPLAYを見て「ああ、こんな感じか」というものでした。
ーー最初の蹴りがうまくいった後で、これは倒せると油断してしまったのでしょうか?
上田 一発前蹴りとか下段、いいのが入ったのでこのまま行こうかと思ったけど経験が違いましたね。そこでも冷静に合わせられましたね。
ーーいい場面もあったということですが、MMAを実際にやってみてどう思いましたか?
上田 やっぱり奥が深いっていうか、経験1年もしていない自分が出れるまだまだ甘い世界じゃないとおもいましたし、また帰ってきたときには強い上田幹雄を見せたいと思っています。
ーーということは、2戦目は少し時間を置きたいですか?
上田 いや、そんなことはないですね。このままできるのであればやりたいですし。呼んでいただけるのであれば、やりたいです。今回こうして経験させていただいたので、プロの世界でそんな経験とか甘ったれたことを言っちゃいけないと思うのですけど、このRIZINという大きい舞台で初戦を経験させてもらったので、この経験をジムや道場にもちかえって、しっかり稽古をしていけば2戦目はこうはならないと思うので、そこは自分自身意識して稽古していきたいと思います。
ーーすぐにでも試合をやりたいと。
上田 そうですねまたやりたいですね、とにかく勝ちたいです、早く。
スパイク・カーライル「スゴイ経験をさせてもらっています」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
カーライル まだ自分自身で試合が見られていないのでまだ上手く分析できてない状態ですが、試合を分かる範囲で振り返ると、1ラウンドは自分のラウンドではなかったですね。彼は自分の作戦を立ててそれをそのまま遂行してうまくやっていたと思います。彼が上に乗っている状態で、僕は彼の呼吸が激しくなるのを確認しながら、このまま落ち着いて我慢しようと。で、そのうちにチャンスがやってくると思っていて、その通りの結果になりました。
ーー試合開始のゴング直後に走り寄ったのは何か理由があったのでしょうか?
カーライル ほとんどの選手が下がりながら戦うことに慣れていないので、とにかく最初にプレッシャーを与えて、たじろうぐようなことをさせたかったんです。
ーー戦ってみて対戦相手の印象は試合の前と後で違うところはありましたか?
カーライル 彼のカーフキックが非常に強くて、自分はそのカーフキックの対応ですごく下手くそな対応をしてしまいました。何でだか分からないんだけど(笑)。恥ずかしながら、カーフキックのチェックの仕方のチュートリアルでも作ってみるよ。レスリングに関しては自分が想像していた以上のものはなくて、なので常に冷静に対応できました。
ーーそのチュートリアルのタイトルは?
カーライル えー?カーフキックの防御チュートリアルとか、そんな感じじゃない?
ーー日本で試合をするのが夢だったと仰っていましたが、初めての日本、また初めてのRIZINの舞台はいかがでしたか?
カーライル とにかく本当に信じられない、アメイジングな経験でした。夢が叶いました。日本語で言うと「スゴイ」。スゴイ経験をさせてもらっています。ひとつ気になったのが、RIZINのロープというのが、誰もケーブルだと教えてくれていなくて、あれは自分の慣れているロープの感触と違う。最初に見た時も驚いて、ちょっと対応するのに時間がかかってしまいました。なので、アメリカに戻ってもあの感触に慣れるために違う素材を探して練習しないといけないですね、あれはロープ素材ではないと思います。
ーーRIZINのロープに対応したいと思ってくれているということは、またRIZINで戦ってくれることを期待していいですか?
カーライル もう120%間違いなく戻ってきたいと思っていて。本当にここで得ている経験は今すごく素晴らしいもので、本当にここ1、2週間くらいの経験は自分の人生の中でも本当に1、2を争うような時間になっていますので間違いなく戻ってきます。
ーー試合に勝利して、これから日本でしたいことや食べたいものがありますか?
カーライル 金曜日まで延泊したので、何をやるかはまだ分かっていないですが、滞在中に富士山の山頂から日の出を見てみたいんです。ダメージはそんなに負っていませんがカーフキックのダメージでどれだけハイキングできるか分からないので。今回の滞在で新しい友達もできましたので、その中で旅に出て日本を見てみるかもしれないですし、今はチームメイトと一緒にこの勝利を祝いたいです。
ーー「BLEACH」の黒崎一護のコスプレで入場されましたが、斬魄刀などはどこで用意したのですか?
カーライル あれはRIZINスタッフに用意してもらいました。もともとは違う入場プランがありまして、それは今は言いませんが、もっとド派手な、人をかけたことだったんですが、色々コロナの状況もあってできなくなってしまったので、急遽こちらに変更しました。また次の入場はもっと、コロナ対策も和らいでいるのであれば、もっと大きなド派手な入場をやってみたいと思います。
ーー何度か武田選手から頭から落とされましたけれど、それはPRIDEのヒョードルの試合が参考になりました?
カーライル ははは、そうです、その通り。間違いなくヒョードルvs.ランデルマンの試合を参考にして、高いところから落とされる練習を何度もやってきたので、そのおかげで、今日は対応することができました。
ーーフィニッシュですが、それまではボディロックからのテイクダウン、スープレックスでした。最後はシングルレッグで武田選手が入って頭が腋に出たところを、ギロチンのチャンスであると狙っていましたか?
カーライル そうですね、あれは自然と出て、もう一回見直さなくてはいけないのですが、おそらく自分が打撃をあてて、その流れで武田選手が足を取りに来たのだと思いますが、隙と言うか、チャンスがあったので、それを取りに行きました。自分は何でもできるファイターとして誇りをもっていて、打撃もグラップリングも両方できます。今回が14勝中13個目のフィニッシュになります。7つ目のサブミッション、6つのKOがあるので、次は全部バランス良くするためにKOしたいと思います。
ーー日本のチャンピオンをことごとく破った武田選手に一本勝ちしました。RIZINでの次のターゲットは誰ですか?
カーライル それは私が決めることではなく、より力のある存在がその相手を導いてくれると思いますので、その決められたことに従い、同じように結果を出すだけです。
ーーファンが待ち望んで遂に日本に来てくれて、ルールの違いにやりにくさはありましたか?
カーライル このルールはMMAにおける最高のルールだと感じています。グラウンドの状態で頭部に膝をもらったことはなかったわけですが、何発かもらってしまって、あれは気分のいいものですよね、幸い食らったものは特に強くなかったですし。とにかくこのルールは好きですよ、リングで、ロープでなくケーブルなのでここにもしっかり対応しなくてはいけないと思いましたが、とにかくルールは最高だし好きです。あと、自分としては、試合をフィニッシュすることへのこだわりが非常に強くて、最初にRIZINルールを読んでいた時、RIZINの採点はダメージに重点を置くということだったので、1ラウンド目、彼がテイクダウンしてきて、たしかに自分は劣勢でしたが彼に有効打があったわけではなくダメージをもらっていないし、辛抱すれば必ず自分がダメージを与える状況になると思いながらやっていました。
ーー先のことは言いたくないでしょうけど、今日これからソウザ選手がタイトルマッチをやりますが、どちらかのチャンピオンとやりたいと思いますか?あるいはもう少し自分の名前を上げるために何人かとやりたいですか?
カーライル 今回ジョニー・ケースとは友達になってしまったから、少なくとも今夜はジョニーに勝ってもらいたい。彼はスゴイやつです。結果は神のみぞ知るということになりますが、友達とやるのは、できれば避けたいですね。とはいえ目の前に与えられた対戦相手とは誰とでもやります。ソウザ選手が勝てば、素晴らしいタフなチャンピオンなのでやりたいと思います。正直自分はこれから全盛期に入ったばかりです。もうすぐ29歳になってこれからもっともっと強くなっていくと思うので、とにかく試合をしてその中で目の前の相手を、チョップで落とすなり絞めて落とすなりして、勝つためには何でもやりたいと思います。それから仲間内でもたくさんの人が言っているけど、RIZINとBellatorのコネクションがあることで、選手が両団体が行き来できるのは素晴らしいことです。両方で戦うことが目標ですね。そして両団体のチャンピオンになる。そして、71kgのキングになるよ!ふっふっふ。
武田光司「来月にも海外に行きたいと思っている」
ーー試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか?
武田 負けました。以上です。
ーー試合前のインタビューでは、「覚悟は決まっている」と仰っていました。今それについてどのように感じていますか?
武田 まあ覚悟は決まってたんですけど、ひとつのミスで、しっかり仕留め切るっていうのが、相手がうまかったし、僕のミスです。ミスとしか言いようがないです。
ーー最後のフィニッシュシーンの決まり手に行ってしまったところで、そこでもう少しできた、といった思いはありましたか?
武田 あそこで多分フック貰ってると思うんですよ、僕が。そこで、自分の作戦を話すと、タックル入る時、あっちに行かないつもりだったんですよ。「絶対ギロチン狙っている」っていう。映像見ていてもギロチンに入っている形が多々あったし、あそこに入ったら絶対、サウスポーってこっち(左側を指して)に入るんですけど、やられるからあっちに入らないと自分の中で決めていたし、逆のタックルを練習していて。で、まあ各ラウンドごとの作戦を話すと、1ラウンド目は打撃は出さずに、組めたら組んで漬けて。で、狙えるところは狙って。で、カーフキックをメインに、相手がサウスポー、スイッチヒッターなので、カーフキックで。で、オーソドックスで来たら、絶対ぶんぶん振ってくるのが分かっていたので、ジャブからのハイキックと、後はこう、ぶんぶん振り回してくるのをどんどん捌いて、捌いて、捌いていって、各ラウンドごと、スタミナ削っていこうという作戦だったんですけど。1ラウンド目は僕の中で、打撃をもっと出した方が良かったんじゃないかと思っている人はいるかもしれませんが、僕の中では「見る」っていうチョイスだったので。形通り遂行できたのかなと思ってますけど。ま、2ラウンド目のあそこですね、ギロチン。あそこでギロチン極められたのは僕のミスですね。
ーー途中でローブローもらって、インターバルでの時間が短かったように思いますが、そのことは回復面で影響はなかったですか?
武田 今更グダグダ言ってもダメなんですけど、もうちょっと休めば良かったです。死ぬほど痛かったので、膝入って。そこも僕の考えが……何とも言えない選択だったんですよ。相手も結構肩で息しているっていうのが見えたし、そこで自分が休んだら相手も回復しちゃうので、もうちょっと回復のために休憩しても良かったかなと自分の中で感じました。次に活かしたいですね
ーー対戦を終えてスパイク・カーライル選手の印象は、試合の前と後で違うところはありましたか?
武田 フィジカルで負けるかなと正直思ったんですけど、組みにおいても。だけどこう、四つだったりの展開、漬けるっていうテーマだったんですけど。組みになったら。そこでフィジカルで負けているとは思わなかったし、終わった後に少し(スパイク選手と)話したんですけど「組みがすごい強い」って言ってくれたので組みに関しては自信を持っていいかなと思ったんですけど。組みだけじゃないところももっと出したいし、見せたい。見せたいというより、もっと見せなければいけないと試合で思いました。あとはまだ宮田先生には言ってないんですけど、試合終わったあとにカーライル選手と話して、「カリフォルニアで練習しているから来い」と言われたんで、BRAVE GYMっていうのは僕の中では、話をまとめると「めちゃくちゃ居心地がいい」んですよね。ずっとやっていたのもあるし、僕は子どもの指導をしていたりというのもあるんですけど。それは悪く言えば誰かのためにやっているわけであって、自分のために自己中(心的)で行くためにどうすればいいかと言ったら、やっぱそのBRAVE GYMを出て海外に挑戦したいというのがあるので。現状で海外に挑戦した結果はこれだったので、だからまあ宮田先生に話して、せっかく対戦相手のカーライル選手が来いと言ってくれているので、来月にも行きたいと思っていますね。宮田先生は怒るかもしれないけど。「何勝手に決めてるの」って言われたらどうしようとは思っているのですが。結果が出た以上、負けは負けだし。で、この結果に満足していないので、僕は。挑戦するというテーマを持っているので。だから「海外に行ってやらしてくれ」と、この後で宮田先生に話そうかなと思っていますね。別に負けたから行くとかじゃなくて、改めて再認識したという感じですね。
ーー試合前にも、そして先ほども海外のお話が出ましたが、今後の展望は海外を意識した練習環境や試合をしたいということでしょうか。
武田 もちろんそういう感じですね。“海外に行きました” で、海外に行ったからといって強くなるかと言えば分からないです。やってみなきゃ分からないし、だめだったらだめで帰ってくればいいとか、そういうわけじゃないんですけど、あわなかったらあわなかったでまた戻ってくればいいし。でもやらないことには始まりはないと思うので。是が非で行かせてもらえたらと思いますね。
ーー作戦のうちにカーフキックがあり、効果的でした。
武田 多分、僕が蹴るっていうチョイスが相手にはなかったと思うんですよ。絶対打撃からぶんぶん振り回して組んでくるだろうと考えていたと思うので、前足がスイッチしたときに右足が外側に向いてる傾向だったので、カーフだなと思っていたので、そこは自分で考えて、カーフ出しました。