[RIZIN MMAルール:
1R10分 / 2R5分 / インターバル60秒(70.3kg契約 / 肘あり)]
(Win)北岡悟 vs. ダロン・クルックシャンク(Lose)
1R 8分19秒 フロントチョーク
肘ありルールのスペシャルワンマッチ。
1R、北岡の右ミドルからスタート。クルックシャンクが右ハイを当てるがプレッシャーをかけていく北岡が左右のフックを決めていく。しかしクルックシャンクの右ミドル、右ハイがヒットすると北岡は鼻から出血。さらにバックブローでぐらつく北岡だが、ここはすぐに立ち上がる。クルックシャンクの猛攻が始まる。右フック、ボディへの右ストレート、右ハイ。さらに右フックが顎にヒットし、ぐらつく北岡。
終盤、ローキックを出し始めるクルックシャンクに北岡が削られ始めるが、北岡も初の両足タックルでテイクダウンに成功。そしてがぶりから必殺のフロントチョーク!これががっちりと極まりクルックシャンクはタップアウト。顔面血まみれの北岡が打たれ強さ、そして極めの強さを発揮して劇的な勝利を収めた。
マイクを持った北岡は「ご来場ありがとうございます! テレビ映るよね! 来てくれたお客さん、ありがとう! RIZIN、ありがとう! 総合格闘技を見続けてくれてありがとう! 明日からまた生きるぞ!」とアピールした。肘ありルールのスペシャルワンマッチ。
北岡悟のコメント
──試合の感想をお願いします。
北岡 疲れました。
──見事勝利したんですけども、どうですか?
北岡 そうですね……疲れましたね(笑)。結構ボロボロです。死闘になると予想していて、そのとおりでしたね。格闘技を見る目だけはあります。やる才能より予想したり見る目のほうがあるんじゃないかと思います。
──きっちり魅せられましたね。
北岡 そうですね、結果的に喜んでもらえたみたいな気がします。
──ダロン選手の印象はいかがでしたか?
北岡 強かったです。わかってました。でも、僕も強かったんだなとは思いました。構えというか、僕のプレッシャーが効いて、最初の構えが変わったのがわかったので、やってきたことは否定されてないという気持ちはあります。通用したというか、通用した部分があったというか。勝ったことよりそっちのほうがうれしいと思います。勝ったほうがうれしいんだけど、そのニュアンスは通じないと思うので、やめておきましょう。
──プランはあったんですか?
北岡 作戦はなかったんですよ。全部で勝負というか。自分がジムを3月から始めてまして、ロッキー川村とDJ taikiに習っている打撃の技術を自分で混ぜてっていうことだったんで、今までやってきたこととミックスするという。結果的になんですけどね。それができてしまいました。
──ケガは大丈夫ですか?
北岡 手がたぶん折れていると思います。親指の中手骨ってやつですか? たぶん右フックですね。最後は結果的にテイクダウンして勝ったんですけど、ぶん殴って勝ってやろうと思いました。正直、途中で弱い気持ちも出てきそうだったんですけど、とりあえずやりきろうという感じでやっていて。ただ、相手が疲れているのもわかったんですよね。空振ったり、ビッグヒットを狙っているのと、僕のプレッシャーも効いていたし、思っていたのと違っていたんじゃないですか? なんとも言えないですけどね。結果論だし。事前のインタビューでは甘く見てんのかなと思いましたけど、実際にはわからないです。
──RIZINの印象は?
北岡 僕がやった試合の印象しかないですけど、わかんないですけど、僕は僕の仕事をやれたのかなっていう。最後にマイクで言いましたけど、ありがとうという気持ちはありました。勝ったら言おうと思っていました。いろんな舞台があることは選手としては幸せなことなので、いろんな力があっての出来上がってるものだと思うので、そこでまた試合ができてうれしいし、ありがたいなと思ったので、ありがとうと言いました。
──先程言われていたこの10年間総合格闘技を見てきた人たちへの思いを教えていただければ。
北岡 そうですね。PRIDEがあろうがなかろうが、なくなったあとですよね。変わらず格闘技が好きで見に来てくれた人、戦極、DREAMがあって、それがなくなったあとも変わらずディファや後楽園に見に来てくれた人が今日も来てくれているはずなので。どっちかって言うと離れて帰ってきた人よりもそっちのほうが俺にとって上客だから、そっちに感謝のウェイトはあるよっていう意思表示をしただけです。まあ、わかってますよ。帰ってきた人たちのほうが人数は多いし、ビジネスとしてのパイになるのはわかっているんですけど、そういうんじゃないんで僕。
──今日は打撃で不利な状態から逆転勝ちでした。試合の後半で逆転勝ちというのが最近の試合では珍しい展開で新たなところに到達した感覚はありますか?
北岡 まあ、たまたまだと思うんですけどね。もう負けるんじゃないかなと思っていました、途中で。不思議な感覚ですね。僕、逆転勝ちはあんまりなくて。
──試合の中で新たなものが出てきたという気持ちは?
北岡 試合の中じゃなくて、準備の段階でやっぱり川村とDJのおかげだなと思いますね。あとは青木真也にさんざんしばかれてがんばっているんで。練習つけてくれた人のおかげだと思っています。それはわかっています。
──今後もRIZINに出たいという気持ちはありますか?
北岡 そうですね。オファーいただけて、タイミング合えばということになるんじゃないですかね? もちろんプロなのでこういう舞台に出られるのは幸せなことなので。ただ、DEEPで防衛戦やりたいし、パンクラスのベルトを狙っていきたいなという気持ちもあります。
──マイクアピールの最後の「明日また生きるぞ!」っていう言葉を今のファンは知らない人もいると思うんですけど、どういう気持ちで言ったんですか?
北岡 ここで言うとカッコいいなと思って。たぶんこの言葉は僕の言葉です。
──鼻のほうも治療されているようですけど、どうなんですか?
北岡 裂傷で切れていて、縫わないといけないと思います。たぶん折れてないと思うんですけど、鼻は折れていても大丈夫なんで。手がブルーですね。どうしようかなと。日常生活もできないし、練習もできないのがブルーですね。練習したいのにできないのはどうしようっていう気持ちはあります。
──ダロン選手もかなり強かった、手強い相手だったと思うんです。ダロン選手は背が高いからリーチを考えると不利なところがあると思うんですけど、勝利してどうですか?
北岡 凄い強かったです。わかっていたことです。過去最強クラスの相手と闘うぐらいの覚悟をしていましたし、リーチに関しては僕よりリーチがない人はなかなかいないので全然平気だったんですけど、今日は僕の日だったっていう感じですね。
ダロン・クルックシャンクのコメント
──試合の感想をお願いします。
クルックシャンク 結果としては言うまでもなくハッピーというわけではなかったんですけど、アクションもありましたし、ファンの人に喜んでもらえる試合運びができたと思います。出来る限り力を尽くした結果でした。
──北岡選手の印象を教えてください。
クルックシャンク ちょっとマナーに欠けているなという印象を受けています。真の格闘家としての嗜み、試合への入り方はいかがなものかと思いました。ちょっとベタベタするものを身にまとっていましたし、試合前にコーナーで水をかけていたので、そういうところはいかがなものかと思いました。たとえば試合の後にちゃんと握手もしませんでしたし、ダーティーファイターという印象を受けましたね。格闘家として尊敬し合うというものがないという印象です。
──不満が残る敗戦だったということですか?
クルックシャンク 言ってみれば勝つほうが好きですけど、自分の試合運びもそうそう悪くないと思ったんです。ただ、リングの下に一度出た時に、従来のルールだったらリングの真ん中で再開するはずなんですけど、そうではなかったことによって、自分の試合運びが下り坂になってしまいました。そういうところが若干納得がいかないというか、くすぶっていますね。
──北岡選手はあれだけ殴られて倒れなかったんですけど、焦られたりしましたか?
クルックシャンク 女の子みたいな猫パンチなので大丈夫です。(女性記者に向かって)あなたのほうがパンチは強いんじゃないですか?
──試合の中でサッカーボールキックを受けている時にちょっと止めたようなことがありましたが、なぜですか?
クルックシャンク 北岡選手が好きな寝技にアタックしてきて、倒されてカカトを狙われるような体勢を避けたかったので続けませんでした。