RIZIN.15に出場する北岡悟が都内で公開練習を行った。
北岡は初代戦極ライト級王者、第8第DEEPライト級王者になるなど輝かしい実績を誇り、MMA69戦と豊富な経験を持つファイター。公開練習では独特ともいえるシャドーを披露した。
シャドーの最中に独特な呼吸をする北岡選手。
右フック、左ストレートと、動きの確認をするようなシャドーを見せた。
ー質疑応答ー
ーー今日の公開練習のシャドーですが、独特に見えました。
北岡 疲れないようにというのと、最低限の動きは見せようかなと。
ーー今日のシャドーはいつもやられているような感じでしょうか？
北岡 はい、力まずでしたけど、習っていることを多少意識しながらしてやっています。
ーーそれは呼吸とかも？
北岡 はい、呼吸とムーブメントなど色々あるんですけど、たくさんの人に習っているので、それを自分で混ぜている、という感じです。
ーー今回は71kg契約ですがいつもと変わらずという感じですか？
北岡 70kgの時はその1kgがいつも苦しいからそれが無い分、とは思ってましたけど。自分の体がちょっと大きいなとは思います。帳尻は合うでしょう。10日切りましたけど、細かく体重計に乗るタイプではないけど最終的に体重は合うので。
ーー対戦相手に合わせた練習が多くなるのか、それともこれまで通りの練習をされているのでしょうか？
北岡 今回は寝技、組み技が強いというのが勿論あるんですけど、去年の武田選手がレスリングが強いと思ってやったけど、結局打撃で攻められて負けたから、そういうことではないなと思っている。自分が、強くなることを大事にしてきたと思います。
ーー自分が強くなることを大事というのを具体的に言うと？
北岡 2年間くらい四苦八苦してきたのが年末に向けてやってる最中にまとまってきて形になったので、それをより伸ばすような意識でやってきました。この3ヶ月半は。
ーーまとまってきたというのは技術的な事でしょうか？
北岡 色々です。技術的なこともそうだし、考え方もそうだし。MMAなのでパーツを磨かなきゃ全体の力は伸びないんですけど、自分の形であることが大事だということに行き着いた。途中で負けたり、戦績が振るわなかったり、失敗しているように見えたけど、やってきたことは活きていてみたいな。それは自分の形に戻ったからこそ意味がわかるというか。
最近これを人に説明するのが難しくて。鍋って表現をしているんですけど、鍋の具材で合わなかったと思っても、実は出汁がきいて残ってて、それが意味があるみたいな。例えばネギが嫌いでも、鍋で煮ているからこそ出る味があって、鍋から出してもネギの味は残っている。僕はネギ好きですけどね。…というように「鍋」って表現をしています。
ーーそれは試合・練習を重ねてきて分かった事ですか？
北岡 僕の場合は試合でも試してミスして、ていうのが大きい。試合でミスするっていうのは大失敗の事なんですけど、それががあるからこそだとは思っています。
ーーサトシ選手は特徴的な動きをするように感じますが、どう見ていますか？
北岡 スタイル的にそう見えやすい。結局、人として格闘技選手として強いという風にしか思わないというか。戦績が綺麗なのは、やりようかなと。逆に失敗していないから、鍋の話に通じる事ですけど、いい素材があってその味でもっていっちゃうみたいな感じですかね。
ーーそれでも強い選手と認める？
北岡 はい、強いでしょう。有無を言わさず強いんでしょう。多分。
詳しく知らないし、知りたくも無いけど、生まれ育ちで鍛えられているものもあるでしょうし、そういったものに対して、別に侮るような気持ちはない。覚悟がある人間なんだろうなと思っています。
ーー青木選手がONEで王者になりましたが、メンタル的に何か変わったことは？
北岡 関係ないです。良かったねと思います。あれ、まずいですか？笑（ジムにいた青木選手へ声をかける）
ーー鍋の話になってしまうんですけど、完成形ってないと思うのですが？
北岡 鍋には完成形がない。終わりがないから面白い。人によっては飽きたよと言われるから淘汰されていく。それを創意工夫するから楽しんでもらっているんだと思います。世の中には出汁が分からない人も多いし、そういう人の口には合わないとは思うけど、そういう人には接客しないのでどうぞ帰ってくださいって感じです。ソースの味が出汁だと思っているやつにいちいち説明しない。
ーーこの試合がGPの査定試合になるかと思いますが？
北岡 別にそれも気にしていなくて、単なる試合。トーナメント、GPとかじゃなくて、単純に今年を生き抜いていくという思いがあるので、勿論勝ちたい。どんどん試合はしていきたいけど、先のことを考えるような相手じゃないと思っている。最終回かもしれないような試合だと思っています。
ーー相手はバックを取るのが強い選手ですが、北岡選手はこれまで極められたことがない。そういう意味での自信は？
北岡 関係ない。取られる時は取られるでしょうし。六年前、ゲイリー・トノンとやっときはスイープされてバック取られた瞬間もう無理だと思った。早くタップしちゃった記憶がある。ダメな時はダメでしょう。MMAはラッキーなことにないけど。
ーー今回横浜で開催になりますが、何か特別な思いはありますか？
北岡 一応ジムが横浜にあるので。あ、ジムのチラシを新しく作らせていただきまして（チラシを見せる北岡選手）。全く商売っ気がない感じなんですけど。別に横浜愛とかもないんですけど、一応ジムが会場に近いということで、頑張ります（笑）
ジムのチラシを手に撮影に応じる北岡選手