[RIZIN 女子MMAルール:1R5分 / 2R5分 / 3R5分 / インターバル60秒(57.0kg契約/肘アリ)]
(Win)真珠・野沢オークライヤー vs. シーナ・スター(Lose)
1R 1分50秒 腕十字固め
噂の真珠・野沢オークライヤーがついにプロデビュー。リングサイドで母・野沢直子さんが心配そうな表情で娘の入場を見つめる。
1R、ゴングと同時に前に出る真珠。左右のストレート、前蹴りでスターをロープ際に追い詰めると、バックから抱え上げてのテイクダウン成功。そしてパウントからパウンド、ヒジを落としていく。これでスターは頭部をカットして流血。そして真珠のフットチョークから腕十字固めが極まると、スターはあえなくタップ。真珠が秒殺一本勝ちをおさめた。
マイクを取った真珠は「こんにちは。今日はこんなにたくさん見に来てくれて本当にありがとうございます!私は格闘技が、日本の格闘技が世界で(一番)大好きです。本当に最高です。これからもよろしくお願いします!」とうれし涙混じりの笑顔を見せた。
真珠・野沢オークライヤー インタビュー
「なんか言葉がないっていうか、素晴らしい気持ちです。うれしいです(笑)明日オファーしてくれるならいつでもやりますよ」
──試合の感想をお願いします。
真珠 まあ、なんか言葉がないっていうか、素晴らしい気持ちです。うれしいです(笑)。
──腕十字で極めたんですけど、あの流れは練習していた流れなんですか?
真珠 私は立ったままいきたかったんですけど、そこでチャンスがあったので柔術とかグラップリングも練習していたので。ゲームプランとは違いました(笑)。
──落ち着いてできました?
真珠 全然できませんでした。ゴングが鳴って、最初の1?2分で落ち着いて。スパーリングも同じで最初はバーっと出ちゃって、そこからきれいな技を見せられるんですけど、落ち着けなかったですね。
──RIZINという舞台はどうでした?
真珠 凄かったですね。舞台のことはあんまり考えないようにしていたんですけど、試合のことしか考えないようにがんばっていたんですけど、どうしても素晴らしくてかっこよくて、ファンのみなさんも凄かったです。
──試合後にお母さんと会いましたけど。
真珠 トロフィーをあげようとしたんですけど、もらってくれませんでした(笑)。
──お母さんからは何か言葉は?
真珠 すぐ泣く方なのであまり言葉が出なかったんですけど、「おめでとう。強かったね」と言ってくれました。
──入場からどういう気持ちでしたか?
真珠 本当に最高でした。自分自身で観客が多ければ多いほどいいとか言ってましたけど、それが実際に100%証明できたか定かではないので、これまで経験したことのない舞台で呑まれるんじゃないかとか、未知の部分があったんですけど、実際にやってみて、観客を感じて最高の気分が実感としてあったので良かったです。
──試合は終始圧倒していたと思います。どうでしょうか?
真珠 実際想定していたプランとは言えないです。もっと自分としてはクリーンな打撃で勝ちたかったです。ただゴングが鳴ってから最初の1・2分は興奮してしまって、スローダウンしようと思いながらやったんですけれど、グラップリングがうまくいきましたけど、本当はラッシュしてスタンディングで勝ちたかったと思っています。
──今後の目標は?
真珠 今年4試合目になるんですけど、常にアクティブでいたいと思っていますので、明日オファーしてくれるならいつでもやりますよ。
──打撃でフィニッシュしたかったということなんですけど、空手がベースになるんですか?
真珠 はい、そうですね。空手がベースです。9歳から12歳だけだったんですけど、毎日3時間ぐらいは練習に行っていました。
──子どもの頃からプロの格闘家になりたいという気持ちはありましたか?
真珠 なかったですね。空手はハマったんですけど、辞めてバレエをやっていたんですけど、16歳でケガしちゃって、18歳か19歳ぐらいで総合格闘技、UFCとか見てたんで、私もできるかなと思って。
──バレエはどれぐらいやってましたか?
真珠 10年ぐらいやってましたね。
──格闘家の中であこがれの選手は?
真珠 います。ヨハンナ・ヨジチェックが好きですね。アンジェラ・リー。あとメグミ・フジイ選手が凄い好きです。あとRIZINを見始めたのはフェローで、凄い見たくなったのは山本美憂選手が凄い好きで見始めました。
──藤井選手が解説席にいて、山本選手は試合に出ていますけど、お会いしましたか?
真珠 山本選手と挨拶できて、おめでとうと言えましたけど、藤井選手はまだ。
──先日Twitterで、お母さんは試合の話をするとすぐ泣くということを上げてらっしゃいましたが、お母さんの故郷の日本で勝てたのは恩返しという感じですか?
真珠 来てくれるだけでうれしいです。一番最初は来れなかったんですよ、怖くて。これで3回目で、生で見てくれるのはありがたいです。
──日本は何回か来ているんですか?
真珠 14歳ぐらいまでは夏に毎年帰ってきたんですけど、今年は9年ぶりです。日本語をずっと使っていなかったのでドキドキしちゃいました。まだまだ勉強しなくちゃいけないですね。
──RIZINは女子格闘技に力を入れている団体ですけど、やってみたい選手はいますか?
真珠 よく聞かれるんですけど、相手とやりたいって言っちゃうとトレーニングが相手を想定したトレーニングになっちゃうんですよ。私のスタイルを決めるのが大切だと思うので。RIZINの中でがんばっていきたいです。
──マウントポジションを取った時の闘い方についてバリエーションがあったと思うんですけど、振り返ってどうでしょうか?
真珠 ゴゴプラッタ(※フットチョーク)でフィニッシュできたら良かったなと思います。凄くやりたいと思っていたのがあるかもしれません。
──デビュー戦で勝利し、環境が変わったと思いますが、これから落ち着いていきたいのか、この勢いで今後のキャリアを続けていきたいのか、どちらですか?
真珠 ジムを変えるので、その環境に慣れるのが一つ重要で、試合に関してはオファーがあれば明日でもやります。
シーナ・スター インタビュー
「(真珠を)ファイターとして、アスリートとしてリスペクトしています。凄く明るい将来が待っているなと思います」
──試合の感想をお願いします。
スター もちろんがっかりしています。自分に対してがっかりしていますね。アドレナリンが出たんですけど、使いきれなかったというか、筋肉も何もかも私のために機能してくれなかった。身体が鋼鉄のように重かったし、いろんな状況があったなかでやることをやろうと思って臨んだんですけど、思うようには運ばなかったなという印象ですね。相手も強くて、私は普通はタップしないんですけど、思うように動けずディフェンスができなくてがっかりしてます。試合ですから、もっと長く試合をしたかったなというのもあります。日本に来たのも初めてで、こういう結果になったんですけど、負けを受け入れます。
──相手の真珠選手はデビュー戦でしたけど、いかがでしたか?
スター ファイターとして、アスリートとしてリスペクトしています。非常にたくさんのワークをしてきたんだろうし、彼女のことをパーソナルなレベルで知っているわけではないですけど、凄く明るい将来が待っているなと思います。
──相手の選手の攻撃で一番効いたのはなんだったでしょうか? それと総合のプロとアマチュアの戦績、バックグラウンドを教えてほしいんですが。
スター 私の対戦相手は基本的にはスタンドでKOしたいと言っていたんですけど、ノックアウトできなかった。そこは問題ではなかったと思っています。私の問題はアドレナリンが落ちて筋肉が機能しなくなってしまったことですね。それは彼女の打撃が原因だとは思っていなくて、私自身のことだと思っています。バックグラウンドは格闘技のミックスですね。テコンドー、柔術、レスリング、いろんな格闘技のミックスだと思っています。プロとしては今回がMMAでは初めてです。アマチュアでは25勝17敗1無効試合。ムエタイでは4勝2敗、キックで4勝0敗という経歴を持っています。闘うのが大好きです。
──今回の試合というよりもアリーナに立ってみてどう感じましたか? 真珠のことをどう思っていますか?
スター 本当に素晴らしい体験で、RIZINに呼ばれたことを嬉しく思っております。私はいいパフォーマンスをしたいという思いで、観客からもエネルギーをもらいましたし、イベントの製作に関してはRIZINが世界一だと思います。真珠はハードに闘ってきましたね。もう一度闘いたいという思いが強いです。もっといいパフォーマンスができるという思いがあるので。メンタルで自分に障害があったと思っていて、世界各国でいろんな闘いをしてきたんですけど、RIZINはどこのイベントとも違っていて、私はすべてをコントロールしたいコントロール・フリークなんですけど、グリースを顔に塗れれなくて混乱したり。もう一度闘えたらなと思います。