このコーナーでは、RIZIN出場選手や関係者の方々に、今まで観た試合・参戦した試合でいちばんの転機となったものを一つ選び、それにまつわるエピソードを語っていただきます。

—元谷友貴
年末のRIZINで、チョ・ナムジンと対戦することが決定した元谷友貴。彼が転機となった試合に選んだのは、2012年7月22日に自身が参戦したDEEPの初代フライ級王者決定トーナメント決勝戦、木部亮との一戦だ。結果は1ラウンドわずか18秒でTKO勝利。22歳の若さで王者に輝いた。

「この試合をした頃は、まだ格闘技を始めて長くなかったんですけど、試合前は『この一戦にかける』という思いがありました。試合は、自分の蹴りが当たって終わりました。そこで勝ったことによって、格闘技でしっかりやっていこうという気持ちがさらに強くなりました。格闘家として、大きな転機になった試合だと思っています」

—RENA
年末のRIZINでMMAデビューすることが決まったシュートボクシングのRENA。イタリア人格闘家イリアーナ・ヴァレンティーノとの美女対決に注目が集まっている。そんなRENAが転機となった試合に選んだのは、2011年11月23日に行われた自身の試合、RISE 85 ~RISE HEAVY WEIGHT TOURNAMENT2011~初代RISE QUEEN決定戦。女子キックのトップスターである神村エリカとの対戦である。結果は3-0でRENAの判定勝ちとなった。

「私はそれまで負けがあったりして絶対勝てないと言われていたんです。でも、この試合で勝ってから今のところ負けナシなので、特に印象に残っています。実は、その試合で格闘技をやめようと思っていたんです。そこから復活できたのはライバルの存在がいたから。あの試合がなければ今の自分はいなかったし、RIZINでのMMA挑戦もなかったと思います。格闘家としての可能性を広げてくれた試合でした」

—長島☆自演乙☆雄一郎
年末、アンディ・サワーとMMAルールでの対戦が決定した長島☆自演乙☆雄一郎。「入場とコスプレに注目してほしい」と語っているが、「大晦日の止まった時計の針を自分が再び動かす」と試合内容にも自信をのぞかせる。そんな長島が転機の一戦として選んだのは、2005年9月25日に行われた五味隆典vs川尻達也戦。PRIDEライト級トーナメント一回戦だ。結果は1ラウンド7分42秒、チョークスリーパーで五味が勝ち、彼はその年の大晦日にライト級王者に輝いた。

「五味さんのインパクトのある試合を見て、自分もそういう試合ができるファイターになりたいと思いました。きっちり勝つというよりも、大衆を動かす選手。そういうところに僕も動かされたので、自分もそうなりたいと思いました。だから、僕がプロとしてこだわるのは、KO勝ちかKO負け。自分にとっていいか悪いかよりも、会場が湧くことのほうが大事なんです」