7月5日(水)、都内・品川にあるJ-SQUARE SHINAGAWAにて、RIZIN実行委員会が記者会見を実施。7月30日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催する『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント 1st ROUND -夏の陣-』の追加対戦カードを発表した。

まず会見場には榊原信行実行委員長と髙田延彦統括本部長が登壇。榊原委員長からは当日の19:00~20:54という時間帯でフジテレビにて、同大会を地上波放送することの発表があった。さらに、スカパー!、GYAO!というメディアで生中継も行なわれる。
また、真夏の決戦キャンペーン“ナツケツ”と銘打ち、7月30日の大会チケットを購入された方から抽選で100組200名様を年末大会(12月29日)に招待するというキャンペーンを行なうことも発表。さらに日にちが未定だった秋の大会も、10月15日(日)に『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 男子バンタム級トーナメント&女子トーナメント 1st ROUND -秋の陣-』としてマリンメッセ福岡で開催することも発表した。RIZINとしては初の九州進出となる。
また、同大会では大会名にあるように、男子のバンタム級トーナメントのBブロックと女子の49キロ級のトーナメントの1回戦が同時に開催される。女子のトーナメントは優勝賞金700万円、準優勝者は200万円、3位はそれぞれ50万円ずつと総額で1,000万円を用意。なお、同大会のチケットは各種先行を挟んで、8月20日(日)より一般発売を開始。12月29日と31日の大会は各種先行を挟み、9月17日(日)より一般発売が開始される。
さらに髙田本部長からは、女子グランプリの出場決定戦として、8月26日(土)に新宿FACEにて開催される『DEEP JEWELS 17』で、石岡沙織 vs. 浅倉カンナの一戦を行なうことも発表されている。

そして、この日、発表された7.30さいたま大会の追加カードは2カード。まず、野沢直子の長女である真珠・野沢オークライヤーがついにRIZINでプロデビューを飾ることになる。対戦相手はアメリカのシーナ・スターに決定した。
髙田本部長の話によると、真珠は最近北米で行なわれたグラップリングの大会でも優勝するなど、着実に実力をつけてきており、満を持してのRIZINでのデビュー戦となる。さらに、得意の打撃に自信を持っており、髙田本部長によると、「私はレスリングのテイクダウンを取るような闘い方は一切しない。レスリングなんてものは私の闘いに必要ない。オークライヤーは一回もテイクダウンを取りにいかなかった選手として歴史を残したい」と、現在のMMAの潮流から真逆の闘い方に挑戦しようとしているらしいのだ。その後の質疑応答で真珠自身より、「本気で言ったことじゃない(笑)」と、この情報は否定されてしまったものの、打撃によるアグレッシブな試合をしたいという気持ちが強いようだ。

一方、大晦日の堀田祐美子戦以来のRIZIN参戦となるギャビ・ガルシアは7月7日(金)にシュートボクシングの試合にも出場することが決まっており、怪物らしくこの真夏に2連戦を行なうことになった。対戦相手となるのはロシアの北オセチア・アラニヤ共和国出身のオクサナ・ガグロエヴァ。髙田本部長が得た情報によると、ロシアでボクシングのチャンピオンに2度、ギリシャでは4度もボクシングチャンピオンになっているというハードパンチャーだ。さらにグラップリングのチャンピオンやアームレスリングでもチャンピオンになるなど、実績も豊富。また、ギリシャでは同地出身でかつてK-1で活躍したマイク・ザンビディスをスパーリングでKOしてしまったという逸話を持っているという。
この難敵を迎え撃つギャビだが、昨年末にケンカを売られたジャジー・ガーベルトに対して怒りが収まらず、さらに4月の大会でも試合が組まれなかったことで怒りが頂点に達していたという。しかし、KINGレイナにガーベルトが敗戦を喫したことで、その溜飲も下がり、気持ちを新たに7月のRIZINに乗り込んでくる。


注目度の高い女子の試合2枚が追加され、RIZIN夏の陣はますます熱気を帯びてきそうだ。
選手のコメント、質疑応答は下記の通り。

【選手コメント】
ギャビ・ガルシア
「こんにちは。皆さんがとても恋しくて、半年ぶりに日本に戻ってきました。前回の試合から半年経ちましたけども、私は休まずにトレーニングを続けていました。今回とてもタフなファイターで、ボクシング出身ということで、とてもタフな試合になると思いますが、この試合の機会をくれた榊原さん、髙田さん、本当にありがとうございます。私はRIZINの選手なので、面白い試合をして盛り上げていきましょう。ありがとうございます。」


真珠・野沢オークライヤー
「こんにちは、真珠です。本当にありがとうございます。とてもうれしいです。7月30日にプロデビューするので、RIZINでデビューするので本当にうれしいです。必ずエキサイティングな、アグレッシブな試合を見せますので、よろしくお願いします。」


【対戦相手より届いたコメント】
オクサナ・ガグロエヴァ
「日本の皆さん、こんにちは。オクサナ・ガグロエヴァです。今回7月30日にRIZINの舞台でギャビ・ガルシアと戦う機会をもらえて非常に光栄です。皆さんぜひさいたまスーパーアリーナでお会いしましょう。とても熱い試合をお見せします!」


シーナ・スター
「ハーイ、シーナ・スターです。7月30日のRIZINで真珠と試合をします。エキサイティングな試合で素晴らしいショーにすることをお約束します。今からとても興奮していて待ちきれません。ぜひ見に来てください。」

ワンマッチ対戦カード

スペシャルワンマッチ
RIZIN 女子MMAルール(57.0kg契約/肘アリ)
真珠・野沢オークライヤー VS. シーナ・スター

スペシャルワンマッチ
RIZIN 女子MMAルール(120.0kg契約)
ギャビ・ガルシア VS. オクサナ・ガグロエヴァ

【質疑応答】

──榊原代表に質問なんですが、改めて真珠選手と契約された理由というか、新人がこういうビッグイベントでデビューするという契約は異例だと思うんですけど、期待している部分を教えてください。

榊原 RIZIN自体としてはスタート当初から世界最高峰としてのGP。ここは競技性を担保して、世界中から実力、実績を伴ったプロモーションを代表する選手たちが我々の競技会に参戦してきてもらう。そういうのが一つのコンセプトだったんですけど、それ以外にもこれから総合格闘技を日本発世界に広げていける選手たちの後押しをするということで、これまでも山本アーセン選手もそうですし、山本美憂選手もそうですが、デビュー戦は一生に一度ですからね。プロでデビューするメモリアルとなるタイミング、そういう選手たちの機会を作っていこう。それと引退を迎える選手の最終章も作っていきたい。そういうコンセプトでやっていく中で、とにかく最初に髙田統括本部長も言ったように、やはりお母さんの野沢直子さんの存在があっての真珠選手という見え方だったんですけど、彼女が格闘技に取り組む真摯な姿勢も含めて、持っているポテンシャルがお母さんの名前があっての七光ではなくて、彼女個人にそれだけのポテンシャル。このあと聞いていただければと思うんですけど、大きな志が本当にある。それと夢中になって格闘技で強くなるっていことに情熱を燃やしているんですね。そんな姿を一時の判断で決めたんではなくて、わりと中長期的に真珠選手サイドと話をして、彼女の思いがぶれない形でキチンと未来を見据えて進むのであれば我々がしっかりサポートする。だから、中長期的な契約を。今回はショットな契約ではなくて、彼女のデビューして成長していく姿をRIZINのファンの皆さんと見届けていきたいと思いますし、RIZINはそういう舞台をきちっと整えていきたい。そういう過程を経る中で、次の若い選手が真珠になりたい、と。彼女のように目指している女子ファイターに勇気と希望を彼女だったら伝えていけるなと。そういう大きな期待と可能性を感じたので今回こういう形の契約をさせていただきました。

──真珠さんにお伺いしたいんですけど、先程髙田さんがおっしゃったレスリングのテイクダウンを取るような闘いはしない。このへんをご自分の口から説明していただけますか?

真珠 本気で言ったことじゃなくて、私にはレスリングが凄い難しいので言いました(笑)。本気ではないです。レスリングもがんばります(笑)。でも、もちろん、立ち技、ボクシング、キックボクシングがファンとして見た場合、私はそこが一番おもしろいので、そういう試合を見せたいんですけど、もちろんレスリングもがんばって練習します。

──真珠選手は定期参戦ということを考えてるつもりでよろしいですか?

真珠 RIZINは何回も出るつもりです。1回だけではなくて。

──ギャビ選手は4月は出場されてませんが、女子の無差別級戦線、ギャビ選手を狙っている選手たちも参戦していました。ジャジー・ガーベルト選手であったり、KINGレイナ選手であったり。彼女たちの闘いをどういうふうにご覧になっていたのか? そして今回の相手に対してどういった闘い方、勝ち方をしたいのか、教えてください。

ギャビ まず、ジャジー・ガーベルトは昨年の大晦日に私にケンカを売って、数カ月間怒りが収まらなかった。そして、RIZINのほうからオファーが合った時に4月大会は休ませてくれと。KINGレイナvsジャジーを組むという時は本当に凄く怒ったんですけど、周りのコーチやチームメイトがとにかくこの試合を見てみようじゃないかということで、この試合を見ました。結果、KINGレイナ選手が勝ったんですけど、それでジャジーに対しての溜飲は下がりました。ただ、KINGレイナ選手は素晴らしい選手だと思います。日本人ですし、キャラクターも立って。そして、小さな選手が大きな選手に勝ったということで世界中を驚かせた、とてもインパクトの強い試合をしたのでとてもいい選手だと思います。また、彼女は日本人の精神ということで、試合前に失礼なことを言ったりとか、対戦相手を侮辱するようなことは言わないので、そこはリスペクトしているのでいつか彼女と試合をする機会があれば私は喜んで受けます。ただ、今回は7月の大会に来ているので、私は今月2試合やって、7日にシュートボクシングで試合をやって、30日にも試合をするわけなんですけども、今月は非常に忙しい月になります。ただ、これは仕事として受け止めて、このチャレンジをしっかり乗り越えていきたいと思います。当然シュートボクシングのためにも打撃の練習もしていて、シュートボクシングのルールに対してもちゃんと調整できるような練習はしていますが、立ち技の関節技は狙ってなくて、とにかく打撃、MMAで使えるような打撃を強化して練習しているので、それが7日に見せられると思います。そして30日にまたMMAとしてちゃんとしたパフォーマンスは見せられる準備はできています。彼女の映像は1週間前に見たんですけれども、とてもパワーがあってパンチ力があるという印象を受けました。ただ、彼女は破壊力があるかもしれませんが、私もパワーでは負けてないと思っていますし、ずっと毎日厳しいトレーニングをしていますし、世界トップクラスのスパーリングパートナーとも練習をしているので、自分も強くなっている自信もあります。そして彼女はボクシングのチャンピオンかもしれませんが、私は柔術のチャンピオンです。そういう意味でも自信がありますし、27年間柔術をやり続けている自信もあります。彼女は強いかもしれませんが、私のほうがもっと強いです。面白い試合になります。

──真珠選手に質問ですけど、メディア的にはお母さんの話が出てくると思うんですけども、自分自身はリングで何を証明したいですか?

真珠 自分ではもちろん野沢直子の子だって言われるんですけど、リングに上がって、自分は真剣にやっている、本当に格闘技が好きでがんばるっていうのをみんなに見せたいと思います。

──榊原実行委員長から大きな志があるという言葉がありましたが、一言コメントをちょうだいしたいと思います。

真珠 負けても面白いアグレッシブな試合を見せたいと思います。つまんない勝ち方はダメと思いますね。格闘技においていちばん大切なのは100%出し尽くすこと。私はつまんない試合で勝つよりもエキサイティングな試合で負けるほうがいいと思っています。毎回必ず勝つとは約束できませんが、今私が約束できることはどんな試合でも試合が決まったら、練習の時から全て100%の力を出し切って、皆さんにお見せすることは約束できます。

ギャビ 先程控え室で真珠選手とちょっと会った時に、真珠選手に「あなたの試合とても楽しみにしています」と声をかけてもらったんですけど、その時初めて「この子が闘えるのか?」と思って、「あなた、ファイターなの?」って聞いてしまいました。真珠選手は「ファイターだよ」って言ってくれたんですけど、日本の素晴らしいところ、RIZINの素晴らしいところっていうのは、私と真珠選手には共通点があると思っていて、私もいろいろ言われます。いろいろとネット上で叩かれたり、いじめられたりします。なぜなら私は他の女の子より大きい。真珠選手も見た目だったりとか両親の境遇でいろいろと叩かれたりするんですけれども、そういう女性たちが自分たちを主張できる舞台を与えてくれる、平等に見てくれて主張の場を与えてくれるこの日本の業界、RIZINの舞台が本当に素晴らしくて、私はとても好きです。そしてこうやって女性がドンドン注目されてきてそういう機会が与えられることをうれしいと思いますし、その期待に応えなきゃいけないと思っています。とにかくそういう機会を与えてくれる日本の業界とRIZINが大好きです。榊原さん、ありがとうございます。

大会概要

【名称】RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017
    バンタム級トーナメント 1st ROUND -夏の陣-
【日時】2017年7月30日(日)
【時間】12時30分開場 / 14時00分開始
【会場】さいたまスーパーアリーナ
【チケット料金】VIP席100,000円《特典付》 / SRS席20,000円 / S席10,000円 / A席5,000円(全席指定・税込)
※《VIP特典》VIP専用入場ゲート / VIP専用パス / 大会パンフレット / 特製グッズ
※1歳よりチケットが必要です。