このコーナーでは、RIZIN出場選手や関係者の方々に、今まで観た試合・参戦した試合でいちばんの転機となったものを一つ選び、それにまつわるエピソードを語っていただきます。
—山本アーセン
レスリングでオリンピック出場を目指している山本アーセンが、年末RIZINの舞台でついにMMAデビューを果たす。アーセンの叔父は、HERO’S初代王者の山本KID徳郁。当時9歳だったアーセンは同大会の決勝戦でともに入場し、目の前で叔父がチャンピオンになる瞬間を見た。アーセンが転機となった試合に選んだのは、そんな誇らしい叔父の直近の試合。2015年2月28日のUFC184、ローマン・サラザール戦だ。
「目に指が入ってしまってノーコンテストになってしまったんですけど、動きとかフェイントとか世界一だなと思いました。俺もこの動きができたらいいなって。そこから自分の動きも変えてみたり、レスリングでもステップの入れ方をちょっと変えてみたりするようになりました。叔父は打撃がいいと言われるけど、打撃だけじゃなくて寝技もすごい。尊敬しています」
—山本郁榮
孫の山本アーセンが年末のRIZINでついに総合格闘家としてデビューを果たす。かつて息子の山本KID徳郁も、大晦日の格闘技イベントの常連ファイターだった。もっとも印象に残っているのも、もちろん大晦日の試合。K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!! の魔裟斗戦、K-1ルールでの一戦だ。
「私はリングサイドで見ていたんですけど、相手からダウンもとったし、試合内容では圧倒的に勝っていると思っていました。でも、結果は2-1で判定負け。名前で負けたということです。徳郁も私も、判定になったらどんな試合内容でも負ける、KOしなければ勝てないとわかって挑んだ試合だった。プロの世界というのはそういうものですから。負けた試合ですけど、非常に印象に残った試合ですね」