2015年12月29日 SARABAの宴 メインイベント スペシャルワンマッチ
1R
青木はゴングからすぐに小走りで向かって組み付き、すると桜庭は引き込んだかに思えるほどスムーズに倒れる。
青木はサイドポジションからマウントポジションへ移行しコツコツとパンチと鉄槌を強打で振り下ろす。桜庭も返そうとするのだが、青木は返させず、マウントを維持してパンチを続行する。
桜庭は何とか背を向け亀の体勢となるが、青木はやはり逃がさず、桜庭を再びマウントポジションに誘導する。
青木はなおも逃がすことなく、バック・マウントと桜庭をコントロールし続け、強打を続行。桜庭はタップしなかったものの逃れることができず、桜庭のコーナーからタオルが舞い決着となった。
青木のマイク
「桜庭さん、本当にありがとうございました。まだ僕、桜庭さんの代わりになれないです。だからまだ桜庭さんの試合が見たいので、引退しないでください。またグラップリングよろしくお願いします。おい社長、俺、このリングでまだやることあるの分かってるよな。このリングで来年、青木vs五味やらなきゃダメだよな。押忍」
青木真也試合後インタビュー
―まずは、率直な試合の感想を。
試合をする前はすごく怖くて、昨日も桜庭和志の映像を見てたんですけど、やっぱり10年前、15年前のコンディションのいいときの動きを僕自身意識してやってましたし、リングに上がるまでは全盛期の桜庭だと思って対面しました。試合になればあの内容だったんですけど、やっぱり桜庭さんはまだ楽しんでいるな、と。止めていいだろ、止めろよって思ってたんですけど、「まだだよ」って言うし。気持ちが生きてるんですよね。
―「まだだよ」っていうのは、桜庭選手は口頭で言ったのですか。
口頭でも言ってたし、僕自身、相手のコーナーに止めろよ、タオル投げろよって言ったんだけど。日本(格闘技)復活とか言ってるけど、また人を潰して盛り上げんのかって、そういう気持ちですよね。潰して盛り上げようとしてるんだよ。気持ちがいい仕事じゃないですよね。正直、嬉しくないです。
―一番強い桜庭和志を意識していた、と。
でも、今日対峙した桜庭和志はやっぱり全盛期の桜庭和志じゃなかったし、すごく寂しさはありますね。これが現実なんですよ。でも、もうちょっと形あるだろう。あそこまでやらせる必要あるのかよ、ってつくづく思いますよね。誰も気持ちよくない。コンテンツとしては素晴らしいかもしれないけど。切なかったですよね。
―「これで引退しないでほしい」と言っていましたが。
だって、これ負けたらみんな引退しろって言うじゃないですか。今日試合をして格闘技が好きな気持ちは伝わってきたので。まだまだレベル落としてもグラップリングでも動いてほしいなという気持ちはありますね。やる、やめるを人の声で決断してほしくないなと思って。自分で決めて欲しいなって。これで最後だという煽りみたいなのはやめてほしいと思っていました。
―五味戦をやりたいと。
それしかないだろうって。ノスタルジーというか、10年前の格闘技を考えたときにこういうことやるしかないだろうっていう。最初のプランニングでそれも挙がってただろうし。俺はやる覚悟はあるよ、ということですね。みんな見たいだろうし。