12月25日(火)、神奈川県内にあるRISINGSUNにて『Cygames presents RIZIN 平成最後のやれんのか!』(12月31日、さいたまスーパーアリーナ)に出場するリオン武の公開練習が行われた。

RIZIN初参戦となるリオンは、この日マススパー2分、ミット打ち2分を行った。38歳のベテランファイターは武器である右のパンチに磨きをかけながら、対戦相手の朝倉未来を「クレバーでよく研究をしている選手」だと評価。「総合格闘技ではなく、MMAという新しい競技に取り組んでいるので新鮮です」と新人選手のように目を輝かせて話す。格闘家として大晦日の舞台に立てる喜びを噛みしめながらリングに上がる。

以下、質疑応答

——変わった練習をされていましたね?
リオン 右が武器なので、右を当てるために色々と研究をしています。(今日のトレーニングは)そういう練習です。

——今日は右だけしかやりませんでしたが、手の内を隠した感じですか?
リオン 自分が勝つのは、やはり右だと思うので。昔から右が得意ですが、研究もされているので、そこを当てようと思って磨いています。出稽古先のKRAZY BEEに、右を当てるのが上手い、いわば「右ストレート職人」の朴光哲選手と、田村一聖選手の二人から行くたびに色々と教わっています。意見交換をしながら少しずつ分かってきたというか、自分なりの右を当てる感覚が分かってきたかなと。

——復帰して2試合をやりましたが感触は?
リオン う~~ん…どうですかね。それなりにやれていると思いますけどね。

——修斗のチャンピオンだった時を10としたら現在はどのくらいの強さですか?
リオン 昔よりは確実に(現在のほうが)強いですね。来年で39歳になりますが、20代の頃より確実に強いですね。フィジカルも、技術も自信あります。確実に(レベルは)上がっています。

——フィジカルも上がっているのですか?
リオン 3年前に5連敗して、その復帰するきっかけとなったのがフィジカルトレーニングの強化でした。体つきを見てもらえれば分かると思います。体だけでなく、技術的にも20代の頃より確実に強くなっていると思います。

——RIZINから最初にオファーを貰った時の感想は?
リオン びっくりしました。え?なんで僕なんだろう?って(笑)。

——なぜオファーが来たと思いますか?
リオン いや~・・・未来選手の相手がいなかったんだと思います(笑)。

——大舞台に久しぶりの出場する気持ちは?
リオン すごく嬉しいですね。有難いです。平成最後の大晦日に声をかけて頂いて。選手冥利に尽きると言いますか。長く選手をやっていて良かったと思います。

——朝倉未来選手の印象は?
リオン 振りが大きくて鋭い打撃と、結構クレバーな面もあるので、すごい強豪選手だと思います。日沖発選手をハイキックでKOさせた印象がすごくありますね。

——その試合を観てどう思いました?
リオン う~~~ん…日沖選手が最近、調子を落としていたのもあると思うし。もしかしたらって思っていたんですよ。で、結果を知って後日、動画を見た時に日沖選手の動きが悪かったので、テーピングを見る限り膝が悪かったと思うのですが。膝が悪いと調整ができず、スピードも出ていなかった。日沖選手は自分ら同世代のスーパースターなので悔しい気持ちがありました。

——ちなみに朝倉選手はリオン選手を知らなかったのですが…
リオン やはり12、13歳違えば仕方ないですよね。僕がDREAMに出て3連続KOとかしていても7年前のことなのでもう忘れさられちゃうんだなと。大晦日に出て7年が経てば忘れられちゃうのですから、なかなか切ないものがありますよね(笑)。まあ、プロスポーツとは、そういうものだと思います。これがプロ野球でもJリーグでもそういうものなので仕方ないですね(笑)。

——朝倉選手は(リオン選手の)右が強そうだからカウンターを合わせると言ってましたが。
リオン それは大丈夫だと思います。僕もその練習をしていますので。KRAZY BEEで強いメンバーと練習しているので。

——若手におじさんの強さを思い知らせてやろうかなという気持ちはありますか?
リオン あまりないですけどね(笑)。対戦相手に対してというのはないですね。この業界に長くいますから。デビューして15年が経っていますし、「やってやるよ!」みたいなのはないです。自分自身の技術を磨いているのが楽しいです。自分を高めていく自分との戦い。対戦相手どうこうというのはないですね。

——平成最後の大晦日の試合は、どんな試合を魅せたいですか?
リオン 20代の頃は総合格闘技をやっていたのですが、今は総合格闘技というものではなく、MMAになったじゃないですか。今年、復帰してもう一回MMAを一からやり直している気持ちなので、同年代のアラフォーの人達に今から(MMAを)やっても頑張ればいけるんじゃないかっていう熱いものを魅せたいですね。

——それは格闘家だけじゃなく、一般の人達にも伝えたい?
リオン そうですね。僕の友達とかもいいおっさんになっちゃって、まだまだやれるってところを勝つことで証明したいですね。

——オファーが来て出場を決めたのは、朝倉選手が日沖選手に勝っているというのが大きいですか?
リオン 日沖選手に勝っているというのもありますが、格闘家が大晦日に出るっていうことが有難いことなので。どういう経緯であれ、一度引退しかけた自分がもう一回大晦日の舞台に立てるというのは、有難いことなので。そのあとに対戦相手が朝倉選手だったってことなので。自分の中では先に大晦日でした。大晦日に格闘家が試合ができるということへの感謝ですね。

——オファーが急だったと思いますが、いつでも試合ができる準備はできていましたか?
リオン 20代の頃のトレーニングは、今になって思えば適当でした。試合前だけたくさん練習して、普段は好きな練習だけしていました。30歳を超えてからは、そうはいかないので常に厳しいトレーニングをして、体重も73キロを必ずキープしているので、(オファーが来た)20日前なら心肺機能を上げるだけで、体は鍛えているので間に合うかなと。年齢がいっているので普段から調整しているので問題はなかったですね。

——KRAZY BEEでのトレーニングを含めて練習はどれぐらいの割合で行っているのですか?
リオン フィジカルトレーニングを週2回、ジムで週2回、KRAZY BEEが週1、2回ですね。

——未来選手は右よりも組みの方が恐いと話していましたが?
リオン クレバーな選手で試合を観ているのでよく研究してくると思います。もちろん組めて倒せてガンガン殴れたら一番いいですが、そうはなかなかさせてくれないので鍵は右ストレートかなと。

——昔はリオン選手が上の選手に勢いよく挑んでいたと思いますが、今はその逆ですがいかがですか?
リオン そういう気持ちが全然無くて。MMAという新しい競技にチャレンジしている立場なので。昔は総合格闘技というものでチャンピオンに立ったというだけです。今はMMAという競技の新人選手で毎日が楽しいです。こんな技があるんだ、こうやれば極まるんだみたいな。38歳にしてドキドキしています。MMAという競技に(笑)。

——新鮮な気持ちで取り組んでいるんですね
リオン そうですね。第一線で活躍している年上の先輩がいるので全然まだまだ若輩者です(笑)。未来選手に対して自分のほうが実績もあって先輩だなんて全く思っていないです。一人の強豪選手だと思っています。

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