サトシにマウントを取られたら地獄…!その恐ろしさを語る
ーー絶対にバックを取られたくない!っていう判断で自分から背中をマットに着けた訳ですけど…サトシ選手と向き合ったら向き合ったで、これはこれで恐ろしかったですよね…!!
あれ見ちゃうとサトシ選手にマウントを取られたら、たぶん誰も返せないんじゃないでしょうか。下になった選手はやっぱり後ろを向いて逃げようにもバックを取られるのも絶対に嫌でしょうし。
ーーでもでもっ!正面を向いたらあの恐ろし~いパウンドが容赦なく降ってくるわけですよね??!ひぇ~~~っ!!
矢地選手も逃げようと思って一旦後ろを向くんですけど、後ろを向いた方がヤバいと思ったんでしょうね、すぐに正面へ向き直すんですよ。でも正面からは鉄槌が。これはサトシ選手が二重三重に罠を張っていたからこうなったんでしょう。だからサトシ選手にこのポジションを取らせたら『終わりの始まり』なんです。
ーーまた出ましたっ!!『終わりの始まり』!!フゥ~~~ッ↑↑!!
それにしてもこれを矢地選手にやる、っていうのもすごいですよね。矢地選手も決してフィジカルが弱いわけではないですから。マウントを取られた場合って、通常はエビ(腰を捻りながら身体を丸くする)したり、腰を上げて相手を前に落としたりするんですけど、それもさせてもらえないくらい、サトシ選手のマウントポジションはすごく安定していましたよね。
ーーそう言えばたしかにーーっ!!上に乗っているサトシ選手は全っ然動いている感じはしませんでしたねっ!!
マウントになった時って、もうちょっと前、胸とか鳩尾(みぞおち)の上あたりに乗っちゃうんですよ。でもサトシ選手はちゃんと矢地選手の骨盤の上、腰の上にしっかり乗っているんです。だからあんなに安定していたんです。
ーーひぇぇ~…そ、それにしても、矢地選手はサトシ選手のパウンドがこーんなに強いってことは想定していなかったんですかね??
想定も何も、サトシ選手相手にこのポジションになることは超絶不利ということは分かっていますから、このポジションには絶対になるまいと思っていたでしょうね。しかし、このポジションになってしまった。結果、やっぱり超絶不利で、正面からはパウンド、逃げようとすると首を取られる。もう蟻地獄以上の蟻地獄ですよ。エグいっすよね。
ーー出ましたっ!!チャーリーさんから「エグい」の一言っ!!
マウントのポジションって、すごく不安定なんですよ。でもこんなに安定していて、しかもパウンドを打った数は77発でしたっけ?こんなにパウンドを打てる人は見たことないかもしれません。
ーーチャーリーさんでも見たことないって…それってすっごーーーく凄いことじゃないですかぁ!!
普通はバランスを崩されて、相手の頭の位置に手が着いちゃったりするんですが、それもない。体幹とバランスが素晴らしいですね。矢地選手も逃げようとして動いているんです。横向いたり足を踏ん張ったり、でもビクともしない。それすらさせてもらえない。本当に衝撃的な強さでしたね。
テイクダウンされたあの時、もし矢地選手が振り返らずバックを取らせていたら一体どうなっていたのか…。そこがまだ未知の部分ですよね。背中を取られたらヤバいことは分かっている、だったらマウントをあげてボコボコにされた方が良いやと思わせるような驚異が、サトシ選手にはあるんです。ああいう試合を見せられてしまうと、また『サトシ幻想』がすごい広がりますよね。
再び広がる『サトシ幻想』
ーーチャーリーさんっ!私、今回の振り返りでしっかり覚えましたっ!!サトシ選手がマウントを取ったら、もう逃げられないということを…っ!!
そうですね、あのポジションはサトシ選手の必勝パターンじゃないかと思うくらいスキがないですね。
ーーおおーーっ!!サトシ選手の必勝パターンっ!!
必勝パターンと言えば、アミール・アミアックバリというイラン人の選手がいるんですけど、彼には必殺パターンがあるんですよ。『マット・ヒューズポジション』っていうのがあるんですけど、アミール選手がそのポジションに入ると、もう誰も逃げられないんです。
用語解説
マット・ヒューズポジション
相手の上体に自分の上体を横向きで乗せて抑え込む体勢(横四方固)から、自分の足や腕を使って相手の両腕を固定し、フリーにした腕で肘やパウンドで相手の頭部を攻撃する技。UFCの元王者、マット・ヒューズが使っていたことから『マット・ヒューズポジション』と呼ばれている。
ーー…まっどひゅーずぽじしょん???...あーーーっ!コレのことですね!!ふむふむ。
英語だと「クルーシフィクス=十字架」って言われています。そのポジションになったら試合が終わるんですよ。あ、試合自体が終了するわけではないですよ。アミール選手が『マット・ヒューズポジション』に入った時点で、見ている人たちは「あ、もう終わり。トイレ行こう」って感じになるんです。(個人的な意見です)
ーーほうほう、アミール選手は2016年に無差別級グランプリで準優勝になった選手ですねっ!!
そうですそうです。それくらい、アミール選手にとって『マット・ヒューズポジション』と言うのは最強のポジションなんですよ。
雷美メモ
アミール・アリアックバリ選手は16年9月のRIZIN.2、そして17年4月のRIZIN.5でこの『マット・ヒューズポジション』から強烈なパウンドでTKO勝利を上げている。
ーーなるほどなるほど、また一つ新しい格闘技用語を覚えましたっ!!アミール選手が『マット・ヒューズポジション』で絶対に負けないのと同じ様に、サトシ選手もマウントポジションを取ると絶対に負けないという感じなんですね~~。
サトシ選手もそれに近い空気がありましたね。いわゆる「詰み」の状態ですね。雷美さん、「詰み」は分かります?
ーーも~~!チャーリーさんっ!それは私も分かりますよ!!将棋で「もう勝てない!」っていう場面のことですよねっ!!
正確には、自陣の王将が敵の駒から逃げられないで負けることですね。まあでも普通は、マウントを取られた状態から色々と展開があるのがMMAなんですけどね。マウントを取られた時点で「詰み」というのは…藤井二冠くらい別格じゃないとありえない話ですよ。
ーーん??…そ、それは格闘技の藤井さんですか??将棋の藤井さんの話ですか???
あ、将棋の話です。
ーーあ、あ、ですよね~っ!!藤井って聞くとどうしても“秒殺女王”の藤井惠さんを思い浮かべちゃって…テヘッ★
…僕が思っていたよりだいぶ格闘技変態脳に成長していますね、雷美さん…。
話を戻しますが、マウントを取られたら、普通だったらあそこからいろんな展開があるんですよ。たしかに、マウント取るのは超有利なポジションですよ。でも普通はあそこから二転三転するんですが、サトシ選手の場合はそうさせない強さがある。だからあの時点で「詰み」になっちゃうんじゃないかなって思うんですよね。サトシ選手があのポジションになってからの展開をもうあと1、2回くらい見てみたいですよね~。
ーーおおーーっ!!チャーリーさんの妄想が掻き立てられていますね…っ!!
逆にあそこで矢地選手がサトシ選手に背を向けてバックを取らせていたらどうなっていたか、サトシ選手はバックを取りきれるのか、一本極めきれるのかを見てみたいですよね。…まぁ、タラレバの話しですが。
ーーたしかに~っ!!それはそれで見てみたいですねーーっ♪
こうして想像することで、再び『サトシ幻想』が広がりますね。
ーーそういえばっ!!サトシ選手のRIZINでの戦績って未だに一本勝ちってないんでしたっけ…???
ないですね、一本勝ちはないっす。
ーーわわわっ!!!一本勝ちがないどころか、2月のエキシビジョン以外の勝った試合の決まり手は、全部グラウンドパンチですよ!チャーリーさんっ!!!とんでもない結果ですよっ!
…まだまだ底を見せてないですね。これぞ『サトシ幻想』ですね。
チャーリーが説く、サトシ・ソウザの攻略法とは!
ーーとは言えですよっ!!昨年10月のライト級グランプリでは一回戦で敗退していますから、今のサトシ選手がRIZINライト級のどの位置にいるのか、もう私にはまっったく分かりません~~っ!!
去年のジョニー・ケース戦の時点で、サトシ選手は今回と同じくらいの能力は当然あったと思いますよ。ただジョニー・ケースはグラウンドの体勢に持っていかれる前に、パンチを当てれたので勝てたんだと思います。ジョニー・ケースが矢地選手と同じ体勢になったら、僕は同じ結果になっていたと思うんですよね。
ーーむむむっ!!!チャーリーさん!!それってどういうことですかーーーーっ??!
どうもこうも…ムサエフが相手だってどうなるか分かりませんよ。矢地選手がマウントをあげた場面、もしムサエフだったら多分、バックを取らせたと思いますね。で、そっちで勝負する。もしそうなったとしてもサトシ選手は逃さないと思うんですけど。あの体勢になったら皆、たぶん本当に逃げられないんじゃないかなと思いますよ。
ーーええーーーーっ!!って言うことは、今のサトシ選手を攻略できる相手はいないってことですかーーーっ??!
サトシ選手の攻略法としては、如何にあの体勢になる前にサトシ選手を倒すか、ということじゃないですかね。って、これ攻略法なのかどうかわからないですが。
ーーんんん??それって、寝技に持っていかれる前にKOする、とかそういう話ですか???
そうですね。そうなると、やはり去年のジョニー・ケース戦のような試合になる。顔面を拳で殴る。サトシ選手は殴られ慣れていないですし、本人も痛いのは好きじゃないって言ってますからね。そこを克服するのはなかなか出来ることではないと思いますから。サトシ選手の攻略法は、痛みで心を折るしかないのかもしれませんね~。
ーー…MMAやっているのに「痛いのは好きじゃない」って…ぴえん。
まぁこんな馬鹿なことを言うくらいしかサトシ選手の攻略法が見つからないっていうことですよ。本当に強いですよ。
あと、サトシ選手の怖いところは、同じグラップラーの渡部修斗選手のように愚直にテイクダウンに来ない所ですね。ひたすらタックルに来て前に押し込んでくるというスタイルではないところです。ちゃんと打撃も打ってくるから怖いんです。打撃を怖がらないで打ってくる柔術家は強いですよ。
ーーひぇ~~っ!!でもでも、今後サトシ選手を誰がどう攻略するのか、チャーリーさんのお話を聞いて、また楽しみが増えましたっ!!
それこそ昨年のグランプリで対戦が叶わなかったムサエフやパトリッキーとサトシ選手が闘ったらどうなるかとか、想像すると面白いですよね。でも、誰とやっても負ける可能性もあるし、勝てる可能性はあると思います。
ーー良いですね良いですね〜っ!妄想が膨らんじゃいます♪♪そして最後にリング上で雄叫びを上げるシーン!!ちょ~~格好良かったですよねっ!!
あ…僕あんまりそういう所、見てないんですよ。。すんません。
ーーええーーーっ!!見てないんですかぁ~??!あの野性味溢れる雄叫びをっ!!あの後、最高の笑顔で「バーベキュー食べたい」っとか言っちゃう、あのギャップ!!あのギャップがサトシ選手の魅力ですよね〜〜!!ああいうところに女子はキュンッキュンしちゃうんですよ〜〜★
は、はぁ…。本当、つまんない男ですみません。僕、試合しか見てないんで…。選手に感情移入してしまうと中立でいられなくなってしまいそうで...。あ、そう言えばRIZIN.23の振り返りをしていません、あっちは良いんですか?
ーーそうなんですよ~~!!RIZIN.23もいろいろお話し聞きたいですっ!!またお話聞きに来てもいいですかぁ??
いいですよ。次の大会の追加情報が決まるまで、気長にやっていきましょうか。
ーーはーーいっ!では、また次回もよろしくお願いしまーーーっす!!