[RIZIN トーナメントルール:1R5分 / 2R5分 / 3R5分 / インターバル60秒(61.0kg契約)]
RIZINバンタム級トーナメントがついに開戦。石橋佳大vsカリッド・タハの一回戦・第1試合だ。
1R、石橋が飛び膝からのタックルでテイクダウンに成功。サイドからタハの左腕をアームロックに取りにいく。ここでタハは立ち上がるが、石橋は足を払って再びテイクダウンに成功すると、マウントからのパウンド、そしてバックチョークに。この石橋の怒涛のアタックに防戦一方だったタハだが、なんとかしのぎきると、がぶりから石橋の顔面にヒザ蹴りを2発ヒットさせ、パウンドラッシュに。これで石橋が失神をしてレフェリーは試合をストップ。タハが劇的な逆転勝利をおさめた。
カリッド・タハ インタビュー
「非常に楽しいファイトになりました。イシバシさんが強いこともわかりました」
──試合の感想をお願いします。
タハ まずはありがとうございます。非常に楽しいファイトになりました。イシバシさんが強いこともわかりました、グラウンドに持っていかれて大変なことになっているように見えたと思うんですけど、凄く練習を積んでいたので、有利に運ばれたように見えても危ない場面はありませんでした。自分の流れにもっていけたので勝つことができました。
──ヒザ蹴りで展開を変えたんですけど、それは石橋選手を想定して立ててきた作戦ですか?
タハ ああいうふうに倒れてっていうプランはなかったんです。立ったまま進めるプランだったんですけど、(グラウンドに持っていかる場面が多かったので)有利に運ばれているように見えていたかもしれませんが、その対応策を積んでいたので、ヒザ蹴りから自分のパンチで勝つことができました。
──今、大塚選手とバーチャック選手が闘っていますが、どっちが勝ってきても大丈夫ですか?
タハ 誰と闘っても大丈夫だと思っています、世界最高峰の人と闘って、年末にドイツにベルトを持って帰る。それだけです。
──試合前は非常にナーバスになっているように見えましたけど、今はスマイルが見えていますね。RIZINのルールに関して準備をするにあたって影響はありましたか?
タハ ナーバスになっていません。長いフライトでストレスはありましたけどね。ルールはポジティブなところとネガティブなところがありましたが、今日はポジティブに運ぶことが出来たので、問題はありませんでした。
──たった今、大塚選手が勝ちましたけど、相手としてどういうふうに考えていますか?
タハ 非常にリスペクトしています。ハードでタフな試合になると思います。今回のGPに参戦しているということは強いということですし、相手としてはタフな相手だと思っています。
──レバノン人のファイターは日本では珍しいですが、これからもっと出てきてほしいですか?
タハ レバノンは非常に小さな国なので、世界中の人々に知られるよう、私に続く人が出てくると信じています。
石橋 佳大 インタビュー
「今回修斗代表して負けちゃったんで。(選手を)続けたい気持ちと辞めたい気持ちと半々です」
──試合の感想をお願いします。
石橋 最後のほうはスタンド戻ってから、全然記憶がないんですけど、バック取って、極めきれなかった時点で迷った部分があったかなと思います。
──タハ選手の印象はどうでしたか?
石橋 昨日、向かい合うまでもう少しでかいかなと思っていたんですけど、体格差もなくて、むしろ自分より小さいぐらいだったんで、今日も組んでみていけるなと思ったんですけど、そんなパワー差は感じなくて、最後ヒザもらったみたいなんですけど、その一発かなと。
──序盤は石橋選手のスペースだと思ったんですけど、極められるような流れだと思いましたか?
石橋 ずっと極めを狙ってきましたし、いけるという感覚もありましたけど、極めきれなかったというのと、タックルにいった時にヒザですか? その状態でヒザもらうということはしっかりとタハ選手のほうが僕の動きを見ていたんだと思います。
──RIZINの雰囲気はどうでしたか?
石橋 会場入ってみて、オープニング通して見て、楽しかったっすね。でかくて、人がたくさんいて。リング入ってからはいつもと変わらなかったです。
──今後の目標は?
石橋 今回負けちゃったら次なかなか呼んでくれないなと思いますし、今回修斗代表して負けちゃったんで。修斗のほうにもなんか申し訳ないなという感じで、今まで修斗で試合をしてきた人にも申し訳ないなという感じですし、これからわかんないです。続けたい気持ちと辞めたい気持ちと半々です。
──辞めたいというのは現役を?
石橋 そうですね。ずっとRIZIN目指していたんですけど、修斗チャンピオンということで出られて、あくまで石橋佳大ではなく修斗チャンピオンとして来て、修斗代表として負けて……まあ……うん……本当に修斗代表として失格だなという気持ちが自分の中にあって。
──この敗戦をきっかけに芽生えてしまったということですか?
石橋 元々自分は一度格闘技から身を引いたようなものなんで、一回一回負けたら終わりだという覚悟でやって来たつもりで、実際負けてみて、ちょっと自分の覚悟に嘘がないなというのを実感しているんで。とりあえず今は終わったばっかなんで整理はついてないんですけど、半々っていう感じですね。