8月12日(月)、GOOD SPEED presents RIZIN.18に出場する水垣偉弥が練習を公開した。
水垣はCAGE FORCEでバンタム級タイトルを獲得した後にUFCへ活躍の場を移し、世界の強豪達と凌ぎを削ってきたファイターだ。UFCでは日本人唯一の5連勝を飾るなどの輝かしい実績を残し、これまで38戦と豊富なキャリアを誇る。RIZINには今回が初参戦となるが、王者である堀口恭司の首を狙うと宣言している。次戦ではRIZIN軽量級の門番として活躍するマネル・ケイプと対戦が決定しており、堀口と対戦を目指す上では絶対に落とせない一戦となる。
公開練習はシャドー、ミット打ち、マススパーリングで軽快な動きを3R披露し、囲み取材に応じた。
ー質疑応答ー
ーー試合が今週末に迫ってきましたが、現在のコンディションと心境は?
心境は、ここまでくると試合に関してはやるだけって感じで。どっちかっていうと今は計量のプレッシャーの方が(あります)。毎回そうなんですけど。練習は切り上がっているので、試合の事は一回忘れて、体重をなんとかすることに集中しています。
ーーRIZIN初参戦となりますが、改めてご自身の強みやファイトスタイルを教えてください。
(昔とは)結構変わって、年齢の為の劣化と必死の工夫の末、昔は打ち合いが自分の長所で、そこで勝てる為の練習をしてきた。でも今はそこでどうもやられてきて(笑)あと、コーディー(・ガーブラント/元UFCバンタム級王者)とか世界のトップとやって、強みの部分で勝てないので、もう一回選手として上を目指す上で変えていかなきゃいけない部分が多くて。今はその時よりも打ち合いに固執せずに、相手の弱いところを攻めるというか、いろんな選択肢を持って相手に考えさせたいなというのが強いので。そういうスタイルに変わってきたかなと思います。
ーー対戦相手のマネル・ケイプ選手の印象や、特別対策などは?
基本的にあんまり特別な対策というのを今まで一回もした事がなくて。相手の試合を見て、それを普段の練習の中にどう落とし込んでいくか練習している。ケイプは身体能力が高いのは見てもわかると思うんですけど、めっちゃ頭がいいなと。前回の試合見ても1Rと2Rでリズムを変えてきたりしてるので、そういうのを本当に気をつけなきゃなと。身体能力についてはやってみないとどんな隙があるのかとか実際のところは分からない。クレバーな部分にも気をつけていますね。
ーーファイトスタイルの変化と仰っていましたが、どのくらい自分の中で進んでいますか?
前回のDEEPでの試合で割とやりたいことの欠けら等は見せられたので、50%くらいなんですけど。バテちゃったのもあって慣れてないスタイルなので、ちょっとずつかなと。まぁちょっとずつというような残された時間もあまりないんですけど(笑)。でも急には変われないし、練習だと良いけど試合になると前回みたいに疲れちゃったりと難しさはありますけど、半分は超えてきたかなと思いますね。
ーーその状況の中でケイプ選手という強豪と対戦する上で、不安などは?
まぁでもだからって試合を延ばすわけにもいかないので。年齢的にも残された時間はないので、やりながら変えていって、それでダメならもうそこまでの選手だったのかなと納得がいく。やれることやって強い選手にぶつかっていって、うまくいけばやったーだし、上手く行かなくてもやれることやったし、しょうがないと思えるようにしたいですね。
ーー逆に言えば今の状況でも勝てる自信がある?
自信は…どうですかね。格闘技に対する自信はなくて。ドミニク(・クルーズ/元UFCバンタム級王者)にやられてから自分が強い選手だとは全く思えなくて。でも現実を受け止めて前に進むしかないかなと。なので自分の格闘技に対する自信はとっくの昔にないですね、はい(笑)
ーーRIZINの印象は?
MMAファンが沢山見ているのと同時に、RIZINのファンも沢山いると思う。そういうファンにもアピール出来る試合ができればと思います。ケイプはRIZINで何試合もやっていて目立っている選手の一人だと思うので、目立っている選手とやって。Twitterで絡まれて、上手く返せれば良かったんですけど、それも出来なくてゴメン、ケイプと思いながら。でも注目のいい相手だなと思ってます。
ーー試合と関係ない質問ですみません、関東学院大学の小泉(進次郎)さんがご結婚というビッグニュースがありました(水垣選手の母校)
横須賀は隣町ですし、まぁ僕が何か言うことは特はないんですけど(笑)でも関東学院の先輩ですしね。毎回なんですけど、日本でやるとき、当時の研究室の先生や同期が今回も名古屋まで応援に来てくれるので、関東学院万歳です。
ーーニュースを知ったときは?
いや、全然身近な人ではないので(笑)ただ、地元で有名な人ですし、関東学院の先輩なので。まぁ遠い存在ですね。
ーー堀口戦を目指すとなると、今回の試合は勝ち方も問われるかと思います
そうですね、良い勝ち方ができればいいかなと思うんですけど、まずは勝つことが一番大事で、自分の強さを示さなければいけない。その上でいい勝ち方ができればなと思います。堀口選手となるべく早く(試合を)実現するためには圧倒していい勝ち方をしたいなという気持ちがあります。
ーーUFCの時は堀口選手をどう見ていた?
(堀口選手は)タイトルに挑戦してDJ(デメトリアス・ジョンソン/元UFCフライ級王者)とフルラウンド戦って。その時は負けちゃったけど、これから先を考えれば全然チャンスあるなと思ってました。今はRIZIN、ベラトールのチャンピオンで凄まじいなという印象しかないですね。自分も北米でやってきたので、ベラトールのベルトの価値がどれだけ大変なことなのか肌身で分かっているので、本当に尊敬しかないですね。
ーー堀口選手は昔に比べて格段に上がっている?
昔から強かったですけど、海外に拠点を変えて、もう一皮(むけて)強くなった印象はありますね。
ーー堀口選手にはいつから注目していた?
やっぱりRIZINに出てから階級が僕と同じくらいになったので、そこからちょっと注目してて。RIZINのチャンピオンになって、ベラトール(でもチャンピオンになって)、本当そこでピークですね。やばい日本人だな、日本人MMA史上最高じゃないですかね。UFCの時は階級違うし、同じ階級になったのか、という緊張感もありつつですね。
ーーご本人としては上回っている部分は?
どうですかね?上回っている部分があるかどうか怪しいところですけど、リングで向かい合っちゃえば何が起こるか分からないんで。そこに賭けたいですね。とりあえず先ずは(堀口選手の)前に立つこと。後は前に立つことが決まってから考えればいいかなと思っています。
ーー7月のバンタム級の4人の試合はご覧になりました?
そうですね、この階級は日本人が強いなという印象ですかね。その中でもあの4人(石渡、佐々木、扇久保、元谷)は日本のトップなので、いい試合を見せてもらいましたね。緊張感がヤバいなと(笑)本当はあの辺とは絡まずに、堀口をさらって行きたいですけど、絡む事になったらヤバいですね。怖いですねー。まぁ憂流迦くんとはうちのジムで練習してた事もあったので、肌で強さもわかっているので。いやー、嫌な階級ですね(苦笑)