「順調に準備ができているので。しっかり29日の相手に集中します」(堀口)
12月19日(火)、年末に開催される『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND』(さいたまスーパーアリーナ)において、バンタム級トーナメントに出場する日本人3選手が公開練習を行なった。
東京・渋谷のHMC JAPAN Shibuyaで行われた今回の公開練習には、堀口恭司、石渡伸太郎、大塚隆史が参加。それぞれ3分という時間で、まずは大塚がグローブなしでグラップリングのスパーリング、次に石渡がボクシンググローブを着用してマススパーリング、そして最後は堀口がひとりでシャドーを披露し、それぞれがここまで怪我もなく順調に調整ができていることをアピール。しかし、お互いにおいそれと手の内は見せずといったところで、石渡は「なるべく普段(の練習)と違う動きをするように心がけました」と言って堀口が苦笑するシーンも。
今年は、このバンタム級トーナメント以外にも、女子アトム級トーナメント、そして那須川天心も出場するKICKワンナイトトーナメントが行われるが、バンタム級優勝候補筆頭の堀口は「(他のトーナメントに)対抗意識というか、当たり前に一番でしょ。バンタム級が世界で一番だと思ってるので、(他の試合とのレベルに)差は出るし、見せなきゃいけない」と自信の表情。
だが、3選手ともに29日に二回戦、そこで勝ち残れば大晦日に準決勝、決勝という超過酷なシステムについては警戒心を見せ、大塚が「全部で3試合あるので、どっかしら痛いところが出てくるんじゃないかな。でも29日に勝ったらもうどっか痛くても行くしかねえだろって。どっか(骨が)折れていない限りはやるしかない」と言えば、堀口も「未知だけど、みんな勝つことを期待してくれてるんで、しっかり勝たないと。どこか怪我をしたとしても出ないといけない」と気を引き締める。
そこで石渡が「経験がないからやってみないとわからないですけど、今こそ“5ラウンド男”の本領発揮かなと。僕が日本で一番5ラウンドやってきてると思うので。今回、すべての試合が判定だとしても6ラウンドなんで、1ラウンドしか変わんないです」とニヤリ。ここでも堀口を苦笑させるのだった。
さらに3選手が口を揃えて語ったことは「とにかく29日(2回戦)に集中」しているということ。それぞれが強豪との対戦であり、まず29日を生き残らないことには他の日本人選手のことにまで意識がいかないというのが本音のようだ。石渡にいたっては「生きていればいいなぐらいの気持ちでいます」とまで言い切った。それほどまでに過酷なトーナメントなのである。
決戦まであと10日。堀口が、石渡が、大塚が、それぞれに静かに闘志も燃やし、決戦の時を待っている。
今年の年末のRIZINはバンタム級トーナメントの戦いこそがもっとも熱い!
以下、質疑応答。
——ここまで仕上がりはいかがですか?
大塚「怪我なくいい練習をしました」
石渡「順調に準備できています。今は29日のことしか考えていないですけど、ここにいる2人とやることになると思う」
堀口「順調に準備ができているので、ここから体調を崩さないように。しっかり29日の相手に集中します。トーナメント全体を見ながらもまずは29日に勝たないと」
——今日、お互いの動きを見た感想は?
大塚「今は次の29日にやる相手に集中してるので(特にない)。一つずつ目の前を相手を。29日に勝って、31日にくる相手と戦う。(石渡への意識は)そうでもないですね。今は(二回戦でのカリッド・)タハとの試合で勝ったあとにそういう意識になるかもしれないですが、タハに集中しています」
石渡「(堀口と)戦いたいなって気持ちにはなりますけど、堀口選手はスイスイと上がってくるんでしょうから、(自分は)1個ずつ勝って当たっていきたいですね」
堀口「プレッシャーはそんなに感じないですけど、当たり前に『優勝でしょ』って言われてるんで、優勝しないと。格闘技は一発当たれば終わりの競技なんで、しっかり優勝できるように頑張ります」
——どんな練習をしてきましたか?
大塚「相手よりも自分を高めることを意識して練習してきました。レスリングの強化に加えて打撃も増えましたね。HALEOのほうでKrushとか出てる牧平(圭太)選手、山内(佑太郎)選手、登坂匠くんとか、本職のキックボクサーと一緒にやってました。たくさん蹴ってくるんで大変でした」
石渡「レスリングをずっとやってました。(ケージとリングは)感覚的に全然違いましたのでリングで練習したりしています」
堀口「いつも通りの練習をしてきましたけど、トーナメントって特殊じゃないですか。他の団体にない。しっかり対策とかは相手にプラスしてやってきましたね。いつも通りATTに缶詰です」
——2回戦の対策は?
堀口「(ガブリエル・オリベイラは)手足が長いので、そこに付き合わず自分の距離でやろうかなと思っています。相手の大きさについては、組んだり手を合わせないとわからないので、そこはなんとも言えないですね」
石渡「(ケビン・ペッシ)対策はしています。もちろん」
大塚「(カリッド・タハは)身体もごついし、一発はあるんじゃないかなと。RIZINだけにある4点(ポジションでの)ヒザとかサッカーボール(キック)とかあるんで、そういうところを気をつけたい」
——連戦になりますね。
堀口「未知ですけど、みんな勝つことを期待してくれてるんで、しっかり勝たないとかと思っています。どこか怪我しても出ないと」
石渡「経験がないからやってみないとわからないですけど、今こそ5ラウンド男の本領発揮かなと。僕が日本で一番5ラウンドやってきてると思うので。すべて判定だとしても6ラウンドなんで、1ラウンドしか変わんないです」
大塚「全部で3試合あって、どっかしら痛いとこが出てくるんじゃないかなって。でもそこはあんまり考えてなくて、29日に勝って、勝ったらもう行くしかねえだろって。どっか痛くても。『どっか折れてない限りは』っていう気持ちです」
——同じ大会で行われる他のトーナメントについて意識していますか?
堀口「対抗意識というか、当たり前に一番でしょって。バンタム級、俺が引っ張っていくじゃないけど、バンタム級が世界で一番だと思ってるんで。差は出ますよね。(その差を)見せないとなって」
——年末のビッグイベントということで世間の注目度も高いですが。
堀口「基本そういうことは考えない。しっかり期待されているように勝ってベルトを持って帰ってくることを頭に入れてやりますね」
石渡「ちゃんと試合前に美容室に行くことぐらいですかね」
大塚「ずっと年末のビッグイベントに出たいと思っていたんですけど、決まって出ることになったらそんなに特別な感情はなくて。試合があるってだけですね」
——どんな元旦を迎えたいですか?
石渡「生きていればいいなぐらいの気持ちでいます」
大塚「減量も終わって、腹いっぱい食べたいと思います」
堀口「しっかりベルトを巻いて、最高の一年のスタートにしたいなと思っていますね」