川尻達也
「38歳のリアルな自分を信じて闘えるかが今回のテーマですね」
──体調はどうですか?
川尻 コンディションはいいですね。正直フェザー級に落とすのに苦労してたんですけど、今回は元気ですね。50戦超えて減量の仕方を掴んできた。遅いよっていう話なんですけど、カロリーも摂れて動けているので。毎回コンディションのことを聞かれて試合前に絶好調って言うんですけど、正直近年で一番いいなって思いますね。
──前回の試合後には心も折れかけたりしていましたけど、今回は川尻さんの中でどういう意味のある試合になるんですか?
川尻 バーチャック強いし、危険ですけど、自分との勝負と言ったら当たり前の言葉なんですけど、今38歳、今年39歳になる。さすがにこの歳になると、減量方法だって勝手が違うことが増えたりとか、練習での波も毎日絶好調というわけにはいかなくなってるし、量とか考えないとコンディション保てなくなってきているんで。前回の敗戦で誰と闘っても勝てるイメージがない中で練習してきて、38歳のリアルな自分を信じて闘えるかが今回のテーマですね。信じれば闘えるし、結果はどうあれば闘える立場にいると思うので、38歳のリアルを突きつけられて自分を信じてリングに上がれるかをテーマというかそういう気持ちになります。そうじゃないとまたへたこくから。
──那須川選手やRENA選手がいたりする中でメインはどうですか?
川尻 嬉しいです。素直に言うと嬉しいです。ただ僕、ひねくれているので穿った見方していいですか? 地上波放送が7〜9時なんで、放送に天心くんやRENAちゃんを入れたいから。川尻はギリギリ伸びてもいいのかなっていう穿った見方も正直あるし、そのへんも理解しつつナニクソっていう気持ちで会場のみんなと涙と笑顔で最後は笑って笑顔で帰宅できればいいかなと。ハッピーエンドで。
──穿った見方と言いましたけどそこには意地もありますか?
川尻 日本に帰ってきてやりがいを感じているし。自分の立場もわかっているし、そういう意味でメインという重責を任されたのは光栄に思うし、ただ気負いすぎず、カッコつけるだけのカッコがないんで、僕の場合は。大晦日で全部崩しちゃったんで、カッコつける必要もないんでありのままにボロボロにグチャグチャにいきつつ、最後はKO、一本、理想としては川ちゃん固めで一本取れればいいかなと。
──前回の試合も勝負というのもありましたけど、ある程度ファンを楽しませると意識もあったんですか?
川尻 ないですね。ファンを楽しませたいからああいう飛んだりしたんじゃなくて、クロンをKOしたいから飛んだんであって。正攻法で肩固め狙ったって取れないと思うんで。自分のKOパターンの一つとして踏みつけやサッカーボールキックを練習してきたんで。もちろんお客さんに楽しんでもらいたいけど、そこまで身を捧げてないですね。僕は勝つことがファイターにとって一番だと思うし、それを考えて常にやってます。勝ちたいですね。とにかく勝ちたい。何が何でも勝ちたいです。
──クロン戦の負けは今までの負けとはだいぶ違う負けに聞こえるんですけど。
川尻 負けた時はいつも悔しいですけど、立場にしてもUFCから帰ってきて一発目でグレイシーという姓のついた男とさいたまスーパーアリーナで闘えるというシチュエーション含めて特別な闘いだったし、その中で負けたのはへこんだし、自己否定っていうか必要とされないだろうなって。僕は僕を必要とされるところで燃え尽きたかったというのがあるので。日本のRIZINが契約してくれて闘って、RIZINの人もファンもみんな落胆させた中で僕は必要とされてないだろうなっていう思いが過去最高だったし、それが一番こたえたっていうことですかね。
──38歳のリアルだったり、コンディションが毎日絶好調じゃないというのは年齢による肉体の変化を感じているっていうことですか?
川尻 やっぱり20代の頃は動かなくなるまで追い込んでも寝て起きたらバリバリ練習できたんですけど、今は動かなくなるまで練習できるけど、次の日間違いなく動きが悪くなったりするから。ちょっと食生活でも妥協すると支障をきたす細かいことが増えてきて、本当にマメじゃないとダメだなって。マメに今回は。恋愛もマメにできてればモテたのかなと思ったんですけど。変わった人が好きな人じゃないと僕とは付き合えないんで(笑)。格闘技も普段よりマメに意識して仕上げてきました。
──食事とかにも気を遣ったりしたんですか?
川尻 食事もそうだし、睡眠時間もそうだし、普段から早寝早起きで。おじさんっぽく。昔は本当に早寝早起きできなかったんですけどね。ボクサーの人は朝ロードワークしていると。そうなんだと思って、100回以上明日から朝走ろうと思って目覚ましセットしたんですけど、一回も起きたことがないぐらい早起きできなかったんですけど、年齢とともにできるようになったので調子いいです。
──ロードワークしてるんですか?
川尻 してますね。年齢と共に回復力は遅くなったんですけど、生活サイクルは健康になりましたね。
──お子さんを幼稚園に送ったりするんですか?
川尻 いつもは嫁がやるんですけど、今日は旗当番だったので僕が見送りしてきました。嫁はいいところも悪いところも見てきたんですけど、子どもがようやく小学生で「おまえのおやじ負けてんじゃん」って言われたりするのは嫌なのでがんばろうという気持ちもあるし、娘の記憶の中に強いお父さん、カッコいいお父さんを植え付けて、成長した時に「死ね、ハゲ、臭い、デブ」って言われても、「あのときお父さんカッコ良かったな」っていう心の引っ掛かりを残しておくのが新たなモチベーションです。まあ、そんなこと言われたらその時は僕は泣いてますけどね(笑)。それでも記憶の片隅にあればいいかなと。
石岡沙織
「ドキドキ半分、楽しい半分ですね」
──コンディションはどうですか?
石岡 コンディションはいいですけど、ウチの体重計が軽くて、体重が欲しいなと思って。
──じゃあ、現在の自分の体重がわからないんですか?
石岡 そうですね。どっかで体重を計りに行きたいですね(笑)。
──RIZINは初めてだと思うんですけど、どういう心境ですか?
石岡 ドキドキ半分、楽しい半分ですね。
──それは大きい会場でもありますし、いつもと違うところでやることですか?
石岡 そうですね。
──相手の情報は入りましたか?
石岡 そうですね、なんとなく。
──普段は研究はあまりしないほうですか?
石岡 しないです。自分のスタイルに持っていけたときが一番強いので。
──相手も空手ベースだですけど、噛み合いますか?
石岡 自分は空手半分、柔道半分なので、空手じゃなくてMMAをやりたいですね。打撃を決めて、組んで、投げて、極める。それをやりたいです。
──女子の試合が盛り上がりを見せていますけど、それに関してはどうですか?
石岡 大チャンスだと思ってます(笑)。
──地上波のテレビで流れることもあると思うんですけど。
石岡 ただただ自分のチャンスにしたいなと。
──現在の目標はありますか?
石岡 今回の試合に勝つこと、グランプリに出場すること。欲を言えば大晦日までっていう感じです。
──ご自分の試合以外で気になる試合はありますか?
石岡 元谷選手と堀口選手の試合。
──女子は?
石岡 KINGレイナ選手の試合が見たいです(笑)。楽しく見れそうな。
──お子さんとか育児と並行しながらの調整はどうでした?
石岡 最後は主人の協力を得て、家事を手伝ってもらったので。完璧に調整できたんじゃないかと。
──地元から応援は?
石岡 地元からは2台バスを出して応援に来てくれます。たくさんの方が来てくれます。
──やっぱり反響も違いますか?
石岡 結構地方なんで「先生、また試合すんの?」って感じなんですけど、「え、テレビ出んの!」ってそこで驚かれて。「じつは凄い人だったんですか?」みたいな(笑)。まだ、「か?」みたいな感じですね。
──髪の毛の色は桜を意識しているんですか?
石岡 もちろんです。コスチュームはピンクじゃないんで、ここに入れようと思って。広島出身なので、自分の試合を見てもらえることがあまりなくて、そういった面でも親は不安だろうと思うんですよね。そういう恩返しというか自分の試合を見てもらえる舞台だと思うので、今までと違ったことも意識しますね。
ジェロニモ・ドス・サントス
「リングに上ったら、自分か相手が病院に運ばれるような気持ちになるんです。ただ、たいていは相手がそうなるんですけどね(ニヤリ)」
──日本に来るのは初めてですか?
サントス はい、初めてです。
──RIZINの印象を教えてください。
サントス 自分にとってRIZINは世界最高の大会だと思います。
──これまでの大会もご覧になっているんですか?
サントス もちろん今まで全部観てきましたし、まさか自分が出場できるとは思っていませんでした。夢が叶いましたね。
──対戦相手のアミール選手はどんな印象をお持ちですか?
サントス とても攻撃的な選手で、自分のスタイルによく似ていますね。だから、素晴らしい試合になると思っていますし、もしかしたら今大会で一番いい試合になるかもしれないですね。
──得意なスタイルを教えていただけますか?
サントス 自分はKOにこだわっているので、試合はKOで片付けるようにしています。観客がそれを求めているし、私は毎回観客のためにそれをやっているんです。ただ、常に悩んでいることなんですけど、リングに上ったら、自分か相手が病院に運ばれるような気持ちになるんです。ただ、たいていは相手がそうなるんですけどね(ニヤリ)。
──しっかし、凄い筋肉ですね。
サントス フフ。自分は13歳の時にトレーニングを始めたんですけど、元々自分の家族もみんな背が高くてガッチリしていたので遺伝子だと思いますね。13歳から本格的なトレーニングを始めて、バーのボディーガードのアルバイトをやっている時に、「試合出てみないか?」と声がかかって、自分の体格とMMAを一緒にしたらいい感じになるんじゃないかと思って今に至りますね。自分の入場の時にサプライズを用意してますので、ご期待ください(笑)。
──MMAで好きな選手はいますか?
サントス たくさんの選手を尊敬していますけど、2人上げるとしたらヒョードル選手とUFCのジョン・ジョーンズ選手ですかね。その2人は尊敬しています。MMAの選手として対戦相手をリスペクトする必要があると思うんですけど、ヒョードル選手はいつもそうしているし、私はそんな彼をリスペクトし、参考にしています。
──アミール選手はレスリングの実績がありますけど、彼のタックルやテイクダウン技術に対応できる自信はありますか?
サントス 私は彼の動きを分析しましたし、一生懸命練習してきましたし、あらゆるシチェーションの準備ができているので、万全だと思っています。正直に言いますと、本格的な試合を行いたいと思いますし、観客もそれを求めていますし、フランクな試合になってほしいと思います。
──体重はどれぐらいあるんですか?
サントス 150キロだったんですけど、20キロ落として130キロです。
──落とした理由は?
サントス スピードを上げるためですね。
──ベンチプレスでどれぐらい挙げられるんですか?
サントス 220キロです。
──初めて日本で闘うことになりましたけど、どういった印象ですか?
サントス 自分はPRIDE時代から日本のMMAをずっと観てきましたが、まさかこの場で試合に出られるとは想像していませんでした。日本の皆さんに凄く感謝しております。一言言わせてください。今回初めての試合ですけど、私はずっと日本で試合をしたいと思っています。アミール選手はとても優れた選手でアグレッシブで、いい対戦相手だと思いますが、彼より歳上で経験豊富ですから、それを見せたつけたいですね。私は彼より実績のある選手と闘ってきました。私は経験豊富ですし、自分の力を見せたい。今回ブラジルのチームにも感謝したいと思います。そしてこの日本でいい成績を残したいと思っています。
──RIZINの中でグランプリに出る夢はありますか?
サントス もちろんあります。今回の試合でいい結果を残して次につなげたいですね。いつかGPに出るのが夢ですね。
──今回大会以外での日本の印象は?
サントス 昔から日本について興味がありましたし、文化も好きですし、映画を見ていつか行きたいと思っていました。今日本に来て夢がかなった感じですね。日本が本当に好きです。
──ブラジルで試合を観るファン、そして日曜日に横浜に来るファンにメッセージをお願いします。
サントス どうぞご期待ください。私はロシアでもチャンピオンになりましたし、日本でもチャンピオンになりたいです。日曜日の試合は勝ちたいと思うので応援よろしくお願いします。
元谷友貴
「自分のレベルがわかるというか、世界でどのレベルにいるのかわかる闘いだと思います」
──コンディションはどうですか?
元谷 凄く調子いいです。
──いつもにもまして調子いい感じですか?
元谷 そうですね。ケガもないですし、順調です。
──改めて堀口選手との注目度の高い試合が組まれましたけど、元谷選手にとってどういう意味がありますか?
元谷 自分のレベルがわかるというか、世界でどのレベルにいるのかわかる闘いだと思います。
──今回改めて研究とかされました?
元谷 そうですね。堀口選手の試合はUFCの試合は毎日観てました。
──対戦するということになってからどういう選手に見えました? また、攻略のイメージは湧きましたか?
元谷 イメージはできてます。まあ、本当に打撃でもいけたらいこうと思っていますし、寝技でもどこでも勝てるように練習してきました。
──堀口選手は打撃が上手な選手じゃないですか? それでも打撃でもいけると。
元谷 はい、自信を持って。
──相当注目度の高い試合になると老いますけど、この試合の先の目標はありますか?
元谷 この試合に勝って、トーナメントがあったら優勝したいですね。
──フライ級のトーナメントに。
元谷 はい。
──その先は? UFCとか考えてますか?
元谷 それはどうかなあ(笑 )。
──日本でやって証明したいと。
元谷 はい。もし僕が勝てばRIZINが世界でトップのフライ級ということになると思うので。
──毎日観ていたというのは?
元谷 5〜6試合をDVDで焼いてくれたので車で流しているっていう感じですね。ジムの行き帰りに。
──常に観てイメージを。
元谷 そうですね。クセとかを研究してました。
──今までも試合に臨む時は映像流したりしてたんですか?
元谷 はい。結構相手の試合は観ますね。
──最近の堀口選手はテイクダウンの対応とかが進化していると思うんですけど、その変化は感じました?
元谷 そうですね。あと組みが強くて、タックルも積極的にっていう感じで、本当に総合の選手という感じでバランスのいい選手だなと。
──逆に観ていて、自分の予想としてはどれぐらいいけそうかなっていう
元谷 自分は勝つと思っています。
──競り合いになりそうですか?
元谷 競り合いになっても競って負けたことはないと思うんで、競っても全然大丈夫です。
──やはりこの試合の注目度は違います?
元谷 相手が相手なんで皆さん注目してくれるっていうか。
才賀紀左衛門
「ポテンシャルというか身体能力は伊藤選手より僕のほうが高いと思うので、極められたら極めちゃおうかなと」
──コンディションはどうですか?
才賀 まあまあボチボチ。
──今までの試合前と変わらない感じですか?
才賀 そうですね。
──調整できていると。
才賀 そうですね。
──第1試合っていうのはどうですか?
才賀 まあ、第1試合は結構好きなんで楽しみやし。
──1試合目はテンション上がりますか?
才賀 上がりますね。僕はうれしい。大会のスターターなんで。
──やりやすさがあります?
才賀 そうですね。僕は1試合目は好きなほうなんでテンションが上がります。
──伊藤選手にはどういった印象をお持ちですか?
才賀 強いですよね。まあ、強いですけど、どうなんですかね? 所さんみたいな感じじゃないですか? 今所さんとやったら勝てるっていう自信があるんで問題ないかなと思います。
──いいイメージができていると。
才賀 はい。
──研究はしてるんですか?
才賀 そんなにしてないですね。映像観たほうがいいかな? 観てみようかな?(笑)。でも、所さんみたいな感じで足関来たりとか、そういう仕掛けてくる寝技なんだろうなと。そんな感じですね。
──Twiterとかではイケメン対決と言われてますけど、それは意識してますか?
才賀 まあ、伊藤選手は可愛らしい顔してますよね(笑 )。俺は格闘家にイケメンはおらんと思っているので。俺はヒカルド・アローナ、あいつはカッコいいなと思っていますけどね。だいたいイケメンっていうか、イケメン風じゃないですか? 俺の友達はみんな俺よりカッコいいっすよ。
──でも、そこも注目されているので。
才賀 そうですね。気合いはバッチリです。
──寝技で仕掛けてくるのは想定済みという感じなんですか?
才賀 僕に対しては全員寝技で来ると思うので、今の総合格闘家は。なんで、僕が倒すか、向こうが極めてくるかですよね。僕も総合の練習をしっかりしてるので、ある程度極めの練習もしているっちゃしてるんで。ポテンシャルというか身体能力は伊藤選手より僕のほうが高いと思うので、極められたら極めちゃおうかなと。まあ、相手はチャンピオンで僕はチャレンジャーなので全力で向かっていって勝ちたいと思います。